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Makeイテレーターとアグリゲーター徹底解説!大量データを効率的に処理する方法

はじめに:大量データ処理で悩んでいませんか?

Makeで自動化を進めていると、必ず直面する壁があります。
それは「配列データ」や「複数のアイテム」をどう処理するかという問題です。

例えば、Googleスプレッドシートから100件のデータを取得したとき、そのまま次のモジュールに渡すとエラーになってしまった経験はありませんか?
あるいは、複数のメールアドレスに一斉送信したいのに、うまく処理できずに困ったことはないでしょうか。

この記事では、そんな悩みを解決する強力なツール「イテレーター」と「アグリゲーター」について、実践的な使い方を徹底解説します。
この2つのモジュールをマスターすれば、どんなに複雑なデータ処理も効率的に自動化できるようになります。

記事を読み終える頃には、配列データを自在に操り、より高度な自動化ワークフローを構築できるようになっているはずです。

なぜイテレーターとアグリゲーターが必要なのか

Makeにおけるデータの流れの基本

Makeでは、各モジュール間でデータが受け渡されていきます。通常、1つのモジュールから次のモジュールへは「1つのバンドル(データの塊)」が渡されます。しかし、実際の業務では複数のデータを扱うケースが頻繁に発生します。

例えば以下のようなケースです:

  • ECサイトの注文データから、複数の商品情報を個別に処理したい
  • フォームの回答から複数の選択肢を取り出して、それぞれ別の処理をしたい
  • APIから取得した複数のレコードを、1件ずつデータベースに登録したい
  • 複数の画像ファイルをまとめてリサイズしたい

配列データ処理の課題

これらのケースで共通するのは「配列」という形式でデータが存在することです。配列とは、複数の値をまとめて格納できるデータ構造のことです。

しかし、Makeの多くのモジュールは「単一の値」を期待しています。例えば、メール送信モジュールの「宛先」フィールドに配列をそのまま入力すると、エラーが発生したり、意図しない動作をしたりします。

この「配列データ」と「単一値を期待するモジュール」のギャップを埋めるのが、イテレーターとアグリゲーターの役割です。

具体的な問題例

実際に私が遭遇した問題を例に説明しましょう。あるクライアントから「毎日の売上データをGoogleスプレッドシートから取得して、各商品の在庫を自動更新したい」という依頼がありました。

スプレッドシートには1日あたり50〜100件の売上データがあり、それぞれの商品IDに基づいて在庫数を減らす必要がありました。最初は単純にスプレッドシートの「複数行を取得」モジュールから在庫管理システムのAPIに接続しようとしましたが、APIは1回のリクエストで1商品しか更新できない仕様でした。

ここで必要になったのがイテレーターです。スプレッドシートから取得した配列データを、イテレーターで1件ずつに分解し、各商品の在庫を個別に更新することで、問題を解決できました。

イテレーターとアグリゲーターの実践的な使い方

イテレーター(Iterator)の基本と活用法

イテレーターは、配列データを個別のアイテムに分解するモジュールです。「繰り返し処理」を行うための基本ツールと考えてください。

基本的な使い方:

  1. 配列データを出力するモジュール(例:Googleスプレッドシートの「複数行を取得」)の後にイテレーターを配置
  2. イテレーターの「Array」フィールドに、処理したい配列を指定
  3. イテレーターの後に続くモジュールが、配列の各要素に対して自動的に実行される

実践例1:メールの一斉送信

顧客リストから複数のメールアドレスを取得し、それぞれに個別のメールを送信する場合:

  • Googleスプレッドシート「複数行を取得」→ 50件の顧客データ(配列)
  • イテレーター → 配列を個別のデータに分解
  • Gmail「メールを送信」→ 各顧客に個別にメール送信(50回実行)

この方法なら、各メールに顧客の名前を差し込んだり、個別の内容を含めたりすることも可能です。

実践例2:複数ファイルの処理

Dropboxから複数の画像ファイルを取得し、それぞれリサイズする場合:

  • Dropbox「フォルダ内のファイルをリスト」→ 複数のファイル情報(配列)
  • イテレーター → 各ファイル情報を個別に処理
  • 画像処理モジュール → 各ファイルをリサイズ
  • Dropbox「ファイルをアップロード」→ リサイズ済みファイルを保存

アグリゲーター(Aggregator)の基本と活用法

アグリゲーターは、イテレーターとは逆の働きをします。複数の個別データを1つの配列やテキストにまとめるモジュールです。

主な集約方法:

  • Array aggregator:複数のデータを配列形式にまとめる
  • Text aggregator:複数のテキストを1つの文字列に結合
  • Numeric aggregator:数値の合計、平均、最大値、最小値を計算
  • Table aggregator:データをテーブル形式(CSV)にまとめる

実践例1:日次レポートの作成

1日の売上データを集計してレポートを作成する場合:

