本記事はGoogle Workspace updatesブログ( https://workspace.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年10月6日に作成されました。
Google Workspaceを管理されている、すべての管理者の皆様、こんにちは。
日々のコラボレーションを加速させ、業務を自動化する、強力な「Google Chat アプリ」。
あなたの組織では、今、どのようなChatアプリが、どの部署で、どのように、活用されているでしょうか。
「現場の社員たちは、本当に、会社が推奨しているアプリを、使ってくれているのだろうか?」
「シャドーIT的に、管理者が把握していない、セキュリティリスクのあるアプリが、勝手に、使われてしまってはいないだろうか?」
「全社的に、最も人気があり、業務効率の向上に貢献しているアプリは、一体、どれなんだろう?その成功事例を、他の部署にも、横展開したい…」
このように、Chatアプリの利用が、組織内に広がれば広がるほど、管理者の皆様は、その「利用実態」を、正確に、そして、網羅的に把握したい、という、強いニーズを、抱くようになるはずです。
しかし、これまでのGoogle Workspaceの監査ログでは、この、Chatアプリの利用状況に関する、詳細な情報を、十分に、追跡することが、困難でした。
この、ガバナンスにおける、重大な「ブラックボックス」が、ついに、解消されます。
この度、Google Chatの、監査ログが、大幅に強化され、Chatアプリに関する、あらゆる「活動」が、詳細に、記録されるようになったのです。
今回は、あなたの組織の、Chatアプリ活用を、データに基づいた、安全で、戦略的なものへと、進化させる、この重要なアップデートについて、その全貌を、詳しく解説していきます。
新機能の核心:Chatアプリの”一挙手一投足”が、ログに残る
今回のアップデートの核心は、「Google Chatのイベントログに、Chatアプリに関連する、新しいイベントが、追加された」という点にあります。
これにより、管理者は、以下のような、これまで、把握することが、極めて困難だった、Chatアプリに関する、詳細な利用状況を、すべて、追跡・分析することが、可能になります。
どのアプリが、どこで、使われているか?
「どのChatアプリが、どのスペースに、追加されたか」
「特定の、重要なスペースには、今、どのようなアプリが、追加されているか」
誰が、何をしたか?
「どのアプリが、(いつ、誰によって)削除されたか」
組織全体の、利用トレンドは?
「あなたの組織全体で、最も、人気のある(頻繁に追加されている)Chatアプリは、何か」
これらの、詳細なログデータは、もはや、単なる「記録」ではありません。
それは、あなたの組織の、コラボレーションの「今」を映し出し、未来の、より良いIT戦略を、描き出すための、極めて価値のある、「インサイト(洞察)」の源泉となるのです。
なぜこれが重要なのか?:「勘」に頼る管理から、「データドリブン」なガバナンスへ
この、新しい、詳細なログデータは、管理者の皆様の、日々の業務を、3つの側面から、根本的に、変革する力を持っています。
1. セキュリティと、コンプライアンスの、劇的な向上
これが、最も直接的で、強力なメリットです。
シャドーITの、早期発見と、制御:
管理者が、許可していない、あるいは、セキュリティリスクが懸念される、サードパーティ製のアプリが、特定のスペースで、利用されていることを、ログを通じて、早期に、発見することができます。これにより、情報漏洩などの、重大なイン-シデントを、未然に防ぎます。インシデント発生時の、迅速な調査:
万が一、特定のChatアプリを、経由した、情報漏洩が、疑われた場合。管理者は、ログを遡り、「そのアプリが、いつ、どのスペースに追加され、誰が、それを利用していたか」を、正確に、特定することができます。これにより、インシデントの、影響範囲の特定と、原因究明が、劇的に、迅速化します。
2. 投資対効果(ROI)の、可視化と、最適化
多くの企業では、全社的に、有料のChatアプリ(Asana, Salesforce連携など)を、導入しています。
