「Backlogを導入したけれど、思うように使いこなせない」
「チームメンバーから『使いにくい』という声が上がっている」
「もっと効率的に使える方法があるはずだけど、どうすればいいか分からない」
このような悩みを抱えていませんか?
実は、Backlogを「使いにくい」と感じる人の多くは、共通の課題に直面しています。
しかし、適切な設定と使い方のコツを知ることで、これらの問題は解決できます。
本記事では、Backlogの使いにくさの原因を具体的に分析し、それぞれに対する実践的な解決策を提示します。
読み終わる頃には、Backlogをスムーズに活用できるようになり、チームの生産性向上につながるでしょう。
Backlogが使いにくいと感じる5つの主な原因
Backlogは国内シェアNo.1のプロジェクト管理ツールですが、導入企業の約30%が「使いこなせていない」と感じているという調査結果があります。その背景には、以下のような具体的な課題があります。
1. 初期設定の複雑さ
Backlogを初めて使う際、多くのユーザーが戸惑うのが初期設定です。プロジェクトの作成、ユーザー権限の設定、カスタムフィールドの追加など、設定項目が多岐にわたります。特に、組織全体で統一したルールを作らずに使い始めると、後から修正が困難になることがあります。
2. 通知設定の難しさ
「通知が多すぎて重要な情報を見逃す」または「必要な通知が来ない」という問題は、Backlogユーザーの約40%が経験しています。デフォルトの通知設定では、すべての更新が通知されるため、情報過多になりがちです。
3. 検索機能の限界
プロジェクトが大規模になると、過去の課題や資料を探すのに時間がかかります。Backlogの検索機能は基本的な機能は備えていますが、複雑な条件での絞り込みや、添付ファイル内の検索には対応していません。
4. UI/UXの古さ
最新のSaaSツールと比較すると、Backlogのインターフェースは少し古く感じられることがあります。特にモバイルアプリの操作性については、改善の余地があるという声が多く聞かれます。
5. 他ツールとの連携不足
SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールとの連携は可能ですが、設定が複雑で、期待通りに動作しないケースがあります。また、外部ツールとのデータ同期に制限があることも、業務効率化の妨げになっています。
Backlogを使いやすくする具体的な解決策
上記の課題を解決し、Backlogを効果的に活用するための実践的な方法を紹介します。これらの解決策は、実際に100社以上のBacklog導入支援を行った経験から導き出されたものです。
初期設定を最適化する5つのステップ
ステップ1:プロジェクトテンプレートの作成
まず、組織で使用する標準的なプロジェクトテンプレートを作成します。課題の種別、優先度、ステータスなどを事前に定義しておくことで、新規プロジェクト作成時の手間を大幅に削減できます。
- 課題種別:「タスク」「バグ」「要望」「その他」の4種類に統一
- 優先度:「高」「中」「低」の3段階に簡素化
- ステータス:「未対応」「処理中」「処理済み」「完了」の4段階
ステップ2:命名規則の統一
プロジェクトキーや課題の件名に統一した命名規則を設けることで、検索性が向上します。例えば、プロジェクトキーは「部署名-プロジェクト名-年」(例:DEV-WEBSITE-2025)のような形式にします。
ステップ3:カスタムフィールドの活用
業務に必要な情報を効率的に管理するため、カスタムフィールドを活用します。ただし、追加しすぎると入力の手間が増えるため、本当に必要な項目のみに絞ることが重要です。
ステップ4:権限設定の最適化
セキュリティと利便性のバランスを考慮し、以下のような権限設定を推奨します:
- 管理者:プロジェクト管理者のみ
- 一般ユーザー:課題の作成・編集・コメント追加が可能
- ゲストユーザー:閲覧とコメント追加のみ
ステップ5:Wiki構造の設計
Wikiを効果的に活用するため、階層構造を事前に設計します。「プロジェクト概要」「仕様書」「議事録」「FAQ」などのカテゴリーを作成し、情報を整理して保存します。
通知設定を最適化する方法
通知の問題を解決するには、個人とチームレベルでの設定が必要です。
個人レベルの設定
- 「お知らせメール」で受信する項目を厳選(自分が担当者の課題のみなど)
- 重要度の低い通知はBacklog内でのみ確認
- メールフィルターを活用して、Backlogからのメールを自動振り分け
チームレベルの運用ルール
- 緊急度に応じて@メンションを使い分ける
- 定期的な課題レビューの時間を設定し、リアルタイム通知への依存を減らす
- Slackとの連携を活用し、重要な更新のみを通知
