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開業祝いをもらった時の経理処理は?個人事業主の開業届と贈与税・所得税の関係

念願の独立を果たし、個人事業主としてのキャリアをスタートさせたあなたへ。

友人や取引先から温かい「開業祝い」が届き、感謝の気持ちでいっぱいになっている頃かもしれません。

しかし、その一方で、「このお祝い、経理上はどう扱えばいいんだろう?」「現金でいただいたけど、売上として計上するの?」「高価な備品をもらったけど、税金はかかるの?」といった新たな疑問も生まれているのではないでしょうか。

特に、開業したばかりの時期は、日々の業務に追われ、経理や税金の細かいルールまで手が回らないことも多いものです。

そこでこの記事では、個人事業主が開業祝いを受け取った際の正しい経理処理と、それに関わる贈与税や所得税の考え方について、2026年2月時点の情報に基づき、分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、開業祝いに関するお金の疑問がスッキリ解決し、安心して事業に集中できるようになります。

開業祝いの基本的な考え方と経理処理

まず最初に理解しておきたいのは、開業祝いを「誰から」「何を」もらったかによって、経理上の処理方法が異なるという点です。現金、パソコンやプリンターなどの備品、あるいは商品券など、その形態は様々です。ここでは、それぞれのケースに応じた具体的な仕訳方法を見ていきましょう。

開業祝いは「事業用の収入」として扱うのが基本

個人事業主が受け取る開業祝いは、事業の成功を願って贈られるものです。そのため、基本的にはプライベートな贈り物とは区別し、事業に関連する収入として会計処理を行います。

ただし、これは必ずしも「売上」として計上するという意味ではありません。開業のタイミングや受け取った物の内容によって、使用する勘定科目が変わってきます。適切な勘定科目で処理することで、事業の財政状態を正確に把握することができます。

【現金をもらった場合】の具体的な仕訳方法

現金で開業祝いを受け取った場合、そのお金を事業用の資金として使うのであれば、「事業主借」という勘定科目を使って処理するのが一般的です。これは、「事業主個人のお金を事業のために借りた」という扱いにする考え方です。

例えば、友人から開業祝いとして現金10万円を受け取り、事業用の運転資金に充てたとします。この場合の仕訳は以下のようになります。

(借方)現金 100,000円 / (貸方)事業主借 100,000円

もし、開業後に事業の取引先などから受け取った場合で、事業上の関係性から得た収入と判断される場合は、「雑収入」として処理することも考えられます。雑収入は、事業の主な活動以外から得た収入を指します。

(借方)現金 100,000円 / (貸方)雑収入 100,000円

どちらで処理すべきか迷うかもしれませんが、個人からの純粋なお祝いであれば「事業主借」、法人や事業上の関係者からのものであれば「雑収入」と考えると分かりやすいでしょう。

【物品をもらった場合】の評価と仕訳

パソコンやオフィス家具、観葉植物など、物品で開業祝いをいただくケースも多いです。この場合、まずはその物品の「時価(市場価格)」を調べて金額に換算する必要があります。

そして、その金額によって処理方法が変わります。

  • 10万円未満の物品の場合
    取得価額が10万円未満のものは、「消耗品費」として経費計上できます。例えば、時価5万円のプリンターをもらった場合の仕訳は以下の通りです。
    (借方)消耗品費 50,000円 / (貸方)事業主借 50,000円
  • 10万円以上の物品の場合
    取得価額が10万円以上のものは、「固定資産」として資産計上し、原則として数年にわたって「減価償却」という手続きで経費化していく必要があります。例えば、時価15万円のパソコンをもらった場合は、以下のように仕訳します。
    (借方)工具器具備品 150,000円 / (貸方)事業主借 150,000円
    その後、決算時に法定耐用年数(パソコンの場合は通常4年)に応じて減価償却費を計算し、経費として計上します。

物品の評価や減価償却は少し複雑に感じるかもしれませんが、事業用の資産を正しく管理するために重要なプロセスです。

開業祝いと税金(贈与税・所得税)の関係

経理処理と並行して気になるのが、「開業祝いに税金はかかるのか?」という点でしょう。結論から言うと、ほとんどのケースで税金はかかりませんが、状況によっては贈与税や所得税の対象となる可能性もあります。ここで、その境界線について詳しく見ていきましょう。

原則、個人からの開業祝いに贈与税はかからない

個人から個人への財産の移動には、原則として「贈与税」が課せられます。しかし、税法には例外があり、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞等のための金品で、社会通念上相当と認められるもの」については、贈与税がかからないと定められています。

開業祝いは、この「祝物」に該当するため、常識的な範囲内の金額であれば贈与税の心配は不要です。「社会通念上相当」という言葉は少し曖昧ですが、友人や親族からの数万円から十数万円程度のお祝いであれば、問題になることはまずないでしょう。

所得税の対象となる「一時所得」とは?

