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【動画編集の常識が変わる】Google Vidsで、”文字を消す”だけで映像が編集できる革命的新機能

本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年8月27日に作成されました。

Google Workspaceの新しい動画作成ツール「Google Vids」。

AIの力を借りて、誰もがプロ級のビデオを簡単に作れるこのツールは、すでに多くのビジネスパーソンのコミュニケーションを、より豊かで効果的なものへと変え始めています。

特に、製品デモ、研修コンテンツ、あるいは上司への進捗報告など、自分自身の声でナレーションを録音したり、カメラに向かって話したりする場面は多いでしょう。

しかし、いざ録画した映像を見返してみると、こんな「がっかり」に、頭を抱えた経験はありませんか。

「話の途中で、つい『えーっと』とか『あのー』とか、無駄な言葉を連発してしまっている…」

「考え込んでいる間の、気まずい『沈黙』が長すぎて、テンポが悪い…」

「この一文、やっぱり不要だったな。ここだけバッサリ切り取りたいけど、映像編集ソフトでタイミングを合わせてカットするのは、すごく難しい…」

こうした、ほんの少しの「ノイズ」が、ビデオ全体のプロフェッショナルな印象を損ない、視聴者の集中力を削いでしまいます。かといって、これらのノイズを一つひとつ手作業で編集するのは、あまりにも面倒で、時間のかかる作業でした。結局、「まあ、いいか…」と妥協してしまったり、最悪の場合、完璧を求めて何度も撮り直したり…。

この、ビデオ制作における最大の「壁」とも言える、地道で退屈な編集作業。この度、その常識を根底から覆す、まさに革命的な新機能が、Google Vidsに搭載されました。

今回は、あなたの動画編集の概念を、180度変えてしまう、「トランスクリプト(文字起こし)ベースの編集」機能について、その驚くべき能力を詳しく解説していきます。

新機能の核心:映像ではなく「文字」を編集する、という新発想

今回のアップデートの核心は、これまでの動画編集の常識を覆す、全く新しいアプローチにあります。

それは、「タイムライン上の映像や音声の波形を直接操作するのではなく、AIが自動で生成した『文字起こしテキスト(トランスクリプト)』を編集することで、元のビデオや音声ファイルを編集する」というものです。

具体的なワークフローの進化

  1. AIが、あなたの声を「文字」に変換:
    あなたがGoogle Vidsでナレーションを録音したり、ビデオクリップを追加したりすると、AI「Gemini」がその音声内容を自動で解析し、サイドパネルに正確な文字起こしテキストを生成します。

  2. AIが、編集すべき「ノイズ」を自動でマーキング:
    さらに賢いことに、Geminiは、生成したテキストの中から、編集すべき「ノイズ」を自動で特定し、視覚的に分かりやすくマーキングしてくれます。

    • フィラーワード(つなぎ言葉): 「えー (uh)」「あのー (um)」といった、会話の途中で無意識に出てしまう無駄な言葉は、赤色の下線付きで表示されます。

    • 不要な沈黙: 長すぎる無音部分は、「(…3s)」のように、その秒数と共に括弧で表示されます。

  3. まるでワープロ感覚!文字を「消す」だけで、映像がカットされる:
    ここからが、この機能の真骨頂です。あなたは、表示された文字起こしテキストの上で、まるでGoogleドキュメントを編集するかのように、不要な単語や沈黙の部分をクリックし、「削除」を選択するだけ。
    すると、そのテキストに対応する、元のビデオクリップの音声と映像の部分が、魔法のように、自動で、そしてシームレスにカットされるのです。

もう、映像のタイムラインを睨みつけ、1フレーム単位でカットポイントを探すような、専門的な作業は一切不要です。あなたが普段から慣れ親しんでいる、「文字を消す」という直感的な操作だけで、誰でもプロ級の滑らかなビデオ編集が、瞬時に行えるのです。

