本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspace.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年9月24日に作成されました。
Google Workspaceをお使いの皆さん、こんにちは。
あなたのGoogle Driveには、これまでに心血を注いで作り上げてきた、数多くのGoogleスライドのプレゼンテーション資料が、眠っているはずです。
それらは、あなたの知識と情熱が詰まった、貴重な知的資産。しかし、その多くは、一度きりのプレゼンで役目を終え、静かにアーカイブされてはいないでしょうか。
先日、Googleは、この眠れる資産を、AIの力で、魅力的な「ビデオコンテンツ」へと生まれ変わらせる、画期的な機能を、Google Vidsに搭載しました。それは、スライドのテキストや画像を、ビデオのシーンとして、自動で取り込んでくれる、というものでした。
しかし、それは、まだ序章に過ぎませんでした。
スライドからビデオへの変換は、今回、ついに、その「最終形態」へと、進化を遂げます。
この度、その連携機能が、Geminiの力を最大限に活用し、スライドの内容を基に、「台本(スクリプト)」「AIナレーション」「BGM」までも、完全に自動で生成するようになったのです。
もう、あなたは、何もしなくていい。ただ、あなたが作ったスライドを、AIに渡すだけ。
すると、AIが、あなたのスライドを、まるでプロが制作した、情報番組や、eラーニングコンテンツのように、完璧なナレーション付きのビデオへと、生まれ変わらせてくれるのです。
今回は、あなたの知的資産の価値を、無限大に引き上げる、この革命的なアップデートについて、詳しく解説していきます。
新機能の核心:AIが、あなたのスライドの「語り部」になる
今回のアップデートの核心は、Google Vidsの「スライドを変換」機能が、単なる「ビジュアルの取り込み」から、「物語の完全自動生成」へと、飛躍的に進化した点にあります。
AIは、具体的に、何をしてくれるのか?
スライドの「意図」を、深く読み解く:
まず、AI「Gemini」は、あなたが指定したGoogleスライドの、すべてのページを、隅々まで読み込みます。各スライドに書かれたタイトル、箇条書き、説明文、そして、そこに配置された画像やグラフ。それらの情報から、このプレゼンテーション全体が、何を、どのような順序で、誰に伝えようとしているのか、その「論理構成」と「意図」を、深く理解します。スライドの内容から、「台本」を自動で執筆:
次に、Geminiは、その理解に基づき、各スライドの内容を、自然で、聞き取りやすい言葉で説明するための、「ナレーション用の台本(スクリプト)」を、自動で書き起こします。箇条書きのテキストは、滑らかな接続詞で結ばれ、一つの流れるような物語へと、再構成されます。台本に、最適な「声」を与える:
そして、生成された台本を、プロのナレーターのような、様々なスタイルの「AIナレーション(ボイスオーバー)」が、感情豊かに読み上げます。あなたは、ビデオのトーンに合わせて、最適な声を選択することも可能です。物語に、「彩り」を加える:
最後に、ビデオ全体の雰囲気を盛り上げる、最適な「BGM(背景音楽)」を、AIが自動で選曲し、追加します。
これらすべてのプロセスが、あなたが「変換」ボタンをクリックしてから、わずか数分で、完全に自動で、行われるのです。
驚くほど簡単!あなたのスライドが、ビデオになるまで
この未来のコンテンツ制作を、体験するのに、難しい操作は、一切必要ありません。
vids.new を開き、[スライドを変換] を選択します。
ビデオの元ネタにしたい、あなたのGoogleスライドのプレゼンテーションを選択し、ビデオに含めたいスライドを指定します。
そして、最も重要なステップ。[AIナレーション、スクリプト、BGMを含める] という、新しいトグルスイッチが、オンになっていることを、確認します。
あとは、変換を開始するだけ。