注意が必要なのは、法人(会社)から開業祝いを受け取った場合です。この場合、贈与税ではなく「一時所得」として所得税の課税対象となります。

一時所得とは、給与所得や事業所得のような継続的な収入ではなく、臨時的に得た所得を指します。一時所得の金額は、以下の計算式で算出されます。

一時所得の金額 = 総収入金額 – 収入を得るために支出した金額 – 特別控除額(最高50万円)

この計算式から分かるように、一時所得には最大50万円の特別控除があります。そのため、他に一時所得(生命保険の一時金や競馬の払戻金など)がなければ、法人から受け取った開業祝いの合計額が年間50万円を超えない限り、実質的に所得税はかかりません。

また、前述の通り、事業用の資産として物品を受け取ったり、事業上の関係から現金を受け取ったりして「雑収入」として計上した場合は、事業所得の一部となり、所得税の課税対象に含まれます。

高額な開業祝いを受け取った場合の注意点

もし、個人から年間合計110万円(贈与税の基礎控除額)を超えるような高額な現金や物品を受け取った場合や、明らかに「社会通念上相当」とは言えないような場合は、贈与税の申告が必要になる可能性があります。

例えば、事業とは無関係の親族から運転資金として数百万円の援助を受けた場合などは、開業祝いではなく純粋な贈与と見なされることもあります。少しでも判断に迷うような高額な支援を受けた場合は、自己判断せずに税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

正しい経理処理の前提となる「開業届」の重要性

ここまで開業祝いの経理処理や税金について解説してきましたが、これらの会計処理を正しく行う大前提として、「開業届」を税務署に提出していることが不可欠です。開業届は、あなたが個人事業主として正式に事業を開始したことを公的に証明する重要な書類です。

なぜ開業届の提出が重要なのか?

開業届を提出する最大のメリットは、「青色申告」を選択できるようになる点です。青色申告承認申請書を開業届と一緒に提出することで、以下のような大きな節税メリットを受けることができます。

  • 最大65万円の青色申告特別控除
  • 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)
  • 赤字を3年間繰り越せる(純損失の繰越控除)

これらの特典は、白色申告では得られません。開業祝いの処理はもちろん、今後の事業運営で発生するあらゆる経費を適切に計上し、節税の恩恵を最大限に受けるためにも、開業届の提出はスタートラインと言えるでしょう。

また、屋号(事業の名前)を記載した開業届の控えは、屋号名義の銀行口座を開設する際や、日本政策金融公庫などから融資を受ける際の証明書類としても役立ちます。

開業届はいつまでに提出すべき?

所得税法では、開業届は事業を開始した日から1ヶ月以内に提出することと定められています。また、青色申告の承認を受けるためには、原則として事業を開始した日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

提出が遅れたことによる直接的な罰則はありませんが、青色申告の適用が翌年以降にずれてしまうなど、節税上のメリットを逃す可能性があります。事業の準備で忙しい時期ではありますが、忘れずに手続きを行いましょう。

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個人事業主になるための準備や、より詳しい手続きの流れについては、別記事の「【開業準備ガイド】個人事業主になるには?無料の「マネーフォワード クラウド開業届」で書類作成から提出まで完全サポート!」で網羅的に解説していますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。

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まとめ:開業祝いは正しく処理して、スムーズな事業運営を

今回は、個人事業主が開業祝いを受け取った際の経理処理と税金の考え方について解説しました。

最後に、重要なポイントを振り返りましょう。

  • 現金でのお祝いは「事業主借」や「雑収入」で処理する。
  • 物品でのお祝いは、時価を評価し、10万円未満なら「消耗品費」、10万円以上なら「固定資産」として計上する。
  • 個人からの常識的な範囲の開業祝いに贈与税はかからない
  • 法人からのお祝いは「一時所得」の対象となるが、50万円の特別控除がある。
  • 正しい経理処理と節税の第一歩は、開業届の提出から始まる。

開業当初は、慣れない経理作業に戸惑うことも多いかもしれません。しかし、一つ一つの取引を正しく記録していくことが、健全な事業運営の基盤となります。

特に、開業手続きは今後の節税額に大きく影響する重要なステップです。便利なクラウドサービスをうまく活用して、効率的に手続きを進めましょう。

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