育休を取得したものの、「この期間を活用して副業を始めたい」「将来のために開業準備をしたい」と考えていませんか?
実は、育休中の副業開業は可能ですが、知らないと損をする重要なルールがいくつもあります。
私自身、第一子の育休中に副業を始め、開業届を提出した経験があります。
その際、事前に知っておけばよかったと後悔したポイントがたくさんありました。
この記事では、育休中の副業開業で失敗しないための手続きの注意点、収入の壁、そして実際の開業準備の進め方まで、実体験を交えながら詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたも安心して育休中の開業準備を進められるようになるでしょう。
育休中の副業開業で知っておくべき3つの重要ポイント
育休中に副業で開業を考える人が増えています。総務省の調査によると、2022年の副業・兼業を希望する人の割合は過去最高の9.7%に達しました。特に子育て世代では、将来の教育費や生活費の不安から、収入源を増やしたいと考える人が多いようです。
しかし、育休中の副業開業には特有の注意点があります。例えば、ある会社員の女性は、育休中に始めた副業収入が月10万円を超えたため、育児休業給付金が減額されてしまいました。また、別の男性は、開業届を提出したタイミングを誤り、会社との間でトラブルになってしまったケースもあります。
このような失敗を避けるためには、以下の3つのポイントを理解しておく必要があります。
1. 育児休業給付金への影響
育休中に副業収入を得ると、育児休業給付金が減額される可能性があります。具体的には、副業収入と育児休業給付金の合計が、休業開始前の賃金月額の80%を超える場合、超えた分だけ給付金が減額されます。
2. 会社の就業規則との関係
多くの企業では、副業に関する規定を設けています。育休中であっても雇用関係は継続しているため、就業規則の副業規定は適用されます。事前に確認せずに開業すると、最悪の場合、懲戒処分の対象となる可能性もあります。
3. 社会保険料への影響
育休中は社会保険料が免除されていますが、副業で一定以上の収入を得ると、この免除が受けられなくなる場合があります。特に、副業先で社会保険に加入する必要が生じた場合は、注意が必要です。
育休中の副業開業を成功させる5つのステップ
育休中の副業開業を成功させるには、正しい手順で準備を進めることが重要です。ここでは、私の経験と多くの相談事例をもとに、失敗しない5つのステップを紹介します。
ステップ1:会社の就業規則を確認する
まず最初に行うべきは、勤務先の就業規則の確認です。副業に関する規定は、企業によって大きく異なります。
- 完全禁止型:一切の副業を認めない企業(全体の約20%)
- 許可制型:事前申請により許可する企業(全体の約50%)
- 届出制型:事前届出で可能な企業(全体の約20%)
- 自由型:特に制限のない企業(全体の約10%)
許可制や届出制の場合は、必ず事前に手続きを行いましょう。私の場合、届出制の会社でしたが、人事部に相談したところ、育休中の副業に理解を示してもらえ、スムーズに進められました。
ステップ2:収入の壁を理解する
育休中の副業収入には、いくつかの「壁」があります。これらを理解しておくことで、計画的な収入管理が可能になります。
月額13万円の壁(育児休業給付金)
育児休業給付金は、休業開始前6か月の平均賃金の67%(181日目以降は50%)が支給されます。例えば、休業前の月収が30万円だった場合、最初の180日間は月額約20万円の給付金を受け取れます。
この時、副業収入が月10万円を超えると、合計収入が休業前賃金の80%(24万円)を超えるため、超過分だけ給付金が減額されます。つまり、副業収入は月4万円程度に抑えるのが賢明です。
年間20万円の壁(確定申告)
副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。ただし、開業届を提出して個人事業主になった場合は、金額に関わらず確定申告が必要です。
年間130万円の壁(社会保険)
配偶者の扶養に入っている場合、年収130万円を超えると扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要があります。
ステップ3:開業届の提出タイミングを決める
