「毎日の手作業でデータを転記するのに時間がかかって、本来の業務に集中できない」
「kintoneのデータを他のツールと連携させたいけど、プログラミングはできないし…」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、ノーコードツール「Make」を使えば、プログラミング知識なしでkintoneと他のツールを簡単に連携できるんです。
この記事では、Makeとkintoneを連携させることで、どのように業務を効率化できるのか、具体的な設定方法から実際の活用事例まで詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたも今日から自動化を始められる具体的な方法が身についているはずです。
なぜ今、MakeとkintoneのAPI連携が注目されているのか
日本企業の多くが導入しているkintone。カスタマイズ性の高さと使いやすさで人気のビジネスアプリですが、実は「他のツールとの連携」に課題を感じている企業が少なくありません。
例えば、営業部門では以下のような課題がよく聞かれます:
- kintoneの顧客データをメール配信ツールに手動で転記している
- 承認された案件情報を会計システムに再入力している
- 月次レポート作成のために、複数のアプリからデータを集めている
- Slackでの通知を見逃して、重要な申請の承認が遅れる
これらの作業、1日あたりでは30分程度かもしれません。しかし、月間で考えると約10時間、年間では120時間もの時間を単純作業に費やしていることになります。
さらに深刻なのは、手作業によるミスのリスクです。数字の転記ミスや入力漏れは、後から大きなトラブルに発展する可能性があります。実際、ある製造業の企業では、在庫データの転記ミスが原因で、100万円相当の過剰在庫を抱えてしまったケースもあります。
こうした課題を解決するのが、Makeを使ったAPI連携です。Makeは視覚的なインターフェースで、プログラミング知識なしにkintoneと他のツールを連携できるノーコードプラットフォーム。世界中で50万以上の企業が利用し、業務効率化を実現しています。
特にkintoneとの連携においては、以下のような強みがあります:
- kintone APIの複雑な仕様を意識せずに連携設定ができる
- リアルタイムでのデータ同期が可能
- 条件分岐やエラー処理も視覚的に設定できる
- 1,500以上のアプリと連携可能で、拡張性が高い
Makeでkintoneを連携させる具体的な方法
それでは、実際にMakeを使ってkintoneと他のツールを連携させる方法を、ステップバイステップで解説していきます。今回は、多くの企業で需要の高い「kintoneの顧客データをGoogleスプレッドシートに自動同期する」例を使って説明します。
事前準備:必要なものを揃える
連携を始める前に、以下の準備が必要です:
- kintoneのアカウント(APIトークンの発行権限が必要)
- Makeのアカウント(無料プランから始められます)
- Googleアカウント(スプレッドシート用)
- 連携したいkintoneアプリのアプリID
kintone APIトークンの取得方法:
- kintoneにログインし、連携したいアプリを開く
- アプリの設定画面から「設定」→「カスタマイズ/サービス連携」→「APIトークン」を選択
- 「生成する」をクリックし、必要な権限(レコード閲覧など)にチェック
- 「保存」→「アプリを更新」でAPIトークンが有効になります
ステップ1:Makeでシナリオを作成する
Makeにログイン後、以下の手順でシナリオ(自動化の流れ)を作成します:
- ダッシュボードで「Create a new scenario」をクリック
- 右上の「+」ボタンをクリックして、モジュールを追加
- 検索窓で「kintone」と入力し、kintoneモジュールを選択
- 「Watch Records」(レコードの監視)を選択
ここでポイントとなるのは、トリガーの選択です。「Watch Records」を使うと、kintoneに新しいレコードが追加されたり、既存のレコードが更新されたりした際に、自動的に処理が開始されます。
ステップ2:kintoneの接続設定
kintoneモジュールの設定画面で、以下の情報を入力します:
- Connection:「Add」をクリックして新規接続を作成
- Connection name:わかりやすい名前(例:kintone顧客管理)
- Subdomain:あなたのkintoneサブドメイン(https://○○○.cybozu.comの○○○部分)
- API Token:先ほど取得したAPIトークン
- App ID:連携するアプリのID(アプリのURLに含まれる数字)
設定が完了したら「Save」をクリック。接続テストが自動的に行われ、成功すると緑色のチェックマークが表示されます。
ステップ3:Googleスプレッドシートへの出力設定
次に、kintoneから取得したデータをGoogleスプレッドシートに書き込む設定を行います:
- 「+」ボタンをクリックして、新しいモジュールを追加
- 「Google Sheets」を検索して選択
- 「Add a Row」(行を追加)を選択
- Googleアカウントと連携(初回のみ)
- 書き込み先のスプレッドシートとシートを選択
ここで重要なのは、フィールドのマッピングです。kintoneのフィールドとスプレッドシートの列を対応させる必要があります。例えば:
- kintoneの「会社名」フィールド → スプレッドシートのA列
- kintoneの「担当者名」フィールド → スプレッドシートのB列
- kintoneの「メールアドレス」フィールド → スプレッドシートのC列
Makeの優れている点は、このマッピングが視覚的にドラッグ&ドロップで設定できることです。プログラミングの知識は一切必要ありません。
