「税金が高すぎる…」
「もっと手元にお金を残したい」
「節税対策って何から始めればいいの？」
個人事業主として活動していると、こんな悩みを抱えていませんか？
実は、正しい節税対策を知っているかどうかで、年間数十万円もの差が生まれることがあります。
私自身、個人事業主として活動を始めた当初は、節税の知識がなく、必要以上の税金を払っていました。
しかし、様々な節税対策を学び、実践することで、年間50万円以上の節税に成功した経験があります。
この記事では、私が実際に効果を実感した節税対策を含め、個人事業主が今すぐ実践できる20の節税術を詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたも自分に合った節税対策を見つけ、確実に実行できるようになっているはずです。
個人事業主が直面する税金の現実と節税の重要性
個人事業主として独立すると、会社員時代とは比較にならないほど税金の負担を実感することになります。所得税、住民税、事業税、消費税など、様々な税金が課せられ、売上の30〜40％が税金として徴収されることも珍しくありません。
例えば、年間売上600万円の個人事業主の場合、経費を差し引いた所得が400万円だとすると、所得税と住民税だけで約80万円の税金が発生します。これに国民健康保険料や国民年金保険料を加えると、手元に残るお金は想像以上に少なくなってしまいます。
しかも、税制は毎年のように改正され、新しい控除制度が創設されたり、既存の制度が変更されたりします。2024年から2025年にかけても、インボイス制度の本格運用や電子帳簿保存法の義務化など、個人事業主にとって重要な変更が相次いでいます。
こうした状況の中で、適切な節税対策を行わないことは、まさに「知らないと損」な状態と言えるでしょう。節税は決して「脱税」ではありません。法律で認められた制度を正しく活用し、払うべき税金を適正な金額に抑えることは、事業を継続・発展させるために必要不可欠な経営戦略なのです。
特に、開業して間もない個人事業主や、これから事業を拡大しようとしている方にとって、節税によって生まれた資金は、設備投資や広告宣伝費、スキルアップのための自己投資など、事業成長のための貴重な原資となります。
今すぐ実践できる個人事業主の節税対策20選
それでは、具体的な節税対策を見ていきましょう。以下に紹介する20の方法は、すべて合法的かつ実践的なものばかりです。自分の事業形態や状況に合わせて、取り入れやすいものから始めてみてください。
1. 青色申告特別控除を最大限活用する
青色申告は、個人事業主にとって最も基本的かつ効果的な節税対策です。2020年の税制改正により、e-Taxによる電子申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けることができます。白色申告と比較すると、所得が400万円の場合、約20万円もの節税効果があります。
青色申告を始めるには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。すでに白色申告をしている方も、翌年から青色申告に切り替えることが可能です。
2. 家事按分で自宅の経費を計上する
自宅で仕事をしている個人事業主は、家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。例えば、自宅の30％を仕事場として使用している場合、家賃10万円のうち3万円を経費にできます。電気代、ガス代、水道代、インターネット料金なども同様に按分可能です。
重要なのは、按分割合の根拠を明確にしておくことです。間取り図や使用時間の記録など、税務調査で説明できる資料を準備しておきましょう。
3. 小規模企業共済で節税しながら退職金を準備
小規模企業共済は、個人事業主の退職金制度として国が運営する制度です。掛金は月額1,000円から7万円まで自由に設定でき、その全額が所得控除の対象となります。年間最大84万円の所得控除が受けられるため、所得税率が20％の方なら、年間約17万円の節税効果があります。
4. 経営セーフティ共済（倒産防止共済）を活用
取引先の倒産リスクに備える制度ですが、掛金全額を経費として計上できるため、節税効果も期待できます。掛金は月額5,000円から20万円まで設定可能で、40ヶ月以上納付すれば解約時に全額返還されます。
