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赤字でも確定申告は必要?繰越控除のメリットを解説

「今年は赤字だから、確定申告しなくてもいいかな…」

そんな風に考えている個人事業主の方、ちょっと待ってください。

実は、赤字の年こそ確定申告をすることで、将来の税金を大幅に節約できる可能性があるんです。

私も独立して最初の年は赤字でした。

「収入がないから税金も払わないし、確定申告は不要」と思い込んでいたのですが、税理士さんに相談したところ「それはもったいない!」と言われたんです。

今回は、赤字でも確定申告をすべき理由と、繰越控除による節税メリットについて詳しく解説します。

赤字でも確定申告が必要な3つの理由

1. 繰越控除で将来の税金を節約できる

個人事業主の場合、事業所得の赤字(純損失)を翌年以降3年間繰り越すことができます。これを「純損失の繰越控除」といいます。

例えば、今年100万円の赤字が出た場合、来年黒字になったときにその100万円分を差し引くことができるんです。

繰越控除の具体例

  • 2024年:100万円の赤字(確定申告で繰越控除の手続き)
  • 2025年:150万円の黒字 → 課税所得は50万円(150万円 – 100万円)

この制度を使わないと、来年150万円全額に対して税金がかかってしまいます。所得税率が20%の場合、20万円も損することになるんです。

2. 青色申告の承認を維持できる

青色申告者の場合、2年連続で確定申告書を提出しないと、青色申告の承認が取り消される可能性があります。

青色申告には以下のようなメリットがあるため、承認を維持することは非常に重要です:

  • 青色申告特別控除(最大65万円)
  • 純損失の繰越控除(3年間)
  • 少額減価償却資産の特例(30万円未満の資産を一括経費計上)

3. 所得証明が必要な場面で困らない

確定申告をしていないと、以下のような場面で必要な「所得証明書」を取得できません:

  • 住宅ローンの審査
  • 子どもの保育園申請
  • 賃貸契約の審査
  • 各種補助金・給付金の申請

赤字でも確定申告していれば「所得はゼロ(またはマイナス)」という証明ができます。

繰越控除を受けるための条件

繰越控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります:

青色申告をしていること

純損失の繰越控除は、青色申告者の特典です。白色申告では利用できません。

青色申告を始めるには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります:

  • 新規開業の場合:開業日から2ヶ月以内
  • 既に事業をしている場合:青色申告をしたい年の3月15日まで

期限内に確定申告書を提出すること

繰越控除を受けるには、損失が生じた年の確定申告書を期限内(翌年3月15日まで)に提出する必要があります。

期限を過ぎても申告はできますが、繰越控除の適用は受けられなくなるので注意しましょう。

連続して確定申告書を提出すること

繰越控除を受けている期間中は、毎年確定申告書を提出する必要があります。

途中で申告を怠ると、それ以降の繰越控除が受けられなくなります。

繰越控除の具体的な手続き方法

必要な書類

繰越控除を受けるには、確定申告書に加えて以下の書類が必要です:

  • 確定申告書B(第一表・第二表)
  • 青色申告決算書
  • 損失申告用の第四表(一)(損失が生じた年)
  • 損失申告用の第四表(二)(繰越控除を受ける年)

記入のポイント

損失申告は通常の確定申告より複雑で、特に第四表の記入は間違えやすいポイントです。

主な注意点:

  • 損失額を正確に計算する
  • 繰越可能な損失と繰越できない損失を区別する
  • 前年からの繰越損失がある場合は、それも含めて記入する

初めての損失申告は特に難しく感じるかもしれません。私も最初は手書きで作成しようとして、何度も書き直しました。

効率的に確定申告を行うコツ

赤字の確定申告は、黒字の時以上に正確な帳簿付けが重要です。なぜなら、経費の計上漏れがあると、本来繰り越せるはずの損失額が減ってしまうからです。

日々の帳簿付けを習慣化する

確定申告時期になって慌てて領収書を整理するのは大変です。日頃から以下のような工夫をしておくと楽になります:

  • 領収書はすぐにスキャンして電子保存
  • 銀行口座やクレジットカードは事業用と個人用を分ける
  • 定期的に帳簿を更新する(週1回程度)

会計ソフトを活用する

手書きやExcelでの帳簿管理は、ミスが起きやすく時間もかかります。特に繰越控除の計算は複雑なので、会計ソフトの利用がおすすめです。

最近は、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳してくれるクラウド型の会計ソフトも増えています。例えば、マネーフォワード クラウド確定申告のようなサービスを使えば、日々の記帳から確定申告書の作成まで一貫して管理できます。

赤字経営から黒字化へのステップ

繰越控除は節税効果がありますが、やはり事業は黒字化を目指したいものです。赤字から脱却するための基本的なステップを紹介します。

1. 収支の見える化

まずは現状を正確に把握することが大切です:

  • 月次の収支を把握する
  • 固定費と変動費を分析する
  • 売上の推移をグラフ化する

2. 経費の見直し

無駄な経費がないか定期的にチェックしましょう:

  • 使っていないサブスクリプションの解約
  • 事務所費用の見直し(在宅ワークへの切り替えなど)
  • 仕入れコストの削減(複数業者との比較)

3. 売上アップの施策

経費削減だけでなく、売上を増やす努力も重要です:

  • 既存顧客へのアップセル・クロスセル
  • 新規顧客の開拓
  • 単価アップの検討

よくある質問

Q1. 白色申告でも繰越控除は受けられますか?

A. いいえ、純損失の繰越控除は青色申告者の特典です。白色申告では利用できません。ただし、変動所得や被災事業用資産の損失など、一部例外があります。

Q2. 副業の赤字も繰越控除できますか?

A. 副業が「事業所得」として認められれば可能です。ただし、規模や継続性などから「雑所得」と判断される場合は、繰越控除の対象外となります。

Q3. 繰越控除を忘れていた場合、後から申請できますか?

A. 更正の請求により、一定期間内であれば修正可能です。ただし、期限を過ぎた申告では繰越控除自体が認められないため、必ず期限内に申告しましょう。

まとめ:赤字の年こそ確定申告を忘れずに

赤字経営は精神的にも辛いものですが、繰越控除という制度を活用すれば、将来の税負担を軽減できます。

重要なポイントをもう一度整理すると:

  • 赤字でも確定申告をすることで、最大3年間の繰越控除が可能
  • 青色申告の承認維持や所得証明の取得など、他にもメリットがある
  • 繰越控除を受けるには、青色申告かつ期限内申告が必須
  • 正確な帳簿付けが節税効果を最大化する

確定申告は面倒に感じるかもしれませんが、将来の自分への投資だと考えてみてください。特に事業を始めたばかりの方は、最初の数年は赤字になることも珍しくありません。

その赤字を無駄にせず、きちんと申告して繰越控除を受けることで、黒字化した際の税負担を軽減できます。これは、事業を継続していく上で大きな支えとなるはずです。

もし「確定申告が難しそう…」と感じているなら、会計ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。マネーフォワード クラウド確定申告の無料お試しなら、実際の操作感を確認してから導入を決められます。

赤字の今こそ、将来の節税に向けて一歩踏み出してみませんか?