「暗号資産を、日常の決済に」。
そんな未来的な体験を可能にする次世代の暗号資産カード「Tria(トリア)」。
Web3の銀行とも呼ばれ、リリース前から大きな注目を集めていました。
私もその一人で、期待に胸を膨らませてTriaを使い始めました。
しかし、実際に使ってみると、理想通りにはいかない「誤算」があったのも事実です。
この記事では、私がTriaユーザーとしてリアルに感じた「3つの誤算」と、それを乗り越えるための具体的な解決策を、忖度なくお話しします。
Triaに興味がある方、これから使おうか迷っている方が、後悔しないための判断材料になれば幸いです。
誤算1:思ったより「普段使い」にコツがいる?日常決済の壁
Triaの最大の魅力は、なんといっても「暗号資産でそのまま支払いができる」こと。1億3000万以上の加盟店で使えると聞き、私は「これで財布から現金や従来のクレジットカードが消えるかも」と期待していました。しかし、実際に日常の様々なシーンで使ってみると、いくつかの壁に突き当たりました。
加盟店は多いはずなのに…使えない場面とは?
確かに、Visaが使える場所なら理論上はTriaも使えるはずです。実際に、コンビニや大手スーパー、オンラインショッピングでは問題なく決済できました。しかし、小規模な個人経営の飲食店や、一部のオンラインサービスでは決済エラーになることが稀にありました。また、公共料金やサブスクリプションサービスの支払い登録で弾かれてしまうケースも。これはTria側の問題というよりは、加盟店側の決済システムがプリペイドカードやデビットカードの性質を持つカードの登録に対応していないことが原因と考えられます。毎日使うようなサービスで登録できないと、結局別のカードが必要になり、「Tria一枚で完結」という理想は少し遠のいてしまいました。
為替レートと手数料の隠れた罠
Triaは、決済時に暗号資産を法定通貨(日本円など)に自動で交換してくれます。このプロセスは非常にスムーズですが、見落としがちなのが「為替レート」と「手数料」です。TriaはAIが最適な交換ルートを見つけてくれる「BestPath」技術を採用しており、一見すると最もお得なレートで交換してくれているように感じます。しかし、市場が不安定な時などは、自分が想定していたよりも不利なレートで交換されてしまう可能性がゼロではありません。また、決済自体に直接的な手数料はかからないものの、暗号資産をTriaアカウントに入金する際や、法定通貨から暗号資産へ交換する際には、ネットワーク手数料や交換手数料が発生します。これらの細かいコストが積み重なると、思った以上に出費がかさんでいた、ということになりかねません。
解決策:Triaを最大限活用する「使い分け」術
これらの経験から、私はTriaを「万能カード」としてではなく、「得意な場面で活躍する特殊カード」として捉え直しました。具体的な解決策は以下の通りです。
- 高額決済や海外サイトでの利用をメインに: 1日の利用限度額が最大100万ドルと非常に高いため、高価な買い物や海外での利用にTriaは真価を発揮します。従来のクレジットカードでは躊躇するような場面でも、Triaならスマートに決済可能です。
- 日常決済は「使い分け」を徹底: 毎日の細かな支払いは、ポイント還元率の高い他のクレジットカードやQRコード決済と使い分ける。特に、Triaが使えなかった経験のある店舗では、無理せず別の支払い方法を選択します。
- レートが良い時にまとめてチャージ: 暗号資産の価格が良いタイミングで、ある程度の金額をTriaのSpend Accountにチャージ(交換)しておく。これにより、決済時の不利なレート変動リスクを軽減できます。
このように、Triaの特性を理解し、他の決済手段と賢く使い分けることで、日常決済の壁は十分に乗り越えられると感じています。
誤算2:「高利回り」の裏側にある注意点
Triaのもう一つの大きな魅力が、暗号資産を預けておくだけで高い利回りを得られる「Earn」機能です。公式サイトでは「14%+ earnings」といった魅力的な数字が並び、DeFiの知識がなくても簡単にステーキングに参加できる手軽さに惹かれました。しかし、これもまた、実際に利用する上で知っておくべき注意点がありました。
APY(年間利回り)の変動リスクを理解する
まず、表示されているAPYはあくまで「過去の実績」や「予測」であり、未来永続的に保証されるものではありません。暗号資産市場の状況や、DeFiプロトコルの需給バランスによって、APYは日々変動します。私が利用を開始した当初は15%を超えていた利回りが、数週間後には10%近くまで低下したこともありました。「何もしなくても高利回りが得られる」と過度に期待していると、この変動に一喜一憂してしまうことになります。これはTriaに限った話ではありませんが、DeFiの基本的なリスクとして理解しておく必要があります。
ステーキングはメンバーシップ限定という事実
これが私にとって一番の誤算でした。Triaの「Earn」機能、つまりステーキングを利用して利回りを得るためには、有料のメンバーシップ(Virtual, Signature, Premiumのいずれか)に加入する必要があるのです(2025年10月時点の情報)。無料プランのままでは、暗号資産を保有することはできても、それを運用して収益を得ることはできません。公式サイトをよく読めば記載されていることですが、「誰でも簡単に高利回り」というイメージが先行していたため、この条件に気づいた時は少し戸惑いました。メンバーシップ費用は月額あるいは年額で発生するため、ステーキングで得られる利益がメンバーシップ費用を下回ってしまう可能性も考慮しなければなりません。
解決策:リスクを抑えつつ「Earn」機能を賢く使う方法