ステップ4:エラー処理とテスト実行
実際の運用では、様々なエラーが発生する可能性があります。Makeでは、エラーハンドリングも簡単に設定できます:
- モジュール間の接続線を右クリック
- 「Add error handler」を選択
- エラー時の処理(メール通知、ログ記録など)を設定
設定が完了したら、必ずテスト実行を行いましょう。画面下部の「Run once」ボタンをクリックすると、シナリオが1回だけ実行されます。各モジュールの実行結果が表示されるので、データが正しく処理されているか確認してください。
実践的な活用例:営業日報の自動集計
基本的な連携ができたら、より実践的な活用に挑戦してみましょう。例えば、営業チームでよくある「日報データの自動集計」を実現する方法を紹介します。
シナリオの構成:
- kintone(日報アプリ):毎日17時に当日の日報データを取得
- データ処理:訪問件数、商談数、受注金額を集計
- Google Sheets:集計結果を月次レポート用シートに記録
- Slack:集計結果をチームチャンネルに投稿
このシナリオのポイントは、Makeの「Aggregator」モジュールを使ったデータ集計です。kintoneから取得した複数のレコードを、営業担当者ごとに集計し、見やすい形式でSlackに投稿できます。
実際にこの仕組みを導入したIT企業では、毎日30分かかっていた日報集計作業が完全に自動化され、マネージャーは数値の分析と戦略立案により多くの時間を使えるようになりました。
よくある失敗とその対処法
Makeとkintoneの連携を始める際、以下のような失敗がよく見られます:
1. APIトークンの権限不足
症状:「Permission denied」エラーが発生する
対処法:kintoneのAPIトークン設定で、必要な権限(レコード閲覧、レコード追加など)が付与されているか確認
2. フィールドコードの間違い
症状:データが正しく取得できない、空白になる
対処法:kintoneのフォーム設定でフィールドコードを確認し、大文字小文字も含めて正確に入力
3. レート制限への対処不足
症状:大量データ処理時にエラーが発生
対処法:Makeの「Sleep」モジュールを使って処理間隔を調整(kintone APIは1分間に100リクエストまで)
4. タイムゾーンの設定ミス
症状:スケジュール実行が想定と異なる時間に動作
対処法:Makeのアカウント設定でタイムゾーンを「Asia/Tokyo」に設定
他の連携方法との比較:なぜMakeがおすすめなのか
kintoneと他のツールを連携させる方法は、Make以外にもいくつか存在します。それぞれの特徴を比較してみましょう。
プログラミングによる直接連携
メリット:
- 完全にカスタマイズ可能
- 複雑な処理も実装できる
- ランニングコストが低い
デメリット:
- プログラミングスキルが必須
- 開発に時間がかかる(通常2週間〜1ヶ月)
- メンテナンスが必要(APIの仕様変更への対応など)
- エラー処理やログ機能を自前で実装する必要がある
Zapierなど他のノーコードツール
メリット:
- プログラミング不要
- 多くのアプリと連携可能
デメリット:
- 日本語サポートが限定的
- kintoneとの連携が不安定な場合がある
- 料金が高め(Makeと比較して約2倍)
kintone標準のWebhook機能
メリット:
- 追加費用なし
- シンプルな連携には十分
デメリット:
- 受信側の開発が必要
- エラー処理が難しい
- 複雑な条件分岐ができない
これらと比較して、Makeは以下の点で優れています:
- コストパフォーマンス:無料プランでも月1,000回の処理が可能。有料プランも他社より安価
- 視覚的な操作性:フローチャート形式で直感的に理解できる
- 豊富なテンプレート:kintone連携のテンプレートが用意されており、すぐに始められる
- 強力なデータ処理機能:JSONの解析、テキスト処理、計算など、プログラミングレベルの処理が可能
- 信頼性:エラー時の自動リトライ、詳細なログ機能で安定運用が可能
特に、中小企業やIT専任者がいない組織にとって、Makeは最適な選択肢と言えるでしょう。Make完全ガイド記事では、より詳しい機能説明や料金プランの比較も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:今すぐ始められるMake×kintone連携
ここまで、Makeとkintoneを連携させることで実現できる業務効率化について、具体的な設定方法から活用事例まで詳しく解説してきました。
重要なポイントをまとめると:
- プログラミング知識なしで、kintoneと1,500以上のツールを連携できる
- 月1,000回までの処理なら無料で利用可能
- 視覚的なインターフェースで、誰でも自動化フローを作成できる
- エラー処理やスケジュール実行など、実用的な機能が充実
- 導入企業では平均して月20時間以上の業務時間削減を実現
まずは小さな自動化から始めてみましょう。例えば、「kintoneの新規レコードをSlackに通知する」といったシンプルな連携でも、日々の業務には大きな改善をもたらします。
次のステップとして、以下の行動をおすすめします:
- Makeの無料アカウントを作成して、実際に触ってみる
- 自社のkintoneアプリを確認し、自動化したい業務を1つ選ぶ
- この記事の手順に従って、最初の連携を設定する
- 成功したら、チームメンバーと共有し、他の業務への展開を検討する
業務の自動化は、一度設定すれば24時間365日働き続ける「デジタル社員」を雇うようなもの。今日から始めれば、1年後には膨大な時間を本来の価値創造活動に使えるようになっているはずです。
さらに詳しいMakeの使い方や、他のツールとの連携方法については、Make完全ガイド記事もご覧ください。あなたのビジネスに最適な自動化ソリューションがきっと見つかります。