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部門ごとのITコストを明確化!Google Workspaceのライセンス費用を部署別に配賦・集計する管理テクニック

多くの企業で導入され、今やビジネスに不可欠なツールとなったGoogle Workspace。

その多機能性から、組織全体の生産性を大きく向上させています。

しかし、そのライセンス費用は全社一括で経理部門が処理しているケースが多く、「どの部署が、どれくらいのITコストをかけているのか」が不透明になりがちです。

もしあなたが情報システム部門の担当者や経営層であれば、この「コストのブラックボックス化」に課題を感じているのではないでしょうか。

本記事では、Google Workspaceのライセンス費用を部署ごとに正確に配賦・集計するための、具体的かつ実践的な管理テクニックを徹底解説します。

この一手間が、組織全体のコスト意識を改革し、真のDX推進を加速させる第一歩となるはずです。

なぜGoogle Workspaceの部署別コスト管理が重要なのか?

そもそも、なぜライセンス費用をわざわざ部署ごとに管理する必要があるのでしょうか。全社で一括管理する方が、経理処理の手間は少ないかもしれません。しかし、IT投資の効果を最大化し、持続的な企業成長を目指す上で、部署別のコスト管理は避けて通れない重要なテーマです。その理由は、大きく3つあります。

正確なコスト把握と予算策定

最大の理由は、部門ごとの正確なコスト実態を把握できる点にあります。例えば、営業部門と開発部門では、Google Workspaceの使い方が大きく異なるはずです。営業部門は多くのメンバーがBusiness Standardプランでビデオ会議の録画や予約スケジュール機能を活用しているかもしれません。一方、開発部門では一部の管理職を除き、Business Starterプランで十分な可能性もあります。部署別のコストを可視化することで、こうした利用実態に基づいた公平な費用負担と、次年度の現実的なIT予算策定が可能になります。どんぶり勘定の予算要求から脱却し、データに基づいた戦略的なIT投資へとシフトできるのです。

コスト意識の向上とライセンスの最適化

第二に、各部署のコスト意識を醸成できるというメリットがあります。自分たちが利用しているツールのコストが明確になれば、「本当にこの機能は必要なのか?」「もっと費用を抑えられないか?」といった当事者意識が芽生えます。例えば、部署内で「会議の録画機能は月に一度しか使わないから、Business Standardはオーバースペックかもしれない」といった声が上がれば、自発的なプランの見直しに繋がります。また、退職者や長期休職者のアカウントが放置され、無駄なコストが発生し続けるといった事態も防ぎやすくなります。部署別管理は、全社的なライセンスの棚卸しと最適化を促進する強力なトリガーとなるのです。

DX推進における投資対効果(ROI)の測定

最後に、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進における投資対効果(ROI)を測定する上で不可欠であるという視点です。Google Workspaceは単なるオフィスツールではなく、業務プロセスを変革し、新たな価値を創造するためのプラットフォームです。例えば、マーケティング部門がGoogleフォームで顧客アンケートを実施し、その結果をスプレッドシートとNotebookLMで分析、AIアシスタントのGeminiを活用して新しいキャンペーンを立案したとします。この一連の活動による売上増加に対し、同部門に配賦されたGoogle Workspaceのコストを比較することで、具体的なROIを算出できます。どの部署がITツールを有効活用し、成果に繋げているのかを定量的に評価することは、次の投資判断を下す上で極めて重要な指標となります。

【ステップ別】部署別ライセンス費用の集計・配賦方法

それでは、実際に部署別のコストを集計・配賦する具体的な手順を見ていきましょう。ここでは、Google Workspaceの管理コンソールと、多くの人が使い慣れているGoogleスプレッドシートを活用した、最も基本的な方法をステップバイステップで解説します。

