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【Google Driveアップデート】共有ドライブのファイル・フォルダに「有効期限」を設定可能に!情報セキュリティが劇的に向上

本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年11月5日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。

プロジェクトで外部の協力会社に一時的にファイルを共有したけれど、プロジェクト終了後にアクセス権を消し忘れてしまった…。
社内の別部署に期間限定で資料を閲覧してもらいたいけど、手動で権限を削除するのは面倒だし、忘れるリスクもある…。

Google Driveを使った共同作業において、このようなアクセス権管理の課題に直面した経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。
特に、チームの公式な資産を管理する「共有ドライブ」では、セキュリティは最重要課題です。

この長年の課題を解決する、まさに「待望」と言える機能が、ついにGoogle Driveに搭載されることが発表されました。
それが、共有ドライブ内のファイルやフォルダに「有効期限付きのアクセス権」を設定できる機能です。
これまで一部API経由でのみ可能だったこの操作が、誰でも簡単に設定画面から行えるようになります。

今回は、この新機能がもたらすメリットや具体的な活用シーン、そして同時に行われるマイドライブの仕様変更について、詳しく解説していきます。

何が変わるのか?新機能の概要

今回のアップデートの核心は、これまで「マイドライブ」で利用できた有効期限付き共有の利便性とセキュリティを、チームでの共同作業の拠点である「共有ドライブ」にもたらす点にあります。

これにより、一時的な共同編集者や閲覧者に対して、あらかじめ設定した期日が来ると自動的にアクセス権が失効する、という運用が可能になります。主な変更点は以下の3つです。

  1. 共有ドライブの「ファイル」に有効期限を設定可能に
    共有ドライブ内の個別のファイルに対して、ユーザーごとにアクセス権の有効期限を設定できるようになります。

  2. 共有ドライブの「フォルダ」に有効期限を設定可能に
    フォルダ単位でも有効期限が設定可能になります。ただし、現時点では「閲覧者」権限に対してのみ適用されます。

  3. マイドライブにおける有効期限の挙動がより直感的に変更
    共有ドライブへの機能追加に伴い、マイドライブでの有効期限切れの際の挙動も、より分かりやすく一貫性のある仕様に変更されます。

これらの変更により、アクセス権の削除漏れといったヒューマンエラーを防ぎ、組織全体のセキュリティレベルを飛躍的に向上させることができます。

【詳細解説1】共有ドライブの「ファイル」に有効期限を設定

プロジェクト単位で外部パートナーと協業することが当たり前になった今、一時的なファイル共有の機会は数多く存在します。新しい機能を使えば、そうした共有をより安全かつ効率的に行うことができます。

  • 外部の業務委託先との連携
    デザイン会社に制作を依頼した資料や、コンサルタントにレビューを依頼した事業計画書など、契約期間中のみ編集権限を付与。契約が終了すれば自動的にアクセス権が失効するため、手動での権限削除の手間も、削除漏れによる情報漏洩のリスクもありません。

  • 社内での部門横断プロジェクト
    特定の期間だけ他部署のメンバーにプロジェクト関連資料へのアクセスを許可したい場合にも有効です。プロジェクト終了後、アクセス権が自動的に整理されるため、共有ドライブ内が不要な権限設定で複雑化するのを防げます。

  • 期間限定のキャンペーン
    プレスリリース前の資料をメディア関係者に解禁日まで限定で共有したり、キャンペーン期間中だけ関連資料を協力会社に共有したりといった用途にも最適です。

設定は非常に簡単で、共有ドライブ内のファイルを選択し、共有設定画面でユーザーやグループを追加する際に、カレンダーから有効期限の日付を選ぶだけです。この手軽さが、セキュリティ対策の定着を後押しします。

【詳細解説2】共有ドライブの「フォルダ」に有効期限を設定(閲覧者限定)

