「部門ごとの収益性を把握したいけど、どうやって設定すればいいの？」
「マネーフォワードクラウド会計の部門別会計機能、使いこなせていない…」
このような悩みをお持ちの経理担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか。
部門別会計は、企業の各部門の収益性や効率性を正確に把握するための重要な機能です。
しかし、初期設定が複雑に感じられ、活用できていない企業も少なくありません。
この記事では、マネーフォワードクラウド会計での部門別会計の設定方法を、実際の画面操作を交えながら詳しく解説します。
読み終わる頃には、明日から部門別の損益管理を始められる実践的な知識が身につきます。
部門別会計の重要性と現状の課題
部門別会計とは、企業全体の会計を部門ごとに区分して管理する会計手法です。営業部、製造部、管理部といった組織単位や、商品カテゴリー、地域別など、企業の管理ニーズに応じて区分を設定できます。
私が会計コンサルタントとして関わった中堅製造業A社では、部門別会計を導入前は「どの製品ラインが利益を生み出しているか分からない」という課題を抱えていました。全社の売上は伸びているものの、実は赤字部門が足を引っ張っていたことが、部門別会計の導入で初めて明らかになったのです。
部門別会計を導入していない企業が直面する問題
- 経営判断の遅れ：どの事業が利益貢献しているか把握できず、投資判断を誤るリスク
- 非効率な資源配分：赤字部門に無駄な投資を続けてしまう可能性
- 責任の所在が不明確：部門長の業績評価が適切にできない
- 改善ポイントの見落とし：全社数値では見えない部門特有の課題を発見できない
特に複数の事業を展開している企業や、営業拠点が複数ある企業では、部門別会計なしでは正確な経営状況の把握は困難です。例えば、東京支店は黒字でも大阪支店が大幅な赤字の場合、全社では黒字に見えても、大阪支店の改善なくして持続的な成長は望めません。
マネーフォワードクラウド会計の部門別会計機能の特徴
従来のパッケージソフトでは、部門設定の変更に時間がかかり、柔軟性に欠けることが多くありました。しかし、マネーフォワードクラウド会計では、クラウドならではの柔軟性を活かし、いつでも部門の追加・変更が可能です。
さらに、リアルタイムで部門別の損益を確認できるため、月次決算を待たずに経営判断ができる点も大きなメリットです。
マネーフォワードクラウド会計での部門別会計設定方法
それでは、実際の設定方法を詳しく見ていきましょう。設定は大きく分けて「部門コードの登録」「仕訳への部門設定」「レポートの確認」の3ステップで完了します。
ステップ1：部門コードの登録
まず、管理画面から部門コードを登録します。
- マネーフォワードクラウド会計にログイン後、「各種設定」メニューを選択
- 「部門」をクリック
- 「部門を追加」ボタンをクリック
- 部門コード（3桁の数字推奨）と部門名を入力
- 必要に応じて階層構造を設定
実践的なコード設定例：
- 100：営業部門（110：東京営業所、120：大阪営業所）
- 200：製造部門（210：第一工場、220：第二工場）
- 300：管理部門（310：総務部、320：経理部）
コード体系は後から変更すると過去データとの整合性が取れなくなるため、将来の拡張性を考慮して設計することが重要です。私の経験では、100番台ごとに大分類を分け、10番台で中分類を設定する方法が最も管理しやすいです。
ステップ2：仕訳入力時の部門設定
部門コードの登録が完了したら、日々の仕訳入力時に部門を指定します。
自動仕訳ルールの活用：
毎回手動で部門を選択するのは手間がかかるため、自動仕訳ルールを設定することをお勧めします。
- 「自動仕訳ルール」メニューから新規ルールを作成
- 条件設定（例：摘要に「東京」が含まれる場合）
- アクション設定（部門コード110を自動設定）
これにより、銀行連携で取り込んだデータも自動的に部門分けされ、作業効率が大幅に向上します。
ステップ3：部門別レポートの活用
設定が完了したら、各種レポートで部門別の数値を確認できます。
主要なレポート機能：
- 部門別損益計算書：各部門の売上高、原価、利益を一覧表示
- 部門別推移表：月次での部門業績の推移を確認
- 部門間比較表：同期間での部門間のパフォーマンス比較
特に経営者の方には、ダッシュボード機能で部門別の主要指標をグラフで視覚的に確認することをお勧めします。数字の羅列では見えにくい傾向も、グラフなら一目で把握できます。
よくある設定ミスと回避方法
実際の導入支援で遭遇した、よくある設定ミスをご紹介します。
- 共通費の配賦忘れ
- 問題：本社家賃などの共通費を特定部門に偏って計上
- 解決：配賦基準を明確にし、按分計算を自動化
- 部門コードの重複
- 問題：似た名称の部門に異なるコードを付与
- 解決：コード体系表を作成し、全社で共有
- 期中での部門変更
- 問題：組織変更時の過去データの扱い
- 解決：変更日を明確にし、比較可能性を確保
他の会計ソフトとの比較と導入判断基準
部門別会計機能は多くの会計ソフトに搭載されていますが、マネーフォワードクラウド会計には独自の強みがあります。
マネーフォワードクラウド会計の優位性
- 設定の柔軟性：部門階層を3階層まで設定可能で、複雑な組織構造にも対応
- リアルタイム性：クラウドならではの即時反映で、タイムリーな経営判断が可能
- 連携機能：請求書発行や経費精算システムとの連携で、部門情報を自動引継ぎ
- コストパフォーマンス：部門数による追加料金なし（多くの競合製品は部門数で課金）
導入をお勧めする企業の特徴
以下のような企業には、特にマネーフォワードクラウド会計の部門別会計機能が適しています。
- 複数拠点を持つ企業（支店別管理が必要）
- プロジェクト型ビジネス（案件別収支管理）
- 製造業（製品ライン別原価管理）
- 今後事業拡大を予定している成長企業
一方で、単一事業で部門が少ない企業や、すでに他システムで部門管理を完結させている企業では、導入メリットは限定的かもしれません。
まとめ：部門別会計で経営の見える化を実現
マネーフォワードクラウド会計の部門別会計機能は、適切に設定・活用することで、経営の見える化を大きく前進させることができます。
本記事で解説した設定方法を参考に、まずは主要部門から段階的に導入することをお勧めします。最初から完璧を目指すのではなく、運用しながら改善していくアプローチが成功への近道です。
部門別会計の導入により、各部門の責任者が自部門の業績に対する意識を高め、全社的な収益性向上につながることを多くの企業で実感いただいています。
今ならマネーフォワードクラウド会計を1ヶ月無料でお試しできます。この機会に、部門別会計機能を含む充実した機能を体験してみてはいかがでしょうか。設定でお困りの際は、充実したサポート体制も用意されていますので、安心して導入を進められます。