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夫婦ともに個人事業主の場合、マネーフォワードのアカウントはどうする?共有と使い分けのポイント

夫婦で一緒に、またはそれぞれが個人事業主として働いている方は年々増えていますね。

自由な働き方ができる一方で、経理や確定申告の管理は悩みの種ではないでしょうか。

特に、便利な会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」を導入しようと考えたとき、「アカウントは夫婦で共有するべき?それとも別々に持つべき?」という疑問にぶつかる方は少なくありません。

実際に私も、夫婦で個人事業主として活動しており、この問題には頭を悩ませました。

結論から言うと、安易にアカウントを共有すると、後々の確定申告で思わぬ手間が発生する可能性があります。

この記事では、夫婦で個人事業主としてマネーフォワードを使う際の最適なアカウント管理方法について、メリット・デメリット、そして我が家で実践している具体的な使い分けのポイントを詳しく解説します。

この記事を読めば、あなたの家庭にぴったりの、スムーズで効率的な経理体制を築くヒントが見つかるはずです。

夫婦でマネーフォワードを使う際の3つの選択肢

夫婦ともに個人事業主の場合、マネーフォワード クラウドのアカウント管理には、大きく分けて3つの選択肢が考えられます。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、まずは全体像を把握し、ご自身の事業形態や夫婦間の関係性に合った方法を見極めることが重要です。

選択肢1:1つのアカウントを夫婦で共有する

まず考えられるのが、1つのマネーフォワード クラウドのアカウントを契約し、そのアカウントを夫婦二人で共有して使う方法です。例えば、夫名義で契約したアカウントに、夫婦それぞれの事業で使う銀行口座やクレジットカードをすべて連携させて管理するイメージです。一見、コストも手間も抑えられそうで魅力的に見えますが、注意すべき点も多い選択肢です。

選択肢2:夫婦それぞれが個別のアカウントを持つ

次に、夫と妻がそれぞれ自分の名義でマネーフォワード クラウドのアカウントを契約し、完全に独立した形で経理管理を行う方法です。これは、税務上の原則である「事業は個人単位で申告する」という考え方に最も忠実な方法と言えます。それぞれの事業の収支が明確に分離されるため、正確な申告につながります。

選択肢3:事業用と家計用でアカウントやサービスを使い分ける(ハイブリッド型)

最後に、より実践的な方法として、事業の経理管理と家計の資産管理を、異なるツールやサービスを使って両立させるハイブリッド型です。例えば、事業の経理は「マネーフォワード クラウド」をそれぞれが使い、家計の共有資産は「マネーフォワード ME」などの家計簿アプリで管理するといった方法です。これにより、それぞれのメリットを享受しつつ、デメリットを補うことができます。

次の章からは、これらの選択肢について、さらに深掘りして解説していきます。

選択肢1:1つのアカウントを共有するメリット・デメリット

「コストも抑えられるし、一つの画面で全部見れるなら楽そう」という理由で、1つのアカウントを共有する方法を検討する方は多いでしょう。しかし、この方法は基本的にはおすすめできません。その理由を、メリットとデメリットの両面から詳しく見ていきましょう。

共有するメリット

  • コストの削減: 最大のメリットは、月額料金が一人分で済む点です。特に事業を始めたばかりの時期は、少しでも固定費を抑えたいと考えるのが自然でしょう。
  • 全体の資金繰りの把握: 夫婦の事業収入や支出、そして家計全体の状況が一つのダッシュボードで可視化されるため、世帯全体のキャッシュフローを把握しやすいと感じるかもしれません。