ステップ1: ユーザーリストと組織部門のエクスポート

まず、Google Workspaceの管理コンソールから必要なデータを取得します。

  1. Google Workspace管理コンソール(admin.google.com)に特権管理者アカウントでログインします。
  2. 左側のメニューから[ディレクトリ] > [ユーザー] を選択します。
  3. 画面上部にある[ユーザーをダウンロード]をクリックします。
  4. ダウンロードオプションで[現在選択しているすべての列と、選択したユーザーの情報]を選択し、形式は[Googleスプレッドシート]または[CSV]を選びます。CSVの方が後々加工しやすいためおすすめです。

この操作により、ユーザー名、メールアドレス、最終ログイン日時、そして最も重要な「組織部門のパス」といった情報が含まれたリストが手に入ります。組織部門が正しく設定されていない場合は、まずこの整理から始める必要があります。

ステップ2: Googleスプレッドシートでのデータ整理

次に、ダウンロードしたCSVファイルをGoogleスプレッドシートで開き、データを整理します。

  1. 新しいスプレッドシートを作成し、[ファイル] > [インポート]からダウンロードしたCSVファイルをアップロードします。
  2. インポートしたデータには多くの列が含まれていますが、集計に必要なのは主に「姓」「名」「メールアドレス」「組織部門のパス」「ステータス」などです。不要な列は非表示にしておくと見やすくなります。
  3. 「組織部門のパス」列には、「/営業部/第一課」のように階層構造で表示されます。このままでも集計できますが、関数を使って「営業部」や「第一課」だけを抽出する列を別途作成すると、後のピボットテーブルでの集計が容易になります。例えば、=IFERROR(SPLIT(D2, "/"), "")のような数式でパスを分割できます。

この段階で、ユーザーがどの部署に所属しているかが一覧でわかる状態になりました。

ステップ3: ライセンスプランごとの料金設定とコスト計算

最後に、各ユーザーのライセンス費用を計算し、部署ごとに集計します。

  1. 新しいシート(例えば「料金マスタ」)を作成し、ライセンスプラン名と単価の対応表を作成します。(2025年12月時点の年間契約料金・税抜)
    • Business Starter: ¥800
    • Business Standard: ¥1,600
    • Business Plus: ¥2,500
    • Enterprise(契約料金に応じて設定)
  2. ユーザーリストのシートに戻り、各ユーザーにどのライセンスが割り当てられているかを確認します。これは管理コンソールの[お支払い] > [ライセンス]から確認・エクスポートするか、ユーザー情報から手動で入力します。
  3. VLOOKUP関数を使い、ユーザーのライセンスプラン名から「料金マスタ」シートを参照して、単価を取得します。数式例: =VLOOKUP(E2, 料金マスタ!A:B, 2, FALSE) ※E2にライセンスプラン名が入っていると仮定
  4. 部署名、ライセンス単価の列が揃ったら、ピボットテーブルを作成します。行に「組織部門」、値に「ライセンス単価」を設定し、「合計」で集計します。これにより、部署ごとの合計ライセンス費用が一瞬で算出されます。

これで、部署別のGoogle Workspaceライセンス費用の一覧表が完成しました。定期的にこの作業を行うことで、コストの推移を追いかけることができます。

【実践テクニック】より高度なコスト管理と自動化

基本的な集計方法をマスターしたら、次はより高度な管理と効率化を目指しましょう。手作業を減らし、より正確かつタイムリーにコストを把握するための実践的なテクニックを3つ紹介します。

Google Apps Scriptを活用した集計の自動化

毎月CSVをダウンロードしてスプレッドシートで加工するのは、ユーザー数が多いと大変な作業です。そこで活躍するのがGoogle Apps Script (GAS)です。GASを使えば、これまで手作業で行っていたプロセスの多くを自動化できます。