ファイル単位だけでなく、フォルダ単位でまとめて有効期限を設定できるのも大きなメリットです。これにより、大量の資料を一度に共有する際の管理が格段に楽になります。

注意点として、現時点ではフォルダへの有効期限設定は「閲覧者」権限を持つユーザーに対してのみ適用可能です。「編集者」や「コンテンツ管理者」といった、より上位の権限には設定できません。これは、フォルダ内のコンテンツを編集・追加・削除できる権限を持つユーザーのアクセス期間を不用意に制限し、共同作業に支障が出るのを防ぐための配慮と考えられます。

  • 監査法人への資料提出
    監査期間中のみ、必要な資料一式が格納されたフォルダへの閲覧権限を監査法人に付与。監査が終了すれば、自動的にアクセスできなくなります。

  • 新規入社員向けの研修
    研修期間中だけ、オンボーディング資料やマニュアルがまとめられたフォルダへの閲覧アクセスを許可。研修が終われば権限が失効するため、常に最新の組織構造に合わせた権限管理が可能です。

  • 大規模イベントでの資料共有
    イベント参加者や関係者向けに、関連資料をまとめたフォルダをイベント期間中のみ公開する、といった運用も簡単に行えます。

【重要なお知らせ】マイドライブの有効期限の挙動も変わります!

今回のアップデートは、共有ドライブだけの話ではありません。Google Drive全体での一貫性を保つため、「マイドライブ」における有効期限付き共有の挙動も、より直感的で予測可能なものに変更されます。

これは、フォルダとファイルの権限の継承関係を理解する上で非常に重要な変更です。

  • 旧挙動
    あなたが「閲覧者」としてアクセスできる親フォルダの中に、特定のファイルがあり、そのファイルに対してのみ一時的な「編集者」権限を与えられたとします。この場合、編集者権限の有効期限が切れると、あなたはそのファイルへのアクセス権を完全に失っていました。

  • 新挙動
    同じ状況で、編集者権限の有効期限が切れると、あなたの権限は親フォルダが持つ権限、つまり「閲覧者」に格下げされます。ファイルへのアクセス権が完全に失われるのではなく、元の基本的な権限に戻る形になります。

この変更により、「期限が切れたら急にファイルが見えなくなった」という意図しない事態を防ぐことができます。権限は常に上位のフォルダの設定を基本とし、一時的な追加権限が失効しても、基本権限は維持されるという、非常に分かりやすいルールに統一されます。

利用にあたっての注意点

この便利な新機能を利用する上で、いくつか知っておくべき点があります。

  • 管理者による制御機能はありません
    この機能は、管理者側で有効化・無効化をコントロールする設定はありません。ロールアウトが完了すれば、対象プランの全ユーザーがデフォルトで利用可能になります。

  • iOSデバイスでは設定不可
    有効期限の設定は、パソコンのウェブ版Google Driveと、Android版のGoogle Driveアプリから行うことができます。残念ながら、現時点ではiPhoneやiPadなどのiOSデバイスから有効期限を設定することはできません(マイドライブ、共有ドライブ共に)。

いつから使える?展開スケジュールと対象プラン

この新機能は、以下のスケジュールで順次展開されます。

  • 即時リリースドメイン: 2025年11月4日より段階的に展開(機能の表示に最大15日かかる場合があります)

  • 計画的リリースドメイン: 2025年11月13日より段階的に展開(機能の表示に最大15日かかる場合があります)

また、この機能は多くのGoogle Workspaceプランで利用可能です。

  • Business Starter, Standard, Plus

  • Enterprise Starter, Standard, Plus

  • Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus

  • Education Standard, Plus

  • Nonprofits

  • Frontline Starter, Standard, Plus

  • その他、一部の個人向け有料プラン

比較的手頃なBusiness Starterプランから利用できるのは、多くの中小企業にとっても朗報と言えるでしょう。

まとめ

Google Driveの共有ドライブに「有効期限付き共有」機能が搭載されることは、単なる利便性の向上にとどまりません。それは、企業の最も重要な資産である「情報」を守るための、強力なセキュリティ機能の追加を意味します。

手動での権限管理という煩雑でミスの起こりやすい作業から解放され、より安全で自動化されたコラボレーション環境を構築する。今回のアップデートは、そのための大きな一歩です。
ぜひこの新機能を活用して、セキュリティと生産性を両立した、新しい時代のファイル共有を実現してください。