顧問税理士との毎月のデータやり取り、面倒に感じていませんか。
会計データをCSVで出力して、メールに添付して送る…といった作業は、時間もかかる上にセキュリティ面でも不安が残ります。
実は、マネーフォワード クラウドの「メンバー追加機能」を活用すれば、そんな悩みは一瞬で解決します。
この機能を使えば、顧問税理士にリアルタイムで会計データを確認してもらえるため、経理業務が劇的に効率化され、より的確な経営アドバイスを受けられるようになります。
この記事では、顧問税理士をマネーフォワードに招待するための具体的な手順と、安全な運用に不可欠な「権限設定」のポイントを、2025年12月時点の情報に基づき、分かりやすく解説します。
なぜマネーフォワードで税理士とデータ共有すべきなのか?3つのメリット
そもそも、なぜメールやチャットでのデータ送付ではなく、マネーフォワードの機能を使ってデータを共有すべきなのでしょうか。その理由は、単に「楽になるから」だけではありません。事業者と税理士双方にとって、見逃せない3つの大きなメリットが存在します。
メリット1:リアルタイムな情報共有で月次決算が迅速に
最大のメリットは、リアルタイムでの情報共有が可能になることです。従来のCSVファイルでのやり取りでは、データを抽出した時点での情報しか共有できませんでした。税理士がデータを確認している間に新たな取引が発生した場合、その内容は反映されず、コミュニケーションの齟齬が生まれる原因にもなります。
しかし、マネーフォワードで税理士をメンバーに加えれば、税理士はいつでも最新の会計帳簿にアクセスできます。これにより、月次決算の締め作業が大幅にスピードアップし、前月の経営成績をより早く正確に把握できるようになります。経営者としては、迅速なフィードバックを元に、タイムリーな経営判断を下すことが可能になるのです。これは、変化の速い現代において非常に強力な武器となります。
メリット2:データ受け渡しの手間とヒューマンエラーを大幅に削減
会計データの出力、パスワード付きZIPファイルへの圧縮、メールでの送信、そして税理士側でのインポート…これらの作業は、毎月繰り返される定型業務でありながら、意外と時間を奪われます。また、手作業が介在することで、「間違ったファイルを送ってしまった」「データのインポートがうまくいかない」といったヒューマンエラーが発生するリスクも常に付きまといます。
マネーフォワードでの共有は、これらの手間とリスクを根本から解消します。一度設定を完了すれば、事業者は日々の取引を入力するだけ。税理士は必要な時に自らログインしてデータを確認・監査できます。データ受け渡しのための作業は一切不要になり、事業者は本来集中すべきコア業務により多くの時間を使えるようになります。
メリット3:セキュアな環境で安全にデータを共有
企業の財務データは、極めて重要な機密情報です。メールでのデータ送信は、誤送信のリスクや、第三者による盗聴のリスクがゼロではありません。USBメモリなど物理メディアでの受け渡しは、紛失や盗難のリスクが伴います。
その点、マネーフォワード クラウドは、金融機関レベルのセキュリティ体制で構築されています。メンバー追加機能では、誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかのログが記録され、後から追跡することが可能です。さらに、後述する「権限設定」を適切に行うことで、税理士がアクセスできる情報の範囲を厳密にコントロールできます。これにより、情報漏洩のリスクを最小限に抑えながら、安全なデータ共有環境を構築することができるのです。
【実践】マネーフォワードで顧問税理士をメンバー追加する具体的な手順
それでは、実際に顧問税理士をメンバーとして追加する手順を、ステップバイステップで見ていきましょう。操作は非常にシンプルで、数分で完了します。
ステップ1:メンバー追加画面へのアクセス
まず、マネーフォワード クラウドにログインし、左側のメニュー上部にある事業者名をクリックします。表示されたメニューの中から「メンバー追加・管理」を選択してください。
(ここに画面キャプチャ画像を挿入すると、より分かりやすくなります)
