「Backlogのタスク管理は便利だけど、他のツールとの連携が手動で面倒…」
「SlackやGoogleスプレッドシートとBacklogを自動連携させたいけど、プログラミングはできないし…」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、Zapier(ザピアー)というツールを使えば、プログラミング知識ゼロでもBacklogと他のツールを簡単に連携できるんです。
この記事では、私が実際に業務で使っている「本当に役立つ」Backlog×Zapier連携レシピを10個厳選してご紹介します。
設定は最短5分、効果は永続的。
この記事を読み終える頃には、あなたも自動化マスターの仲間入りです。
なぜ今、BacklogとZapierの連携が注目されているのか
プロジェクト管理の現場では、複数のツールを使い分けることが当たり前になっています。Backlogでタスク管理、Slackでコミュニケーション、Googleスプレッドシートで進捗報告…。しかし、これらのツール間でのデータ共有は、多くの場合手動で行われているのが現状です。
例えば、私が以前働いていたWeb制作会社では、こんな非効率な作業が日常茶飯事でした:
- Backlogで課題を作成した後、Slackで「新しいタスクを作りました」と手動で通知
- クライアントからのメールを受け取るたびに、内容をBacklogの課題にコピペ
- 週次の進捗報告のために、Backlogから完了タスクを抽出してExcelに転記
これらの作業、1回あたり5分としても、1日10回で50分。月20営業日なら1000分(約17時間)もの時間を無駄にしている計算になります。年間にすると200時間以上。これは約25営業日、つまり1ヶ月分の労働時間に相当します。
Zapierを使った自動化は、この「見えない時間泥棒」を退治する最強の武器です。一度設定すれば、24時間365日、文句も言わずに働き続けてくれる優秀な秘書のようなもの。しかも、プログラミングスキルは一切不要です。
実際、私がZapierを導入してから、チーム全体の作業効率は約30%向上しました。特に効果が大きかったのは、情報共有のタイムラグがなくなったこと。Backlogで課題が更新されると同時にSlackに通知が飛ぶため、チーム全員がリアルタイムで状況を把握できるようになりました。
BacklogとZapierを連携する前に知っておくべき基礎知識
Zapierとは?5分でわかる基本概念
Zapier(ザピアー)は、異なるWebサービス同士を「つなぐ」自動化ツールです。「もし〇〇が起きたら、△△を実行する」という条件(これを「Zap」と呼びます)を設定するだけで、面倒な繰り返し作業を自動化できます。
例えば:
- 「Gmailに特定の件名のメールが届いたら、Backlogに課題を作成する」
- 「Backlogで課題のステータスが『完了』になったら、Slackの特定チャンネルに通知する」
- 「Googleカレンダーに予定が追加されたら、Backlogにタスクを作成する」
Zapierは5,000以上のアプリケーションに対応しており、Backlogもその一つです。無料プランでも月100タスク(自動実行回数)まで利用可能なので、まずは試してみる価値は十分にあります。
Backlog APIキーの取得方法
ZapierとBacklogを連携するには、BacklogのAPIキーが必要です。取得方法は以下の通り:
- Backlogにログインし、右上のアカウントアイコンから「個人設定」を選択
- 左メニューの「API」をクリック
- 「新しいAPIキーを発行する」ボタンをクリック
- メモ欄に「Zapier連携用」など分かりやすい名前を入力
- 「登録」ボタンをクリックしてAPIキーを発行
発行されたAPIキーは必ずメモしておきましょう。セキュリティ上、一度画面を離れると二度と表示されません。
実践!BacklogとZapierの神連携レシピ10選
レシピ1:Slackの特定チャンネルの投稿をBacklog課題に自動変換
お客様からの要望や不具合報告がSlackに投稿されたとき、それを見逃してしまった経験はありませんか?このレシピを使えば、重要なメッセージを自動的にBacklogの課題として登録できます。
設定手順:
- Zapierで新しいZapを作成
- トリガーに「Slack」の「New Message Posted to Channel」を選択
- 連携したいSlackワークスペースとチャンネルを指定
