独立を夢見て個人事業主になったけれど…
「会社員を辞めて自由な働き方をしたい」
「自分のペースで仕事がしたい」
「もっと稼げるようになりたい」
そんな思いを胸に、10年以上前に個人事業主として独立しました。
しかし、現実は想像していたものとは大きく違いました。
この記事では、私が個人事業主になって実際に経験した5つの後悔と、そこから学んだ教訓を包み隠さずお伝えします。
これから独立を考えている方が、私と同じ失敗を繰り返さないための実践的なアドバイスも含めてご紹介します。
なぜ多くの人が個人事業主になって後悔するのか
総務省の統計によると、個人事業主として開業した人の約40%が3年以内に廃業しているという現実があります。この数字の背景には、独立前には見えなかった様々な落とし穴が潜んでいます。
理想と現実のギャップが大きすぎる
独立前、私は「自由な時間」「高収入」「やりがいのある仕事」という3つの理想を描いていました。しかし、実際に独立してみると:
- 自由な時間どころか、365日仕事のことを考える日々
- 収入は不安定で、会社員時代の半分以下の月も
- 営業、経理、事務作業など、本業以外の雑務に追われる毎日
特に開業初年度は、売上がほぼゼロの月もあり、貯金を切り崩しながらの生活でした。会社員時代には当たり前だった「毎月決まった日に給料が振り込まれる」ということが、どれほどありがたかったかを痛感しました。
準備不足のまま独立してしまう人が多い
私自身もそうでしたが、「とりあえず独立してから考えよう」という見切り発車で始める人が少なくありません。しかし、個人事業主として成功するためには、事前の入念な準備が不可欠です。
例えば、開業届の提出一つとっても、青色申告の申請期限を知らずに白色申告で1年目を過ごし、節税メリットを逃してしまったという失敗談はよく聞きます。私も同じ失敗をしました。
そんな失敗を避けるためにも、マネーフォワード クラウド開業届の活用ガイドのような情報を事前にチェックし、必要な手続きを漏れなく行うことが大切です。
個人事業主になって後悔した5つのこと
1. 収入の不安定さと将来への不安
会社員時代は毎月25日になれば必ず給料が振り込まれていました。しかし、個人事業主になってからは、売上がゼロの月もあれば、100万円を超える月もあるという極端な状況に。
最も辛かったのは、開業から3ヶ月目。売上がわずか5万円しかなく、家賃すら払えない状況に陥りました。妻に頭を下げて生活費を工面してもらい、プライドはズタズタでした。
対策として実践したこと:
- 6ヶ月分の生活費を確保してから独立する
- 複数の収入源を確保する(単価の低い案件も受ける)
- 固定費を徹底的に削減する(家賃、通信費など)
- 売上予測を保守的に見積もる(楽観的な予測の50%で計算)
2. 税金と社会保険料の重さ
会社員時代は給料から天引きされていた税金や社会保険料。個人事業主になると、これらを自分で計算し、納付しなければなりません。
特に衝撃的だったのは、国民健康保険料の高さです。前年の所得に基づいて計算されるため、会社員最後の年の収入が基準となり、月額7万円近い保険料を請求されました。さらに、住民税、国民年金、所得税、個人事業税と、次々と請求書が届きます。
私が学んだ教訓:
- 売上の30〜40%は税金・社会保険料として確保する
- 青色申告特別控除(65万円)を必ず活用する
- 小規模企業共済やiDeCoで節税対策を行う
- 税理士に相談して適切な節税対策を講じる
3. 孤独感と精神的プレッシャー
会社員時代は、困ったときに相談できる上司や同僚がいました。しかし、個人事業主になると、すべての決断を一人で行わなければなりません。
特に辛かったのは、クライアントからのクレーム対応です。会社員なら上司に相談できますが、個人事業主は自分一人で解決しなければなりません。深夜まで対応に追われ、精神的に追い詰められた日もありました。
孤独感を解消するために:
- 同業者のコミュニティに積極的に参加する
- コワーキングスペースを利用して人との接点を作る
- メンターや相談相手を見つける
- 定期的に友人や家族と会う時間を作る
4. 仕事とプライベートの境界線がなくなった
