海外との取引が増え、より低コストでスピーディーな国際送金手段を求めている法人経営者や個人事業主の方にとって、WISE Businessは非常に魅力的な選択肢です。
その多機能性や手数料の透明性については、私たちの「WISE Business完全ガイド」でも詳しくご紹介しています。
「WISE Businessのメリットは分かったけど、実際に口座を開設するのは大変なの？」
「どんな書類が必要で、審査にはどれくらい時間がかかるんだろう？」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
WISE Businessの口座開設はすべてオンラインで完結し、比較的スムーズに進められますが、事前に必要書類や審査のプロセスをしっかり把握しておくことで、より迅速かつ確実に手続きを完了させることができます。
この記事では、WISE Businessの口座開設に必要な書類（法人・個人事業主別）、詳しい手順、審査プロセスと期間の目安、そして私が実際に複数の事業用アカウントを開設した経験から得た、スムーズに進めるためのコツや注意点まで、網羅的に解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、万全の準備でWISE Businessアカウント開設に臨んでください。
WISE Business口座開設の前に知っておきたい基本情報
まず、WISE Businessの口座開設を進めるにあたり、基本的な事項を確認しておきましょう。
- 対象者： 日本国内に登記のある法人、または日本国内で事業を行う個人事業主・フリーランスの方が対象です。
- 手続き方法： すべての手続きはオンラインで完結します。来店は一切不要です。
- 口座開設費用： WISE Businessアカウントの開設自体に費用はかかりません（一部、デビットカード発行などで少額の手数料がかかる場合があります）。
- 信頼性： WISE（旧TransferWISE）は、日本では関東財務局により第二種資金移動業者として登録されており、世界各国でも金融当局の認可・監督のもとで運営されている信頼性の高いサービスです。
これらの基本を押さえた上で、具体的な準備に進みましょう。
【法人向け】WISE Business口座開設に必要な書類
法人がWISE Businessアカウントを開設する際に一般的に必要となる書類は以下の通りです。事業内容や規模によって追加書類を求められることもありますので、常に最新の情報をWISE公式サイトでご確認ください。
- 登記簿謄本（履歴事項全部証明書など）： 発行から6ヶ月以内（場合によっては3ヶ月以内）のものが求められます。法人の存在、所在地、代表者などを証明する基本書類です。
- 代表者の本人確認書類： 運転免許証、パスポート（顔写真ページと住所記載ページ）、マイナンバーカード（表面のみ）などが有効です。鮮明なカラーコピーまたは画像データが必要です。
- 実質的支配者（Beneficial Owner）に関する情報と本人確認書類： 議決権の25%超を直接または間接に保有する個人などが該当します。該当者の氏名、生年月日、住所などの情報に加え、本人確認書類の提出が必要となる場合があります。
- 事業内容を証明する書類（求められる場合）：
- 会社のウェブサイトURL
- 会社パンフレット、事業計画書
- 取引先との契約書や請求書のサンプル
- 許認可が必要な事業の場合は、その許認可証の写し
- 法人の住所確認書類（求められる場合）： 公共料金の請求書（発行3ヶ月以内）、社会保険料の領収書などが該当することがあります。
注意点： アップロードする書類はすべて有効期限内であり、文字や顔写真がはっきりと読み取れる鮮明なものである必要があります。不鮮明な場合は再提出となり、審査が遅れる原因となります。
【個人事業主・フリーランス向け】WISE Business口座開設に必要な書類
個人事業主やフリーランスの方がWISE Businessアカウントを開設する場合、法人に比べて必要書類が簡素化される傾向にありますが、事業の実態を証明することが重要です。
- 本人確認書類： 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、代表者本人（申請者本人）のものです。
