本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年8月22日に作成されました。
Google Workspaceをお使いの皆さん、日々の業務で、こんな「日程調整」の煩わしさに、うんざりした経験はありませんか。
「来週、30分ほどお時間いただけますでしょうか。候補日時をいくつかお送りします。」
→「すみません、いただいた日時はすべて埋まっておりまして…」
こんなメールの往復を、何度も何度も繰り返す。
特に、社外のパートナーやお客様など、お互いのカレンダーが見えない相手との日程調整は、時間と精神力を大きく消耗する、非生産的な作業の代表格でした。
この長年の課題を解決するため、Googleカレンダーには、自分の空き時間を共有できる「予約スケジュール(appointment schedules)」機能が用意されています。しかし、「設定が少し難しそう」「まだ使ったことがない」という方も、実は多かったのではないでしょうか。
この度、そんなすべての人々のために、Googleカレンダーが、あなたのための「予約ページ」を、なんと「自動」で作成してくれるという、まさに革命的なアップデートを発表しました。
今回は、面倒な日程調整のやり取りを完全に過去のものにする、この驚くほど簡単で、パワフルな新機能について、詳しく解説していきます。
これまでの課題:便利だけど、少しハードルが高かった「予約スケジュール」
今回のアップデートの凄さを理解するために、まずはこれまでの「予約スケジュール」機能について、簡単におさらいしましょう。
これは、あなたが「予約を受け付けたい時間帯」(例:平日の13時〜17時の間の30分枠)をあらかじめ設定しておくと、その情報が反映された専用のWebページ(予約ページ)が作成される、という機能です。
あなたはこのページのURLを相手に送るだけ。相手は、あなたのリアルタイムの空き状況(他の予定が入っている時間は自動で除外される)を見ながら、都合の良い時間を選んで、クリックするだけで、予約を完了できます。
非常に便利な機能ですが、利用するには、ユーザー自身が「予約スケジュールを作成する」という、一手間をかける必要がありました。
新機能の核心:「あなた専用の予約ページ」が、何もしなくても用意されている!
今回のアップデートは、この最初の一手間を、完全に不要にします。
「まだ予約スケジュールを設定したことがない」すべてのユーザーのGoogleカレンダーに、AIがあなたの設定を読み取り、「事前設定済みの予約ページ(pre-configured booking page)」が、自動的に作成されるようになったのです。
どこに表示されるのか?
GoogleカレンダーをWebで開くと、画面左側のサイドバー(ミニカレンダーの下あたり)に、「予約ページ」という新しい項目が、まるで最初からそこにあったかのように表示されています。これが、あなたの新しい「日程調整の魔法の扉」です。
どんな設定になっているのか?
この自動作成された予約ページは、あなたがGoogleカレンダーで設定している「勤務時間(working hours)」に基づいて、賢く初期設定されています。例えば、勤務時間を「平日9時〜18時」と設定していれば、その時間帯が、予約可能な時間として自動で反映されます。
もちろん、あなたのカレンダーに既に入っている他の予定は、自動的に予約不可の時間として扱われるため、ダブルブッキングの心配は一切ありません。
もう、面倒な設定は不要です。Googleカレンダーを開いたその瞬間から、あなたは、自分だけのスマートな予約ページを、すでに手にしているのです。
3ステップで完了!驚くほど簡単な使い方
この新しい予約ページを使って、他の人との日程調整を完了させるまでのステップは、驚くほど簡単です。
リンクをコピーする:
カレンダーのサイドバーに表示されている「予約ページ」の横にある、「リンクをコピー」ボタンをクリックするだけ。リンクを相手に送る:
コピーしたリンクを、メールやチャットで相手に送ります。「こちらのページから、ご都合の良い時間をお選びください」と一言添えるだけでOKです。相手が予約すれば、自動でカレンダーに登録:
相手がページ上で時間を選択すると、あなたのカレンダーに、その予定が自動的に追加されます。もちろん、相手にも招待メールが届きます。
たったこれだけです。メールでの煩雑なやり取りは、完全に過去のものになります。このシンプルさは、特に、社外の顧客やパートナーとのアポイント調整において、絶大な効果を発揮します。相手にスマートでプロフェッショナルな印象を与え、ビジネスを円滑に進めるための、強力な武器となるでしょう。
複数の予約ページを管理するヘビーユーザーにも朗報!
すでに複数の予約スケジュール(例:「30分のオンライン面談用」「1時間のコンサルティング用」など)を使いこなしているヘビーユーザーにとっても、嬉しい改善が行われています。
サイドバーでの一覧表示:
これまで作成したすべての予約ページが、カレンダーのサイドバーに一覧で表示されるようになりました。これにより、目的の予約ページのリンクを、より素早く見つけて共有できます。この改善は、Web版だけでなく、モバイル版のカレンダーアプリにも適用されます。カレンダー上での表示/非表示の切り替え:
予約可能な時間帯は、カレンダーのグリッド上に、薄い色の帯(スケジュールレール)として表示されます。複数の予約スケジュールを作成していると、この帯がカレンダーを埋め尽くしてしまい、見づらくなることがありました。
新しい設定では、予約ページごとに、この帯をカレンダー上に「表示」するか「非表示」にするかを、簡単に切り替えられるようになりました。これにより、カレンダーの見た目を常にスッキリと保ち、自分の予定をより見やすく管理できます。
利用する上で知っておきたいこと
編集はWeb版で:
予約ページのリンク共有や、表示/非表示の切り替えは、Web版とモバイル版の両方で可能ですが、予約スケジュールの内容(予約可能な時間帯、予約枠の長さなど)を新規作成・編集・削除する作業は、これまで通りWeb版でのみ可能です。勤務時間の変更は手動で反映:
もし、後からGoogleカレンダーの「勤務時間」の設定を変更した場合、その変更は、既存の予約スケジュールの設定には自動で反映されません。予約可能な時間帯も変更したい場合は、手動で予約スケジュールを編集する必要がありますので、ご注意ください。
まとめ
Googleカレンダーに新たに搭載された「事前設定済みの予約ページ」。これは、すべての人々の「日程調整」という、普遍的で、しかし非効率なタスクを、根底から変革する、まさに革命的なアップデートです。
特別な設定は一切不要。
カレンダーを開けば、そこにはもう、あなた専用のスマートな予約ページが用意されている。
この「何もしなくても、すでに便利になっている」という体験は、Google Workspaceが目指す、ユーザーの生産性をインテリジェントに支援する、という思想を象徴しています。
まだ予約スケジュール機能を使ったことがないという方も、ぜひ一度、あなたのカレンダーのサイドバーを確認してみてください。そこに表示されている「予約ページ」こそが、あなたを未来のスマートな働き方へと導く、新しい扉です。もう、日程調整のメールの往復に、貴重な時間を費やすのはやめにしましょう。