「プロジェクトの機密情報が心配だけど、チーム全体での情報共有も大切にしたい」
「外部の協力会社とBacklogを使いたいけど、見せたくない情報もある」
「メンバーごとに適切な権限を設定したいけど、複雑でよくわからない」
こんな悩みを抱えていませんか？
Backlogを使い始めて5年、様々なプロジェクトで権限設定に試行錯誤してきた私も、最初は同じような壁にぶつかりました。
しかし、権限設定の仕組みを理解し、適切に活用することで、情報統制とスムーズな共有を両立できるようになりました。
この記事では、実際のプロジェクトで培った権限設定のノウハウを、具体例とともに詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたのチームに最適な権限設定が明確になり、安心してBacklogを活用できるようになるでしょう。
なぜBacklogの権限設定が重要なのか？実際のトラブル事例から学ぶ
Backlogの権限設定は、単なる機能の一つではありません。プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。
私が実際に目撃したケースをご紹介しましょう。ある開発プロジェクトで、権限設定を「とりあえず全員同じでいいや」と適当に済ませた結果、以下のような問題が発生しました。
情報漏洩のリスク
新規事業の開発プロジェクトで、アルバイトスタッフが誤って機密情報を含む課題を外部に共有してしまいました。幸い大事には至りませんでしたが、権限設定が適切であれば防げた事故でした。
作業効率の低下
逆に権限を厳しくしすぎた別のプロジェクトでは、必要な情報にアクセスできないメンバーが続出。「この資料見せてください」「この課題の詳細教えてください」といったやり取りが頻発し、本来の業務に集中できない状況に陥りました。
責任の所在が不明確に
誰でも課題のステータスを変更できる設定にしていたため、「誰がこのタスクを完了にしたんだ？」「なぜ優先度が変わっているんだ？」といった混乱が日常茶飯事でした。
これらの問題は、すべて適切な権限設定で解決できます。特に以下のような状況では、権限設定の重要性がより高まります。
- 複数の部署や外部パートナーが関わるプロジェクト
- 機密性の高い情報を扱うプロジェクト
- 大人数が参加するプロジェクト（20名以上）
- 長期間にわたるプロジェクト（6ヶ月以上）
権限設定は「面倒な作業」ではなく、「プロジェクトを守る投資」と考えることが大切です。
実践！Backlogの権限設定を段階的にマスターする方法
それでは、実際にBacklogの権限設定を行う手順を、具体例とともに解説していきます。
ステップ1：プロジェクトの権限レベルを理解する
Backlogには4つの基本的な権限レベルがあります。それぞれの特徴と適した利用シーンを見ていきましょう。
管理者
- すべての操作が可能（プロジェクトの削除も含む）
- 適任者：プロジェクトマネージャー、チームリーダー
- 推奨人数：1〜3名程度
一般ユーザー
- 課題の作成・編集・削除が可能
- 適任者：開発メンバー、デザイナーなど実作業者
- 推奨人数：プロジェクトの中核メンバー全員
レポーター
- 課題の作成とコメントのみ可能（編集・削除は不可）
- 適任者：品質管理担当、テスター、カスタマーサポート
- 活用例：バグ報告専門のメンバーに最適
ゲスト
- 閲覧とコメントのみ可能
- 適任者：経営層、外部の協力会社、監査担当
- 活用例：進捗確認のみ必要な関係者向け
ステップ2：カテゴリーを活用した細かい権限制御
基本の権限レベルだけでは対応できない場合、カテゴリー機能を使って更に細かい制御が可能です。
実際の設定例をご紹介します。あるWebサービス開発プロジェクトで、以下のようなカテゴリー設定を行いました。
カテゴリー例：
- 「機能開発」：開発チーム全員がアクセス可能
- 「セキュリティ」：セキュリティチームと管理者のみ
- 「予算管理」：管理者とプロジェクトマネージャーのみ
- 「デザイン」：デザインチームと関連する開発者のみ
