クラウド会計ソフトの導入を検討する際、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのが「マネーフォワード クラウド会計」と「弥生会計(やよいの青色申告 オンライン/弥生会計 オンラインなど)」。
どちらも人気の高いソフトですが、「結局、自分のビジネスにはどっちが合っているの?」と頭を悩ませている法人経営者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
私自身も、クライアントにアドバイスを求められたり、自身の事業で最適なツールを選定する際に、両者を詳細に比較検討した経験があります。
その経験を踏まえ、この記事では、マネーフォワード クラウド会計と弥生会計シリーズのクラウド版を、料金、機能、操作性、サポートなど7つの重要なポイントから徹底的に比較します。
さらに、「こういう視点で選ぶと後悔しない」という独自の選び方のコツも交えながら、あなたが最適なソフトを選ぶお手伝いをさせていただきます。
この記事を読めば、迷いが晴れ、自信を持ってどちらかのソフト(あるいは両方の無料トライアル)へ一歩踏み出せるはずです。
なお、マネーフォワード クラウド会計の全体像や導入メリット、個人事業主・法人それぞれの具体的な活用方法について、より深く知りたい方は、私たちのメイン記事である「マネーフォワード クラウド会計」徹底ガイド|1ヶ月無料で始める法人・個人事業主向けクラウド経理の決定版をぜひご一読ください。
会計ソフト選びの前提知識として非常に役立ちます。
マネーフォワード クラウド会計 vs 弥生会計:基本コンセプトと思想の違い
具体的な比較に入る前に、両ソフトの基本的なコンセプトや開発思想の違いを理解しておくと、比較ポイントがより明確になります。
- マネーフォワード クラウド会計:「バックオフィス業務全体の効率化」を掲げ、会計だけでなく、請求書、経費精算、給与計算、勤怠管理など、幅広い業務をクラウド上で連携・自動化することを目指しています。モダンなUIと豊富な外部サービス連携、API連携による拡張性の高さが特長で、特に新しいテクノロジーやSaaSツールとの連携を重視するユーザーに適しています。
- 弥生会計(クラウド版):長年にわたる会計ソフト開発の実績と信頼性を背景に、会計業務そのものの堅実な処理と使いやすさを追求しています。デスクトップ版の弥生会計ユーザーがクラウドへ移行しやすい操作感や、会計・税務の専門性に強みがあります。どちらかというと「会計」というコア業務にフォーカスした作りと言えるでしょう。
独自の視点:この根本的な思想の違いが、機能の豊富さやUIデザイン、連携サービスの方向性などに現れています。MFクラウドは「プラットフォーム」としての性格が強く、弥生は「専門ツール」としての安定感が際立つ印象です。
徹底比較!マネーフォワード クラウド会計と弥生会計 7つの重要ポイント(2025年5月現在)
※料金や機能は頻繁に更新されるため、必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。ここでは一般的な傾向と比較ポイントを解説します。
1. 料金プランの柔軟性とコストパフォーマンス
- マネーフォワード クラウド会計:個人事業主向け、法人向けそれぞれに複数のプランがあり、事業規模や必要な機能に応じて細かく選択可能です。無料プラン(機能制限あり)や、1ヶ月の無料トライアル(通常、上位プランの機能が試せる)が用意されています。年払いによる割引もあります。
→ マネーフォワード クラウド会計の料金プラン詳細はこちら - 弥生会計(クラウド版):個人事業主向け(やよいの青色申告 オンラインなど)、法人向け(弥生会計 オンライン)があり、こちらもプランが分かれています。無料プランや初年度無料キャンペーンが提供されることが多いです。
→ やよいの青色申告オンラインの料金プラン詳細はこちら
→ 法人向けの弥生会計オンラインの料金プラン詳細はこちら - 独自の視点:料金体系は両社とも工夫を凝らしていますが、MFクラウドはバックオフィス業務全体をカバーする製品群(請求書、経費、給与など)を同一プラットフォームで利用できるため、複数業務をまとめて効率化したい場合のトータルコストパフォーマンスに優位性がある場合があります。弥生は会計単体でのコストを抑えたい場合に魅力的なプランが見つかることがあります。どちらも無料トライアルがあるので、機能と価格のバランスを実体験で比較するのがベストです。