  • データベース「レコードを検索」→ 当日の売上データ(複数)
  • イテレーター → 各売上データを個別に処理
  • Numeric aggregator → 売上金額の合計を計算
  • Text aggregator → 商品名のリストを作成
  • メール送信 → 集計結果をレポートとして送信

実践例2:CSVファイルの作成

複数のフォーム回答をCSVファイルにまとめる場合:

  • Webフック → フォーム回答を受信
  • データストア「レコードを検索」→ 過去24時間の回答データ
  • イテレーター → 各回答を個別に処理
  • Table aggregator → CSV形式にまとめる
  • Googleドライブ「ファイルをアップロード」→ CSVファイルとして保存

高度な使い方とテクニック

フィルタリングとの組み合わせ:

イテレーターの後にフィルターを設置することで、特定の条件に合うデータのみを処理できます。例えば、売上データから特定の商品カテゴリーのみを抽出して処理する場合に便利です。

ネストした配列の処理:

配列の中に配列が含まれる複雑なデータ構造の場合、イテレーターを複数段階で使用します。例えば、注文データ(配列)の中に商品リスト(配列)が含まれる場合、2つのイテレーターを使って完全に展開できます。

エラーハンドリング:

大量のデータを処理する際は、エラーが発生する可能性も高くなります。イテレーターの後に「エラーハンドラー」を設置し、処理に失敗したアイテムを別途記録しておくことで、後から再処理できるようにしておきましょう。

これらの基本的な使い方をマスターすれば、Makeでより複雑な自動化ワークフローを構築できるようになります。詳しいMakeの基本機能については、Make完全ガイド記事で解説していますので、併せて参考にしてください。

イテレーター・アグリゲーターの選び方と比較

どんな場面でどちらを使うべきか

イテレーターとアグリゲーターは、それぞれ異なる目的で使用します。適切に使い分けることで、効率的なワークフローを構築できます。

イテレーターを使うべき場面:

  • 複数のレコードに対して同じ処理を繰り返したい
  • 配列の各要素を個別のモジュールで処理する必要がある
  • バッチ処理を個別処理に変換したい
  • APIの制限により、1回のリクエストで1件しか処理できない

アグリゲーターを使うべき場面:

  • 複数のデータを1つのレポートにまとめたい
  • 個別の処理結果を集計・統計処理したい
  • 複数のソースからのデータを統合したい
  • CSVやJSON形式でデータをエクスポートしたい

他の方法との比較

Makeには、イテレーター・アグリゲーター以外にも配列を扱う方法があります。それぞれの特徴を理解して、最適な方法を選択しましょう。

Array関数を使う方法:

  • メリット:シンプルな配列操作には十分、モジュール数を削減できる
  • デメリット:複雑な処理には向かない、可読性が低下する場合がある
  • 使用例:map()、filter()、length()などの関数で簡単な変換や集計

カスタムJavaScriptを使う方法:

  • メリット:完全な柔軟性、複雑なロジックも実装可能
  • デメリット:プログラミング知識が必要、デバッグが難しい
  • 使用例:特殊な集計処理、複雑な条件分岐を含む処理

外部サービスを使う方法:

  • メリット:特定の用途に特化した機能が使える
  • デメリット:追加コストが発生、処理速度が遅くなる可能性
  • 使用例:専門的なデータ分析、大規模なバッチ処理

パフォーマンスとコストの考慮

イテレーターを使用すると、配列の要素数だけ後続のモジュールが実行されます。これは「オペレーション数」の増加につながり、Makeの料金プランによってはコストに影響します。

例えば、100件のデータを処理する場合:

  • イテレーターなし:1オペレーション
  • イテレーターあり:100オペレーション以上

大量のデータを定期的に処理する場合は、オペレーション数を考慮してワークフローを設計する必要があります。可能であれば、バッチ処理に対応したモジュールを使用したり、処理を分割して実行したりすることを検討しましょう。

まとめ:次のステップへ

この記事では、Makeのイテレーターとアグリゲーターについて、基本的な使い方から実践的な活用法まで解説しました。これらのモジュールを使いこなすことで、配列データの処理という大きな壁を乗り越え、より高度な自動化を実現できます。

今すぐ実践できる3つのステップ:

  1. まずは簡単なテストシナリオを作成し、イテレーターで配列を分解する動作を確認する
  2. 実際の業務で配列データを扱っている部分を洗い出し、自動化の可能性を検討する
  3. 小規模なデータから始めて、徐々に処理量を増やしていく

もしMakeをまだ使い始めていない方は、こちらから無料で始められます。無料プランでも基本的な機能は十分に試せるので、まずは手を動かしてみることをおすすめします。

イテレーターとアグリゲーターは、Makeの自動化において避けて通れない重要な機能です。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度理解してしまえば、あなたの自動化の可能性は大きく広がります。ぜひこの記事を参考に、より効率的なワークフローの構築にチャレンジしてみてください。