- アクションに「Backlog」の「Create Issue」を選択
- 課題のタイトルにSlackメッセージの最初の20文字、詳細に全文を設定
活用のコツ:特定のキーワード(例:「要望」「不具合」「至急」)を含むメッセージのみを課題化するフィルターを設定すると、より効率的です。
レシピ2:Googleフォームの回答を即座にBacklog課題に
顧客からの問い合わせフォームや、社内の申請フォームをGoogleフォームで運用している企業は多いでしょう。このレシピを使えば、フォームに回答があった瞬間にBacklogの課題が作成されます。
設定手順:
- Googleフォームの回答をGoogleスプレッドシートに保存する設定にする
- Zapierでトリガーに「Google Sheets」の「New Spreadsheet Row」を選択
- アクションに「Backlog」の「Create Issue」を選択
- フォームの各項目をBacklogの課題フィールドにマッピング
実例:私のチームでは、バグ報告フォームをこの方法で自動化しています。報告者の名前、発生環境、再現手順などが自動的にBacklogの課題として整理されるため、対応スピードが格段に向上しました。
レシピ3:Backlog課題の完了をSlackで自動祝福
タスクを完了したメンバーへの感謝や祝福は、チームのモチベーション向上に欠かせません。このレシピで、課題完了の瞬間に自動でSlackに通知を送りましょう。
設定手順:
- トリガーに「Backlog」の「Updated Issue」を選択
- フィルターで「Status」が「完了」に変更された場合のみに限定
- アクションに「Slack」の「Send Channel Message」を選択
- メッセージに担当者名と課題名を含めた祝福メッセージを設定
カスタマイズ例:「🎉 @{担当者名}さん、『{課題名}』の完了おめでとうございます!素晴らしい仕事でした!」のようなメッセージテンプレートを使うと、チームの雰囲気が明るくなります。
レシピ4:重要メールを自動でBacklog課題化
特定の取引先からのメールや、件名に「至急」が含まれるメールを見逃さないために、自動的にBacklogの課題として登録する仕組みです。
設定手順:
- トリガーに「Gmail」の「New Email Matching Search」を選択
- 検索条件を設定(例:from:important-client@example.com OR subject:至急)
- アクションに「Backlog」の「Create Issue」を選択
- メールの件名を課題名に、本文を詳細に設定
注意点:機密情報を含むメールの場合は、セキュリティポリシーを確認してから設定しましょう。
レシピ5:Trelloカードの移動でBacklogステータスを同期
ビジュアル重視のチームメンバーがTrelloを好む一方、開発チームはBacklogを使いたい…そんな場合に便利な連携です。
設定手順:
- トリガーに「Trello」の「Card Moved to List」を選択
- アクションに「Backlog」の「Update Issue」を選択
- Trelloのリスト名とBacklogのステータスをマッピング
マッピング例:
- Trello「To Do」→ Backlog「未対応」
- Trello「In Progress」→ Backlog「処理中」
- Trello「Done」→ Backlog「完了」
レシピ6:Backlogの期限切れ課題をSlackでリマインド
期限を過ぎた課題の存在を毎朝自動でSlackに通知することで、タスクの抜け漏れを防ぎます。
設定手順:
- Zapierの「Schedule」トリガーを使用(毎朝9時など)
- 「Backlog」の「Find Issue」アクションで期限切れ課題を検索
- 「Slack」で検索結果を整形して投稿
高度な設定:担当者ごとに個別のダイレクトメッセージを送ることも可能です。プライバシーに配慮しながら、確実にリマインドできます。
レシピ7:Googleカレンダーの予定からBacklogマイルストーンを作成
プロジェクトの重要な日程をGoogleカレンダーで管理している場合、それを自動的にBacklogのマイルストーンに反映させることができます。
設定手順:
- トリガーに「Google Calendar」の「New Event」を選択
- 特定のカレンダーまたはキーワードでフィルタリング
- アクションに「Backlog」の「Create Milestone」を選択
