2025年5月11日未明(日本時間)、9to5Googleは「Gemini 2.5 Flash(プレビュー)で無料ユーザーのファイルアップロードが使えなくなっている」と報じました。Android/iOS版Geminiアプリで「+」メニューを開くと〈Files〉と〈Drive〉がグレーアウトし、Web版でも画像以外の添付ボタンが消えている状況です。記事によると有料のGemini Advanced/Enterpriseでは問題なくアップロードできるため、無料層に限定したバグとみられています。
1. 影響範囲の整理
- 対象ユーザー:Geminiアプリで〈2.5 Flash(Preview)〉モデルを選択した無料アカウント
- 主な支障:PDF・ドキュメント・スプレッドシートなどの解析依頼、Audio Overview生成、Live Talkの資料共有 等
- ビジネス影響:社外打合せ前の資料要約ワークフローが停止/生成テストの検証遅延 など
2. 原因とGoogle側の見解
Googleは公式声明を出していませんが、プレビュー版の機能フラグ更新に伴う権限制御バグの可能性が高いと指摘されています。2.0 Flashおよび2.5 Pro Previewではファイルアップロードが利用できるため、モデル固有IDに誤った権限が付与されたと考えられます。
3. 企業ユーザー向け暫定回避策
- モデルを「2.5 Pro Preview」に切り替えてアップロードを継続(トークン制限に注意)
- ブラウザ版Geminiで「画像」ボタンにPDFをドラッグし、OCRでテキスト抽出→質問する裏ワザ
- 緊急時はGoogle Drive上でドキュメントを右クリック▶Geminiで要約機能を活用
4. 今後の見通しとチェックポイント
- Googleは月曜(米国時間)までにパッチを適用すると見られる。復旧後はGemini更新履歴の確認を推奨。
- PoCプロジェクトでは「モデル種別による機能差」をテストケースに含めること。
- 有料層への移行判断は、利用回数制限・ファイルサイズ上限・データ保持ポリシーを総合比較して決定。
5. まとめ
Gemini 2.5 Flashのファイルアップロード停止は、無料ユーザーの検証作業に一時的な影響を及ぼしますが、ビジネス契約や有料Add‑onでは回避手段があります。週明けのアップデートで解消される見込みとはいえ、「モデルごとの安定性と権限制御」を常に検証し続ける体制が、Generative AI時代のITガバナンスには欠かせません。