2. 自動化機能:銀行・カード連携とAI仕訳
- マネーフォワード クラウド会計:業界トップクラスの3,600以上の金融機関・クレジットカード・電子マネー等との連携実績があり、明細取得の自動化が強力です。AIによる勘定科目の自動提案機能も学習能力が高く、使うほど賢くなります。
- 弥生会計(クラウド版):主要な銀行・カードとの連携に対応しており、「スマート取引取込」機能で明細の自動仕訳を行います。AI機能も搭載されています。
- 独自の視点:連携先の豊富さ、特に新しいネット銀行やFintechサービスへの対応スピードでは、MFクラウドに分がある印象です。日々の取引を手入力する手間を極限まで減らしたい、多種多様なサービスを利用しているという方には、MFクラウドの連携力は大きなメリットとなるでしょう。
3. 会計以外の業務効率化機能(請求書・経費精算など)
- マネーフォワード クラウド会計:「MFクラウド請求書」「MFクラウド経費」など、会計とシームレスに連携する周辺業務SaaSが充実。請求書発行から入金消込、経費申請から承認・支払処理まで、一気通貫で効率化できます。
- 弥生会計(クラウド版):弥生シリーズ内にも請求書作成ソフトや経費精算システムがありますが、MFクラウドほど「同一プラットフォームでのシームレスな連携」を前面に出している印象は薄いかもしれません(製品間の連携は可能です)。
- 独自の視点:バックオフィス業務全体を一つのID、一つの操作感で効率化したいというニーズが強いなら、MFクラウドの製品エコシステムは非常に魅力的です。会計データと請求データ、経費データが自動で連携する快適さは、一度体験すると手放せなくなるでしょう。
4. 操作性・UI(ユーザーインターフェース)
- マネーフォワード クラウド会計:モダンで直感的なUIデザインが特長。グラフやダッシュボードも見やすく、簿記初心者でも比較的取り組みやすいと評判です。スマートフォンアプリも機能が充実しています。
- 弥生会計(クラウド版):デスクトップ版の弥生会計に慣れたユーザーには馴染みやすい画面構成。会計ソフトとしての堅実さ、分かりやすさを重視したデザインです。スマホアプリも提供されています。
- 独自の視点:UIの好みは個人差が大きいですが、MFクラウドはクラウドネイティブな設計思想が反映された、洗練されたインターフェースだと感じます。特に若い世代や、普段から様々なSaaSツールを使いこなしている方には、MFクラウドの操作感がフィットしやすいかもしれません。弥生は伝統的な会計ソフトの操作感を踏襲しつつクラウド化したイメージで、安心感を覚える方も多いでしょう。
5. サポート体制
- マネーフォワード クラウド会計:プランに応じて、チャット、メール、電話サポートを提供。FAQやヘルプページ、ユーザーコミュニティも充実しています。
- 弥生会計(クラウド版):こちらもプランにより、チャット、メール、電話サポートがあります。長年の実績から、サポートノウハウは豊富です。
- 独自の視点:サポートの質自体は両社とも高いレベルにありますが、MFクラウドは比較的新しいサービスということもあり、ユーザーコミュニティやオンライン記事など、ユーザー同士で解決策を見つけやすい環境も整いつつある印象です。弥生は電話サポートの安定感に定評があります。
6. 外部サービス連携・APIの拡張性
- マネーフォワード クラウド会計:多数の外部SaaS(販売管理、勤怠管理、CRMなど)とのAPI連携に積極的で、自社システムとの連携開発も可能です。オープンAPI戦略を推進しており、拡張性が高いです。
- 弥生会計(クラウド版):一部外部サービスとの連携はありますが、MFクラウドほど「オープンなAPI連携」を強く打ち出してはいない印象です。
- 独自の視点:将来的に様々な業務システムと会計データを連携させ、経営全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したいと考えている企業や個人事業主にとっては、MFクラウドのAPI戦略と拡張性は大きなアドバンテージになります。
7. 導入実績・ユーザーレビューの傾向
- マネーフォワード クラウド会計:クラウド会計市場で高いシェアを誇り、特にスタートアップや新しいもの好きの層からの支持が厚い傾向があります。「多機能」「連携が便利」「UIが綺麗」といった声が多いです。
