本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年11月20日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
プレゼンテーション資料の作成中に「ここにぴったりの図解があれば…」と悩んだり、動画に使う素材が見つからなくて困ったりしたことはありませんか。
AIによる画像生成は便利ですが、ビジネスで使えるクオリティや、思い通りのテキストを含んだ画像を作るのは、これまでは少し難しいことでした。
そんな悩みを一気に解決するかもしれない、Googleの最新鋭画像生成モデルがついに登場しました。
その名も「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」。
ちょっとユニークな名前ですが、その実力は本物です。
2025年11月20日より、この「Nano Banana Pro」がGoogle Workspaceの主要アプリ(Slides、Vids、Geminiアプリ、NotebookLM)に順次展開されます。
圧倒的な表現力と、文字情報の正確な描写能力を兼ね備えたこの新モデルは、私たちのクリエイティブワークをどのように変えるのでしょうか。
各アプリでの新機能と活用法を詳しく解説していきます。
何が変わるのか?「Nano Banana Pro」の実力
「Nano Banana Pro」は、Googleが誇る最新の画像生成・編集モデルです。
従来モデルとの最大の違いは、その「精細さ」と「テキスト描写能力」、そして「文脈理解力」にあります。
Google検索の膨大な知識ベースと連携しているため、実在する物体や場所をリアルに描写できるだけでなく、ユーザーの指示(プロンプト)に含まれる細かいニュアンスまで汲み取って画像に反映させることができます。
各アプリでの活用シーン
この強力なエンジンが、Google Workspaceの各アプリにどのような革新をもたらすのか見ていきましょう。
Googleスライドには、プレゼン資料作成を強力にサポートする2つの機能が追加・強化されます。
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インフォグラフィック生成(Help me visualize):
「2025年のマーケティング戦略ロードマップ」や「プロジェクトの進行フローチャート」など、複雑な情報を視覚的に伝えるインフォグラフィックを、テキストの指示だけで生成できるようになります。プロのデザイナーに依頼したようなクオリティの図解が、スライド上で瞬時に完成します。 -
スライドの美化(Beautify this slide):
これが今回の目玉機能の一つです。既存のスライドの内容(テキストや箇条書き)を読み取り、ワンクリックでデザインされた美しいビジュアルスライドに変換してくれます。
例えば、文字ばかりで見にくいスライドも、内容を要約した図解と適切なレイアウトで、洗練されたスライドに生まれ変わります。生成されたビジュアルは、そのまま新しいスライドとして挿入可能です。
AIノートブック「NotebookLM」も、Nano Banana Proの力で進化します。
アップロードした資料(PDFやドキュメント)の重要なインサイトを抽出し、それを高品質なインフォグラフィックとして可視化できるようになります。
複雑なデータや関係性を一枚の絵にまとめることで、情報の理解と共有が格段にスムーズになります。さらに、ソース資料から完全なスライドデッキを作成し、PDFとして共有することも可能です。
動画作成ツール「Google Vids」では、より精密な画像生成と編集が可能になります。
新しい「マルチターン・プロンプティング(対話型指示)」に対応しており、「このキャラクターの表情をもっと明るく」「背景をオフィスからカフェに変えて」といったように、AIと対話しながら画像を微修正していくことができます。動画のシーンに完璧にマッチする、カスタムメイドの素材を作成できます。
Geminiアプリ(旧Bard)でも、Nano Banana Proを利用できます。
モデルのドロップダウンメニューから「Create images(画像生成)」と「Thinking(思考)」を選択することで、この最新モデルにアクセスできます。
クリエイティブなアイデア出しや、コンセプトアートの作成など、あらゆるビジュアル制作のパートナーとして活躍します。
今ならお得に試せる!期間限定のプロモーション
今回のリリースに伴い、Google Workspaceのお客様には特別なプロモーションが用意されています。
少なくとも60日間は、これらのアプリでのNano Banana Proの使用制限(生成回数など)が緩和され、より多く利用できるようになります。
この機会に、最新AIの実力を存分に試し、業務での活用方法を探ってみることを強くお勧めします。
※60日経過後は、ユーザーごとの使用制限が適用される予定です。
いつから使える?展開スケジュールと対象プラン
この新機能は、以下のスケジュールで順次展開されます。
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展開開始日:
即時リリースおよび計画的リリースドメイン共に、2025年11月20日より段階的に展開されます(機能の表示に最大15日かかる場合があります)。 -
利用可能なプラン(アプリにより異なります):
Google Slides, Vids, Geminiアプリ, NotebookLMですべて利用可能:
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Business Standard, Plus
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Enterprise Standard, Plus
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Google AI Pro, AI Ultraなど
GeminiアプリとNotebookLMで利用可能:
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Business Starter
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Enterprise Starter
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Education Fundamentals, Standard, Plus
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Nonprofits
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Frontlineなど、幅広いプランで利用可能です。
Google Vidsで利用可能(期間限定):
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Business Starter
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Enterprise Starter
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Education Plusなど
※これらの一部のプランでは、2026年5月31日までの期間限定でVidsの生成AI機能を利用できます。
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まとめ
「Nano Banana Pro」の登場は、Google Workspaceにおけるクリエイティブ作業のあり方を根本から変えるポテンシャルを秘めています。
デザインセンスや専門スキルがなくても、誰もがプロフェッショナルなスライド、わかりやすい図解、魅力的な動画素材を作れるようになるのです。
特にGoogleスライドの「スライドの美化」機能や、NotebookLMの「資料からの図解生成」は、日々の業務効率を劇的に向上させるでしょう。
まずは一度、この新しいAIの力を体験してみてください。きっと、もう手放せなくなるはずです。