数分後、あなたの目の前には、スライドの各ページが、それぞれ独立したシーンとなり、そこに、完璧な台本と、プロのナレーション、そして、心地よいBGMが加わった、一つの完成されたビデオの下書きが、魔法のように、現れます。
もちろん、あなたは、このAIが生成した下書きを、出発点として、さらに、自分好みに編集を加えることも可能です。テキストを修正したり、Vidsの強力なAI動画生成機能「Veo 3」を使って、新しいビデオクリップを追加したりと、創造の可能性は、無限に広がっています。
なぜこれが重要なのか?ビジネスと教育における、コンテンツ制作革命
この「スライドの完全ビデオ化」機能は、私たちのコンテンツ制作のあり方を、根底から変革する、3つの大きな力を持っています。
革命1:コンテンツの「量産」と「高速化」
これまで、一本の質の高い解説ビデオを作るには、数時間、あるいは数日かかっていたかもしれません。この機能を使えば、すでに完成しているスライド資料さえあれば、その作業が、わずか数分で完了します。
活用例:製品マニュアルのビデオ化
何十ページにもわたる、テキストベースの製品マニュアル。その各章を、それぞれ独立した解説ビデオとして、一括で大量に生成。顧客は、テキストを読む代わりに、ビデオで、使い方を簡単に学ぶことができます。活用例:営業提案の「置き土産」
顧客へのプレゼンテーションが終わった後、その場で使用したスライドを、Vidsでビデオ化。「本日の内容を、いつでもご確認いただけるよう、ビデオにまとめてお送りします」と、フォローアップメールに添付。顧客の理解を深め、競合他社との差別化を図ります。
革命2:ナレッジの「民主化」と「アクセシビリティ向上」
組織内に眠る、専門家の知識が詰まった、難解なスライド資料。それらが、ナレーション付きの分かりやすいビデオになることで、より多くの人が、その知識にアクセスできるようになります。
活用例:専門的な研修コンテンツの展開
技術部門のエキスパートが作成した、専門用語だらけのスライド。それを、AIが、平易な言葉で解説するナレーション付きのビデオに変換。専門外の社員でも、その内容を、無理なく理解できるようになります。活用例:学習の多様性への対応
文字を読むのが苦手な学習者や、移動中に「耳で学習」したい学習者にとって、ビデオというフォーマットは、最高の教材となります。この機能は、あらゆる学習スタイルに対応した、インクルーシブな教育環境の実現を、力強く後押しします。
革命3:「人間」を、より創造的な仕事へ
台本を書き、ナレーションを録音し、BGMを選曲する。こうした、時間のかかる定型業務を、AIに完全に任せることで、私たち人間は、より付加価値の高い、創造的な仕事に、その能力を集中させることができます。
AIが作った下書きを基に、「どうすれば、もっと視聴者の心に響くか」「このメッセージの、本質的な価値は何か」を考える。AIとの協業が、私たちのクリエイティビティを、新たな高みへと、引き上げてくれるのです。
利用開始にあたって(管理者・ユーザー向け情報)
管理者向けの情報:
あなたの組織でGoogle Vidsの利用が有効になっていれば、この機能はデフォルトで利用可能です。ユーザー向けの情報:
Vidsの作成画面から、[スライドを変換] を選択し、AI機能のトグルがオンになっていることを確認するだけです。【重要】言語について:
VidsのAI機能は、現時点では、英語でのみ利用可能です。スライドの内容や、生成される台本・ナレーションも、英語となります。今後の日本語への正式対応が、強く期待されます。
まとめ
今回ご紹介した、Google VidsとGoogleスライドの、究極の連携。
これは、AIが、私たちの過去の「知的資産」を、未来の新しい「価値」へと、自動で変換してくれる、まさに現代の「錬金術」です。
あなたのGoogle Driveに眠る、一枚一枚のスライドが、今、再び語り始める時を、待っています。
ぜひ、この新しい魔法の杖を手に入れて、あなたの知識と情熱を、これまで届かなかった、より多くの人々の元へ、届けてみてはいかがでしょうか。