設定手順：
- プロジェクト設定から「カテゴリー」を選択
- 新規カテゴリーを作成し、名前を設定
- 「このカテゴリーの課題を参照可能なユーザー」で対象者を選択
- 課題作成時にカテゴリーを指定
ステップ3：外部メンバーとの安全な共有設定
外部の協力会社やフリーランサーとプロジェクトを進める場合、特に慎重な権限設定が必要です。
私が実践している「3段階セキュリティ設定」をご紹介します。
第1段階：プロジェクトを分ける
社内専用プロジェクトと外部共有プロジェクトを明確に分離します。例えば：
- 「製品開発_社内」：機密情報を含む全体管理用
- 「製品開発_外部連携」：外部メンバーと共有する情報のみ
第2段階：最小権限の原則
外部メンバーには必要最小限の権限のみを付与します。多くの場合、「レポーター」権限で十分です。
第3段階：定期的な権限見直し
プロジェクトの進行に合わせて、月1回は権限設定を見直します。不要になったアクセス権限は速やかに削除しましょう。
ステップ4：Wiki・ファイルの権限設定
課題だけでなく、WikiやファイルにもBacklogでは個別の権限設定が可能です。
特に重要なのが、以下のような文書の管理です：
- 仕様書：開発チームとレビュアーのみ編集可能に
- 議事録：作成者と管理者のみ編集可能に
- 契約関連文書：管理者のみアクセス可能に
Wikiの権限設定は、各ページごとに「編集可能なユーザー」を指定できます。これにより、情報の正確性を保ちながら必要な共有を実現できます。
よくある失敗と回避方法
権限設定でよくある失敗パターンと、その回避方法をまとめました。
失敗1：最初から完璧を求めすぎる
回避方法：まずは基本的な設定から始め、運用しながら調整していく
失敗2：権限の説明不足
回避方法：各メンバーに自分の権限と理由を明確に伝える
失敗3：例外処理の増加
回避方法：「この人だけ特別」を避け、ルールベースで設定する
他のプロジェクト管理ツールとの権限機能比較
Backlogの権限設定機能を、他の主要なプロジェクト管理ツールと比較してみましょう。
Backlog vs Redmine
Redmineは非常に細かい権限設定が可能ですが、その分複雑で設定に時間がかかります。一方、Backlogは必要十分な権限設定を直感的に行えるのが特徴です。
中小規模のプロジェクト（50名以下）であれば、Backlogの権限機能で十分対応可能です。
Backlog vs Trello
Trelloの権限設定はボード単位でシンプルですが、課題レベルでの細かい制御はできません。機密情報を扱うプロジェクトでは、Backlogの方が適しています。
Backlog vs Jira
Jiraは企業向けの高度な権限管理機能を持ちますが、設定の学習コストが高く、管理者の負担が大きくなりがちです。Backlogは、必要な機能を保ちながら使いやすさを重視しています。
総合的に見ると、Backlogは「使いやすさ」と「セキュリティ」のバランスが優れており、特に日本企業の文化に合った権限管理が可能です。
もしBacklogの機能についてより詳しく知りたい場合は、Backlog完全ガイド記事で全機能を網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ：今すぐ始められる権限設定の第一歩
Backlogの権限設定は、プロジェクトの情報統制と円滑な共有を両立させる重要な機能です。
今回解説した内容を簡潔にまとめると：
- 4つの基本権限レベルを理解し、適切に割り当てる
- カテゴリー機能で更に細かい制御を実現
- 外部メンバーには3段階セキュリティ設定を適用
- 定期的な見直しで最適な状態を維持
まずは現在のプロジェクトメンバーリストを確認し、各メンバーに適切な権限が設定されているか見直すことから始めましょう。
もしまだBacklogを使っていない方は、30日間の無料トライアルで実際に権限設定を試してみることをおすすめします。
適切な権限設定により、あなたのプロジェクトはより安全で効率的になるはずです。