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経費精算フローをGoogle Workspaceで構築!フォームでの申請からスプレッドシートでの集計・承認まで

毎月の経費精算、紙の伝票やExcelへの手入力に追われていませんか。

申請内容の確認、承認者への回覧、そして会計ソフトへの再入力と、多くの手間と時間がかかっているのが現実です。

もし、あなたが普段お使いのGoogle Workspaceで、この一連のフローを自動化できるとしたらどうでしょう。

本記事では、追加の専用ツールを導入することなく、Googleフォーム、スプレッドシート、そして簡単な自動化機能を駆使して、スマートな経費精算フローを構築する方法を、具体的なステップに沿って徹底解説します。

2025年10月時点の情報を基に、明日からでも始められる実践的なノウハウをお届けします。

なぜ今、経費精算フローの見直しが重要なのか?

多くの企業で、経費精算は長らく「手間がかかって当たり前」の業務とされてきました。しかし、働き方が多様化し、生産性向上が強く求められる現代において、この非効率なプロセスは組織全体のボトルネックになりかねません。まずは、従来の経費精算が抱える課題と、なぜGoogle Workspaceがその解決策となり得るのかを掘り下げてみましょう。

従来の経費精算が抱える3つの大きな課題

あなたの会社では、以下のような課題に心当たりはありませんか?

  • 1. 非効率な手作業とヒューマンエラー: 従業員は領収書を台紙に貼り、手書きで申請書を作成。経理担当者はその内容をExcelや会計システムに一件ずつ手で打ち込む。このプロセスには、単純な入力ミスや計算間違いが起こりやすく、その確認と修正作業に多くの時間が費やされます。
  • 2. 承認プロセスの遅延と不透明さ: 紙ベースの申請書は、承認者のデスクを物理的に渡り歩く必要があります。承認者が出張や休暇で不在の場合、精算プロセスは完全にストップしてしまいます。また、申請者から見れば「今、誰のところで承認が止まっているのか」が分からず、問い合わせが頻発する原因にもなります。
  • 3. 無視できないコストとセキュリティリスク: 経費精算専用のシステムを導入するには、高額な初期費用と月々のランニングコストがかかります。一方で、紙の書類を使い続ける場合も、印刷代、保管スペース、そして7年間の書類保管義務といった物理的なコストが発生します。さらに、紙の領収書や申請書は、紛失や盗難による情報漏洩のリスクも常に付きまといます。

これらの課題は、従業員の満足度を低下させるだけでなく、企業の貴重なリソースを浪費し、経営のスピード感を損なう要因となります。

Google Workspaceが最適な解決策である理由

では、なぜGoogle Workspaceがこれらの課題を解決するのに適しているのでしょうか。その理由は、多くの企業がすでに導入しているツールセットの中に、解決策がすべて揃っているからです。

  • 圧倒的な低コスト: すでにGoogle Workspaceを契約していれば、基本的に追加費用はかかりません。専用システムのような高額な投資は不要で、すぐにでも業務改善に着手できます。
  • 高い柔軟性とカスタマイズ性: Googleの各ツールは、自社の独自のルールや運用に合わせて柔軟にカスタマイズできます。本記事で紹介するフローをベースに、自社に最適な形へ発展させることが容易です。
  • シームレスなデータ連携: 「フォームで申請されたデータが、自動でスプレッドシートに記録される」といったように、各アプリケーションが緊密に連携します。データの再入力が不要になり、業務効率が飛躍的に向上します。
  • 高度なセキュリティ: データはすべてGoogleの堅牢なクラウド上で管理されます。アクセス権限を細かく設定できるため、紙の書類よりも安全に情報を扱うことが可能です。Business Plus以上のプランであれば、Vaultによる電子情報開示やデータ保持機能も利用でき、内部統制の強化にも繋がります。

このように、Google Workspaceは単なるメールやチャットのツールではありません。業務プロセスそのものを設計し、自動化するための強力なプラットフォームなのです。

ステップ1:Googleフォームでスマートな経費申請を実現する

経費精算フロー改善の第一歩は、申請の入り口をデジタル化することです。ここでは、直感的で誰でも簡単に使えるGoogleフォームを活用して、ミスなく効率的な申請フォームを作成する方法を解説します。

申請フォームの基本設計:入力ミスを防ぐ工夫

まずは、経費申請に必要な項目を洗い出し、フォームを作成します。ただ項目を並べるだけでなく、入力者の負担を減らし、後工程の集計が楽になるような工夫を凝らすことが重要です。

基本的な項目例:

  • 申請日: 自動で入力日時を記録できますが、経費の発生日として手動入力させるのが一般的です。「日付」形式を選択します。
  • 氏名・所属部署: 「記述式」または「プルダウン」で選択させます。部署名は統一表記にするためプルダウンがおすすめです。
  • 勘定科目: 「交通費」「会議費」「消耗品費」などを「プルダウン」で選択させます。これにより、後の集計作業が格段に楽になります。自由記述にすると表記ゆれが発生し、集計が困難になるため避けましょう。
  • 支払日・支払先・内容: それぞれ「日付」「記述式」で入力させます。
  • 金額: 「記述式」を選び、回答の検証機能で「数値」「整数」に設定します。これにより、誤って通貨記号や文字列が入力されるのを防ぎます。

これらの設定を行うことで、申請段階での入力ミスを大幅に削減し、データの標準化を実現できます。

領収書はファイルアップロードで完全ペーパーレス化

経費精算のペーパーレス化における最大の関門が領収書の扱いです。Googleフォームの「ファイルのアップロード」機能を使えば、この問題もスマートに解決できます。

  1. フォームの質問項目で「ファイルのアップロード」を選択します。
  2. 注意書きが表示されたら「続行」をクリックします。アップロードされたファイルは、フォーム作成者のGoogleドライブに保存されます。
  3. 「特定のファイル形式のみを許可」をオンにし、「PDF」「画像」などを指定することで、不要な形式のファイルがアップロードされるのを防げます。
  4. ファイルサイズの上限も設定可能です。通常は10MBもあれば十分でしょう。

この機能を活用すれば、従業員はスマートフォンで撮影した領収書の写真をそのままアップロードするだけで申請が完了します。アップロードされたファイルは、Googleドライブ内の指定フォルダに自動で整理・保存されるため、管理も非常に簡単です。

独自の視点: さらに一歩進んだ管理術として、アップロードされるファイル名を自動で変更するGoogle Apps Scriptを組むことも可能です。例えば「申請日_氏名_支払先.pdf」のような命名規則を適用すれば、後から特定の領収書を探す際に非常に便利になります。

フォーム送信後の自動通知で申請を確実に届ける

申請が完了したことを申請者本人と経理担当者の両方が確実に把握できる仕組みも重要です。フォームの設定から、簡単な自動通知メールを設定できます。

フォームの「設定」タブにある「回答」セクションで、「回答のコピーを回答者に送信」を「常に表示」に設定します。これにより、申請者は自身が入力した内容の控えをメールで受け取ることができます。

さらに、経理担当者への通知は、フォームに連携させたスプレッドシートの通知機能や、Google Apps Scriptを使うことで実現できます。次のステップで解説するスプレッドシートとの連携は、経費精算フローの中核をなす部分です。

ステップ2:Googleスプレッドシートで申請内容を集計・管理する

Googleフォームから送信された申請データは、Googleスプレッドシートにリアルタイムで集約されます。このスプレッドシートを「経費精算の管理台帳」として機能させることで、集計から承認状況の管理までを一元化できます。

フォームとスプレッドシートの簡単な連携方法

連携は驚くほど簡単です。Googleフォームの編集画面で「回答」タブを開き、緑色のスプレッドシートアイコンをクリックするだけ。「新しいスプレッドシートを作成」を選択すれば、フォームの項目が列として設定された新しいスプレッドシートが自動で作成され、連携が完了します。

今後は、フォームから新しい申請が送信されるたびに、このスプレッドシートの新しい行にデータが自動で追加されていきます。手作業での転記は一切不要になり、入力漏れやミスもありません。

承認ステータス管理と関数の活用で集計を自動化

連携されたスプレッドシートに、管理用の列を追加していきましょう。これが、このフローの心臓部となります。

追加する管理列の例:

  • 承認ステータス: データの入力規則を使い、「未処理」「承認済」「差戻し」などの選択肢を持つプルダウンリストを作成します。承認者はこのステータスを変更するだけで、意思決定を行えます。
  • 承認者・承認日: 誰がいつ承認したのかを記録するための列です。
  • コメント: 差戻しの理由などを記載するために使用します。

これらの管理列と、スプレッドシートの強力な関数を組み合わせることで、集計作業を完全に自動化できます。

例えば、別のシート(タブ)を作成し、SUMIF関数やQUERY関数を使えば、「Aさんの今月の交通費合計」や「”会議費”として使われた経費の一覧」などをリアルタイムで集計・表示することが可能です。毎月のレポート作成も、関数を一度設定しておけば、あとは自動で更新されていきます。

条件付き書式で見やすさを劇的に向上させる

データが増えてくると、スプレッドシートは次第に見づらくなりがちです。そこで活用したいのが「条件付き書式」です。特定の条件に合致するセルの見た目(色や文字の太さ)を自動で変更する機能で、視覚的に状況を把握しやすくします。

