個人事業主として独立を考えているけれど、開業届の提出方法がわからない。
税務署に行く時間がないし、e-Taxで提出できると聞いたけど手続きが複雑そう。
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
開業届は個人事業主として事業を始める際に必要な重要な手続きです。
従来は税務署の窓口や郵送での提出が一般的でしたが、最近ではe-Taxを利用した電子申請も可能になりました。
この記事では、e-Taxで開業届を提出するメリットと具体的な手順について詳しく解説します。
e-Taxで開業届を提出する5つのメリット
e-Taxを利用して開業届を提出することには、多くのメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを紹介します。
1. 24時間365日いつでも提出可能
e-Taxの最大のメリットは、時間や場所を選ばずに手続きができることです。税務署の開庁時間に関係なく、深夜や休日でも自宅から開業届を提出できます。会社員として働きながら副業を始める方や、忙しくて税務署に行く時間が取れない方にとって非常に便利です。
2. 税務署に行く手間が省ける
わざわざ税務署まで足を運ぶ必要がないため、交通費や移動時間を節約できます。特に税務署が遠い地域に住んでいる方や、小さなお子さんがいて外出が難しい方にとっては大きなメリットです。
3. 書類の紛失リスクがない
電子申請なので、提出した書類のデータがシステム上に保存されます。紙の書類のように紛失する心配がなく、必要な時にいつでも確認できます。
4. 記入ミスをその場で確認できる
e-Taxのシステムでは、入力内容に不備がある場合、その場でエラーメッセージが表示されます。窓口提出や郵送では後日連絡が来ることもありますが、e-Taxなら即座に修正して再提出できます。
5. 環境にやさしい
ペーパーレスで手続きができるため、紙の使用量を削減できます。環境への配慮も重要視される現代において、小さな一歩ですが意味のある選択です。
e-Taxで開業届を提出するための事前準備
e-Taxで開業届を提出するには、いくつかの事前準備が必要です。スムーズに手続きを進めるために、以下の準備を整えましょう。
必要なもの
- マイナンバーカード（電子証明書付き）
- ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマートフォン
- パソコン（推奨環境：Windows 10以降、macOS 10.14以降）
- インターネット環境
e-Taxの利用者識別番号の取得
e-Taxを初めて利用する場合は、利用者識別番号（16桁の番号）を取得する必要があります。この番号は、e-Taxのウェブサイトから開始届出書を提出することで取得できます。
e-Taxでの開業届提出手順
それでは、実際にe-Taxで開業届を提出する手順を詳しく見ていきましょう。
ステップ1：e-Taxソフトの準備
まず、国税庁のウェブサイトからe-Taxソフト（WEB版）にアクセスします。初回利用時は、必要なソフトウェアのインストールが求められる場合があります。
ステップ2：ログイン
利用者識別番号と暗証番号を入力してログインします。マイナンバーカードを使用する場合は、カードリーダーにカードを挿入し、電子証明書の暗証番号を入力します。
ステップ3：開業届の作成
メニューから「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択します。画面の指示に従って、以下の情報を入力していきます。
- 氏名、生年月日
- 住所（納税地）
- 職業
- 屋号（ある場合）
- 開業日
- 事業の概要
- 事業所の所在地
ステップ4：青色申告承認申請書の同時提出（任意）
青色申告を希望する場合は、開業届と同時に「青色申告承認申請書」も提出できます。青色申告には最大65万円の特別控除などのメリットがあるため、検討する価値があります。
ステップ5：内容確認と電子署名
入力内容を確認し、間違いがなければ電子署名を行います。マイナンバーカードの電子証明書を使用して署名します。
ステップ6：送信
すべての手続きが完了したら、データを送信します。送信が完了すると、受信通知が表示されます。この受信通知は大切に保管しておきましょう。
e-Taxでの開業届提出における注意点
e-Taxは便利なシステムですが、いくつか注意すべき点があります。
技術的なハードル
パソコンの操作に不慣れな方にとっては、初期設定やソフトウェアのインストールが難しく感じることがあります。また、ICカードリーダーの購入が必要な場合、追加費用がかかります。
マイナンバーカードの準備期間
マイナンバーカードを持っていない場合、申請から受け取りまで1か月程度かかることがあります。急いで開業届を提出したい方には不向きかもしれません。
システムエラーへの対応
まれにシステムエラーが発生することがあります。その場合、自力で解決するのが難しく、サポートセンターへの問い合わせが必要になることもあります。
もっと簡単に開業届を提出する方法
e-Taxでの開業届提出は確かに便利ですが、初めての方には設定や操作が複雑に感じられることもあるでしょう。そんな方におすすめなのが、開業届作成サービスの活用です。
たとえば、無料で使える開業準備ガイドでは、個人事業主になるための手続きを詳しく解説しています。特に注目したいのが、必要事項を入力するだけで開業届や青色申告承認申請書が自動で作成できるサービスです。
開業届作成サービスのメリット
- 質問に答えるだけで書類が完成
- 記入漏れや間違いを防げる
- 専門知識がなくても安心
- 作成した書類をそのまま提出可能
実際にマネーフォワード クラウド開業届を使えば、画面の指示に従って必要事項を入力するだけで、税務署に提出できる開業届が完成します。e-Taxの複雑な設定に悩む必要もありません。
開業届提出後にやるべきこと
開業届を提出したら、個人事業主としての第一歩を踏み出したことになります。次にやるべきことを確認しておきましょう。
事業用の銀行口座を開設
プライベートと事業の収支を分けるため、事業専用の銀行口座を開設することをおすすめします。経理処理が格段に楽になります。
会計ソフトの導入
日々の取引を記録し、確定申告に備えるため、会計ソフトの導入を検討しましょう。クラウド型の会計ソフトなら、スマートフォンからでも入力できて便利です。
請求書や領収書の管理体制構築
事業で発生する請求書や領収書は、税務調査に備えて適切に保管する必要があります。デジタル化して管理すると、検索も簡単で効率的です。
まとめ
e-Taxで開業届を提出することは、時間と場所を選ばない便利な方法です。24時間365日いつでも手続きができ、税務署に行く手間も省けます。ただし、マイナンバーカードやICカードリーダーの準備、システムの操作など、技術的なハードルがあることも事実です。
もし、e-Taxの設定や操作に不安を感じる方は、開業届作成サービスの活用を検討してみてください。質問に答えるだけで必要な書類が作成でき、そのまま提出可能な形式で出力されます。
開業届の提出は、個人事業主としての重要な第一歩です。自分に合った方法を選んで、スムーズに事業をスタートさせましょう。どの方法を選んでも、大切なのは確実に手続きを完了させることです。
これから個人事業主として活躍される皆さんの成功を心から願っています。