「フリーランスエンジニアとして独立するけど、開業届の職業欄って何て書けばいいの?」
「システム開発って書くだけじゃダメなの?事業内容ってどこまで詳しく書くべき?」
こんな疑問を抱えていませんか?
私も2年前にIT企業を退職してフリーランスエンジニアになった際、開業届の記入方法で悩みました。
特にITエンジニアという職業は、税務署の職業分類にピッタリ当てはまるものがなく、どう書けば適切なのか迷うんですよね。
この記事では、実際に開業届を提出した経験を基に、ITエンジニアが開業届を書く際の具体的な記入例と、税務署で問題なく受理されるポイントを詳しく解説します。
読み終わる頃には、自信を持って開業届を書けるようになり、スムーズに個人事業主としてのスタートが切れるはずです。
ITエンジニアの開業届、なぜ記入が難しいのか?
ITエンジニアが開業届を書く際に直面する最大の問題は、「職業分類の曖昧さ」です。
税務署で使われる日本標準職業分類には「プログラマー」や「システムエンジニア」という項目はありますが、現代のIT業界の多様な職種をカバーしきれていません。
現代のITエンジニアの職種の多様性
例えば、以下のような職種があります:
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- フルスタックエンジニア
- モバイルアプリ開発者
- クラウドエンジニア
- データエンジニア
- AIエンジニア
- セキュリティエンジニア
これらの職種は、それぞれ専門性が異なり、提供するサービスも変わってきます。
しかし、開業届の職業欄は1行しかありません。
事業内容の記載範囲の悩み
さらに、事業内容欄についても悩みどころです。
「ソフトウェア開発」とだけ書くのは簡単ですが、実際にはWebサイト制作、スマホアプリ開発、技術コンサルティング、プログラミング教育など、複数の収入源を持つエンジニアが多いでしょう。
税務署への提出時に「これで大丈夫なのか?」と不安になるのも無理はありません。
実は、私が税務署で相談した際、職員の方から「ITエンジニアさんは皆さん同じような悩みを持って来られますよ」と言われました。
それほど、この問題は普遍的なものなのです。
ITエンジニアの開業届、具体的な記入方法と実例
では、実際にどのように記入すればよいのか、具体例を交えて解説していきます。
職業欄の記入例
職業欄については、以下のような記入方法があります:
1. シンプルに「システムエンジニア」と記入する方法
最も一般的で、税務署でも理解されやすい記入方法です。
Web系、アプリ系、インフラ系など、どの分野のエンジニアでも使えます。
2. 「ソフトウェア開発業」と記入する方法
プログラミングが主な業務の場合は、こちらの方が適切かもしれません。
受託開発をメインにする方に向いています。
3. 「情報処理サービス業」と記入する方法
システム開発だけでなく、ITコンサルティングやデータ分析なども行う場合に適しています。
私の場合は「システムエンジニア」と記入しましたが、税務署では全く問題ありませんでした。
事業内容欄の記入例
事業内容欄は、もう少し詳しく書くことができます。
以下、職種別の記入例を紹介します:
Webエンジニアの場合:
「Webサイト・Webアプリケーションの設計、開発、保守及び運用支援。HTMLコーディング、JavaScript開発、サーバーサイドプログラミング等」
モバイルアプリ開発者の場合:
「スマートフォン向けアプリケーション(iOS/Android)の企画、設計、開発、保守。アプリケーションのUI/UX改善提案及び実装」
フルスタックエンジニアの場合:
「Webシステムのフロントエンド及びバックエンド開発。データベース設計、API開発、インフラ構築支援。技術コンサルティング」
AIエンジニアの場合:
「機械学習・深層学習を活用したシステムの研究開発。データ分析、AIモデル構築、システム実装。AI導入に関するコンサルティング」
複数の事業を行う場合の書き方
多くのITエンジニアは、複数の収入源を持っています。
例えば:
- 受託開発(メイン)
- 技術ブログでのアフィリエイト収入
- プログラミング講師
- 技術書の執筆
このような場合は、メインの事業を最初に書き、その後に「その他」として追記する方法がおすすめです。
記入例:
「ソフトウェアの受託開発(Webアプリケーション、スマートフォンアプリ等)。その他、プログラミング教育事業、技術文書の執筆、ITコンサルティング」
開業届提出時の注意点
実際に税務署に提出する際のポイントを共有します:
1. 事前に下書きを準備する
税務署の窓口は混雑していることが多いので、事前に下書きを完成させておくとスムーズです。
2. 不明な点は窓口で相談する
税務署の職員は親切に教えてくれます。
「ITエンジニアとして独立するのですが…」と伝えれば、適切なアドバイスをもらえます。
3. 青色申告承認申請書も同時に提出する
節税効果の高い青色申告を選択する場合は、開業届と同時に申請書を提出しましょう。
ITエンジニアは経費が少ない職種なので、青色申告特別控除65万円の恩恵は大きいです。
手書きより簡単!マネーフォワード クラウド開業届を使うメリット
ここまで開業届の書き方を説明してきましたが、実は手書きで作成する必要はありません。
私が実際に使って便利だったのが、マネーフォワード クラウド開業届です。
オンラインツールを使うメリット
手書きの開業届と比較して、以下のようなメリットがあります:
- 記入ミスがない:必要項目を順番に入力していくだけで、正しい書類が完成
- 職業選択が簡単:プルダウンメニューから選ぶだけで、適切な職業分類を選択可能
- 事業内容のテンプレート:ITエンジニア向けの記入例が用意されている
- 青色申告承認申請書も同時作成:必要な書類を一括で準備できる
- 提出先の税務署も自動判定:住所を入力すれば、管轄の税務署を教えてくれる
実際の使用感
私が使った際は、質問に答えていくだけで15分程度で書類が完成しました。
特に便利だったのは、事業内容の入力支援機能です。
「IT・Web系」を選択すると、関連する事業内容の候補が表示され、自分に合ったものを選ぶだけで適切な文章が入力されます。
完成した書類はPDFでダウンロードでき、そのまま印刷して税務署に提出するだけです。
個人事業主としてのスタートをスムーズに切りたい方は、【開業準備ガイド】個人事業主になるには?の記事で、開業準備の全体像も確認してみてください。
他の職種との違いと、ITエンジニア特有の注意点
ITエンジニアの開業届は、他の職種と比べてどのような特徴があるのでしょうか。
一般的な職種との違い
例えば、飲食店や美容室などの実店舗を持つ事業と比較すると:
- 事業所の所在地:自宅を事業所とすることが多い
- 営業許可:特別な許可や資格は不要(情報処理技術者試験などは任意)
- 初期投資:パソコンとインターネット環境があれば始められる
このため、開業届の記入自体は比較的シンプルです。
ITエンジニア特有の注意点
ただし、以下の点には注意が必要です:
1. 源泉徴収の有無
クライアント企業から源泉徴収される場合があります。
特に大手企業との直接契約では、報酬の10.21%が源泉徴収されることが多いです。
2. 消費税の取り扱い
開業初年度は免税事業者ですが、インボイス制度の導入により、取引先によっては課税事業者になることを求められる場合があります。
3. 経費の範囲
ITエンジニアの経費として認められやすいもの:
- パソコン、周辺機器
- ソフトウェアライセンス
- 技術書、オンライン学習サービス
- コワーキングスペース利用料
- セミナー、勉強会参加費
これらの経費を適切に計上することで、節税効果を最大化できます。
まとめ:自信を持って開業届を提出しよう
ITエンジニアの開業届作成について、具体的な記入方法から注意点まで解説してきました。
ポイントをまとめると:
- 職業欄は「システムエンジニア」「ソフトウェア開発業」などシンプルに記入
- 事業内容は具体的に、複数事業がある場合はメイン事業を中心に記載
- 青色申告承認申請書も同時に提出して節税対策を
- オンラインツールを使えば、記入ミスなく簡単に作成可能
開業届は個人事業主としての第一歩です。
適切に記入して提出すれば、晴れて正式なフリーランスエンジニアとしてスタートできます。
もし手書きでの作成に不安がある場合は、マネーフォワード クラウド開業届のような無料ツールを活用するのがおすすめです。
質問に答えていくだけで、税務署に提出できる正式な書類が完成します。
あなたのエンジニアとしての新しいキャリアが、スムーズにスタートすることを願っています。
頑張ってください!