- 弥生会計(クラウド版):会計ソフト全体としての実績は圧倒的。デスクトップ版からの移行ユーザーも多く、安定性や信頼性を評価する声が目立ちます。「シンプルで分かりやすい」「会計業務に集中できる」といったレビューが見られます。
- 独自の視点:どちらのソフトも多くのユーザーに利用されていますが、レビューの傾向から、MFクラウドは「業務全体の効率化と革新性」を求める層、弥生は「会計業務の確実性と安定性」を重視する層に、より響いているのかもしれません。
【独自の視点】どんな人にどっちがおすすめ?事業スタイル別・タイプ別診断
上記7つの比較ポイントを踏まえ、あなたの事業スタイルや重視するポイントによって、どちらのソフトがより適しているか、私の視点から提案します。
- ITリテラシーが高く、新しいツールを積極的に活用したい方:
→ マネーフォワード クラウド会計がおすすめです。豊富な連携機能やモダンなUI、APIによる拡張性は、あなたのビジネスの可能性を広げてくれるでしょう。
- 会計業務に特化し、シンプルで安定したソフトを求める方:
→ 弥生会計(クラウド版)が適しているかもしれません。長年の実績に裏打ちされた堅実な機能と安定した操作感が魅力です。
- バックオフィス業務全体(請求・経費・給与など)を効率化したい方:
→ マネーフォワード クラウド会計の製品エコシステムが非常に有効です。シームレスなデータ連携で、業務全体の生産性が向上します。
- デスクトップ版の会計ソフトに慣れており、クラウド移行をスムーズに行いたい方:
→ 弥生会計(クラウド版)は、従来の弥生ユーザーにとって親しみやすい操作感を提供している場合があります。
- スタートアップ企業や、急速な事業拡大を目指す成長志向の強い方:
→ マネーフォワード クラウド会計の拡張性や、バックオフィス全体のDXを見据えた設計思想が、事業成長をサポートします。
- とにかくコストを抑えたい、確定申告だけできれば良いという個人事業主の方:
→ 両ソフトの無料プランや最安プランを比較検討しましょう。弥生の「やよいの白色申告 オンライン」は永年無料で利用できるなど、特定のニーズに特化した選択肢もあります。(※MFクラウドにも一部無料プランがあります)
私の独自の視点として、重要なのは「今の業務」だけでなく「将来の事業展開」も見据えて選ぶことです。「今は個人事業主だけど、数年後には法人化して従業員も雇いたい」といった場合、将来的な拡張性や、法人向けプランへの移行のしやすさも考慮に入れると、より長期的な視点での選択ができます。
最終的な選び方のポイントと無料トライアルの戦略的活用法
結局のところ、どちらのソフトが「絶対的に良い」ということはありません。大切なのは、あなたのビジネスの現状、将来のビジョン、そしてあなたが何を最も重視するかという「判断軸」を明確にすることです。
そして、最も確実な方法は、実際に両方の無料トライアルを試してみることです。カタログスペックだけでは分からない操作感や、あなたの業務との相性を肌で感じることができます。
独自の視点:無料トライアルは単なる「お試し」ではありません。これは「投資対効果の検証期間」であり、「あなたのビジネスに最適なツールを見極めるための戦略的な機会」です。実際に日々の取引を入力してみたり、よく使う機能(請求書発行など)を試したり、サポートに質問してみたりと、積極的に活用しましょう。
マネーフォワード クラウド会計は、多くの場合1ヶ月間の無料トライアルで、上位プランの機能をほぼ全て試すことができます。この機会を逃さず、その実力を体験してみてください。
マネーフォワード クラウド会計
無料トライアルで使い勝手を比較!
まとめ:あなたのビジネスに最適な選択を
マネーフォワード クラウド会計と弥生会計(クラウド版)は、どちらも優れたクラウド会計ソフトであり、多くの経営者や個人事業主の業務効率化に貢献しています。それぞれの特長や強みを理解した上で、ご自身の事業スタイルや価値観に最もフィットするソフトを選ぶことが、何よりも重要です。
この記事が、あなたの会計ソフト選びの一助となれば幸いです。そして、もしマネーフォワード クラウド会計の多機能性や拡張性、バックオフィス業務全体の効率化という点に魅力を感じられたなら、ぜひ無料トライアルでその実力を体験してみてください。
マネーフォワード クラウド会計に関するさらに詳しい情報や、導入事例、具体的な活用ノウハウについては、私たちのメインガイド記事「マネーフォワード クラウド会計」徹底ガイド|1ヶ月無料で始める法人・個人事業主向けクラウド経理の決定版も、ぜひご覧ください。