共有するデメリットと致命的な注意点

メリットがある一方で、デメリット、特に確定申告に関わる致命的な問題点が存在します。

  • 事業ごとの正確な損益計算が困難: 確定申告は、あくまで個人ごとに行うものです。一つのアカウントに収支が混在していると、「この売上は夫のものか、妻のものか」「この経費はどちらの事業に関連するものか」を、仕訳のたびに手動で正確に区別し、最終的に申告データを分離する作業が必要になります。これは非常に煩雑で、ミスの温床となりかねません。
  • プライバシーの問題: 事業の収支だけでなく、連携したプライベートな口座の入出金もすべてお互いに見えてしまいます。夫婦間とはいえ、プライバシーをどこまでオープンにするかについては、事前のすり合わせが必要です。
  • 金融機関連携数の上限: マネーフォワード クラウドのプランによっては、連携できる金融機関の数に上限があります。夫婦それぞれの事業用口座、プライベート口座、クレジットカードなどをすべて登録しようとすると、上限に達してしまう可能性があります。
  • 確定申告時のデータ分離が非常に煩雑: これが最大のデメリットです。マネーフォワード クラウドで確定申告書類を作成する際、当然ながら夫の申告書と妻の申告書は別々に作成する必要があります。共有アカウントから特定の個人のデータだけを抽出して申告書を作成する機能は、標準では備わっていません。結局、データをエクスポートしてExcelなどで手作業で仕分けし直すといった、本末転倒な手間が発生する可能性が非常に高いのです。税務調査が入った際にも、明確な説明が難しくなるリスクがあります。

以上の理由から、安易に1つのアカウントを共有する方法は、将来的な手間を考えると避けるのが賢明と言えるでしょう。

選択肢2:夫婦それぞれが個別のアカウントを持つメリット・デメリット

次に、税務上の原則に最も沿った形である、夫婦がそれぞれ個別にアカウントを持つ方法です。こちらが個人事業主の夫婦にとっての基本形となります。コストはかかりますが、それを上回るメリットがあります。

個別アカウントのメリット

  • 正確な損益管理とスムーズな確定申告: これが最大のメリットです。それぞれの事業に関する収支が完全に分離されているため、期末になっても慌てることなく、マネーフォワード クラウドの画面上でそのまま自分の確定申告書類を作成できます。データの分離作業は一切不要です。
  • プライバシーの確保: 事業の収支やプライベートな支出を、お互いに干渉されることなく管理できます。事業に集中できる環境を保つ上でも重要です。
  • 明確な責任分界点: それぞれの事業成績が明確になるため、経営者としての意識も高まります。万が一、税務調査があった場合でも、自分の事業に関する資料として胸を張って提出できます。
  • 金融機関連携で悩まない: 自分専用のアカウントなので、連携数の上限を気にすることなく、事業に必要な口座やカードを自由に登録できます。

個別アカウントのデメリットと対策

    • コストが2倍になる: 当然ながら、利用料金は2人分かかります。しかし、これは正確な申告と将来的な手間を削減するための「必要経費」と捉えるべきでしょう。確定申告の手間や税理士に依頼する費用を考えれば、結果的に安くつくケースも多いです。
    • 家計全体の収支が見えにくい: アカウントが別々だと、世帯全体の資産状況を把握しにくくなるという側面はあります。この点については、次の章で解説するハイブリッド型のアプローチが有効な解決策となります。

共通経費の按分処理: 自宅兼事務所の家賃や光熱費など、夫婦共通の経費(家事按分)をどう処理するかが少し課題になります。例えば、家賃が夫の口座から引き落とされている場合、妻の経費として計上するには少し工夫が必要です。しかし、これは仕訳のルールさえ決めてしまえば、慣れれば問題なく処理できます。

このように、いくつかのデメリットはありますが、それらは対策可能なものです。確定申告という最終目的を考えると、個別アカウントを持つメリットは非常に大きいと言えます。

我が家の実践例!事業と家計を両立させる最適な使い分け術

ここまで「共有」と「個別」の選択肢を見てきましたが、最も現実的で、かつ効率的なのが「事業はそれぞれ個別のアカウント、家計は共有のツール」というハイブリッドな方法です。実際に我が家でもこの方法を採用しており、非常にスムーズに経理と家計の管理ができています。