開業届の提出タイミングは慎重に検討しましょう。私の経験では、以下の3つのパターンがあります。
- 育休開始直後:準備期間を長く取れるが、実績がないため事業計画が立てにくい
- 育休中盤(3-6か月目):生活リズムが安定し、副業に充てる時間が見えてくる
- 復職直前:育休中の実績をもとに計画が立てやすいが、準備期間が短い
私は育休4か月目に開業届を提出しました。この時期は赤ちゃんの生活リズムも安定し、自分の時間も確保しやすくなっていたため、ちょうど良いタイミングでした。
開業届の作成は、マネーフォワード クラウド開業届を利用すると、無料で簡単に作成できます。必要事項を入力するだけで、税務署に提出する書類が自動で作成されるので、初めての方でも安心です。
ステップ4:青色申告の準備をする
開業届と同時に青色申告承認申請書も提出することをおすすめします。青色申告には以下のメリットがあります。
- 最大65万円の青色申告特別控除
- 赤字の3年間繰越
- 家族への給与を経費にできる
- 30万円未満の固定資産を一括経費計上
特に育休中は収入が限られるため、節税効果の高い青色申告は大きなメリットになります。私も青色申告を選択し、初年度から約15万円の節税効果がありました。
青色申告承認申請書も、マネーフォワード クラウド開業届の完全ガイドを参考にすれば、開業届と一緒に簡単に作成できます。
ステップ5:事業用の銀行口座とクレジットカードを準備する
個人事業主として活動する場合、プライベートと事業の収支を分けることが重要です。これにより、確定申告時の経理処理が格段に楽になります。
私は開業と同時に以下を準備しました。
- 事業用銀行口座:ネット銀行で手数料が安いものを選択
- 事業用クレジットカード:年会費無料で還元率の高いものを選択
- 会計ソフト:クラウド型で銀行口座と連携できるものを選択
これらを準備することで、日々の記帳作業が自動化でき、育児で忙しい中でも経理処理に時間を取られることがなくなりました。
育休中の副業開業:3つの選択肢を徹底比較
育休中に副業を始める場合、大きく3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
1. 開業届を出さずに副業する
メリット:
- 手続きが簡単
- 年間20万円以下なら確定申告不要
- 会社にバレにくい
デメリット:
- 青色申告の特典を受けられない
- 事業としての信頼性が低い
- 経費計上に制限がある
こんな人におすすめ:
月収2-3万円程度の小規模な副業を考えている人、試験的に副業を始めたい人
2. 開業届を出して個人事業主になる
メリット:
- 青色申告で最大65万円の控除
- 事業としての信頼性向上
- 屋号での銀行口座開設が可能
デメリット:
- 確定申告が必須
- 帳簿作成の義務
- 失業保険が受けられなくなる
こんな人におすすめ:
本格的に事業を始めたい人、月収5万円以上を目指す人、将来的に法人化も視野に入れている人
3. 復職後に開業する
メリット:
- 育児休業給付金への影響なし
- 安定収入を確保しながら副業可能
- 実績を積んでから開業できる
デメリット:
- 復職後は時間の確保が困難
- 準備期間が短い
- モチベーション維持が難しい
こんな人におすすめ:
リスクを最小限に抑えたい人、まずは会社員として復帰したい人、副業の方向性がまだ定まっていない人
まとめ:育休中の副業開業を成功させるために
育休中の副業開業は、正しい知識と準備があれば十分に実現可能です。重要なのは、育児休業給付金への影響を理解し、会社の規則を確認した上で、計画的に進めることです。
まず取るべき行動は以下の3つです。
- 勤務先の就業規則で副業規定を確認する
- 育児休業給付金の受給額と副業収入の上限を計算する
- 開業届の提出時期を検討し、必要書類を準備する
開業届の作成には、マネーフォワード クラウド開業届を活用すれば、無料で簡単に必要書類を作成できます。育休という限られた時間を有効活用し、新しいキャリアの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
さらに詳しい開業準備の方法については、個人事業主になるための完全ガイドもぜひ参考にしてください。あなたの新しいチャレンジを応援しています。