オンラインゲームのプレイ中や、大切なビデオ会議の最中に突然接続が不安定になる…。
そんな経験はありませんか？
もしかしたら、その原因は「パケット損失」かもしれません。
特にVPNサービスを利用していると、この問題に直面することがあります。
この記事では、人気のVPNサービスであるNordVPNを利用中に発生するパケット損失の原因を解明し、誰でも簡単にできる設定調整で、安定した接続を維持するための具体的な方法を詳しく解説します（この記事は2025年11月時点の情報に基づいています）。
NordVPN利用時に「パケット損失」が起こる主な原因
パケット損失は、インターネット上でデータを送受信する際に、データの一部（パケット）が目的地に届かずに失われてしまう現象です。これにより、オンラインゲームでのラグ、ビデオ通話の途切れ、ウェブサイトの読み込み遅延などが発生します。では、なぜNordVPNのような高品質なVPNを使っていても、この問題は起こるのでしょうか。主な原因を3つ見ていきましょう。
1. サーバーの混雑と物理的な距離
最も一般的な原因の一つが、接続しているVPNサーバーの混雑です。特定のサーバーに多くのユーザーが同時に接続すると、サーバーの処理能力が追いつかず、パケットが破棄されやすくなります。また、自分の現在地から物理的に遠い国にあるサーバーに接続することも、パケットが移動する距離が長くなるため、損失のリスクを高める要因となります。データが経由するネットワークポイントが増えるほど、どこかで問題が発生する可能性が上がるのです。
2. 選択しているVPNプロトコルの問題
NordVPNは、複数のVPNプロトコル（通信規格）を提供しています。代表的なものに、速度と安定性のバランスが良い「NordLynx」や、信頼性の高い「OpenVPN (TCP/UDP)」があります。通常、初期設定の「自動選択」で問題ありませんが、お使いのインターネット環境（Wi-Fiの状況や、インターネットサービスプロバイダの制限など）によっては、特定のプロトコルが不安定になることがあります。特に、速度重視のUDPプロトコルは、エラー訂正の仕組みが簡素なため、ネットワークが不安定な状況ではパケット損失が起こりやすい傾向があります。
3. セキュリティソフトやファイアウォールによる干渉
意外な盲点となるのが、お使いのPCやルーターに設定されているセキュリティソフトやファイアウォールです。これらのソフトウェアがVPNの通信を「疑わしいトラフィック」と誤認し、パケットをブロックまたは遅延させることがあります。VPNは通信を暗号化してトンネルを形成するため、一部のセキュリティ機能が過剰に反応してしまうのです。これにより、意図せずしてパケット損失が引き起こされるケースは少なくありません。
今すぐできる！NordVPNのパケット損失を改善する5つの設定
パケット損失の原因がわかったところで、次はいよいよ具体的な解決策です。専門的な知識がなくても試せる、効果的な5つの設定調整をご紹介します。ほとんどはNordVPNのアプリ内で完結するため、すぐに実践できます。
1. 接続プロトコルを「NordLynx」または「OpenVPN (TCP)」に変更する
最も効果が期待できる方法の一つが、プロトコルの変更です。NordVPNの独自技術である「NordLynx」は、高速通信を実現するWireGuardプロトコルをベースにしており、速度と安定性の両面で非常に優れています。多くの場合、これに切り替えるだけで接続が大幅に改善されます。
それでも改善しない場合は、「OpenVPN (TCP)」を試してみてください。TCPは、パケットが正しく届いたかを確認しながら通信するため、UDPよりも信頼性が高いプロトコルです。速度は若干低下する可能性がありますが、パケット損失を確実に減らしたい場合には非常に有効な選択肢です。
- 設定方法: NordVPNアプリの「設定」→「接続」→「VPNプロトコル」から選択できます。
2. 最適なサーバーに再接続する
サーバーの混雑を避けるため、一度現在の接続を切り、再度接続し直すだけでも効果があります。NordVPNの「クイック接続」機能を使えば、アルゴリズムがその時点で最もパフォーマンスの良いサーバーを自動的に選んでくれます。
もし特定の国のサーバーに接続したい場合は、国リストの横にある三点リーダーから、サーバーの負荷率（Load）が低いサーバーを手動で選ぶのも良い方法です。負荷率が低いほど、サーバーは空いており、安定した通信が期待できます。
