この記事は https://workspaceupdates.googleblog.com/ の記事をもとに作成しています。
元記事の作成年月日:2026年2月19日
日本のGoogle Workspaceユーザーの皆様、そしてこれからGoogle Workspaceの導入を検討されている皆様、こんにちは。
日々進化を続けるGoogleのクラウドツールですが、今回は教育現場に革新をもたらす画期的なアップデート情報をお届けします。
教育機関向けに提供されているGoogle Workspace for Educationのプラットフォームにおいて、教員の皆様の業務を劇的にサポートするAI機能が新たに発表されました。
本日は、Google Classroomの記述式課題において、AIが個別のフィードバック文の草案を作成してくれる新機能について詳しく解説いたします。
日本の教育現場でも「教員の働き方改革」や「個別最適な学び」の実現が強く求められていますが、このアップデートはまさにその両方を強力に推進する可能性を秘めています。
本機能は現時点では英語環境のみでの提供となりますが、今後の日本語対応への期待も込めて、教育AIの最新トレンドをいち早くキャッチアップしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みいただき、生成AIを活用した新しい教育指導の形をイメージしてみてください。
記述式課題の採点に革命を起こす「AIによるフィードバック提案」
作文やレポート、小論文といった「記述式課題」は、生徒の思考力や表現力を育む上で非常に重要な学習活動です。しかし、教員が生徒一人ひとりの提出物を丁寧に読み込み、それぞれの理解度や課題に応じた的確なコメント(フィードバック)を書き込む作業には、膨大な時間と労力がかかります。
Googleはこうした教育現場のリアルな課題を解決するため、Google Classroomに「AI-suggested feedback(AIによるフィードバック提案)」という新機能を導入しました。これは、Googleの高性能な生成AIであるGeminiを活用し、記述式課題に対するパーソナライズされたフィードバックの「下書き(草案)」を自動生成してくれる画期的な機能です。
単に定型文を出力するわけではありません。Geminiは、対象となる生徒の実際の提出物内容、対象となる学年レベル、そして教員が事前に指定した「特に注目して評価したいポイント(重点分野)」を総合的に分析し、その生徒にとって最も適切で具体的なアドバイス文を生成します。
教員と生徒にもたらされる3つの大きなメリット
教員の皆様からのフィードバックは、生徒が自身の学習の遅れを取り戻し、次のステップへ進むための重要な鍵(学習の羅針盤)となります。本機能は、質の高い指導と業務効率化を両立させるために、以下の3つの強力なメリットを提供します。
1. ワークロードの劇的な軽減と効果的な時間管理
最も直接的なメリットは、採点業務にかかる時間の大幅な削減です。白紙の状態から一人ひとりに対するコメントを考え、タイピングする作業は非常に労力を要しますが、AIが作成した精度の高い草案を出発点とすることで、文章作成にかかる時間を劇的に短縮できます。これにより、教員は浮いた時間を授業準備や生徒との直接的な対話など、より人間的な教育活動に充てることが可能になります。
2. 生徒の成長を加速させるタイムリーな指導
フィードバックは、課題を提出してから返却されるまでの時間が短ければ短いほど、生徒の学習効果が高まると言われています。AIのサポートによって採点スピードが向上すれば、生徒は自分の記憶が鮮明なうちに具体的なアドバイスを受け取ることができます。的確な指摘を通じて、生徒自身の内省(リフレクション)や自己評価のスキルを効果的に育てることができます。
3. パーソナライズの効率化と共感的な指導の実現
数十人、数百人規模のクラスを受け持つ教員にとって、すべての生徒に対して高度で共感的な個別指導を行うことは物理的に困難でした。しかし、Geminiが提案する草案を活用することで、生徒の長所をしっかりと褒め、改善すべき具体的なポイントを的確に示す「血の通ったガイダンス」を大規模なクラス全体にスケーラブルに展開できるようになります。
AIはあくまでアシスタント。最終決定権は教員の手の中に
この機能の素晴らしい点は、AIが完全に自律して生徒にコメントを返すわけではないということです。Googleは一貫して「人間中心のAI活用」を掲げています。
実際の利用フローとしては、教員がGoogle Classroom上で生徒の課題に対する「非公開コメント」を入力する画面を開き、「Help me write(文章作成サポート)」ボタンをクリックしてGeminiを呼び出します。そこでGeminiが提案したフィードバック文を読み、教員自身が納得いくまでレビューし、必要に応じて編集や加筆修正を行ってから、最終的に生徒へと送信します。
つまり、AIは優秀なティーチングアシスタントとして下書きを用意するだけであり、提供される指導の質と内容に対するコントロール権(主導権)は、常に教員が握り続ける設計になっています。これにより、不適切な内容が送信されるリスクを防ぎつつ、温かみのある教員自身の言葉を添えることができます。
ご利用に関する重要な注意事項(英語のみ・年齢制限)
本機能は非常に魅力的ですが、日本のユーザーの皆様がご利用いただくにあたり、いくつかの重要な制約事項があります。ご利用の前に必ずご確認ください。
対応言語について:
現時点において、この「Gemini in Google Classroom」の一部である本機能は英語(English)のみでの提供となっております。日本語での提出物や、日本語でのフィードバック生成には現時点では対応しておりません。日本のユーザー様におかれましては、今後の多言語対応(日本語対応)に向けた先行プレビュー情報としてご認識いただけますと幸いです。
年齢制限について:
本機能を利用できるのは、所属する教育機関のGoogle Workspaceアカウントにおいて「18歳以上」と指定されている教育ユーザー(教員)のみです。18歳未満の生徒がAI機能を不用意に使用できないよう、厳格な安全保護措置が取られています。
管理者向けの設定と対象となるエディション
本機能の導入および管理に関して、Google Workspaceの管理者様向けの情報をご案内します。
管理者は、組織内のどのユーザーに対して「Gemini in Google Classroom」の利用を許可するかを、Google管理コンソールから完全に制御できます。前述の通り、年齢ベースのアクセス設定で18歳以上と設定されているユーザーに対してのみ、サービスをオンにするオプションが表示されます。なお、エンドユーザー(教員)側でオン・オフを切り替える設定画面はありません。
対象となるGoogle Workspaceエディション
本機能は、高度な教育機能を提供する以下のプレミアムエディションにてご利用いただけます。
- Google Workspace for Education Plus
- Teaching and Learning Upgrade(アドオン)
展開スケジュール
機能の展開は、即時リリースおよび計画的リリースドメインの双方において、2026年2月19日より段階的に開始されます。機能が皆様の管理コンソールや環境に表示されるまで、最大で15日程度かかる場合があります。
まとめ:テクノロジーが切り拓く新しい教育の形
本日は、Google Classroomの記述式課題に対する新しいAIフィードバック提案機能についてご紹介しました。
AIの登場により、教育現場のあり方は大きく変わろうとしています。「教員の代わり」にAIが立つのではなく、「教員の能力を最大限に拡張し、業務負担を軽減する」ためのツールとしてGeminiが組み込まれたことは、教育テクノロジーの正しい進化の方向性を示しています。
現在は英語のみでの提供となりますが、こうした高度なパーソナライズ支援ツールが将来的に日本語環境でも日常的に使えるようになれば、日本の学校現場が抱える多くの課題が解決に向かうことでしょう。Google Workspace for Educationを利用されている教育機関の皆様は、ぜひ今後のアップデートに引き続きご注目いただき、最新の教育AIの活用に向けた準備を進めてみてはいかがでしょうか。