「自由な働き方」を求めて独立したはずが、気づけば24時間365日仕事のことを考える生活に。土日も関係なく、深夜でもクライアントからの連絡に対応し、家族との時間は激減しました。
ある日、5歳の娘に「パパはいつもパソコンばかり見てる」と言われたときは、本当にショックでした。何のために独立したのか、自問自答する日々が続きました。
ワークライフバランスを保つ工夫:
- 仕事用の携帯電話とプライベート用を分ける
- 営業時間を明確に設定し、クライアントに周知する
- 週に1日は完全オフの日を作る
- 家族との時間を優先的にスケジュールに入れる
5. スキルアップの時間が取れない
会社員時代は研修や勉強会など、スキルアップの機会が用意されていました。しかし、個人事業主になると、目の前の仕事をこなすことで精一杯。新しい技術や知識を学ぶ時間が取れません。
その結果、競合他社に仕事を奪われることも増え、「このままでは生き残れない」という危機感を持つようになりました。
継続的な成長のために:
- 朝の1時間を学習時間として確保する
- オンライン講座を活用して効率的に学ぶ
- 同業者との情報交換を積極的に行う
- 年間売上の5%を自己投資に充てる
個人事業主として成功するための具体的な対策
開業前の準備を徹底する
私の最大の失敗は、準備不足のまま独立したことです。今思えば、最低でも以下の準備は必須でした:
- 1年分の生活費の確保(最低でも6ヶ月分)
- 見込み客リストの作成(最低10社以上)
- 事業計画書の作成(3年分の収支計画)
- 必要な資格や許認可の取得
- 会計・税務知識の習得
特に開業届や青色申告の手続きは、早めに済ませておくことが重要です。マネーフォワード クラウド開業届なら、必要な書類を無料で簡単に作成できるので、手続きのハードルがぐっと下がります。
複数の収入源を確保する
一つのクライアントに依存するのは非常に危険です。私も経験しましたが、メインクライアントとの契約が突然終了し、収入が一気にゼロになったことがあります。
リスク分散のために実践すべきこと:
- 最低3社以上のクライアントを確保する
- 収入の50%以上を1社に依存しない
- ストック型ビジネスを構築する(月額課金など)
- 副業や投資など、事業以外の収入源も作る
専門家のサポートを活用する
すべてを一人でやろうとするのは無理があります。私も最初は「経費削減」と思って全部自分でやっていましたが、結果的に非効率でした。
活用すべき専門家:
- 税理士(確定申告、節税対策)
- 社会保険労務士(労務管理、助成金申請)
- 弁護士(契約書作成、トラブル対応)
- 中小企業診断士(経営相談、補助金申請)
他の選択肢との比較
副業から始めるという選択肢
いきなり独立するのではなく、まずは副業から始めるという方法もあります。私も今思えば、この方法を選ぶべきでした。
副業のメリット:
- 安定収入を確保しながらビジネスを構築できる
- 失敗してもダメージが少ない
- 顧客基盤を築いてから独立できる
副業のデメリット:
- 時間的制約が大きい
- 本業との両立が難しい
- 成長スピードが遅い
フランチャイズという選択肢
ゼロからビジネスを立ち上げるのではなく、フランチャイズに加盟するという方法もあります。
フランチャイズのメリット:
- ビジネスモデルが確立されている
- ブランド力を活用できる
- サポート体制が整っている
フランチャイズのデメリット:
- 初期投資が大きい
- ロイヤリティの支払いが必要
- 自由度が低い
まとめ:失敗から学んだ個人事業主として生き残るための教訓
個人事業主になって3年。数々の失敗と後悔を経験しましたが、今では安定した収入を得られるようになりました。振り返ってみると、成功の鍵は「準備」「リスク管理」「継続的な改善」の3つでした。
これから独立を考えている方は、まず以下の3つから始めてください:
- 徹底的な準備:最低6ヶ月分の生活費を確保し、事業計画を綿密に立てる
- 適切な手続き:開業届や青色申告の手続きを確実に行う
- リスク分散:複数の収入源を確保し、専門家のサポートを活用する
個人事業主としての道は決して楽ではありません。しかし、適切な準備と覚悟があれば、会社員では得られない充実感と自由を手に入れることができます。私の失敗談が、あなたの成功への道しるべとなることを願っています。