ECサイトを運営していて、日々の売上管理や経理処理に追われていませんか?
複数のプラットフォームで販売していると、それぞれの管理画面から売上データをダウンロードして、手作業で会計ソフトに入力する作業だけで毎月何時間も費やしてしまいます。
そんな悩みを抱えるEC事業者の方に朗報です。
この記事では、マネーフォワードクラウド会計と連携できる5つの主要ECプラットフォームをご紹介し、連携方法から活用のコツまで詳しく解説します。
これらのサービスを活用することで、売上データの自動取り込みが可能になり、経理業務の大幅な効率化が実現できます。
ECサイト運営における経理業務の課題と現状
EC事業が軌道に乗り始めると、真っ先に直面するのが経理業務の煩雑さです。私自身、複数のECプラットフォームを運営していた時期には、月末の経理処理だけで丸2日かかっていました。
特に問題となるのが、各プラットフォームからのデータ形式の違いです。BASEはCSV形式、ShopifyはExcel形式、Amazonは独自のレポート形式と、それぞれ異なるフォーマットで売上データが提供されます。これらを統一した形式に変換し、会計ソフトに入力する作業は、単純作業でありながら非常に時間がかかります。
さらに、手作業による入力ミスのリスクも無視できません。数字の転記ミスや、日付の入力間違いなど、些細なミスが後々大きな問題に発展することもあります。実際、私の知人のEC事業者は、3ヶ月分の売上データの入力ミスに気づかず、決算時に大慌てで修正作業を行ったことがあります。
また、リアルタイムでの売上把握が困難な点も大きな課題です。手作業での入力では、どうしても1週間から1ヶ月程度のタイムラグが生じてしまいます。経営判断に必要な最新の数値が把握できないことは、成長スピードが求められるEC事業においては致命的な弱点となりかねません。
これらの課題を解決するために、多くのEC事業者がマネーフォワードクラウド会計の導入を検討していますが、単に会計ソフトを導入するだけでは不十分です。重要なのは、各ECプラットフォームとの連携機能を最大限に活用することです。
マネーフォワードクラウド会計と連携できるECサービス5選
ここからは、マネーフォワードクラウド会計と連携可能な5つの主要ECサービスについて、それぞれの特徴と連携方法を詳しく解説していきます。
1. BASE(ベイス)- 初心者に優しい無料ECプラットフォーム
BASEは、初期費用・月額費用無料で始められる国内最大級のECプラットフォームです。2023年12月時点で200万ショップを突破し、個人事業主から中小企業まで幅広く利用されています。
連携のメリット:
- 売上データが自動で取り込まれ、仕訳作成まで自動化
- 決済手数料や振込手数料も正確に反映
- 商品別の売上分析が容易に
連携設定の手順:
1. マネーフォワードクラウド会計の「自動で経理」メニューから「連携サービスから入力」を選択
2. 「BASE」を検索し、連携設定画面へ
3. BASEのAPIキーを取得(BASE管理画面の「Apps」→「外部連携」から取得可能)
4. APIキーをマネーフォワードクラウド会計に入力して連携完了
私が実際に連携してみた感想として、設定は15分程度で完了し、その日から売上データの自動取り込みが開始されました。特に便利だったのは、BASEの決済手数料(3.6%+40円)が自動で計算され、正確な売上高と手数料が別々に仕訳されることです。
2. Shopify(ショッピファイ)- グローバル展開に強いECプラットフォーム
Shopifyは、世界175カ国以上で利用される国際的なECプラットフォームです。多言語・多通貨対応が標準装備されており、越境ECを視野に入れている事業者に最適です。
連携のメリット:
- 複数通貨の売上も日本円に自動換算
- Shopify Paymentsの入金データも連携
- 在庫管理データとの連動も可能
連携設定の手順:
1. Shopify管理画面で「設定」→「通知」→「Webhook」を開く
2. マネーフォワードクラウド会計の連携用URLを登録
3. 必要なイベント(注文作成、返金など)を選択
4. マネーフォワードクラウド会計側で連携を承認
Shopifyとの連携で特筆すべきは、海外通貨での売上も自動的に日本円に換算される点です。為替レートは取引日のレートが適用されるため、正確な円建て売上高が把握できます。
3. Amazon出品サービス – 圧倒的な集客力を誇るマーケットプレイス