- 事業活動を証明する書類： 以下のいずれか、または複数が求められることがあります。
- 開業届（税務署の受付印があるもの）の写し
- 直近の確定申告書（第一表および第二表、収受印またはe-Taxの受信通知があるもの）の控え
- 屋号付き銀行口座の取引明細書や通帳のコピー
- 事業用のウェブサイトURL、SNSアカウント（事業用と明示できるもの）
- 取引先への請求書や契約書のサンプル（屋号や氏名、事業内容がわかるもの）
- 事業内容に関する説明： オンラインの申請フォーム内で、どのような事業を行っているかを具体的に記述する必要があります。
ポイント： 個人事業主の場合、公的な事業証明が法人に比べて少ないため、ご自身の事業活動を客観的に示す書類をできるだけ用意することがスムーズな審査につながります。
WISE Business口座開設のステップ解説
必要書類が準備できたら、いよいよオンラインでの申請です。大まかな流れは以下の通りです。
- WISE Business公式サイトへアクセス： 「法人アカウント開設」または「ビジネスアカウントを登録」といったボタンから手続きを開始します。
- 基本情報の入力： メールアドレス、パスワードを設定し、事業を行っている国を選択します。
- 事業形態の選択： 「法人」または「個人事業主/フリーランス」を選択します。
- 事業情報の入力： 画面の指示に従い、法人名（または屋号・氏名）、法人番号（法人の場合）、事業所の住所、事業ウェブサイト（あれば）、主な事業内容などを入力します。
- 代表者・実質的支配者情報の入力： 代表者の個人情報、そして法人の場合は実質的支配者に関する情報を入力します。
- 必要書類のアップロード： 事前に準備した書類の画像データをアップロードします。スマートフォンで撮影した鮮明な写真でも可能な場合があります。
- 最終確認と申請： 入力内容とアップロード書類に間違いがないか最終確認し、申請を完了します。
申請後は、WISEからの連絡を待つことになります。
WISE Businessの審査プロセスと期間の目安
申請が完了すると、WISEによる審査が開始されます。
- 審査のポイント： 主に、提出された情報や書類の正確性、事業の実態、そしてマネーロンダリング防止（AML）やテロ資金供与対策（CFT）といった国際的な規制遵守の観点から審査が行われます。
- 審査期間の目安： WISEの公式サイトでは通常「数営業日」と案内されています。私の経験や一般的に見聞きする範囲では、書類に不備がなくスムーズに進めば2～5営業日程度で完了することが多いようです。ただし、事業内容の確認に時間を要する場合や、追加の書類提出が必要になった場合、またWISE側の混雑状況によっては、1週間以上かかることもあります。
- 審査が長引くケース：
- 提出書類の不備（不鮮明、有効期限切れ、必要情報が隠れているなど）
- 事業内容が複雑、またはリスクが高いと判断される業種
- 実質的支配者の情報確認に時間を要する場合
- 申請情報と提出書類の内容に矛盾がある場合
- 審査状況の確認： 審査状況は、WISEからの登録メールアドレス宛の連絡や、WISEのアカウントページ内で確認できる場合があります。
口座開設をスムーズに進めるための実践的なコツと心構え
私自身、これまで複数の法人や個人事業で様々な金融サービスのアカウントを開設してきましたが、その経験からWISE Businessの口座開設をよりスムーズに進めるためのコツをいくつかお伝えします。
1. 書類の準備は「完璧」を目指す：
「とりあえずこれでいいか」という中途半端な書類準備は、結局再提出を求められ時間をロスする最大の原因です。登記簿謄本は3ヶ月以内など鮮度が求められますが、それ以外にも「なぜこの書類が必要とされているのか」というWISE側の意図を少し想像してみると、より適切な書類を選べます。例えば、事業実態を示す書類は、設立間もない法人やウェブサイトを持たない個人事業主だと特に工夫が必要です。私は過去に、まだ実績の少ない事業の証明として、具体的なサービス内容を記載した提案書（もちろん顧客情報はマスキング）や、活動実績がわかるSNSのビジネス用プロフィールのスクリーンショットなどを補足資料として提出し、理解を得られた経験があります。
