本記事は、Google Workspace Updatesブログの2025年5月21日付けの記事を参考に、日本のユーザー向けに情報を整理してお届けします。
Google Workspace をご利用中、または導入を検討中の日本のビジネスパーソンおよび一般ユーザーの皆様に朗報です!
本日より、Microsoft SharePoint Onlineに保存されているファイルをGoogle Driveへ直接移行できる機能が、Google Workspace Migrateツールにてオープンベータ版として提供開始されました。
これまで、SharePointからのデータ移行は多くの組織にとって課題の一つでしたが、この新機能により、よりスムーズかつ効率的にGoogle Workspaceへの移行を進めることが可能になります。
何が変わったの?待望のSharePoint Online移行機能
今回のアップデートの最大のポイントは、Google Workspaceの標準移行ツールである「Google Workspace Migrate」が、Microsoft SharePoint Onlineからのファイル移行に正式に対応したことです(オープンベータ版として)。
これにより、管理者は以下のデータをSharePoint OnlineサイトからGoogle Driveへ移行できるようになります。
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ドキュメントライブラリ
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フォルダ
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ファイル
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関連付けられた権限
この機能は、組織がGoogle Workspaceへ迅速かつ容易に移行できるよう支援することを目的としています。「オープンベータ版」とは、特別な申込みなしにどなたでも試用できる段階を指し、より多くのフィードバックを得て正式リリースに向けた改善が行われます。
主な機能と日本のユーザーにとってのメリット
この新しい移行機能は、日本のユーザーや企業にとって多くのメリットをもたらします。
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簡単な移行プロセス:
移行作業は、以下の簡単なステップで開始・完了できます。-
データのコピー元となるSharePoint Onlineアカウントに接続します。
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データをコピーしたいサイトと、コピーしたデータを格納するDriveのフォルダを指定します。
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権限をコピーするユーザーとグループを指定します。
直感的なインターフェースで、専門的な知識がない担当者でも比較的容易に操作を進められるよう設計されています。
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最大100サイトの一括移行:
一度に最大100のSharePoint Onlineサイトから、Google Driveの共有ドライブへデータを移行できます。中規模から大規模な組織でも、効率的に移行作業を進めることが可能です。 -
詳細な進捗レポート:
移行の進捗状況に関する包括的なレポート機能が提供されます。サイト数やファイル数(移行済み/スキップ済み)などが確認でき、エラー調査やトラブルシューティングのために移行レポートをエクスポートすることも可能です。これにより、移行状況を正確に把握し、問題発生時にも迅速に対応できます。 -
差分アップデートに対応:
「差分アップデート(Delta updates)」機能により、最初の大規模移行後にSharePoint Online側で新たに追加されたり更新されたりしたファイルのみを効率的に移行できます。これにより、移行期間中も業務を継続しやすく、最終的な切り替え直前に最新の状態を同期することが可能です。
日本のユーザー・企業にとっての具体的な影響と考慮事項
この新機能は、特に以下のような日本のユーザーや企業にとって大きな意味を持ちます。
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メリット:
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Google Workspaceへの移行促進: これまでMicrosoft製品を中心に利用してきた企業が、Google Workspaceのコラボレーション機能やAI機能を活用したいと考える際、SharePointからのデータ移行が大きな障壁となっていました。本機能により、このハードルが大幅に下がり、Google Workspaceへの移行を具体的に検討しやすくなります。
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情報の一元管理と業務効率化: 複数のストレージサービスを利用している企業にとって、情報をGoogle Driveに集約することで、管理コストの削減や情報アクセスの効率化が期待できます。
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シームレスな権限移行: ファイルだけでなく、関連するアクセス権限も移行できるため、移行後の再設定の手間が軽減され、セキュリティポリシーの維持にも繋がります。
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変更点と考慮事項:
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オープンベータ版であること: 本機能はまだオープンベータ版です。そのため、予期せぬ動作や制限が存在する可能性があります。重要なデータの移行を計画する際は、まず小規模なテスト移行を実施し、動作を十分に検証することをお勧めします。
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事前の計画が重要: どのサイトのどのデータを、Google Driveのどの共有ドライブやフォルダに移行するのか、権限設定をどのようにマッピングするのかなど、事前の計画と設計が移行プロジェクトの成否を分けます。
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ユーザーへの周知とトレーニング: SharePoint OnlineからGoogle Driveへ利用環境が変わるため、エンドユーザーへの十分な周知と、Google Driveの利用方法に関するトレーニングが必要になる場合があります。
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ネットワーク帯域と移行時間: 大量のデータを移行する場合、相応のネットワーク帯域と時間が必要になります。業務時間外や週末など、ネットワーク負荷の低い時間帯に移行作業を計画することを検討しましょう。
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利用開始方法 (特権管理者向け)
この新しい移行ソリューションは、Google Workspaceの特権管理者が管理コンソールからアクセスできます。
管理コンソール > メニュー (☰) > アカウント > データの移行
(※日本語表記の場合。「Import & export > Data Migration」に相当する可能性があります。実際の表示をご確認ください。)
詳細な手順や要件については、Google Workspace管理者ヘルプをご確認ください。
提供開始時期と対象エディション
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ロールアウトペース:
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即時リリースドメインおよび計画的リリースドメイン: 2025年5月22日より段階的に展開 (機能が表示されるまでに最大15日かかる場合があります)。
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対象エディション:
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Google Workspace Business Starter, Standard, Plus
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Google Workspace Enterprise Starter, Standard, Plus
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Google Workspace Education Fundamentals, Standard, Plus, the Teaching and Learning add-on
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Google Workspace Essentials Starter, Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
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Google Workspace Nonprofits
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まとめ
今回のGoogle Workspace Migrateツールのアップデートは、Microsoft SharePoint Onlineを利用している多くの企業にとって、Google Workspaceへの移行やデータ統合を大きく後押しするものです。特に、ファイルサーバーのクラウド化や、より柔軟なコラボレーション環境を求めている企業にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
オープンベータ版という位置づけではありますが、その機能性と利便性は高く評価できます。移行を検討されている企業の管理者の皆様は、ぜひこの機会にテスト導入をご検討いただき、その効果を実感してみてはいかがでしょうか。
今後もGoogle Workspaceの進化にご期待ください。