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請求書PDFをGoogle Driveから読み取り、内容をスプレッドシートに転記するMakeシナリオ

毎月の請求書処理に追われていませんか?

PDFで届く請求書を一つずつ開いて、金額や日付をスプレッドシートに手入力する作業。

この繰り返しが、貴重な業務時間を奪っているのではないでしょうか。

実は私も以前、月末になると50件以上の請求書をGoogle Driveからダウンロードして、一つずつ内容を確認しながらスプレッドシートに転記していました。

3時間以上かかることもあり、転記ミスも頻繁に発生していたのです。

しかし、Make(旧Integromat)を使って自動化シナリオを構築してから、この作業時間はわずか5分に短縮されました。

本記事では、Google DriveにアップロードされたPDF請求書を自動で読み取り、その内容をGoogleスプレッドシートに転記するMakeシナリオの作り方を、実際の画面を交えながら詳しく解説します。

請求書処理の自動化が必要な理由

請求書処理の手作業には、想像以上に多くの問題が潜んでいます。私が実際に経験した課題を整理してみましょう。

時間コストの問題

私の場合、1枚の請求書処理に平均3分かかっていました。内訳は以下の通りです:

  • PDFファイルを開く:30秒
  • 必要な情報を探す:1分
  • スプレッドシートに転記:1分
  • 内容確認:30秒

月50件の請求書があれば、150分(2時間30分)もの時間が必要です。年間にすると30時間、つまり約4営業日分の時間を請求書処理だけに費やしていることになります。

人的ミスのリスク

手作業での転記には、どうしても人的ミスが発生します。私が実際に経験したミスには以下のようなものがありました:

  • 金額の桁数を間違える(100,000円を10,000円と入力)
  • 日付の入力ミス(2024年を2023年と入力)
  • 取引先名の誤記(類似した社名を混同)
  • 消費税の計算ミス

これらのミスは、後々の会計処理に大きな影響を与えかねません。特に税務調査などでは、こうした基本的なミスが問題視される可能性もあります。

業務の属人化

請求書処理の方法が担当者の頭の中にしかない場合、その人が休んだり退職したりすると業務が滞ってしまいます。実際、私の前職では、経理担当者が急病で1週間休んだ際、請求書処理が完全にストップしてしまい、支払い遅延を起こしかけたことがありました。

これらの問題を解決するために、Makeを使った自動化が非常に効果的です。

MakeでPDF請求書を自動処理するシナリオの作り方

それでは、実際にMakeで請求書処理を自動化するシナリオを構築していきましょう。このセクションでは、初心者の方でも迷わずに設定できるよう、各ステップを詳しく説明します。

必要な準備

シナリオ作成前に、以下の準備が必要です:

  • Makeのアカウント(無料プランでも開始可能)
  • Google アカウント(Drive、スプレッドシート用)
  • サンプルのPDF請求書(テスト用)
  • 転記先のGoogleスプレッドシート

Makeのアカウントをまだお持ちでない方は、Make完全ガイド記事で詳しい登録方法と基本的な使い方を解説していますので、まずはそちらをご確認ください。

ステップ1:Google Driveモジュールの設定

最初に、Google Driveから請求書PDFを取得するモジュールを設定します。

1. 新しいシナリオを作成
Makeにログイン後、「Create a new scenario」ボタンをクリックします。

2. Google Driveモジュールを追加
検索バーに「Google Drive」と入力し、「Watch Files in a Folder」モジュールを選択します。このモジュールは、指定したフォルダに新しいファイルが追加されたときに自動的に起動します。

3. 接続設定
「Add」ボタンをクリックして、Googleアカウントとの接続を設定します。初回は認証が必要ですが、一度設定すれば再利用できます。

4. フォルダの指定
監視するフォルダを選択します。私の場合は「請求書/未処理」というフォルダを作成し、そこを監視対象にしています。

ステップ2:PDF読み取りモジュールの設定

次に、PDFの内容を読み取るモジュールを設定します。MakeにはいくつかのPDF処理オプションがありますが、ここでは「PDF.co」モジュールを使用します。

1. PDF.coモジュールを追加
「+」ボタンをクリックし、「PDF.co」を検索して「Parse Document」モジュールを選択します。

2. APIキーの設定
PDF.coの無料アカウントを作成し、APIキーを取得します。月50件までは無料で利用できるため、小規模な処理には十分です。

3. テンプレートの作成
PDF.coでは、請求書のフォーマットに応じたテンプレートを作成できます。私が使用しているテンプレートの例:

  • 請求書番号:座標 (100, 150) から (200, 170)
  • 請求日:座標 (400, 150) から (500, 170)
  • 請求金額:座標 (400, 300) から (550, 320)
  • 取引先名:座標 (100, 200) から (300, 220)

