生活や仕事に役立つライフハック、お得な情報を発信しています。⚠️記事内にPRを含みます

【開発者・教育関係者必見】Google Classroomのグループ分けがAPIで自動化可能に!教育DXが新たなステージへ

本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の重要な記事を基に、2025年8月19日に作成されました。

教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引するプラットフォーム、Google Classroom。

日々の授業運営、課題の配布・回収、そして生徒とのコミュニケーションの中心として、今や多くの教育現場で欠かせないツールとなっています。

昨年、Google Classroomには、教育現場から長らく待ち望まれていた「生徒グループ作成機能」が搭載されました。これにより、教員はクラス内の生徒を少人数のグループに分け、協働学習(グループワーク)や、習熟度別の課題配布などを、より円滑に行えるようになりました。

しかし、その便利なグループ分けも、クラスの人数が多くなったり、頻繁にグループを組み替えたりする場合には、依然として手作業で行う必要があり、教員の負担となっていました。

「学期初めに、全クラスの生徒情報を基に、自動でグループを編成できないだろうか…」

「生徒管理システム(SIS)の情報と連携させて、特定の条件でグループを自動生成したい…」

「外部の協働学習ツールと連携し、Classroomのグループ情報をシームレスに同期させたい…」

こうした、より高度で、より自動化されたグループ管理へのニーズに応えるため、Googleはこの度、教育DXをネクストレベルへと引き上げる、極めて重要なアップデートを発表しました。

今回は、開発者や教育機関のIT管理者にとって、まさに待望の機能となる、「Google Classroom APIによる生徒グループ管理」のベータ版リリースについて、その全貌と可能性を詳しく解説していきます。

そもそも「API」とは?システムとシステムをつなぐ「魔法の扉」

今回のアップデートの核心を理解するために、まずは「API(Application Programming Interface)」という言葉について、簡単におさらいしましょう。

APIとは、一言で言えば、「あるソフトウェアやサービスの機能やデータを、外部の別のソフトウェアから、プログラムを通じて呼び出して利用するための、公式な接続口(インターフェース)」のことです。

これがあることで、例えば、

  • 学校が独自に運用している「生徒管理システム(SIS)」

  • 特定の教科で利用している「専門的な学習アプリケーション」

  • 教育委員会が開発した「独自のポータルサイト」

といった、様々な外部システムと、Google Classroomを、裏側で安全かつ自動的に連携させることが可能になります。

今回のアップデートの核心:プログラムで「生徒グループ」を自由自在に操作

昨年リリースされた、教員がClassroomの画面上で行う「手動の」グループ分け機能。今回のアップデートは、その機能をAPI経由で、つまり「プログラムで自動的に」実行できるようにするものです。

この新しいAPIのエンドポイント(機能の呼び出し口)は、現在、「Google Workspaceデベロッパープレビュープログラム(DPP)」を通じて、ベータ版として公開されています。

このAPIを利用することで、開発者は、教員や管理者に代わって、以下のような操作をプログラムで自動化するアプリケーションを開発できるようになります。

  • コース内の生徒グループの作成、変更、削除:
    特定のコース(クラス)の中に、新しいグループを自動で作成したり、既存のグループの名前を変更したり、不要になったグループを削除したりできます。

  • 生徒グループ内のメンバーの追加と削除:
    作成したグループの中に、生徒をメンバーとして追加したり、グループから除外したりする操作を、プログラムで実行できます。

これまで教員が一人ひとり、画面をクリックして行っていた煩雑なグループ分け作業を、システム間で完全に自動化する道が開かれたのです。

なぜこれが重要なのか?教育現場にもたらされる無限の可能性

このAPIの公開は、単に「作業が自動化されて楽になる」というだけに留まりません。それは、Google Classroomを中核とした、より高度で、よりインテリジェントな教育エコシステムを構築するための、重要な一歩です。

可能性1:生徒管理システム(SIS)との完全連携による、大規模なグループ編成の自動化
多くの学校では、生徒の氏名、学籍番号、所属クラス、選択科目、さらには成績といった情報を、生徒管理システム(SIS)で一元管理しています。

