本記事はGoogle Workspace updatesブログ( https://workspace.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年9月25日に作成されました。
教育現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進されている、すべての教育関係者の皆様、こんにちは。
AIの進化は、私たちの「学び」と「教え」のあり方を、根底から変える、計り知れないポテンシャルを秘めています。
Googleは、その力を、安全に、そして効果的に、教育現場にもたらすため、「NotebookLM」や「Gems」といった、革新的なAIツールを、次々と発表してきました。
NotebookLM:
先生が用意した教科書や資料だけを学習した、安全な「AI思考パートナー」。Gems:
特定の目的に合わせて、先生がAIの「人格」や「専門性」をカスタマイズできる、あなただけの「専門家AI」。
これらのツールは、生徒一人ひとりの学習を、個別最適化するための、まさに「夢の道具」です。しかし、その一方で、教育現場の最前線に立つ先生方からは、こんな「現実的な壁」の声が、聞こえてきていました。
「NotebookLMは素晴らしい。でも、これを、どうやって日々の授業の中に、自然な形で、組み込めばいいのだろう?」
「生徒一人ひとりに、このAIツールを使ってみて、と口頭で伝えるだけでは、なかなか活用が広がらない…」
「生徒が、AIと、どんな対話をしているのか、教員として、その学習プロセスを、もう少し把握したい…」
このように、いくら強力なツールがあっても、それが、日々の授業運営の中心である「Google Classroom」と、シームレスに連携していなければ、その価値を、最大限に引き出すことはできませんでした。
この、教育現場における、最後の、そして最大の「壁」が、ついに、取り払われます。
この度、Google Classroomが、NotebookLMとGemsと、完全な形で統合を果たし、先生が、これらのAIツールそのものを、生徒への「課題」や「教材」として、直接、配布できるようになったのです。
今回は、AIと教室の間の、最後の壁を取り払い、日本の教育を、新たな次元へと引き上げる、この革命的なアップデートについて、その全貌を、詳しく解説していきます。
新機能の核心:先生が、生徒一人ひとりに「AI家庭教師」を、手渡せる
今回のアップデートの核心は、非常にシンプルでありながら、教育現場にとって、その意味は、計り知れません。
それは、「教員が、Google Classroomの画面を、一切離れることなく、NotebookLMやGemsを使い、授業で使う教材に基づいた、インタラクティブなAI学習体験を、瞬時に作成し、それを、クラスの生徒たちに、課題や教材として、直接、割り当てることができるようになった」という点にあります。
これまで、別々の世界に存在していた、「授業を管理する場所(Classroom)」と、「AIと対話する場所(NotebookLM/Gems)」が、完全に、そしてシームレスに、一つになったのです。
先生の体験は、こう変わる
Google Classroomの「授業」タブを開くと、そこには、見慣れた「課題」や「資料」を作成するボタンと並んで、「NotebookLM」や「Gem」を作成するための、新しい選択肢が、魔法のように、現れます。
1. 「NotebookLM」を、課題として作成
先生は、[NotebookLM] を選択し、その授業で使う、Google Drive内の資料(教科書PDF、講義ノートなど)を、いくつか選びます。
すると、NotebookLMは、それらの資料だけを学習した、インタラクティブな「学習ガイド」を、瞬時に生成します。
先生は、この「賢くなった教科書」そのものを、生徒への課題として、割り当てることができます。
2. 「Gem」を、課題として作成
先生は、[Gem] を選択し、AIの「人格」をデザインします。Classroomには、教育現場で特に役立つ、4つのテンプレートが、あらかじめ用意されています。
学習パートナー: 生徒の質問に、対話形式で答えてくれる、万能な家庭教師。
クイズ係: 教材の内容から、クイズを出題し、理解度をチェックしてくれる。
ブレスト相手: 探究学習のアイデア出しなどを、手伝ってくれる。
実社会との接続役: 学んだ知識が、社会でどう役立つかを、具体例で教えてくれる。
先生は、これらのテンプレートを選び、教材を読み込ませるだけで、その授業専用の「専門家AI」を、簡単に作成し、生徒に配布できます。
生徒の体験は、こう変わる
生徒は、Google Classroomの「授業」ページを開くと、先生から割り当てられた、新しい課題や資料として、「インタラクティブな教科書(NotebookLM)」や、「授業専用のAIチャットボット(Gem)」が表示されています。
生徒は、それをクリックするだけで、すぐに、自分だけのAI家庭教師との、パーソナルな学習セッションを、始めることができるのです。
なぜこれが重要なのか?:「AIの放任」から「教師主導のAI活用」へ
この連携は、教育におけるAI活用のあり方を、根本から変革する、3つの大きな価値をもたらします。
メリット1:安全で、的を絞った、質の高い学習体験
生徒が、インターネット上の、汎用的なAIと、無秩序に対話する場合、そこには、不正確な情報や、教育上不適切なコンテンツに触れてしまうリスクが、常につきまといます。
しかし、この新しい連携では、AIの知識の源泉は、常に、先生が選んだ「授業の教材」に、限定(グラウンディング)されます。
これにより、生徒は、学習のテーマから脱線することなく、安全で、質の高い教材に基づいた、信頼できるAIとの対話に、集中することができます。
メリット2:教員が、生徒の「学習プロセス」に関与できる
「AIに任せきり」では、本当の教育は成り立ちません。
この連携により、教員は、AIを、授業設計の中に、明確な意図を持って、組み込むことができます。
「このNotebookLMを使って、今日の授業の要点をまとめてきなさい」
「この『歴史探偵Gem』と対話して、レポートのテーマを3つ考えてきなさい」
このように、教員が、AIの活用を、学習活動の一部として、明確にデザインすることで、生徒のAIとの対話は、より目的意識を持った、質の高いものになります。教員は、生徒がAIとどのように対話しているか、その学習プロセスを、これまで以上に見守り、導くことができるようになるのです。
メリット3:「学びの科学」に基づいた、 pedagogical(教育学的)なAI
GoogleのAIは、教育におけるAI活用の研究部門である「LearnLM」によって、学習科学の研究成果に基づいて、チューニングされています。
これにより、Classroomから作成されるGemは、単に「答え」を教えるのではなく、生徒の理解を促し、知識を試すための、教育学的に、最も効果的とされる、ベストプラクティスに基づいた、対話を行うように設計されています。
AIが、優れた「教師」として、振る舞ってくれるのです。
利用開始にあたって(管理者向け情報)
管理者向けの設定:
この機能を利用するには、管理者が、管理コンソールで、以下の3つの設定を、すべて「オン」にしている必要があります。NotebookLM
Geminiアプリ
Gemsの共有
対象エディション:
この連携機能は、「Education Fundamentals」「Standard」「Plus」といった、すべてのGoogle Workspace for Educationエディションで、利用可能です。
まとめ
今回ご紹介した、Google Classroomと、NotebookLM・Gemsの、完全統合。
これは、AIという、21世紀の最も強力な「文房具」を、ついに、すべての教室の、すべての机の上に、安全に、そして効果的に、届けるための、決定的な一歩です。
先生が、AIを、自らの教育実践の、強力なパートナーとして、迎え入れる。
生徒が、AIを、自らの学びを深めるための、最高の家庭教師として、活用する。
そんな、AIと人間が、協調して学ぶ、未来の教室の姿が、今、現実のものとなろうとしています。
ぜひ、この新しい教育の形を、あなたの学校で、実現してみてください。