この画面で、現在登録されているメンバーの一覧と、新たに従業員や専門家を招待するための操作ができます。
ステップ2:税理士を招待する
画面右上にある「メンバーを招待」というボタンをクリックします。すると、招待したい相手の情報を入力する画面が表示されます。
ここで入力するのは以下の2点です。
- メールアドレス:顧問税理士の業務用のメールアドレスを正確に入力します。招待メールがこのアドレスに送られます。
- 氏名:顧問税理士の名前を入力します。
入力後、「招待する」ボタンを押す前に、最も重要な「権限設定」を行います。
ステップ3:権限を設定する(最重要ポイント)
ここが、税理士とのデータ共有における最重要ポイントです。権限設定を誤ると、意図しない操作を許可してしまったり、逆に必要な作業ができなくなったりする可能性があります。顧問税理士に依頼する業務範囲に合わせて、慎重に権限を選びましょう。
主な権限の考え方は以下の通りです。
- 閲覧権限のみ:月次決算の確認や監査、経営アドバイスが主な役割の場合に設定します。税理士は帳簿を見ることはできますが、仕訳の追加や修正はできません。最も安全な設定です。
- 登録・編集権限を付与:記帳代行も依頼している場合に設定します。例えば、「仕訳帳・残高試算表」の権限を「登録・編集」にすると、税理士側で仕訳の修正や追加ができるようになります。「マスタ」の権限も必要に応じて付与しましょう。
- 「管理者」権限は絶対に付与しない:「管理者」は、メンバーの追加・削除やサービスの契約変更など、事業の根幹に関わる操作ができてしまいます。特別な理由がない限り、顧問税理士に管理者権限を付与するのは避けましょう。
税理士にどこまでの業務を依頼しているかを明確にし、「最小権限の原則(必要な権限のみを与える)」を徹底することが、セキュリティ上非常に重要です。
ステップ4:招待メールの確認と承諾
権限設定を行い「招待する」ボタンをクリックすると、入力したメールアドレス宛にマネーフォワードから招待メールが送信されます。税理士側でそのメールを開き、記載されたURLをクリックして承諾手続きを行えば、メンバー追加は完了です。
追加されたメンバーは、「メンバー追加・管理」画面の一覧に表示され、ステータスが「招待中」から「参加中」に変わります。
顧問税理士とのデータ共有で注意すべき権限設定の応用ポイント
基本的な手順は上記で完了ですが、より安全かつスムーズな運用を目指すために、知っておきたい応用的なポイントをいくつかご紹介します。これらの点を意識するだけで、セキュリティレベルと業務効率がさらに向上します。
「管理者」権限は家族であっても渡さないのが鉄則
先ほども触れましたが、「管理者」権限の取り扱いは最も慎重になるべきです。この権限を持つと、自分以外のメンバーの権限変更や削除、さらにはマネーフォワードの契約プランの変更・解約まで可能になります。悪意がなくとも、操作ミスによって事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
これは顧問税理士に限らず、社内の経理担当者であっても同様です。管理者権限は、原則として事業の代表者一人のみが持つようにし、他のメンバーには業務に必要な範囲の権限のみを付与する運用を徹底しましょう。
業務範囲に応じた「最小権限の原則」を徹底する
セキュリティの基本に「最小権限の原則」という考え方があります。これは、「アカウントには、その業務を遂行するために最低限必要な権限のみを与える」というものです。
例えば、顧問税理士の役割が「月次監査と決算申告のみ」であれば、必要なのは各種帳簿の「閲覧」権限だけです。この場合、「請求書」や「給与」の作成・編集権限は不要です。もし税理士から「権限がなくて作業ができない」と連絡があった場合に、その都度必要な権限を追加していくというスタンスでも良いくらいです。
最初にすべての権限を渡してしまうのではなく、業務内容を精査し、本当に必要な権限だけを厳選して付与する。この一手間が、内部不正や情報漏洩のリスクを大きく低減させます。
定期的な権限の見直しのススメ