基本原則は「1人1事業主、1アカウント」

まず大前提として、マネーフォワード クラウド確定申告は、夫婦それぞれが自分のアカウントを契約します。これは、税務申告を正確かつスムーズに行うための絶対的な基本ルールです。これにより、日々の記帳から確定申告書の作成まで、それぞれの事業ごとで完結させることができます。将来の事業拡大や法人化を見据えた場合でも、最初から経理が分離されていることは大きなメリットになります。

家計の共有には「マネーフォワード ME」をフル活用

「でも、それだと家計全体の状況が分からない…」という悩みは、無料から使える家計簿アプリ「マネーフォワード ME」で解決します。

私たちの実践例は以下の通りです。

  • マネーフォワード クラウド(事業用): 夫と妻がそれぞれ契約。ここには、それぞれの事業専用の銀行口座と事業で使うクレジットカードのみを連携させます。プライベートな口座は一切連携しません。これにより、クラウド上のデータはほぼすべて事業関連のものとなり、日々の仕訳が格段に楽になります。
  • マネーフォワード ME(家計用): 夫婦のどちらかが代表でアカウントを作成(プレミアム会員がおすすめ)。ここに、プライベート用の銀行口座、共有の貯蓄口座、夫婦それぞれのプライベート用クレジットカード、証券口座など、家計に関わるすべての口座を連携させます。共有したい場合は、片方のアカウント情報をパートナーに共有すれば、いつでも二人で全体の資産状況を確認できます。

この使い分けにより、「事業の正確な経理」と「家計全体の見える化」という、二つの目的を完璧に両立させることができるのです。

共通経費(家事按分)の賢い処理方法

この運用で論点となるのが、「家賃や光熱費など、プライベート口座から引き落とされる共通経費をどう事業の経費にするか」です。これも簡単なルールで解決できます。

例えば、家賃10万円が夫のプライベート口座から引き落とされ、夫と妻が事業で使う割合(家事按分率)がそれぞれ20%だったとします。

  • 夫の仕訳: 夫は自分のマネーフォワード クラウドで、支払い時に「地代家賃 2万円 / 事業主借 2万円」として経費計上します。プライベートのお金で事業の経費を立て替えた、という扱いです。
  • 妻の仕訳: 妻も同様に、自分のマネーフォワード クラウドで「地代家賃 2万円 / 事業主借 2万円」と計上します。実際のお金の動きはありませんが、夫(家計)に対して2万円の経費を借りた、という扱いです。

このように、「事業主借」という勘定科目をうまく使うことで、実際の引き落とし口座に関わらず、それぞれの事業経f費として正しく計上できます。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、一度ルールを決めてしまえば、毎月同じ作業の繰り返しです。

2025年12月時点のマネーフォワード クラウドの機能や料金プラン、そして確定申告の全体像についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらのガイド記事も参考にしてください。より深い理解が、あなたの経理業務をさらに効率化してくれるはずです。

【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説

まとめ:最適なアカウント管理で、夫婦の事業を加速させよう

今回は、夫婦で個人事業主として活動する場合のマネーフォワードのアカウント管理方法について解説しました。

要点をまとめると以下の通りです。

  • 1つのアカウントの共有は、確定申告時に大きな手間がかかるため非推奨
  • 基本は「1人1アカウント」とし、事業の経理を完全に分離するのが最も安全で効率的。
  • 家計の管理は、事業用の「クラウド」とは別に「マネーフォワード ME」を活用するのが最適解。
  • 共通経費は「事業主借」を使い、ルールを決めて処理すれば問題なし。

夫婦で事業を行う上での強みは、協力し合えることです。しかし、経理や税務に関しては、まず「個人」としての責任を明確に分けることが、結果的に健全な事業運営と円満なパートナーシップに繋がります。

マネーフォワード クラウド確定申告は、面倒な経理作業を大幅に自動化し、事業に集中する時間を作り出してくれる強力なツールです。まだ導入を迷っている方は、まずは無料プランから試してみて、その便利さを体感してみてはいかがでしょうか。

あなたとパートナーの事業が、より一層飛躍するための一助となれば幸いです。

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