座標の特定には、PDF.coの「Template Editor」を使用すると便利です。

ステップ3:データ変換の設定

PDFから抽出したデータは、そのままではスプレッドシートに適さない形式の場合があります。ここでデータを整形します。

1. Toolsモジュールを追加
「Text parser」や「Numeric aggregator」などのToolsモジュールを使用して、データを整形します。

2. 日付フォーマットの統一
請求書によって日付形式が異なる場合があるため、「Set variable」モジュールで統一します。例えば:

  • 入力:2024年10月15日、2024/10/15、10/15/2024
  • 出力:2024-10-15(ISO形式)

3. 金額の数値化
「¥」や「,」を除去し、純粋な数値に変換します。消費税の計算が必要な場合は、ここで処理します。

ステップ4:Googleスプレッドシートへの転記

最後に、整形したデータをGoogleスプレッドシートに転記します。

1. Google Sheetsモジュールを追加
「Add a Row」モジュールを選択します。

2. スプレッドシートの選択
転記先のスプレッドシートとシートを選択します。私は「請求書管理」というスプレッドシートの「2024年度」シートを使用しています。

3. 列のマッピング
各列に対応するデータをマッピングします:

  • A列:請求書番号
  • B列:請求日
  • C列:取引先名
  • D列:税抜金額
  • E列:消費税額
  • F列:合計金額
  • G列:処理日時(NOW関数)

ステップ5:エラー処理と通知設定

自動化において重要なのは、エラーが発生した際の対処です。

1. エラーハンドラーの設定
各モジュールに「Error handler」を追加し、エラー時の処理を定義します。

2. 通知設定
「Email」モジュールを使用して、処理完了やエラー発生時に通知を送信します。私は以下のような通知を設定しています:

  • 正常処理完了:処理件数と合計金額をメールで通知
  • エラー発生:エラー内容とファイル名を即座に通知

3. ログの記録
処理履歴を別のスプレッドシートに記録しておくと、後から確認する際に便利です。

他の自動化ツールとの比較

請求書処理の自動化には、Make以外にもいくつかの選択肢があります。私が実際に試した他のツールと比較してみましょう。

Zapierとの比較

Zapierは、Makeと並んで人気の自動化ツールです。

Zapierのメリット:

  • インターフェースがより直感的
  • 日本語のサポート情報が豊富
  • 連携可能なアプリ数が多い

Zapierのデメリット:

  • 料金が高い(同等の機能でMakeの約2倍)
  • 複雑な条件分岐が苦手
  • データ処理の柔軟性が低い

私の場合、月間処理数が多く、複雑な条件分岐が必要だったため、コストパフォーマンスに優れるMakeを選択しました。

Power Automateとの比較

Microsoft Power Automateは、Office 365ユーザーには魅力的な選択肢です。

Power Automateのメリット:

  • Office 365との深い統合
  • 企業環境での信頼性
  • オンプレミスとの連携が可能

Power Automateのデメリット:

  • Google Workspaceとの連携が弱い
  • 学習曲線が急
  • PDF処理機能が限定的

Google Workspaceを中心に業務を行っている場合は、Makeの方が適しています。

Python + Google Apps Scriptとの比較

技術的なスキルがある場合、プログラミングによる自動化も選択肢です。

プログラミングのメリット:

  • 完全なカスタマイズが可能
  • ランニングコストがほぼゼロ
  • 処理速度が速い

プログラミングのデメリット:

  • 開発に時間がかかる
  • メンテナンスが必要
  • 技術的なスキルが必須

私も当初はPythonで自動化を試みましたが、開発に20時間以上かかり、その後のメンテナンスも大変でした。Makeなら2時間で同等の機能を実現でき、メンテナンスも簡単です。

まとめ:今すぐ始める請求書処理の自動化

請求書のPDF読み取りからスプレッドシートへの自動転記まで、Makeを使えば専門的な技術知識がなくても実現できます。私の場合、この自動化により月3時間の作業時間を5分に短縮し、転記ミスもゼロになりました。

自動化の効果を最大化するためのポイントをまとめます:

  • まずは簡単なシナリオから始めて、徐々に複雑な処理を追加する
  • エラー処理と通知設定を必ず行う
  • 定期的にシナリオの動作確認とメンテナンスを行う
  • 処理履歴を記録し、改善点を見つける

次のステップとして、以下の行動をおすすめします:

1. Makeの無料アカウントを作成
こちらから登録して、まずは使い心地を確認してみてください。

2. サンプルシナリオの作成
本記事で紹介した手順に従って、簡単なシナリオを作成してみましょう。

3. 実業務への適用
テストが成功したら、実際の業務に適用して効果を実感してください。

さらに詳しいMakeの使い方や他の自動化事例については、Make完全ガイド記事で包括的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。請求書処理の自動化は、業務効率化の第一歩です。今すぐ始めて、本来注力すべき業務に時間を使えるようになりましょう。