Amazonは日本のEC市場において圧倒的なシェアを持つマーケットプレイスです。FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用すれば、在庫管理から配送まで一括で委託できます。
連携のメリット:
- 複雑なAmazon手数料体系も自動で仕訳
- FBA関連費用の管理が簡単に
- 返品・返金データも自動反映
連携設定の手順:
1. Amazonセラーセントラルで「レポート」→「フルフィルメント」を選択
2. 「決済レポート」のダウンロード設定を行う
3. マネーフォワードクラウド会計の「CSVアップロード」機能を使用
4. 定期的な自動取り込み設定を行う
Amazon出品サービスの場合、直接的なAPI連携ではなく、CSVファイルを介した連携となりますが、一度設定すれば半自動的にデータ取り込みが可能です。特にFBA手数料や保管料など、複雑な費用体系も正確に仕訳されるのが魅力です。
4. 楽天市場 – 国内最大級のECモール
楽天市場は、楽天ポイントの相乗効果により高い集客力を持つ国内最大級のECモールです。楽天スーパーセールなどの大型イベントでは、通常の数倍の売上が期待できます。
連携のメリット:
- 楽天ポイント付与分も正確に計算
- イベント時の売上急増にも対応
- 店舗運営にかかる各種手数料を自動仕訳
連携設定の手順:
1. RMS(楽天の店舗管理システム)にログイン
2. 「データダウンロード」から売上データの定期配信設定
3. マネーフォワードクラウド会計でCSV取り込み設定
4. 楽天特有の手数料体系に合わせた仕訳ルールを設定
楽天市場との連携で注意すべき点は、楽天ポイントの取り扱いです。ポイント利用分は売上から差し引かれますが、この処理も自動化できるため、煩雑な計算から解放されます。
5. PayPay for Business – キャッシュレス決済の新定番
PayPay for Businessは、実店舗とECサイトの両方で利用できるQRコード決済サービスです。特に実店舗を持つEC事業者にとって、売上管理の一元化に役立ちます。
連携のメリット:
- 実店舗とECの売上を統合管理
- 即時入金データの自動取り込み
- 決済手数料の自動計算
連携設定の手順:
1. PayPay for Business管理画面から「外部連携」を選択
2. マネーフォワードクラウド会計を連携先として選択
3. 認証情報を入力して連携を承認
4. 売上データの自動取り込み開始
PayPayとの連携により、オムニチャネル展開している事業者は、すべての販売チャネルの売上を一元管理できるようになります。
各サービスの比較と選び方のポイント
5つのサービスを比較すると、それぞれに特徴があることがわかります。
初期費用・月額費用の観点:
BASEは完全無料で始められるため、スモールスタートに最適です。一方、Shopifyは月額33ドルからと有料ですが、機能の充実度を考えると十分にペイする投資といえます。
連携の簡単さ:
API連携が可能なBASE、Shopify、PayPayは設定が比較的簡単です。Amazon、楽天市場はCSV連携となるため、初期設定にやや手間がかかりますが、一度設定すれば安定して動作します。
向いている事業者:
- BASE:個人事業主、副業でEC事業を始める方
- Shopify:本格的なブランドECを構築したい方、越境ECを検討している方
- Amazon:すぐに売上を立てたい方、FBAを活用したい方
- 楽天市場:国内市場で大きく売上を伸ばしたい方
- PayPay:実店舗も運営している方、O2O施策を重視する方
まとめ:効率的なEC経営を実現するために
ECサイト運営において、経理業務の効率化は事業成長の重要な要素です。マネーフォワードクラウド会計と各ECプラットフォームとの連携により、月20時間以上の作業時間削減も十分に可能です。
まずは、現在利用しているECプラットフォームとマネーフォワードクラウド会計の連携から始めてみましょう。連携設定は思っているよりも簡単で、即日から効果を実感できるはずです。
もしまだマネーフォワードクラウド会計を導入していない方は、1ヶ月無料トライアルから始めることをおすすめします。実際に連携機能を試してみることで、どれだけ業務が効率化されるかを体感できるでしょう。
効率的な経理体制を構築することで、本来のEC事業の成長に集中できる環境を整えていきましょう。