高利回りの魅力は依然として大きいため、私は以下の戦略で「Earn」機能と付き合っています。
- 余剰資金で運用する: ステーキングに回す資金は、あくまで生活に影響のない「余剰資金」に限定する。APYの変動や市場リスクを許容できる範囲内で行うことが精神衛生上も重要です。
- メンバーシップ費用を計算に入れる: ステーキングを開始する前に、想定される利回りから年間のメンバーシップ費用を差し引き、実質的な利益がどれくらいになるかをシミュレーションします。利益が十分に見込める場合にのみ、ステーキングを実行します。
- 複数の戦略に分散させる: もしTriaが将来的に複数のステーキング戦略を提供するようになった場合、一つの戦略に資金を集中させるのではなく、リスク許容度に応じて複数の戦略に分散させることを検討します。
「Earn」機能は、その仕組みとリスクを正しく理解すれば、資産を増やす強力な武器になります。過度な期待はせず、冷静な判断で活用することが成功の鍵です。Triaの各機能やメンバーシップに関するより詳細な情報については、Triaの登録方法から使い方まで網羅した完全ガイド記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
誤算3:「ガスレス」は完全無料ではない?見落としがちなコスト
Triaは「ガスレス」を謳っており、通常DeFiを利用する際に発生する複雑なガス代(ネットワーク手数料)の支払いをユーザーが意識する必要がない、という画期的な特徴を持っています。これにより、チェーンを跨いだ送金やステーキングがタップ一つで完了します。この体験はまさに革命的ですが、「ガスレス = コストゼロ」と誤解してしまうと、後から思わぬコストに気づくことになります。
Triaが肩代わりする手数料の仕組み
Triaの「ガスレス」は、ユーザーが支払うべきガス代をTriaが一時的に肩代わりしてくれる仕組みです。これにより、ユーザーはガス代計算の煩わしさから解放されます。しかし、Triaも慈善事業ではありません。この肩代わりされたコストは、何らかの形で回収されると考えるのが自然です。例えば、暗号資産の交換レートに上乗せされたり、サービス全体の利用料に含まれていたりする可能性があります。明確に「ガス代」として請求されないだけで、間接的にユーザーが負担している可能性は否定できません。この点を理解しておかないと、「Triaは全てが無料で使える」という誤った認識を持ってしまいます。
メンバーシップ費用という実質的なコスト
前述の通り、Triaの主要機能である「Earn」などをフル活用するには、有料のメンバーシップが必要です。このメンバーシップ費用こそが、「ガスレス」などの便利なサービスを維持するための、最も分かりやすい「コスト」と言えるでしょう。月額数ドルから数十ドルの費用がかかりますが、これを支払うことで、ガス代の心配なくシームレスなWeb3体験ができる権利を買っている、と考えることができます。つまり、Triaはガス代を「都度払い」するのではなく、「月額(または年額)のサブスクリプション料金」として支払うモデルに近いと言えます。
解決策:コストを上回るメリットを引き出すための戦略
Triaのコスト構造を理解した上で、そのメリットを最大限に引き出すための考え方は以下の通りです。
- Triaをアクティブに使う人ほどお得に: 暗号資産の取引やDeFiの利用頻度が高い人ほど、ガス代を気にしなくてよいTriaの恩恵は大きくなります。月に何度もチェーンを跨いだ取引をするようなアクティブユーザーにとっては、メンバーシップ費用を支払っても、トータルで見ればガス代を個別に支払うより安くなる可能性があります。
- 時間的コストの削減を評価する: ガス代の計算、適切なタイミングの見極め、ウォレット間の資金移動…これらに費やしていた時間を大幅に削減できるのがTriaの価値です。この「時間的コストの削減」を金銭的価値に換算してみましょう。もしメンバーシップ費用が、その削減できた時間的価値よりも低いと感じるなら、Triaはあなたにとって「お得なサービス」と言えます。
- 自分に合ったメンバーシッププランを選ぶ: 自分のTria利用頻度やステーキング額に合わせて、最適なメンバーシッププランを選ぶことが重要です。最初は一番安いプランから始めて、利用状況に応じてアップグレードを検討するのが賢明なアプローチです。
「ガスレス」は魔法の言葉ではありませんが、その裏にあるコスト構造を理解し、自分の利用スタイルと照らし合わせることで、Triaが提供する価値を正しく評価できるようになります。
まとめ:誤算を乗り越え、Triaを真のパートナーに
この記事では、私がTriaを実際に使って感じた「3つの誤算」と、それに対する具体的な解決策をご紹介しました。
- 日常決済の壁: 「万能カード」ではなく「得意な場面で使うカード」と割り切り、高額決済や海外利用を中心に活用する。
- 高利回りの注意点: APYの変動リスクを理解し、有料メンバーシップのコストを考慮した上で、余剰資金で賢く運用する。
- ガスレスのコスト: 「完全無料」ではなく、メンバーシップ費用という形でサービス利用料を支払っていると理解し、時間的コスト削減のメリットを評価する。
Triaは、確かにいくつかの「誤算」や注意すべき点がありました。しかし、それらはTriaがダメなサービスだということでは決してありません。むしろ、その特性と仕組みを正しく理解し、賢く付き合うことで、これまでの金融サービスでは得られなかった強力なメリットを享受できる、革新的なツールであると私は確信しています。
この記事が、あなたのTriaに対する理解を深め、より良いWeb3ライフを送る一助となれば幸いです。
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