「複数のプロジェクトを同時進行させているけど、Backlogでの管理がうまくいかない…」
「プロジェクトごとの進捗が把握しづらくて困っている」
「チームメンバーが混乱してしまい、生産性が上がらない」
このような悩みを抱えていませんか?
実は、Backlogは複数プロジェクトの管理に最適なツールですが、その機能を最大限活用できている人は意外と少ないのが現状です。
この記事では、私が実際に10以上のプロジェクトを同時管理してきた経験から、Backlogで複数プロジェクトを効率的に管理するための実践的なコツをお伝えします。
読み終わる頃には、プロジェクト間の情報整理がスムーズになり、チーム全体の生産性向上につながる具体的な方法が身についているはずです。
なぜBacklogでの複数プロジェクト管理が難しいのか
多くの組織では、複数のプロジェクトが同時並行で進行しています。
開発プロジェクト、マーケティングキャンペーン、社内改善活動など、性質の異なるプロジェクトを一元管理する必要性は年々高まっています。
複数プロジェクト管理でよくある課題
私がこれまでコンサルティングしてきた企業では、以下のような課題が頻繁に見られました:
- 情報の散在:プロジェクトごとに異なる命名規則や管理方法を採用してしまい、全体像が見えなくなる
- 優先順位の混乱:どのプロジェクトのどのタスクを優先すべきか判断できない
- リソース配分の非効率:メンバーの稼働状況が把握できず、特定の人に作業が集中してしまう
- コミュニケーションの断絶:プロジェクト間の連携が取れず、重複作業や情報共有漏れが発生
実際、ある製造業の企業では、5つのプロジェクトを別々に管理していたため、同じ顧客向けの作業が重複して行われ、月間で約40時間もの無駄が発生していました。
Backlogの機能を活かしきれていない理由
Backlogには複数プロジェクト管理に適した機能が豊富に搭載されているにも関わらず、多くのユーザーが基本的な課題管理機能しか使っていません。
その主な理由は:
- 初期設定の重要性を理解していない
- プロジェクト間の連携機能を知らない
- カスタマイズ機能の活用方法がわからない
これらの問題を解決することで、Backlogは強力な複数プロジェクト管理ツールに変貌します。
Backlogで複数プロジェクトを効率的に管理する実践テクニック
ここからは、実際に効果を実感できる具体的なテクニックを順を追って説明します。
1. プロジェクト構成の最適化
まず重要なのは、プロジェクトの構成を統一化することです。
プロジェクトキーの命名規則を統一する
例えば、以下のような規則を設定します:
- 開発プロジェクト:DEV-プロジェクト名(例:DEV-WEBAPP)
- マーケティング:MKT-キャンペーン名(例:MKT-SUMMER2024)
- 社内改善:IMP-改善項目(例:IMP-WORKFLOW)
この命名規則により、課題番号を見ただけでどの種類のプロジェクトか即座に判断できます。
カテゴリーとマイルストーンの標準化
全プロジェクトで共通のカテゴリー構造を採用することで、横断的な分析が可能になります:
- 要件定義
- 設計
- 実装/制作
- テスト/レビュー
- リリース/公開
2. ダッシュボードを活用した一元管理
Backlogのダッシュボード機能は、複数プロジェクトの状況を一目で把握するための強力なツールです。
カスタムダッシュボードの作成手順
- ダッシュボードページで「新しいダッシュボードを作成」をクリック
- 「プロジェクト横断」を選択
- 必要なウィジェットを追加(課題一覧、バーンダウンチャート、最近の更新など)
- フィルター条件を設定して、重要な情報のみを表示
私の経験では、以下の3つのダッシュボードを作成すると効果的です:
- 経営層向けダッシュボード:全プロジェクトの進捗率とリスク課題のみを表示
- PM向けダッシュボード:今週の期限課題とメンバーの稼働状況を中心に表示
- メンバー向けダッシュボード:自分の担当課題と関連課題を優先度順に表示
3. 課題の効率的な管理テクニック
親子課題機能の活用
プロジェクトをまたぐ大きなタスクは、親課題として管理し、各プロジェクトの具体的な作業は子課題として紐付けます。
例:新商品リリースプロジェクト
- 親課題:新商品Aのリリース準備
- 子課題1(DEV-WEBAPP):ECサイトへの商品登録機能開発
- 子課題2(MKT-SUMMER2024):リリースキャンペーンページ作成
- 子課題3(IMP-WORKFLOW):受注処理フローの更新
カスタム属性を使った横断的な管理
Backlogのカスタム属性機能を使って、プロジェクト横断的な情報を管理できます:
- 「影響度」属性:高/中/低
- 「顧客名」属性:関連する顧客を記録
- 「予算コード」属性:経理処理用のコード
4. チームコミュニケーションの最適化
プロジェクト横断的な通知設定
重要な更新を見逃さないための通知設定:
- 個人設定から「メール通知」を選択
- 「課題の追加/更新」で「自分が担当者の課題」にチェック
- 「お知らせの追加」で全プロジェクトを選択
定期的なレビュー会議の設定
週次でプロジェクト横断レビューを実施し、以下を確認します:
- 各プロジェクトの進捗状況
- リソースの過不足
- プロジェクト間の依存関係
- 来週の優先事項
5. 実践的な運用ルール
これらのテクニックを効果的に運用するために、以下のルールを設定することをお勧めします:
- 課題作成時の必須項目:担当者、期限日、優先度は必ず設定
- ステータス更新のタイミング:作業開始時と完了時は必ず更新
- コメントの活用:進捗に変化があった際は必ずコメントで状況を共有
他のプロジェクト管理ツールとの比較
Backlogと他の主要なプロジェクト管理ツールを、複数プロジェクト管理の観点から比較してみましょう。
Backlog vs Jira
Backlogの優位性:
- 直感的なUIで、技術者以外でも簡単に使える
- 日本語サポートが充実している
- Git連携がシンプルで設定が容易
Jiraの優位性:
- より高度なワークフローカスタマイズが可能
- 大規模エンタープライズ向けの機能が豊富
Backlog vs Asana
Backlogの優位性:
- 開発プロジェクトに特化した機能(Git連携、バグ管理)
- 課題の階層管理が優れている
- 日本の商習慣に合った機能設計
Asanaの優位性:
- タイムライン表示が視覚的にわかりやすい
- テンプレート機能が充実
結論として、日本企業で技術プロジェクトとビジネスプロジェクトを混在させて管理する場合、Backlogが最も適していると言えるでしょう。
Backlogの詳細な機能比較や導入メリットについては、Backlog完全ガイド記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:今すぐ始められる3つのアクション
Backlogで複数プロジェクトを効率的に管理するためのコツをご紹介してきました。
重要なポイントをまとめると:
- プロジェクト構成を統一化して、情報を整理しやすくする
- ダッシュボードで全体像を把握し、優先順位を明確にする
- 親子課題やカスタム属性を活用して、プロジェクト間の連携を強化する
今すぐ実践できる3つのステップ:
- 現在のプロジェクト構成を見直す:命名規則やカテゴリーを統一する
- ダッシュボードを作成する:まずは自分用のダッシュボードから始める
- チームでルールを共有する:課題作成時の必須項目を決めて周知する
これらの改善により、プロジェクト管理の効率は確実に向上します。
まだBacklogを使っていない方は、30日間の無料トライアルで、これらの機能を実際に試してみることをお勧めします。
複数プロジェクトの管理に悩んでいる方の参考になれば幸いです。