- イベント名と日付をマイルストーンに設定
実践例:「リリース予定日」というキーワードを含むカレンダーイベントを自動的にマイルストーンにすることで、チーム全体でスケジュールを共有できます。
レシピ8:Backlog課題のコメントをSlackスレッドに自動投稿
Backlogでの議論をSlackでも可視化することで、情報の透明性を高めます。
設定手順:
- トリガーに「Backlog」の「New Comment」を選択
- アクションに「Slack」の「Send Channel Message」を選択
- 課題のURLとコメント内容を含むメッセージを作成
工夫ポイント:課題の種別や優先度によって、投稿先のSlackチャンネルを変えると、情報の整理がしやすくなります。
レシピ9:週次レポートをBacklogデータから自動生成
毎週の進捗報告に時間を取られていませんか?このレシピで、Backlogのデータを基に自動でレポートを作成できます。
設定手順:
- 「Schedule」トリガーで毎週金曜日17時に設定
- 「Backlog」で今週完了した課題を検索
- 「Google Docs」や「Slack」に整形したレポートを出力
レポート例:
- 今週完了したタスク数:15件
- 来週の予定タスク数:20件
- 遅延中のタスク:3件(詳細リスト付き)
レシピ10:GitHubのPull RequestをBacklog課題に自動リンク
開発チームには特に便利な連携です。GitHubでPull Requestが作成されたら、関連するBacklog課題に自動でコメントを追加します。
設定手順:
- トリガーに「GitHub」の「New Pull Request」を選択
- Pull Requestのタイトルから課題キーを抽出(正規表現を使用)
- アクションに「Backlog」の「Create Comment」を選択
- Pull RequestのURLとステータスをコメントに含める
発展的な使い方:Pull Requestがマージされたら課題のステータスを「レビュー済み」に変更する、といった連携も可能です。
Zapier以外の選択肢との比較
BacklogとZapierの組み合わせは強力ですが、他にも選択肢があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
IFTTT(イフト)
メリット:
- より簡単な設定画面
- 個人利用なら完全無料
- スマートフォンアプリが充実
デメリット:
- Backlogに非対応(2024年1月現在)
- 複雑な条件設定ができない
- ビジネス向け機能が少ない
Microsoft Power Automate
メリット:
- Microsoft 365との深い統合
- 高度な条件分岐が可能
- エンタープライズ向けセキュリティ
デメリット:
- Backlogとの連携は手動設定が必要
- 学習コストが高い
- 料金が比較的高額
Make(旧Integromat)
メリット:
- ビジュアルなワークフロー作成
- エラーハンドリングが優秀
- 無料プランでも1,000オペレーション/月
デメリット:
- インターフェースが複雑
- 日本語ドキュメントが少ない
- Backlog連携は限定的
総合的に見ると、Backlogとの連携を重視するならZapierが最適です。特に、公式サポートがあること、日本語での情報が豊富なこと、設定の簡単さを考慮すると、初心者にも安心しておすすめできます。
まとめ:今すぐ始める自動化への第一歩
この記事で紹介した10個のレシピは、すべて私が実際に使用して効果を実感したものです。最初は「自動化なんて難しそう」と思うかもしれませんが、Zapierを使えば驚くほど簡単に実現できます。
まずは、あなたが毎日繰り返している「面倒だな」と感じる作業を1つ選んでみてください。それがSlackへの通知でも、メールからのタスク作成でも構いません。小さな一歩から始めることが、大きな効率化への道のりです。
Backlogをまだ使っていない方は、無料トライアルから始めてみることをおすすめします。また、Backlogの基本的な使い方や詳細な機能については、Backlog完全ガイド記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
自動化は、単なる時間短縮以上の価値をもたらします。手作業から解放されることで、本当に価値のある創造的な仕事に集中できるようになります。今日から、あなたも自動化の世界へ一歩踏み出してみませんか?