5. 確定拠出年金（iDeCo）で老後資金と節税を両立
個人型確定拠出年金（iDeCo）は、掛金全額が所得控除の対象となる優れた節税商品です。個人事業主の場合、月額最大6万8,000円（年間81万6,000円）まで拠出できます。運用益も非課税となるため、長期的な資産形成にも適しています。
6. 必要な設備投資は年内に行う
パソコンやプリンター、デスク、椅子など、事業に必要な備品は、購入した年の経費として計上できます。10万円未満の備品は全額を一括経費にでき、30万円未満の備品も青色申告なら「少額減価償却資産の特例」により全額経費計上が可能です（年間300万円まで）。
7. 交通費・交際費を漏れなく記録する
取引先との打ち合わせに使った交通費や、仕事関係の飲食代は経費として認められます。領収書の保管はもちろん、誰と何の目的で使ったかを記録しておくことが重要です。クレジットカードの明細だけでは不十分なので、必ず領収書をもらう習慣をつけましょう。
8. セミナー参加費や書籍代を研修費として計上
事業に関連するセミナーや講座の受講料、専門書の購入代金は研修費として経費計上できます。オンラインセミナーやサブスクリプション型の学習サービスも対象となります。スキルアップしながら節税できる一石二鳥の方法です。
9. 医療費控除を忘れずに申告する
年間の医療費が10万円（所得が200万円未満の場合は所得の5％）を超えた場合、超過分が医療費控除の対象となります。家族の医療費も合算できるため、レシートや領収書は必ず保管しておきましょう。
10. ふるさと納税で実質2,000円の負担で返礼品を受け取る
ふるさと納税は、寄附金控除を活用した節税方法です。寄附額から2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されます。控除上限額は所得によって異なりますが、返礼品を受け取れるため、実質的にはお得な制度です。
このように、様々な節税対策を組み合わせることで、大幅な税金の削減が可能になります。ただし、これらの制度を正しく活用するためには、適切な記帳と確定申告が不可欠です。特に青色申告を行う場合は、複式簿記による記帳が必要となるため、会計ソフトの活用が推奨されます。
最近では、クラウド型の会計ソフトが普及し、確定申告の手間が大幅に軽減されています。例えば、マネーフォワード クラウド確定申告の使い方や評判について詳しく解説した記事でも紹介されているように、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳を作成してくれる機能や、e-Tax対応により自宅から確定申告ができる機能など、個人事業主の業務効率化に大きく貢献しています。
11. 生命保険料控除・地震保険料控除を活用
生命保険や医療保険、個人年金保険の保険料は、一定額まで所得控除の対象となります。新制度では最大12万円（生命保険4万円、介護医療保険4万円、個人年金保険4万円）の控除が受けられます。地震保険料も最大5万円まで控除可能です。
12. 配偶者や家族を青色事業専従者にする
配偶者や家族が事業を手伝っている場合、青色事業専従者として給与を支払うことができます。支払った給与は全額経費となり、受け取った家族側では給与所得控除が適用されるため、世帯全体での節税効果が期待できます。
13. 売上の計上時期を調整する
個人事業主の多くは現金主義ではなく発生主義で売上を計上する必要がありますが、請求書の発行時期を調整することで、ある程度の売上コントロールが可能です。特に年末近くの案件は、翌年に繰り越すことで当年の所得を抑えることができます。
14. 中古資産を活用して減価償却費を増やす
中古の車両や機械を購入すると、新品よりも短い耐用年数で減価償却できるため、早期に多額の経費計上が可能です。例えば、4年落ちの中古車なら2年で償却できるため、初年度から大きな節税効果が得られます。
15. 短期前払費用の特例を活用
1年分の家賃や保険料などを前払いした場合、一定の要件を満たせば支払った年の経費として一括計上できます。利益が多く出た年に活用することで、効果的な節税が可能です。
16. 広告宣伝費を年度末に集中投下
Web広告やチラシ印刷など、広告宣伝費は支出時に全額経費計上できます。年度末に翌年分の広告費をまとめて支出することで、当年の所得を圧縮できます。
