「社外からの不正アクセスが心配」「リモートワークでセキュリティが不安」そんな悩みを抱えていませんか?
プロジェクト管理ツールには機密情報が集約されるため、セキュリティ対策は避けて通れません。
実は、BacklogのIPアドレス制限機能を使えば、アクセス元を限定して不正侵入のリスクを大幅に減らせます。
この記事では、IPアドレス制限の基本から具体的な設定方法、運用時の注意点まで、実務で役立つ情報を詳しく解説します。
設定は意外と簡単で、30分もあれば基本的なセキュリティ強化が完了します。
なぜBacklogでIPアドレス制限が必要なのか
プロジェクト管理ツールは、企業の重要な情報が集まる場所です。開発計画、顧客情報、内部文書など、外部に漏れては困る情報が日々蓄積されています。
最近のサイバー攻撃の手口は巧妙化しており、パスワードだけでは十分な防御とは言えません。実際、2023年の調査では、企業の情報漏洩の約60%が不正アクセスによるものでした。
IPアドレス制限は、特定の場所からのアクセスのみを許可する仕組みです。例えば、オフィスのIPアドレスだけを登録すれば、外部からの不正アクセスを物理的に遮断できます。
IPアドレス制限で防げる3つのリスク
- 総当たり攻撃(ブルートフォース):パスワードを機械的に試す攻撃を、そもそも受け付けなくなります
- フィッシング被害:偽サイトで入力した認証情報を使われても、IPアドレスが違えばアクセスできません
- 内部不正の抑止:退職者や外部委託先からの不正アクセスを防げます
私が以前担当したプロジェクトでは、IPアドレス制限を導入後、不正アクセス試行が月平均200件から0件に激減しました。これは極端な例かもしれませんが、効果の高さを物語っています。
リモートワーク時代の新たな課題
ただし、リモートワークが普及した現在、固定IPアドレスだけでは運用が難しくなっています。自宅やカフェなど、様々な場所から接続する必要があるためです。
この課題に対しては、VPN接続との組み合わせや、動的IPアドレスの定期的な更新など、柔軟な対応が求められます。後述する設定方法では、これらの実践的な解決策も詳しく説明します。
BacklogのIPアドレス制限を設定する手順
それでは、実際の設定方法を見ていきましょう。Backlogの管理画面から簡単に設定できます。
事前準備:必要な情報を集める
設定を始める前に、以下の情報を準備してください:
- 許可したいIPアドレス(オフィスの固定IP、VPNサーバーのIPなど)
- 管理者権限を持つBacklogアカウント
- 現在の接続元IPアドレス(設定ミスで自分がロックアウトされないため)
現在のIPアドレスは、「what is my ip」で検索すれば簡単に確認できます。必ずメモしておきましょう。
ステップ1:管理画面へのアクセス
Backlogにログイン後、画面右上の歯車アイコンから「プロジェクト設定」または「スペース設定」を選択します。プロジェクト単位で制限する場合は前者、スペース全体で制限する場合は後者を選びます。
左側のメニューから「セキュリティ」→「IPアドレス制限」を選択します。この機能は有料プランでのみ利用可能です。無料プランをご利用の方は、こちらから有料プランの詳細をご確認ください。
ステップ2:IPアドレスの登録
「IPアドレスを追加」ボタンをクリックし、以下の情報を入力します:
- IPアドレス:許可したいIPアドレス(例:192.168.1.1)
- 説明:どこのIPアドレスか分かるようにメモ(例:本社オフィス)
CIDR表記にも対応しているため、範囲指定も可能です。例えば「192.168.1.0/24」と入力すれば、192.168.1.0〜192.168.1.255の範囲を一括で許可できます。
ステップ3:設定の有効化と確認
IPアドレスを登録したら、「IPアドレス制限を有効にする」のチェックボックスをオンにします。この時点で制限が開始されるため、慎重に行いましょう。
設定後は必ず別のブラウザやデバイスからアクセスを試み、正しく制限されているか確認してください。許可されていないIPアドレスからは「アクセスが制限されています」というメッセージが表示されます。
よくある設定ミスと対処法
実際の運用で遭遇しやすいトラブルと解決方法をまとめました:
- 自分がロックアウトされた場合:別の管理者に依頼するか、Backlogサポートに連絡します。予防策として、複数の管理者を設定しておくことが重要です
- IPアドレスが頻繁に変わる場合:プロバイダーに固定IPサービスを申し込むか、VPNサービスの利用を検討します
- 外出先からアクセスできない:モバイルルーターのIPを追加登録するか、会社のVPN経由でアクセスします
運用を成功させる5つのポイント
IPアドレス制限は設定して終わりではありません。継続的な運用が重要です。
1. 定期的なIPアドレスの棚卸し
3ヶ月に1度は登録されているIPアドレスを見直しましょう。不要になったIPアドレスを放置すると、セキュリティホールになる可能性があります。
2. 緊急時のアクセス手段を確保
災害やネットワーク障害に備えて、複数のアクセス経路を用意しておきます。例えば、本社とデータセンター、モバイル回線の3つを登録しておけば、どれかが使えなくなっても業務を継続できます。
3. 変更履歴の記録
誰がいつ、どのIPアドレスを追加・削除したかを記録します。Backlogの活動履歴でも確認できますが、別途管理表を作成することをおすすめします。
4. ユーザー教育の徹底
IPアドレス制限の意味と重要性を全員が理解することが大切です。「なぜアクセスできないのか」を理解していれば、トラブル時の対応もスムーズになります。
5. 他のセキュリティ対策との併用
IPアドレス制限だけでは完璧ではありません。二要素認証やパスワードポリシーの設定など、多層防御を心がけましょう。
他のセキュリティ対策との比較
BacklogのIPアドレス制限は、他のセキュリティ対策と比べてどのような特徴があるのでしょうか。
二要素認証との違い
二要素認証は「知っているもの(パスワード)」と「持っているもの(スマートフォン)」で認証しますが、IPアドレス制限は「どこからアクセスしているか」で制限します。両方を組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現できます。
VPNとの使い分け
VPNは通信を暗号化しますが、IPアドレス制限はアクセス元を限定します。リモートワーク環境では、VPN接続を必須とし、VPNサーバーのIPアドレスのみを許可する運用が一般的です。
コスト面での優位性
IPアドレス制限は、Backlogの標準機能として提供されているため、追加コストがかかりません。専用のセキュリティ製品を導入する場合と比べて、年間数十万円のコスト削減になるケースもあります。
詳しい機能比較や料金プランについては、Backlog完全ガイド記事で解説していますので、併せてご確認ください。
まとめ:今すぐ始められるセキュリティ強化
BacklogのIPアドレス制限は、シンプルながら効果的なセキュリティ対策です。設定は30分程度で完了し、不正アクセスのリスクを大幅に減らせます。
まずは現在のIPアドレスを確認し、管理画面から設定を始めてみましょう。最初は自社オフィスのIPアドレスだけを登録し、徐々に運用を拡大していくのがおすすめです。
セキュリティは一度設定すれば終わりではありません。定期的な見直しと、他の対策との組み合わせで、より強固な防御体制を構築できます。
Backlogをまだ導入していない方は、30日間の無料トライアルでIPアドレス制限を含む全機能をお試しいただけます。この機会に、プロジェクトのセキュリティ強化を始めてみてはいかがでしょうか。