“死蔵ライセンス”の、撲滅:
ログデータを分析することで、「ライセンスは購入したものの、実際には、ほとんど、どのスペースでも、利用されていない、不人気のアプリ」を、特定することができます。これにより、不要なライセンスコストを削減し、IT投資の、最適化を図ることができます。“成功事例”の、発見と、横展開:
逆に、「特定の部署で、爆発的に利用が広がり、生産性の向上に、大きく貢献している、人気のアプリ」を、データに基づいて、発見することができます。管理者は、その成功事例を、他の部署に共有し、全社的な、利用促進キャンペーンを展開する、といった、戦略的なアクションを、取ることができます。
3. ユーザーニーズに基づいた、IT戦略の、立案
ログデータは、現場の社員の、リアルな「声」を、代弁してくれます。
“本当に、求められているツール”の、把握:
「多くの社員が、特定の種類の、プロジェクト管理アプリを、自発的に、インストールしようとしている」という、トレンドを、ログから読み取る。このインサイトは、IT部門が、次に、全社的に導入すべき、公式ツールを選定する際の、極めて、強力な根拠となります。
もはや、「勘」や「経験」に頼るのではなく、データに基づいた、ボトムアップの、IT戦略を、立案することが、可能になるのです。
ログデータへの、アクセス方法
この、新しい、価値あるデータに、アクセスするための方法は、あなたの組織の、ライセンスエディションに応じて、複数、用意されています。
1. Reports API(すべてのWorkspace顧客が利用可能):
APIを通じて、ログデータを、プログラムで取得します。これにより、独自の監視システムを構築したり、他のシステムと、データを連携させたり、といった、高度な運用が可能です。2. BigQueryへのエクスポート(Enterpriseプランなど):
ログデータを、Google Cloudの、データウェアハウス「BigQuery」へ、自動でエクスポートします。BigQueryにデータを投入すれば、SQLを使って、複雑なクエリを実行したり、Looker Studioと連携して、記事の冒頭にあるような、インタラクティブな、データ可視化ダッシュボードを、作成したりすることができます。
「組織内で、最も人気のあるChatアプリ TOP10」「部署別の、アプリ利用状況」といった、レポートを、リアルタイムで、モニタリングできます。3. セキュリティ調査ツール(SIT)(Enterpriseプランなど、近日対応予定):
今後、管理コンソールの、高度な「セキュリティ調査ツール」からも、これらのログに、直接アクセスできるようになる予定です。これにより、他の、Google Workspaceの監査ログ(Drive, Gmailなど)と、Chatアプリのログを、同じ画面上で、横断的に、相関分析することが、可能になります。
利用開始にあたって(管理者向け情報)
管理者向けの情報:
デフォルトで、収集開始:
この、新しいログデータの収集は、デフォルトで、有効になっています。管理者が、何かを、オンにする必要は、ありません。アクセス方法を選択:
あなたは、上記の、API、BigQuery、あるいは、近日対応のSITといった、アクセス方法の中から、あなたの組織の、ニーズと、スキルセットに、最も合った方法を、選択して、データの分析を、開始することができます。
エンドユーザーへの影響:
この変更は、完全に、管理者向けの機能であり、エンドユーザーの、Chatの利用体験には、一切、影響はありません。
まとめ
今回ご紹介した、Google Chatの、監査ログの、大幅な強化。
それは、Chatアプリという、新しい、コラボレーションの形が、もはや、一部の、先進的なユーザーのものではなく、組織全体の、ガバナンスの下で、安全に、そして、戦略的に、活用していくべき、重要な「経営資源」へと、成熟したことを、示すものです。
あなたの組織の、Chatアプリの利用は、もはや、ブラックボックスでは、ありません。
その、すべての活動が、今、あなたの、目の前で、可視化されようとしています。
ぜひ、この新しい「目」を手に入れて、あなたの組織の、コラボレーションの健全性を、データに基づいて、見守り、そして、育てていってください。