本記事はGoogle Workspace updatesブログ( https://workspace.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年9月30日に作成されました。
Google Workspaceをお使いの皆さん、こんにちは。
日々のコラボレーションを加速させる「Google Chat」。
そして、そのChatの能力を、無限に拡張する「Chatアプリ」。
投票、タスク管理、ITサポート、そして、生成AIとの対話。
これらのアプリは、Chatを、単なるメッセージングツールから、業務を遂行するための、強力な「ワークスペース」へと、進化させてくれます。
しかし、その一方で、Chatアプリを開発する、先進的なデベロッパーや、それを利用するユーザーは、ある「表現力の限界」に、直面していました。
「複数の製品情報を、カードで表示したいけど、縦に長くなりすぎて、見栄えが悪いし、使いにくい…」
「AIが生成した、このMarkdown形式のテキストを、Chatで、きれいに表示させたい。でも、いちいちHTMLに変換するのは、あまりにも面倒だ…」
「手順を説明したいのに、番号付きのリストが使えない。ソースコードを、きれいに表示させる方法もない…」
このように、これまでのChatアプリの「カード」という表現形式は、情報を、よりリッチに、より構造化して、ユーザーに届けたい、という、高度なニーズに、十分に応えきれていませんでした。
この、長年の「表現力の壁」が、ついに、取り払われます。
この度、ChatアプリのUIを、根底から変革し、その表現力を、新たな次元へと引き上げる、3つの、極めて重要な新機能が、開発者向けに、リリースされました。
今回は、あなたのChatアプリを、もっと魅力的で、もっとユーザーフレンドリーにする、この革命的なアップデートについて、その全貌を、詳しく解説していきます。
新機能1:情報を、横にスワイプ!待望の「カルーセルウィジェット」
まず、ご紹介するのは、ChatアプリのUIデザインに、全く新しい「奥行き」をもたらす、「カルーセルウィジェット」の導入です。
これまでの課題
複数の情報を、一つのカードで表示しようとすると、どうしても、カードが縦に、どんどん長くなってしまいました。これは、ユーザーにとって、スクロールの手間が増え、情報の全体像を、把握しにくい、という、大きな問題でした。
何が可能になるのか?
「カルーセルウィジェット」を使えば、複数のカードを、縦に並べるのではなく、「横に並べて、スワイプで切り替えられる」UIを、実現できます。
まるで、スマートフォンのホーム画面や、ECサイトの商品リストのように、ユーザーは、限られたスペースの中で、より多くの情報を、直感的で、楽しい操作感で、閲覧することができるようになります。
なぜ、これが重要なのか?
この機能は、複雑な情報を、コンパクトに、そして整理された形で、提示する必要がある、あらゆるユースケースで、絶大な効果を発揮します。
活用例:製品カタログボット
ユーザーが「最新のノートPCを教えて」と質問すると、複数の製品の、写真、スペック、価格が、それぞれ独立したカードとして、カルーセルで表示される。ユーザーは、左右にスワイプしながら、製品を比較検討できます。活用例:データ可視化ボット
「先月の売上トップ3を教えて」と尋ねると、各製品ごとの、売上グラフや、詳細データが、カルーセルで表示される。活用例:アンケート・投票ボット
複数の選択肢を、それぞれ、画像付きのカードとして、カルーセルで提示。より視覚的で、エンゲージングな、投票体験を提供します。
このカルーセルウィジェットは、あなたのChatアプリの、ユーザー体験を、よりプロフェッショナルで、洗練されたものへと、一気に引き上げてくれる、強力な武器となるでしょう。
新機能2:AIとの親和性、抜群!「Markdown」の、フルサポート
次にご紹介するのは、特に、生成AIを活用した、Chatアプリを開発している、すべてのデベロッパーにとって、まさに「待望」のアップデートです。
これまでの課題
ChatGPTやGeminiといった、多くのLLM(大規模言語モデル)は、その出力として、# 見出し や – 箇条書き といった、「Markdown」という、シンプルな記法を、標準的に用います。
しかし、これまでのChatアプリのカードで、このMarkdownを表示するには、開発者は、AIの出力を、一度、<h1>見出し</h1> や <ul><li>箇条書き</li></ul> といった、煩雑な「HTML」形式に、プログラムで、変換し直す必要がありました。
この変換処理は、開発者にとって、大きな手間であり、バグの原因ともなっていました。
何が可能になるのか?
今回のアップデートにより、開発者は、もはや、この面倒な変換作業を、一切、行う必要がなくなります。
AIが生成した、Markdown形式のテキストを、そのまま、まるごと、Chatに渡すだけで、Chatが、その内容を、自動で解釈し、見出しは大きく、箇条書きはリスト形式で、といったように、適切にレンダリング(描画)してくれるようになったのです。
なぜ、これが革命的なのか?
この変更は、AIエージェントの開発プロセスを、劇的に、簡素化・高速化します。
開発者は、もはや、表現形式の「変換」という、本質的でない作業に、頭を悩ませる必要はありません。AIとの、より高度な対話ロジックの構築や、ユーザー体験の向上といった、より創造的で、付加価値の高い作業に、その能力を、集中させることができるようになります。
新機能3:情報の「構造化」を、完璧に。「リスト」と「コードブロック」
最後にご紹介するのは、Markdownサポートの恩恵を、さらに具体的に、そして強力にする、2つの新しいテキストフォーマットの追加です。
1. リスト(番号付き、箇条書き、ネスト)
何が可能になるのか?
1. ステップ1 2. ステップ2 といった、「番号付きリスト」や、・項目A ・項目B といった、「箇条書きリスト」が、カード内で、美しく表示できるようになります。さらに、リストを入れ子(ネスト)にして、より複雑な階層構造を、表現することも可能です。なぜ、これが重要なのか?
手順書、チェックリスト、議題リストなど、構造化された情報を、ユーザーに、明確に、そして分かりやすく伝える、という、最も基本的な、しかし最も重要なユースケースが、ついに、解放されます。
2. コードブロック
何が可能になるのか?
プログラミングのソースコードなどを、シンタックスハイライト(構文の強調表示)付きの、専用の「コードブロック」として、カード内に、美しく埋め込むことができるようになります。なぜ、これが重要なのか?
これは、特に、IT部門向けの、ヘルプデスクボットや、開発者向けの、支援ツールを、開発している場合に、絶大な効果を発揮します。「このエラーを解決するには、こちらのサンプルコードを、試してみてください」といった、具体的なプログラミングの例を、極めて、読みやすく、そしてコピーしやすい形で、ユーザーに、提示することができます。
まとめ
今回ご紹介した、Google Chat アプリの、3つの、表現力強化アップデート。
カルーセルウィジェットで、UIを、よりダイナミックに。
Markdownサポートで、AI連携開発を、よりシンプルに。
リストとコードブロックで、情報の伝達を、よりクリアに。
これらは、Chatアプリ開発の「常識」を、根底から変える、まさに、パラダイムシフトです。
これまで、表現力の限界によって、諦めていた、あのアイデア、このアイデア。
今こそ、それを、実現する時です。
Google WorkspaceのChatアプリ開発に携わる、すべてのデベロッパーの皆様。
ぜひ、この新しい「キャンバス」と「絵の具」を手に入れて、あなたの創造力を、最大限に、発揮してください。
そして、ユーザーの皆様は、これから、さらにリッチで、さらに便利になっていく、Chatアプリの世界に、どうぞ、ご期待ください。