この新しいAPIを活用すれば、SISの情報を基に、Google Classroomのグループを、大規模かつ自動的に編成するシステムを構築できます。

  • 活用例A:新学期のクラス分け作業を自動化
    年度初めに、SISに登録された新年度のクラス名簿を基に、すべてのGoogle Classroomのコース(クラス)と、その中の生徒グループ(例:1班、2班…)を、ワンクリックで一括生成。教員の学期初めの負担を劇的に軽減します。

  • 活用例B:習熟度別・選択科目別のグループ編成
    SISに登録されている成績データや、履修している選択科目の情報を基に、「数学の上級者グループ」「物理の選択者グループ」といった、特定の条件に基づいたグループを、すべてのクラスにわたって自動で編成。個別最適化された指導の準備を、効率的に行えます。

可能性2:外部学習ツールとのシームレスな連携
教育現場では、ディスカッションツール、デジタルホワイトボード、プログラミング学習環境など、様々なサードパーティ製の専門的な学習ツールが活用されています。

今回のAPIは、これらのツールとGoogle Classroomのグループ情報を、シームレスに同期させることを可能にします。

  • 活用例:グループワーク用ツールの自動設定
    教員がClassroomでグループワークの課題を出すと、API連携によって、外部のディスカッションツールの掲示板や、デジタルホワイトボードの作業スペースが、Classroomのグループ構成と全く同じメンバーで、自動的に作成されます。生徒は、改めて別のツールでグループを作り直す手間なく、すぐに協働学習を開始できます。

可能性3:教員による、より柔軟でクリエイティブなグループ分けの実現
開発者は、このAPIを使って、教員向けの便利なグループ分け支援ツールを作成することもできます。

  • 活用例:ランダムグループ分けツール
    「このクラスの生徒を、ランダムに4人ずつのグループに分けて」というボタンをクリックするだけで、偏りのないグループを瞬時に生成し、Classroomに反映させるアドオンを開発。アイスブレイクや、毎回メンバーを変えたいディスカッションなどで絶大な効果を発揮します。

  • 活用例:興味関心に基づくグループ分け支援
    事前に取ったアンケートの結果などを基に、「同じ興味を持つ生徒同士」や、逆に「多様な興味を持つ生徒同士」を集めたグループを、AIが提案し、ワンクリックで編成できるツールを開発。より質の高い協働学習をデザインできます。

開発者・管理者向け:利用開始にあたって

この先進的なAPIを利用するためには、いくつかのステップと条件があります。

  • 参加資格:
    このAPIは現在ベータ版であり、利用するには「Google Workspaceデベロッパープレビュープログラム(DPP)」への参加登録が必要です。

  • ライセンス要件:
    APIリクエストは、「Google Workspace for Education Plus」のライセンスを持つ教員および管理者に代わってのみ実行することが許可されています。

  • 開発者向け情報:
    DPPに参加後、公式の開発者向けガイド「生徒グループの管理」に従って、開発を開始できます。Googleは、この新しいAPIに対するフィードバックを積極的に求めています。

まとめ

Google Classroom APIによる生徒グループ管理機能の公開は、Google Classroomが、単体のアプリケーションから、様々な教育システムと連携する、オープンプラットフォームへと進化していく上で、極めて重要な一歩です。

教員の定型業務を徹底的に自動化し、本来注力すべき、より創造的で、より人間的な教育活動に時間を割けるようにする。
そして、様々な学習ツールがシームレスに連携することで、生徒に、より豊かで、より効果的な学習体験を提供する。

このAPIは、そんな未来の教育の形を実現するための、強力な触媒となるでしょう。

教育機関のシステム開発に携わるデベロッパーの皆様、そして、学内のDXを推進するIT管理者の皆様は、ぜひこの新しい可能性に注目し、あなたの学校ならではの、ユニークで革新的なソリューションの開発を検討してみてはいかがでしょうか。