  • Admin SDK APIの活用: GASからAdmin SDKのDirectory APIを呼び出すことで、管理コンソールにログインせずとも、スプレッドシート上から直接ユーザーリスト(組織部門やライセンス情報を含む)を取得できます。
  • 定時実行トリガー: 作成したスクリプトを「毎月1日の朝5時に実行する」といったトリガー設定が可能です。これにより、何もしなくても毎月自動で最新の部署別コストレポートが生成される、といった仕組みを構築できます。
  • レポートの自動通知: 生成したレポートのサマリーやスプレッドシートへのリンクを、Chatやメールで経理部門や各部署の責任者に自動通知することも可能です。

プログラミングの知識が少し必要になりますが、一度仕組みを構築すれば、管理工数を大幅に削減できるため、投資価値は非常に高いと言えるでしょう。

動的に変動するライセンスへの対応

従業員の入退社や組織変更により、ライセンスの数は日々変動します。特に、柔軟な増減が可能な「フレキシブルプラン(月契約)」と、コストを抑えられる「年間/複数年プラン」を併用している企業では管理が複雑になりがちです。

  • 管理簿の工夫: ユーザーリストのスプレッドシートに、「契約プラン種別(年間/フレキシブル)」「契約開始日」「契約終了日」といった列を追加で管理します。
  • 日割り計算の導入: 月の途中でライセンスを追加・削除した場合、フレキシブルプランでは日割りで費用が計算されます。より厳密に管理したい場合は、Apps Scriptなどで日割り計算のロジックを組み込むことで、請求額とほぼ一致するレベルでの配賦が可能になります。
  • 余剰ライセンスの監視: 年間プランで確保しているライセンス数と、実際に割り当てられているライセンス数を常に比較し、余剰(空きライセンス)がないかを監視する仕組みも重要です。余剰分を新規採用者向けに確保しておくなど、計画的なライセンス管理に繋がります。

プラン混在環境での管理方法

多くの企業では、全社員が同じプランを使っているわけではなく、部署や役職に応じてBusiness Starter, Standard, Plusといった複数のプランが混在しています。この場合も、基本的な集計方法は同じですが、「なぜ、その部署がそのプランを選択しているのか」という背景まで含めて管理することが重要です。

例えば、スプレッドシートに「プラン選択理由」の列を追加し、「クライアントとの会議録画共有が必須なため」「Vaultでのデータ保持要件のため」といった具体的な理由を記録しておきます。これにより、コスト集計が単なる数値の報告で終わらず、「この部署はStandardプランの価値を最大限に引き出しているか?」「Plusプランのセキュリティ機能は本当に必要か?」といった、より踏み込んだ費用対効果の分析に繋がります。コストの可視化は、ライセンスの最適化、ひいては会社全体の生産性向上に向けた対話のスタート地点となるのです。

まとめ

本記事では、Google Workspaceのライセンス費用を部署別に配賦・集計するための具体的な管理テクニックについて、その重要性から実践的な方法、さらには自動化のヒントまでを解説しました。

部署ごとのコストを明確にすることは、単なる経費削減活動ではありません。

それは、各部署がIT投資に対して当事者意識を持ち、データに基づいて自らの業務を見直し、生産性を向上させるための重要な第一歩です。

今回紹介したスプレッドシートでの集計は、今すぐにでも始められる効果的な手法です。まずは一度、自社のユーザーリストをダウンロードし、どの部署にどれだけのコストがかかっているのかを明らかにしてみてはいかがでしょうか。

その小さな一歩が、組織全体のコスト構造を健全化し、戦略的なIT投資を加速させる大きな推進力となるはずです。

これからGoogle Workspaceの導入や、利用プランのアップグレードを検討している情報システム部門のご担当者様も多いでしょう。その際、少しでもコストを抑えたいと考えるのは当然のことです。Google Workspaceには、新規契約やプラン変更時に利用できる割引プロモーションコードが存在します。「Google Workspace プロモーションコード【最新2025年版】15%割引クーポン無料配布中」のページでは、最新のコードの入手方法や利用条件を詳しく解説しています。コスト最適化の一環として、ぜひこちらの情報もご活用ください。