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【Google Classroomアップデート】AIが生徒の専属チューターに?高等教育の学生向けにGemini機能が拡張

本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年11月19日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。

教育現場におけるAI活用が、また一歩大きく前進します。
今年初め、Googleは教育者向けの機能として「Gemini in Google Classroom」をリリースしました。これにより、先生方は授業計画の作成時間を短縮したり、より魅力的な学習コンテンツを簡単に作成したりできるようになりました。

そして今回、その強力なAIのサポートが、ついに「学ぶ側」である学生たちにも提供されることになりました。
今後数週間のうちに、高等教育機関(大学など)に在籍する18歳以上の学生を対象として、Google Classroom内でのGemini機能が利用可能になります。

これは単なるツールの追加ではありません。
学生一人ひとりに、24時間いつでも質問でき、自分の理解度に合わせてサポートしてくれる「専属のAIチューター」が付くようなものです。
自習の効率化、試験勉強のパーソナライズ、そして深い学びへの探求。
今回は、この新しい機能が学生の学習体験をどのように変えるのか、その具体的な機能と導入に向けたポイントを詳しく解説していきます。

何が変わるのか?学生向けGemini in Classroomの概要

今回のアップデートにより、Google Classroomの画面内に、学生向けの新しい「学習ハブ」が登場します。
学生はこのハブを通じて、「Gemini for Education」の学習ツールに直接アクセスできるようになります。

ここで利用できるGeminiは、教育機関向けに特別に設計されたバージョン(無料版)です。
Googleの最も高性能なAIモデルを利用できるだけでなく、プライバシー保護の観点からも安心です。入力されたデータがGoogleによってレビューされたり、AIモデルのトレーニングに使用されたりすることはありません。

学生ができるようになる4つのこと

具体的に、学生はGoogle Classroom内のGeminiを使ってどのような学習ができるようになるのでしょうか。主な機能は以下の4つです。

  1. トピックについて学ぶ(概念の理解とガイド付き学習)
    授業で習ったけれど、いまいち理解できなかった難しい概念や用語。これまでは参考書を探したり、ネット検索を繰り返したりしていましたが、これからはGeminiに聞くだけです。
    「量子力学の重ね合わせについて、わかりやすく教えて」といった質問に対して、解説してくれるだけでなく、「Guided Learning(ガイド付き学習)」機能により、ステップバイステップで理解を深めるための道筋を示してくれます。

  2. クイズを受ける(パーソナライズされた演習)
    試験前の力試しに最適です。特定のトピックを指定したり、授業で配布された資料を読み込ませたりして、自分だけの練習問題を作成できます。
    「このPDF資料の内容から、選択式のクイズを10問作って」と頼めば、AIが即座に問題を出題。自分の理解度を客観的にチェックし、弱点を克服するための効率的な学習が可能になります。

  3. フラッシュカードで練習する(暗記と復習)
    用語の暗記や重要ポイントの復習に欠かせない単語帳(フラッシュカード)。
    自分の取ったノートや授業資料をGeminiに読み込ませるだけで、デジタルフラッシュカードに自動変換してくれます。通学中の電車の中など、隙間時間を使った効率的な復習が実現します。

  4. 学習ガイドを作成する(情報の整理と要約)
    膨大な量の授業資料やノートを前に、どこから手を付けていいか分からない…。そんな時は、Geminiに「学習ガイド」を作ってもらいましょう。
    特定のトピックについてまとめることも、アップロードした資料全体を要約して重要ポイントをリストアップしてもらうことも可能です。自分専用の参考書をAIと一緒に作り上げる感覚です。

利用のための条件と注意点

この機能は非常に強力ですが、利用にはいくつかの条件があります。

  • 対象年齢と所属: 18歳以上の高等教育機関の学生のみが対象です。

  • 言語制限: 現時点では、英語版のみの提供となります。

  • 管理者による設定: 組織のGoogle Workspace管理者が、管理コンソールで機能を有効にする必要があります。

管理者向け:導入のステップ

教育機関の管理者は、以下のステップで機能へのアクセスを制御する必要があります。

  1. 年齢ベースのアクセス設定: 組織内のユーザーが「18歳以上」に設定されていることを確認してください。

  2. Classroomでの役割設定: ユーザーの役割が正しく「生徒(Student)」に設定されているか確認してください。

  3. サービスの有効化: 管理コンソールで、「Gemini」アプリと「Gemini in Classroom」の両方のサービスを、対象となる組織部門(OU)やグループに対して「オン」に設定します。

  4. 組織タイプの設定: 自組織が「高等教育機関(Higher Education)」として設定されていることを確認してください。

これらの設定を適切に行うことで、意図した学生のみに安全に機能を提供することができます。

エンドユーザー(学生)向け:使い方のヒント

機能が有効になると、Google Classroomのナビゲーションバーに「Gemini」タブが表示されます。
そこから、学習したいトピックを入力したり、資料をアップロードしたりして利用を開始します。

ただし、AIは完璧ではありません。時には間違った情報を出力することもあります(ハルシネーション)。
生成されたコンテンツは必ず自分で内容を確認し、授業で習ったことや教科書と照らし合わせながら活用する姿勢が重要です。AIはあくまで「学習をサポートするツール」であり、学ぶのは自分自身であることを忘れないようにしましょう。

いつから使える?展開スケジュールと対象エディション

この新機能は、以下のスケジュールで順次展開されます。

  • 展開開始日:
    即時リリースおよび計画的リリースドメイン共に、2025年12月1日より段階的に展開されます(機能の表示に最大15日かかる場合があります)。

  • 利用可能なエディション:

    • Google Workspace for Education Fundamentals

    • Google Workspace for Education Standard

    • Google Workspace for Education Plus

無料版であるEducation Fundamentalsでも利用可能な点は、多くの学生にとって朗報と言えるでしょう。

まとめ

Google Classroomへの学生向けGemini機能の導入は、教育における「個別最適化された学習(アダプティブ・ラーニング)」を加速させる大きな一歩です。

学生一人ひとりが、自分のペースで、自分の興味や理解度に合わせて学習を深めることができる環境。
AIという強力なパートナーを得ることで、学生たちの学びはより能動的で、探究的なものへと進化していくでしょう。
高等教育機関の関係者の皆様は、ぜひこの新機能の導入を検討し、次世代の学習環境づくりに役立ててください。