なぜこれが重要なのか?ビジネスビデオ制作の常識を変える3つのメリット

この「トランスクリプトベース編集」は、私たちのビデオ制作のあり方を、根本から変革する力を持っています。

メリット1:編集時間を「10分の1」にする、圧倒的なスピード
従来の動画編集では、フィラーワードや沈黙をカットする作業は、ビデオ全体の尺を何度も再生・停止しながら、一つひとつ手作業で行う、非常に時間のかかるプロセスでした。
この新機能を使えば、AIが自動でマーキングしてくれた箇所を、ワンクリックで一括削除することも可能です。数十分かかっていた地道な作業が、わずか数秒で完了します。この圧倒的な時間短縮は、ビジネスにおけるビデオ制作のスピード感を、全く新しいレベルへと引き上げます。

メリット2:専門スキル不要!誰もが「聞きやすい」ビデオを作れる
「えー」「あのー」といったノイズがない、テンポの良い滑らかな語りは、視聴者のストレスを軽減し、メッセージへの集中力を高めます。これは、プロのナレーターやプレゼンターが持つ、重要なスキルの一つでした。
この機能は、AIの力によって、そのスキルを「民主化」します。話すのがあまり得意ではない人でも、まるでプロが編集したかのような、聞きやすく、洗練されたビデオを、誰でも簡単に作成できるようになります。これにより、組織内で作成されるすべてのビデオコンテンツの品質が、底上げされます。

メリット3:コンテンツの「再利用性」が飛躍的に向上する
一度録画した長尺のビデオ(例:1時間の研修セミナー)も、この機能を使えば、その価値を最大限に引き出すことができます。

  • 活用例:
    1時間の研修ビデオのトランスクリプトを生成。そのテキスト全体をざっと読み、「この第3章の、新機能に関する説明部分だけが、特に重要だな」と判断。
    その部分以外のテキストを、ごっそり選択して削除。
    すると、元の1時間のビデオから、新機能の解説部分だけを抜き出した、5分間のコンパクトなダイジェストビデオが、瞬時に完成します。
    このダイジェスト版を、後から参加したメンバーへのキャッチアップ用資料として共有したり、SNSでのプロモーション用に再利用したりと、一つのコンテンツを、様々な目的に合わせて、効率的に再活用(リパーパス)することが可能になります。

利用する上で知っておきたい、現在の制約事項

非常に革新的な機能ですが、現時点では一つだけ、日本のユーザーにとって重要な制約があります。

  • 言語は現在英語のみ:
    このトランスクリプト生成および編集機能は、現時点では、英語の音声でのみ利用可能です。今後の日本語への正式対応が、強く、強く待たれるところです。

利用開始にあたって(管理者・ユーザー向け情報)

  • 管理者向けの情報:
    Google Vidsは、Google Workspaceのコアサービスとして、デフォルトで「オン」になっています。管理者コンソールから、組織単位でオフにすることも可能です。

  • ユーザー向けの情報:
    vids.google.com にアクセスして新しいビデオを作成し、英語の音声を含むビデオクリップを追加するか、その場で録音するだけです。クリップを選択し、トランスクリプト編集アイコンをクリックすれば、サイドパネルに文字起こしが表示されます。

  • 対象エディションに関する特記事項:
    Business Starter, Enterprise Starter, Nonprofit といった一部のエディションでも、期間限定(少なくとも2026年5月31日まで)で、Vidsの生成AI機能にアクセスできる特典が提供されています。

まとめ

今回ご紹介した、Google Vidsの「トランスクリプトベース編集」機能。これは、ビデオ制作における、最も面倒で、専門性が必要とされた「カット編集」という作業を、AIの力によって、誰もができる、直感的で、そして創造的なプロセスへと変える、まさにパラダイムシフトです。

「映像」を「言葉」として捉え直す。この新しい発想が、私たちの表現の可能性を、無限に広げてくれます。

現在は英語のみの対応ですが、この機能が日本語に対応した暁には、日本のビジネスコミュニケーションにおける、ビデオ活用の常識を、完全に塗り替えることは間違いありません。Google Workspaceが切り拓く、未来のコンテンツ制作の形に、ぜひご期待ください。