活用例:

  • 「承認ステータス」が「承認済」の行を緑色にする。
  • 「承認ステータス」が「差戻し」の行を赤色にする。
  • 「金額」が50,000円以上の申請行を黄色でハイライトする。

このように設定しておけば、対応が必要な申請や高額な申請が一目瞭然となり、確認漏れを防ぐことができます。承認者や経理担当者の負担を大きく軽減する、簡単ながら非常に効果的なテクニックです。

ステップ3:承認フローを自動化し、業務を加速させる

フォームでの申請とスプレッドシートでの管理体制が整ったら、最後のステップとして「承認」のプロセスを自動化していきましょう。ここでは、Google Apps Script(GAS)や、さらに高度なツールであるAppSheetを活用して、承認フローをより洗練させる方法をご紹介します。

Google Apps Scriptによる基本的なメール通知の自動化

Google Apps Script(GAS)は、Google Workspaceの各サービスを連携・自動化できるプログラミング言語です。少し専門的な知識が必要になりますが、基本的な通知の自動化であれば、Web上にある多くのサンプルコードを参考に実装できます。

実装できることの例:

  • フォームから新しい申請が送信されたタイミングで、GASがそれを検知。
  • 申請内容(支払先、金額など)を含んだメールを、該当部署の承認者(上長)へ自動で送信する。
  • メール本文に「承認用URL」を記載し、承認者がそのURLをクリックすると、スプレッドシートのステータスが「承認済」に自動で更新される。

このような仕組みを構築することで、承認者はメールを確認してアクションを起こすだけでよくなり、スプレッドシートを直接開く手間さえも省けます。承認依頼の見逃しがなくなり、プロセス全体のスピードが格段に向上します。

承認プロセスのデジタル化がもたらす内部統制の強化

承認フローをデジタル化するメリットは、単なる効率化だけではありません。いつ、誰が、どの申請を承認したのか、そのすべての記録(ログ)がスプレッドシート上に正確に残ります。これにより、プロセスの透明性が確保され、内部統制の強化に大きく貢献します。

紙の書類のように「誰が承認したか分からない」「いつの間にか書類がなくなっていた」といった事態を防ぎ、企業のコンプライアンス体制をより強固なものにします。

【独自の視点】AppSheetでさらに高度なワークフローアプリへ

GASよりもさらに一歩進んだ自動化を目指すなら、AppSheetの活用がおすすめです。AppSheetは、プログラミングの知識がなくても、スプレッドシートなどのデータソースから本格的なビジネスアプリを開発できるノーコードツールです。Google Workspaceの多くのプランに含まれており、追加料金なしで利用を開始できます。

AppSheetを使えば、以下のような、より洗練された経費精算アプリを構築できます。

  • スマートフォンに最適化された入力・承認画面。
  • 申請者の過去の申請履歴の表示。
  • 承認ルートの分岐(例:金額が10万円以上なら部長承認が必要、など)。
  • オフラインでの申請内容の一時保存。

最初はフォームとスプレッドシートでシンプルに始め、運用が軌道に乗ってきたらAppSheetで本格的なアプリ化を目指す、という段階的な発展が可能なのも、Google Workspaceをプラットフォームとする大きな魅力です。

まとめ:小さな一歩が、会社全体の生産性を大きく変える

本記事では、Google Workspaceを活用して、コストをかけずに経費精算フローを構築・自動化する具体的なステップを解説しました。このフローの導入は、単に経理担当者の業務を楽にするだけではありません。申請から承認までの時間が短縮され、従業員はより本質的な業務に集中できるようになり、会社全体の生産性向上へと繋がります。

今回ご紹介したフローの要点:

  • Googleフォームで申請の入り口を標準化し、ペーパーレス化を実現。
  • Googleスプレッドシートで申請データを一元管理し、集計を自動化。
  • GASやAppSheetを活用し、承認プロセスを自動化してスピードアップ。

完璧なフローを最初から目指す必要はありません。まずはGoogleフォームとスプレッドシートを連携させるところから、スモールスタートで始めてみてください。その小さな一歩が、あなたの会社の働き方を大きく変えるきっかけとなるはずです。

もし、これからGoogle Workspaceの導入を検討している、あるいは現在のプランからアップグレードして、本記事で紹介したようなさらに便利な機能を活用したいとお考えなら、お得なプロモーションコードを利用するのが賢い選択です。最新の割引情報や適用方法については、「Google Workspace プロモーションコード【最新2025年版】15%割引クーポン無料配布中」のページで詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

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