3. P2Pに最適化された特殊サーバーを利用する
NordVPNには、特定の用途に最適化された「特殊サーバー」があります。その中の一つである「P2Pサーバー」は、大容量のデータを高速かつ安定して送受信するように設計されています。通常のブラウジングやストリーミング目的であっても、このP2Pサーバーに接続することで、結果的にパケット損失が減り、接続が安定することがあります。特に、標準サーバーで改善が見られない場合に試す価値のある方法です。
4. DNSサーバー設定をカスタマイズする
通常、NordVPNは独自の高速DNSサーバーを使用しますが、ごく稀に、お使いのネットワーク環境との相性問題が発生することがあります。その場合は、DNS設定をカスタマイズしてみましょう。信頼性の高いパブリックDNS（例: Google Public DNSの「8.8.8.8」や「8.8.4.4」）を設定することで、名前解決のプロセスが安定し、間接的にパケット損失の改善に繋がる可能性があります。
- 設定方法: NordVPNアプリの「設定」→「接続」→「DNS」からカスタムDNSアドレスを入力できます。
5. 「脅威対策」機能を一時的に無効にしてテストする
NordVPNの強力なセキュリティ機能である「脅威対策」や「脅威対策ライト」は、マルウェアや広告をブロックする優れた機能ですが、他のソフトウェアと同様に、VPNの通信に干渉する可能性がゼロではありません。問題の切り分けとして、この機能を一時的にオフにして接続が安定するかどうかを確認してみてください。もしこれで改善するようであれば、脅威対策機能の設定を見直すか、お使いの他のセキュリティソフトとの連携を調整する必要があります。
それでも改善しない場合の高度な対策と最終手段
上記の基本的な設定を試してもパケット損失が続く場合、問題はNordVPNアプリの外にある可能性が考えられます。ここでは、もう少し踏み込んだ対策をいくつかご紹介します。
有線LAN接続を試す
Wi-Fi（無線LAN）は、電子レンジや他のワイヤレス機器からの電波干渉を受けやすく、それ自体がパケット損失の原因になることがあります。可能であれば、PCをルーターに直接LANケーブルで接続する「有線接続」を試してみてください。これにより、Wi-Fiの不安定さが原因であった場合は、劇的に接続が安定します。特に、一瞬のラグも許されないオンラインゲームをプレイする際には、有線接続が最も確実な方法です。
ルーターの再起動とファームウェアの更新
見落としがちですが、ルーター自体が一時的な不具合を起こしている可能性もあります。一度ルーターの電源を抜き、数分待ってから再起動することで、問題が解決することがよくあります。また、ルーターのメーカーが提供する最新のファームウェアに更新することも、セキュリティとパフォーマンスの向上に繋がるため、定期的に確認することをおすすめします。
NordVPNのカスタマーサポートに問い合わせる
あらゆる手段を試しても問題が解決しない場合、最終手段としてNordVPNのカスタマーサポートに連絡しましょう。NordVPNは24時間365日対応のライブチャットとメールサポートを提供しています。専門の技術者が、あなたの具体的な状況を分析し、より専門的な解決策を提示してくれます。その際は、これまでに試した対策を伝えると、よりスムーズに問題解決が進むでしょう。
まとめ：設定を最適化して快適なVPNライフを
NordVPN利用時のパケット損失は、いくつかの簡単な設定調整で大幅に改善できる場合がほとんどです。まずは、以下の3つのポイントから試してみてください。
- VPNプロトコルを「NordLynx」に変更する
- 「クイック接続」で最適なサーバーに接続し直す
- Wi-Fiではなく有線LAN接続を試す
これらの対策を講じることで、オンラインゲーム、動画ストリーミング、リモートワークなど、あらゆる場面で安定した高速通信の恩恵を受けられるはずです。
もし、あなたがNordVPNを始めたばかりで、基本的な使い方やさらに詳しい機能について知りたい場合は、私たちの総合ガイド記事がきっと役立つはずです。ぜひ参考にしてみてください。
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