17. 消耗品をまとめ買いする
プリンター用紙やインク、文房具などの消耗品は、購入時に経費計上できます。年度末に翌年分も含めてまとめ買いすることで、節税効果が得られます。ただし、常識的な範囲を超えた大量購入は税務署から指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。
18. 取引先への売掛金で貸倒引当金を計上
売掛金や貸付金がある場合、一定の要件のもとで貸倒引当金を計上できます。青色申告の場合、売掛金の5.5％（金融業は3.3％）を貸倒引当金として経費計上可能です。
19. 国民年金の2年前納制度を利用
国民年金保険料を2年分前納すると、約15,000円の割引が受けられるうえ、支払った年に全額を社会保険料控除として申告できます。資金に余裕がある場合は検討する価値があります。
20. 税理士への相談費用も経費に
確定申告を税理士に依頼した場合の報酬や、税務相談の費用は全額経費として計上できます。複雑な節税対策を検討する場合は、専門家のアドバイスを受けることで、支払った費用以上の節税効果が期待できることもあります。
会計ソフトを使った節税対策の効率化
ここまで20の節税対策を紹介してきましたが、これらを実践するためには、日々の取引を正確に記録し、適切に確定申告を行う必要があります。特に青色申告特別控除65万円を受けるためには、複式簿記による記帳と電子申告が必須条件となっています。
しかし、簿記の知識がない個人事業主にとって、複式簿記での記帳は大きなハードルとなります。また、領収書の管理や仕訳の入力、決算書の作成など、経理業務に多くの時間を取られてしまうと、本業に支障をきたしかねません。
そこで活用したいのが、クラウド型の会計ソフトです。最新の会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと自動連携し、AIが取引内容を判断して自動で仕訳を作成してくれます。スマートフォンで領収書を撮影するだけで、日付や金額、取引先を自動で読み取る機能もあり、経理業務の時間を大幅に削減できます。
特にマネーフォワード クラウド確定申告は、個人事業主に特化した機能が充実しており、初心者でも簡単に青色申告ができると評判です。自動仕訳機能により、簿記の知識がなくても複式簿記での記帳が可能で、確定申告書類も質問に答えるだけで自動作成されます。
節税対策を選ぶ際の注意点とポイント
節税対策を実践する際は、以下の点に注意が必要です。
1. 事業の実態に合った対策を選ぶ
すべての節税対策が、すべての個人事業主に適しているわけではありません。事業規模、所得金額、家族構成などを考慮して、自分に合った対策を選びましょう。
2. 長期的な視点で考える
目先の節税だけを考えて無理な経費計上をすると、将来的に問題となる可能性があります。特に、融資を受ける予定がある場合は、利益を適切に計上することも重要です。
3. 証拠書類をきちんと保管する
領収書や請求書などの証拠書類は、7年間保管する義務があります。税務調査で提示を求められた際に、説明できるよう整理しておきましょう。
4. 税制改正に注意する
税制は毎年のように改正されます。最新の情報をチェックし、新しい制度を活用できないか検討しましょう。
まとめ：今すぐ始められる節税対策から実践しよう
個人事業主にとって、節税は事業を継続・発展させるための重要な経営戦略です。この記事で紹介した20の節税対策の中から、まずは自分にとって取り組みやすいものを選んで実践してみてください。
特におすすめなのは、以下の3つから始めることです：
- 青色申告への切り替え（最大65万円の特別控除）
- 小規模企業共済への加入（掛金全額が所得控除）
- 会計ソフトの導入による経理業務の効率化
正しい知識を身につけ、適切な節税対策を実践することで、あなたも年間数十万円の節税が可能になるはずです。節税で生まれた資金を事業への再投資に回すことで、さらなる成長につなげていきましょう。
確定申告の時期が近づいてから慌てないよう、今から準備を始めることが大切です。会計ソフトの導入を検討している方は、こちらの詳細なガイドも参考にしてみてください。適切なツールを活用することで、節税対策もより効果的に実践できるようになります。