出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年7月7日
散らかったデスクの上で、必要な書類を探すのに苦労した経験はありませんか?
デジタルの世界でも、それは同じです。
乱雑になったGoogle Driveの中から、目的のファイルを探し出し、正しいフォルダに移動させる…。
この地味で面倒な作業に、毎日どれだけの時間を費やしているでしょうか。
もし、あなたの隣に優秀な執事がいて、「このファイルを、あのフォルダに移動しておいて」と言葉で指示するだけで、すべてを片付けてくれたら…?
本日ご紹介するのは、そんな夢のようなファイル整理を実現する、Google DriveのAIアシスタント「Gemini」の新機能です。
何が変わった?AIに「ファイル移動」を自然言語で指示可能に
今年3月、Google Driveのサイドパネルに搭載されたGeminiに、言葉で指示して新しいファイルやフォルダを作成できる機能が追加されました。
今回のアップデートでは、その整理能力がさらに強化。選択したファイルを、指定したフォルダに移動させるという、最も基本的な、しかし最も頻繁に行う操作を、自然な言葉(ナチュラルランゲージ)でAIに指示できるようになります。
使い方は非常にシンプルです。
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Google Driveで、移動させたいファイルを選択します。
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画面右側のサイドパネルからGeminiを呼び出します。
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あとは、チャットで話しかけるように、AIに指示を入力するだけです。
もうドラッグ&ドロップは不要!具体的な指示の例
まるで執事に頼むように、AIにこう話しかけてみてください。
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フォルダの作成とファイル作成を一度に:
「マイドライブに『第2四半期予測』という名前の新しいフォルダを作って、その中に新しいプレゼンテーションを作成して」
→ これまで何度もクリックが必要だった一連の操作が、一文の指示で完了します。 -
具体的なファイル移動:
「@第1四半期まとめ ファイルを、『第1四半期予測』フォルダから『第2四半期予測』フォルダに移動して」
→ @を使ってファイルやフォルダを正確に指定することで、AIは迷うことなく的確にファイルを移動させてくれます。 -
選択したファイルの移動:
(複数のファイルを選択した状態で)「これらのファイルを『第2四半期予測』フォルダに移動して」
→ マウスでファイルを掴んで、延々とフォルダツリーをスクロールし、目的のフォルダの上でドロップする…そんな煩わしい作業はもう過去のものです。
日本のビジネスパーソンにとっての具体的なメリット
この機能は、日々のPC作業における、目に見えないストレスと時間のロスを大幅に削減します。
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思考を止めないファイル整理:
これまでファイル整理は、集中力を要する知的作業の流れを中断させる、厄介な「割り込みタスク」でした。これからは、思考を止めずに、言葉で指示するだけで整理が完了。本来の業務に集中し続けられます。 -
マウス操作からの解放:
特に、大量のファイルや深い階層のフォルダを扱う際、マウスによるドラッグ&ドロップは非常に手間がかかり、時には操作ミスも誘発します。言葉による指示は、こうした物理的な操作の負担とミスを劇的に減らします。 -
デジタル整理整頓の習慣化:
ファイル整理が面倒で、ついつい「後でやろう」とマイドライブが散らかり放題になっていませんか?この手軽な方法なら、ファイルを使ったその場でサッと片付ける習慣が身につき、常に整理された、生産性の高いデジタルワークスペースを維持できます。
利用上の注意点(現時点での制約)
この便利な新機能ですが、現時点ではいくつかの制約があります。
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利用できる機能:
現時点でサポートされているのは、「ファイルの移動」「新規フォルダの作成」「新規ドキュメント・スプレッドシート・スライドの作成」といった基本的な操作に限られます。 -
一度に移動できるファイル数:
一度の指示で移動できるファイルは、最大5つまでです。
今後のアップデートで、さらに多くの機能や、より大量のファイルを扱えるようになることが期待されます。
ご利用可能なプラン
この機能は、以下のGoogle Workspace有料プランおよびアドオンをご利用のユーザーに提供されます。
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Business Standard / Plus
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Enterprise Standard / Plus
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Gemini Education / Gemini Education Premium アドオン など
まとめ
Google DriveのGeminiによるファイル整理機能は、AIが私たちの日常的なPC操作を、いかにシンプルで快適なものに変えてくれるかを示す、象徴的な一歩です。
面倒なクリックやドラッグ&ドロップの繰り返しから解放され、まるで優秀なアシスタントと対話するように、スマートにデジタル空間を整理する。そんな新しい働き方を、ぜひあなたのGoogle Driveから始めてみてください。