2. 事業内容の説明は「具体的」かつ「明確」に：
オンライン申請フォームで事業内容を記述する欄がありますが、ここは非常に重要です。第三者が見て「ああ、こういうビジネスをしているのね」と誤解なくスムーズに理解できるよう、専門用語の多用を避け、具体的かつ分かりやすい言葉で説明しましょう。特に新しい分野のビジネスや、オンライン中心の無形サービスの場合は、丁寧な説明が求められます。
3. WISEからの連絡は見逃さず「迅速」に対応：
申請後、WISEから追加情報の提供や書類の再提出を依頼するメールが届くことがあります。これらの連絡には、可能な限り迅速に対応しましょう。迷惑メールフォルダに入ってしまう可能性も考慮し、申請後はこまめにメールチェックをすることをお勧めします。
4. 審査期間は「余裕」をもって計画に織り込む：
金融機関の審査プロセスは、私たち利用者から見るとブラックボックスに感じられることもあります。WISEのようなフィンテック企業は手続きを大幅に効率化していますが、それでもマネーロンダリング対策など国際的な規制を遵守する義務があるため、丁寧な確認作業は不可欠です。私も最初は「早く承認されないかな」と焦る気持ちがありましたが、これらの背景を理解してからは、審査期間はある程度かかるものと割り切り、事業計画にもバッファを持たせるようになりました。安全なサービスを維持するためには必要なステップだと捉え、落ち着いて待ちましょう。
5. 不明点は「正直」に問い合わせる：
書類の準備や入力内容で不明な点があれば、自己判断せずにWISEのヘルプセンターで確認したり、必要であれば問い合わせをしましょう。正確な情報を提供することが、結果的に審査を早めることに繋がります。
口座開設でつまずきやすいポイントと対処法
最後に、口座開設時によくあるつまずきポイントとその対処法をQ&A形式でまとめます。
- Q1. アップロードした書類が不鮮明で再提出になった
- A1. スマートフォンのカメラで撮影する場合、明るい場所で書類全体がはっきり写るようにし、影や光の反射が入らないように注意しましょう。スキャナーアプリを利用するのも有効です。文字が潰れていないか、アップロード前に必ず確認してください。
- Q2. 法人の実質的支配者の特定や書類準備が難しい
- A2. 株主名簿や定款を確認し、議決権の25%超を保有する個人を特定します。該当者が複数いる場合や複雑な資本構成の場合は、WISEのヘルプを参照するか、専門家（税理士や司法書士など）に相談することも検討しましょう。
- Q3. 事業内容の説明がうまくできない
- A3. 「誰に」「何を」「どのように」提供するビジネスなのかを簡潔に整理し、箇条書きなども活用して分かりやすく記述しましょう。第三者に一度読んでもらい、理解できるか確認するのも良い方法です。
- Q4. WISEからの審査結果のメールが届かない
- A4. まずは迷惑メールフォルダを確認してください。それでも見当たらない場合は、WISEのアカウントにログインして通知がないか確認するか、ヘルプセンターを通じて問い合わせてみましょう。
まとめ：万全の準備で、スムーズなWISE Business口座開設を！
WISE Businessの口座開設は、オンラインで完結し、必要書類と手順をしっかり把握して準備すれば、決して難しいものではありません。この記事で解説したポイントを押さえていただくことで、審査がスムーズに進み、より早くWISE Businessの便利な機能を利用開始できるはずです。
低コストで効率的な海外送金、複数通貨のスマートな管理、経費支払いなど、WISE Businessがあなたのビジネスにもたらすメリットは多岐にわたります。まずは、この記事を参考に口座開設の準備を始めてみてはいかがでしょうか。
WISE Businessの口座開設手続きは、WISE Business公式サイトから開始できます。さらなる詳細や、口座開設後の活用方法については、ぜひ私たちの「WISE Business完全ガイド」もご参照ください。あなたのビジネスのグローバル展開を、WISE Businessが力強くサポートしてくれることを願っています。