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Makeの「Tools」モジュールを使いこなす!変数・スリープ・四則演算の応用

Makeで自動化シナリオを作成していて、「もっと複雑な処理をしたいけど、どうすればいいかわからない」と悩んでいませんか?

実は、多くのMakeユーザーが見落としがちな「Tools」モジュールこそ、シナリオの可能性を大きく広げる重要な機能なのです。

この記事では、Toolsモジュールの中でも特に重要な「変数の設定」「スリープ」「四則演算」の3つの機能について、実践的な使い方から応用テクニックまで詳しく解説します。

読み終わる頃には、あなたもToolsモジュールを使いこなし、より効率的で高度な自動化シナリオを構築できるようになっているでしょう。

なぜToolsモジュールの習得が重要なのか

Makeで基本的なシナリオは作れるようになったけれど、いざ実務で使おうとすると「こんなことできないかな?」という壁にぶつかることがよくあります。例えば、複数のAPIから取得したデータを計算して処理したい、処理の間に待機時間を設けたい、条件に応じて変数を使い分けたいなど、実際のビジネスシーンでは単純な連携だけでは対応できないケースが多いのです。

私自身、Makeを使い始めた当初は、基本的なモジュールの連携だけで満足していました。しかし、クライアントから「在庫数と販売数から在庫回転率を自動計算してレポートを作成したい」という要望を受けたとき、Toolsモジュールの重要性に気づきました。単純にデータを取得して転送するだけでは、このような計算処理は実現できなかったのです。

Toolsモジュールは、Makeのシナリオに「プログラミング的な柔軟性」を加える重要な機能群です。変数を使ってデータを一時保存したり、計算処理を行ったり、処理のタイミングを制御したりすることで、より実践的で複雑な自動化が可能になります。

特に、以下のような場面でToolsモジュールは威力を発揮します:

  • 複数のデータソースから取得した値を組み合わせて処理したい
  • APIのレート制限を回避するために処理間隔を調整したい
  • 売上データや在庫データなどの数値計算を自動化したい
  • 条件分岐で使用する値を事前に準備しておきたい

Toolsモジュールの3大機能を完全マスター

1. 変数の設定(Set Variable)- データの一時保存と再利用

変数の設定機能は、シナリオ内でデータを一時的に保存し、後続のモジュールで再利用できるようにする機能です。プログラミングでいう「変数」と同じ概念で、値を名前をつけて保存しておけます。

基本的な使い方:

1. Toolsモジュールから「Set variable」を選択

2. Variable nameに任意の名前を設定(例:customerEmail、totalAmount)

3. Variable valueに保存したい値を設定

実践例:複数のAPIからデータを取得して組み合わせる

例えば、顧客情報APIと注文情報APIから別々にデータを取得し、それらを組み合わせてメールを送信する場合:

  • 顧客情報APIから取得した「顧客名」を変数「customerName」に保存
  • 注文情報APIから取得した「注文金額」を変数「orderAmount」に保存
  • メール送信モジュールで両方の変数を使用してパーソナライズされたメールを作成

応用テクニック:

変数は単純な値だけでなく、複雑なオブジェクトや配列も保存できます。JSONデータをそのまま変数に格納し、必要な部分だけを後で取り出すことも可能です。

2. スリープ(Sleep)- 処理の待機時間を設定

スリープ機能は、シナリオの実行を一時的に停止させる機能です。APIのレート制限対応や、処理の順序制御に欠かせません。

基本的な使い方:

1. Toolsモジュールから「Sleep」を選択

2. Delayに待機時間を秒単位で設定(1〜300秒の範囲)

実践例:APIレート制限への対応

多くの外部APIには、1分間あたりのリクエスト数に制限があります。例えば、100件のデータを処理する際に、10件ごとに5秒の待機時間を設けることで、レート制限を回避できます:

  • Iteratorで100件のデータを処理
  • 10件処理するごとにSleepモジュールで5秒待機
  • これにより、1分間のリクエスト数を調整

注意点:

Makeの無料プランでは実行時間に制限があるため、過度なスリープ設定は避けましょう。必要最小限の待機時間を設定することが重要です。

3. 基本演算(Basic Math)- 数値計算の自動化

基本演算機能では、加減乗除などの数値計算を行えます。売上計算、在庫管理、統計処理など、ビジネスで必要な計算処理を自動化できます。

利用可能な演算子:

  • 加算(+)
  • 減算(-)
  • 乗算(*)
  • 除算(/)
  • 剰余(%)

実践例:在庫回転率の自動計算

在庫管理システムから取得したデータを使って、在庫回転率を自動計算する場合:

1. 年間売上高を変数「annualSales」に保存

2. 平均在庫金額を変数「averageInventory」に保存

3. Basic Mathモジュールで「annualSales / averageInventory」を計算

4. 計算結果をGoogleスプレッドシートに記録

応用例:複数の計算を組み合わせた売上分析

月次売上データから前月比、前年同月比、移動平均などを自動計算し、レポートを作成することも可能です。複数のBasic Mathモジュールを連携させることで、複雑な計算処理も実現できます。

他の方法との比較検証

Toolsモジュールを使わずに同様の処理を実現する方法もありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

外部サービスとの比較

Google Apps Scriptを使う場合:

  • メリット:より複雑なプログラミング処理が可能
  • デメリット:コーディングスキルが必要、Makeとの連携が複雑

Zapierの同様機能との比較:

  • メリット:UIがシンプル
  • デメリット:Makeの方が細かい制御が可能、料金面でもMakeが有利

結論として、Makeのシナリオ内で完結させたい処理については、Toolsモジュールを使用するのが最も効率的です。外部サービスとの連携によるタイムラグやエラーリスクを避けられ、処理速度も向上します。

特に、以下のような方にはToolsモジュールの活用をおすすめします:

  • プログラミング経験がなく、ノーコードで処理を完結させたい方
  • 処理速度とコスト効率を重視する方
  • シナリオの管理を一元化したい方

今すぐ始められる次のステップ

Toolsモジュールの基本を理解したら、まずは簡単なシナリオから始めてみましょう。例えば、2つのデータソースから値を取得して計算するシンプルなシナリオを作成することから始めるのがおすすめです。

慣れてきたら、より複雑な処理にチャレンジしてください。変数、スリープ、計算を組み合わせることで、実務で使える高度な自動化シナリオが構築できるようになります。

Makeの基本的な使い方についてもっと詳しく知りたい方は、Make完全ガイド記事も参考にしてください。基礎から応用まで、体系的に学ぶことができます。

まだMakeを使ったことがない方は、こちらから無料で始められます。Toolsモジュールの威力を、ぜひ実際に体験してみてください。