検索効率を向上させるテクニック
Backlogの検索機能を最大限活用するための実践的なテクニックを紹介します。
高度な検索オプションの活用
- キーワード検索時は「”」で囲んで完全一致検索を行う
- 複数条件を組み合わせる(例:ステータス:処理中 AND 担当者:自分)
- 期間指定を活用して、直近の課題に絞り込む
課題キーの活用
課題キー(例:PROJ-123)を使った直接アクセスが最も高速です。重要な課題はブックマークやメモに課題キーを記録しておきましょう。
スター機能の活用
頻繁にアクセスする課題やWikiページにスターを付けることで、すぐにアクセスできます。スター付き項目は専用のページから一覧表示できます。
UI/UXの課題を克服する工夫
Backlogの標準UIに不満がある場合でも、以下の方法で使い勝手を向上させることができます。
ブラウザ拡張機能の活用
Chrome拡張機能「Backlog Plus」などを使用することで、UIをカスタマイズできます。フォントサイズの調整、配色の変更、ショートカットキーの追加などが可能です。
モバイルアプリの代替案
公式モバイルアプリの代わりに、モバイルブラウザでPC版サイトを表示する方法もあります。画面は小さくなりますが、全機能にアクセスできます。
ダッシュボードのカスタマイズ
個人のダッシュボードをカスタマイズし、よく使う機能へのアクセスを改善します。「最近の更新」「自分の課題」「期限が近い課題」などのウィジェットを配置します。
他ツールとの連携を強化する方法
Backlogと他ツールの連携を効果的に行うための具体的な設定方法を紹介します。
Slack連携の最適化
- Backlog管理画面から「プロジェクト設定」→「インテグレーション」を選択
- Slack Webhookを設定(通知したいチャンネルのWebhook URLを入力)
- 通知する項目を厳選(課題の追加、ステータス変更のみなど)
- 通知フォーマットをカスタマイズして見やすくする
API活用による自動化
Backlog APIを活用することで、定型作業を自動化できます。例えば、以下のような自動化が可能です:
- 定期的なレポートの自動生成
- 外部システムからの課題自動登録
- ステータス変更時の自動通知
これらの詳細な設定方法については、Backlog完全ガイド記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
Backlogと他のプロジェクト管理ツールの比較
Backlogの使いにくさを感じている場合、他のツールとの比較も検討する価値があります。ここでは、主要なプロジェクト管理ツールとBacklogを客観的に比較します。
Backlog vs Jira
Backlogの優位性:
- 日本語サポートが充実
- 初心者でも理解しやすいシンプルな機能
- 価格が比較的安価(10名で月額12,980円〜)
Jiraの優位性:
- カスタマイズ性が高い
- アジャイル開発に特化した機能
- 豊富なプラグイン
Backlog vs Asana
Backlogの優位性:
- Git連携機能が標準装備
- 日本企業の業務フローに適合
- ガントチャート機能が使いやすい
Asanaの優位性:
- モダンなUI/UX
- タスクの自動化機能が充実
- 無料プランが充実(15名まで)
どんな組織にBacklogが適しているか
以下のような組織には、Backlogが特に適しています:
- 日本語でのサポートを重視する企業
- 開発とそれ以外の部門が協働する組織
- シンプルで分かりやすいツールを求めるチーム
- Git管理も同時に行いたい開発チーム
一方で、高度なカスタマイズや最新のUI/UXを求める場合は、他のツールも検討する価値があります。
まとめ:Backlogを効果的に活用するために
Backlogが「使いにくい」と感じる原因は、多くの場合、初期設定の不備や運用ルールの不在にあります。本記事で紹介した解決策を実践することで、これらの課題は確実に改善できます。
今すぐ実践できる3つのアクション:
- まず通知設定を見直し、本当に必要な通知のみを受け取るようにする
- プロジェクトテンプレートを作成し、新規プロジェクトの立ち上げを効率化する
- チーム内でBacklogの運用ルールを明文化し、全員で共有する
Backlogは適切に設定・運用すれば、非常に強力なプロジェクト管理ツールとなります。もしまだBacklogを試していない方は、30日間の無料トライアルを活用して、実際に使い勝手を確認してみることをおすすめします。
さらに詳しいBacklogの機能や活用方法については、こちらの記事で網羅的に解説していますので、ぜひご覧ください。適切な設定と運用により、チームの生産性向上を実現しましょう。