本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年11月3日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
Google Meetでの会議中、チャットで共有された重要な情報やURLが、会議終了後には見返せなくなって困った経験はありませんか。
「あのリンク、どこに行ったかな?」、「議事録にメモし忘れたフィードバックがあったはず…」そんな悩みを解決する、待望のアップデートが発表されました。
2025年11月10日以降、Google Meetの会議中メッセージ機能がGoogle Chatと統合され、会議中も会議後もシームレスに会話を続けられるようになります。
このアップデートは、単にチャット履歴が残るというだけではありません。
チームのコラボレーションを加速させ、生産性を向上させるための大きな一歩です。
今回は、この新機能「継続的な会議チャット」がもたらす変化と、その活用方法、そして利用にあたっての注意点を詳しく解説していきます。
何が変わるの?新機能の概要
これまでGoogle Meetの会議中チャットは、その会議が終了すると同時に消えてしまう一時的なものでした。
しかし、今回のアップデートにより、会議中のメッセージはGoogle Chatのスレッドとして自動的に保存されるようになります。
これにより、会議中に交わされた有意義なフィードバック、共有された重要な資料やリンクなどが、会議後も参加者全員で簡単にアクセスできるようになります。
会議という「点」のコミュニケーションが、Google Chatという「線」のコミュニケーションへと進化するのです。
新機能がもたらす4つの大きなメリット
このGoogle Chatとの統合は、私たちの働き方にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。主なポイントを4つご紹介します。
会議が終わっても議論が続く!情報の散逸を防止
最大のメリットは、会議のチャット履歴がGoogle Chatに永続的に残ることです。これにより、会議終了後に「あの発言、どういう意味だったかな?」と確認したり、共有されたリンクやファイルを見返したりすることが容易になります。
また、会議で結論が出なかった議題について、そのままGoogle Chatで議論を継続することも可能です。会議後のフォローアップが格段にスムーズになり、チームの意思決定のスピード向上に繋がります。表現力豊かなコミュニケーションが可能に!絵文字やファイル共有
今回の統合により、Google Chatの強力な機能がGoogle Meet内で直接使えるようになります。具体的には、メッセージへの絵文字リアクションや、画像・ファイルの直接共有が可能になります。
これにより、テキストだけのやり取りでは伝わりにくかったニュアンスを表現したり、会議中に参照したい資料をその場で素早く共有したりと、よりリッチでインタラクティブなコミュニケーションが実現します。会議前から準備は始まっている!事前資料の共有と確認
会議が始まる前に、アジェンダや参考資料をGoogle Chatで共有しておくことができます。参加者は事前に資料に目を通しておくことができ、会議が始まったらMeetの画面からすぐにそのチャット履歴にアクセスできます。
これにより、会議の冒頭で資料を探す手間が省け、本題にスムーズに入ることができます。会議前から会議後まで、一貫した情報共有の場が提供されるのです。コミュニケーションのハブを一元化!探す手間を削減
これまで、会議の会話はMeetに、その後のやり取りはChatやメールにと、情報が分散しがちでした。このアップデートにより、特定の会議に関連するすべてのメッセージやファイルが、Google Chatの一つのスレッドに集約されます。
「あの会議で共有されたファイルはどこだっけ?」と探す必要はもうありません。Google Chatを開けば、すべての情報がそこにあり、検索も簡単です。これにより、情報検索にかかる時間が大幅に削減され、本来の業務に集中できます。
管理者向けの重要なポイント
Google Workspaceの管理者にとって、この新機能はコンプライアンスやセキュリティの観点からも重要な意味を持ちます。管理者が把握しておくべき点をまとめました。
データの保持(リテンション)と情報漏洩防止(DLP)
会議中のメッセージはGoogle Chatの会話として保存されるため、Google Vaultで設定しているGoogle Chatの保持ポリシーや、情報漏洩防止(DLP)ルールがそのまま適用されます。これにより、企業のコンプライアンス要件に準拠したメッセージ管理が可能になります。機能が無効化された場合の挙動
会議の主催者(ホスト)は、特定の会議でこの「継続的な会議チャット」機能を無効にすることができます。無効にされた場合、その会議のチャットは従来通りの一時的なものとなり、Google Chatには保存されません。これらのメッセージを保持する必要がある場合は、会議を録画する必要がありますのでご注意ください。利用対象
この機能は、組織内のすべてのエンドユーザーが対象となる会議で利用可能になります。
エンドユーザー(利用者)向けの注意点
実際にこの機能を利用するユーザーが知っておくべきポイントと、特に外部ユーザーとの会議における注意点を解説します。
対象となる会議
この機能は、Googleカレンダーでスケジュールされた会議で利用できます。会議の主催者と、その主催者と同じドメインに所属するすべての招待者が対象となります。主催者による機能の制御
会議の主催者は、この機能を会議ごとに無効化する権限を持っています。無効にする場合は、会議が始まる前にGoogleカレンダーのイベント編集画面から、ビデオ会議オプションで設定を切り替える必要があります。会議が開始された後に設定を変更することはできません。外部の参加者がいる会議での挙動
セキュリティと情報管理の観点から、外部ドメインからの参加者のアクセスは制限されます。
外部の参加者は、会議に参加している時間帯のみチャットにアクセスできます。会議の開始前や終了後に、チャットの会話に参加したり、過去の履歴を閲覧したりすることはできません。
また、社内の参加者には、チャット内に外部のゲストが存在する場合、「外部」というインジケーターやバナーが明確に表示されるため、誰が会話に参加しているかを常に把握できます。これにより、機密情報の誤共有を防ぐことができます。
いつから利用できる?展開スケジュールと対象プラン
この新機能は、以下のスケジュールで順次展開される予定です。
即時リリースドメイン: 2025年11月10日より、最大30日間かけて段階的に展開されます。
計画的リリースドメイン: 2025年12月3日より、最大15日間かけて段階的に展開されます。
利用可能なGoogle Workspaceのプランは以下の通りです。
Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
Enterprise Starter, Enterprise Standard, Enterprise Plus
Business Starter, Business Standard, Business Plus
Frontline Starter, Frontline Standard, Frontline Plus
まとめ:コラボレーションの新しい形へ
今回のGoogle MeetとGoogle Chatの統合は、単なる機能追加ではありません。それは、オンライン会議のあり方そのものを変え、チームのコラボレーションをより深く、より効率的にするための重要なアップデートです。
会議中の活発な議論をそのまま継続し、アイデアを育て、タスクへと繋げていく。そんなシームレスなワークフローが、この新機能によって当たり前になります。
ぜひこの新しい機能を活用して、チームの生産性をさらに高め、より創造的な働き方を実現してください。今後のGoogle Workspaceのさらなる進化にも期待しましょう。