一度設定した権限が、未来永劫そのままで良いとは限りません。顧問税理士との契約内容が変わったり、担当者が変更になったりすることもあるでしょう。また、使われなくなったアカウントを放置しておくことは、セキュリティホールになり得ます。
そのため、少なくとも年に一度、できれば半年に一度は「メンバー追加・管理」画面を確認し、登録されているメンバーと付与されている権限が適切かを見直す習慣をつけましょう。契約が終了した税理士のアカウントが残ったままになっていないか、現状の業務内容に対して過剰な権限が与えられていないかを確認し、不要なアカウントは速やかに削除、権限は適宜修正することが望ましいです。これにより、常にクリーンで安全な状態を維持できます。
マネーフォワード共有をさらに活用する応用テクニック
データ共有と権限設定に慣れてきたら、もう一歩踏み込んだ活用法を試してみましょう。マネーフォワードには、税理士との連携をさらに円滑にするための便利な機能が備わっています。
「監査」機能で税理士のチェックを効率化
マネーフォワード クラウド会計には、専門家によるチェックを効率化するための「監査」機能があります。この機能を使うと、仕訳の変更履歴(誰が、いつ、どのように変更したか)を一覧で確認したり、特定の仕訳に対して確認済み(監査済み)のチェックマークを付けたりすることができます。
税理士にこの機能を使ってもらうことで、どの仕訳を既に確認したかが明確になり、二重チェックなどの無駄を防げます。また、事業者側で入力した仕訳に不明な点があった場合に、税理士がその仕訳に直接「要確認」のフラグを立てるといった使い方もでき、コミュニケーションがスムーズになります。
コメント機能を使った仕訳単位でのコミュニケーション
「この経費の摘要がよく分からない」「この売上の計上基準は正しいか?」といった、個別の仕訳に関する疑問は頻繁に発生します。そんな時、メールや電話で「〇月〇日の〇〇の仕訳の件ですが…」とやり取りするのは非効率です。
マネーフォワードの各仕訳には、「コメント」機能が付いています。不明な点があれば、該当の仕訳に直接コメントを残すことで、文脈が明確な状態で税理士に質問できます。税理士もそのコメントに対して返信できるため、まるでチャットのように、仕訳単位でコミュニケーションが完結します。これにより、疑問点の解消がスピーディーになり、正確な記帳に繋がります。
マネーフォワード クラウドには、ここで紹介した以外にも多くの便利な機能があります。個人事業主や小規模法人にとって、確定申告や日々の経理業務をいかに効率化できるかは重要な課題です。全体の機能や料金プランについてより詳しく知りたい方は、【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説の記事で網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:データ共有で顧問税理士との連携を次のステージへ
この記事では、マネーフォワード クラウドのメンバー追加機能を活用して、顧問税理士と安全かつ効率的にデータを共有する方法を解説しました。
重要なポイントをまとめます。
- リアルタイム共有で月次決算が迅速化し、タイムリーな経営判断が可能になる。
- データ受け渡しの手間がゼロになり、ヒューマンエラーも防止できる。
- 「管理者」権限は渡さず、「最小権限の原則」に基づき業務に必要な権限のみを付与する。
- 定期的に権限を見直し、常に安全な状態を保つ。
マネーフォワードでのデータ共有は、単なる業務効率化ツールではありません。顧問税理士との連携をより密にし、プロフェッショナルな知見をリアルタイムで経営に活かすための戦略的な仕組みです。まだ紙やCSVでのやり取りを続けているのであれば、ぜひこの機会にメンバー追加機能を活用し、経理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を一歩前に進めてみてはいかがでしょうか。
これからマネーフォワード クラウドの導入を検討している方、またはより上位のプランへのアップグレードを考えている方は、以下の公式サイトから詳細を確認し、お得に始めることができます。顧問税理士との新しい連携の形を、ぜひ体験してください。
