今回は、世界中の情報を発信するウェブメディア「TABI LABO」の創業者である成瀬勇輝氏の新刊(2016/5/26発売)を読んだのでご紹介。
21世紀の旅人のバイブルとなる一冊
本書の第1章では、
旅には、人を変える力、成功に導く力があるのではないだろうか?
この問いに対して、apple創業者スティーブ・ジョブズ、Facebook創業者マーク・ザッカーバーグをはじめとした「成功者の原点には”旅”があった」として、彼らの経験、逸話を紹介しながら、「旅の持つ力」について語られている。
第2章、第3章では、
成瀬氏自身が世界中を旅した経験、また、旅好きの経営者や海外で活躍する日本人たちとの対話から気づいたことを「旅が人生の質を高める33の理由」「ネットとリアルを行き来する21世紀の旅行術」の2点の視点でまとめている。
人生の質を高めるために、自分の人生に旅をどう取り入れればよいのか、
旅をただ楽しむだけでなく、仕事や今後の人生に有効活用するにはどうすればよいのか、
旅好きな人はもちろん、
旅の持つ魅力に惹かれている人、旅に出たいけど忙しくて旅に出れていない人、今の人生に満足していない人、
多くの人に是非読んでもらいたい旅の持つ魅力がわかる、旅を今後の人生に活かすヒントが詰まった本だと感じた。
以下、私が心に留めておきたいと思った本の内容を一部紹介したいと思う。
なぜスティーブ・ジョブズは旅に出たのか?
ジョブズが旅を通して、何を学んだのか。
ザッカーバーグのメンターでもあったジョブズが(知らない人も多いのではと本でも紹介している)、ザッカーバーグが今後の先行きに悩んでいる時に旅に出ることをアドバイスしたのはなぜか。
世界的な成功者も、インドの1人旅が人生に多大な影響を与えていたり、旅を通して学べることの多さ、大切さ、紹介してくれている。
人は、同じ環境下にいると、見るもの、聞くもの、感じるものが限定されてしまう。
たくさん旅に出ることで、環境を変え、新しい価値観と出会い、
自分の中にある価値観、視野を広げることで、人生の質を高めることができる。
旅が人生の質を高める33の理由
情報の消費者ではなく、発信者になれる
1人旅をするときにぜひ試して欲しいのが、情報を発信しながら旅をすること。旅に何か1つテーマを持つことで、発信することが明確になる。旅の密度は格段に濃く、経験はより深くなる。
旅にテーマを持つことの重要性については、完全に同意。
昨年、私はイタリア、スペインを旅行した時には、「食」をテーマに旅をした。
旅の内容はまだ別の機会に記事にしたいと思うが、
自分の中でテーマを決めて旅をすると、自然と行きたい場所、行くべきお店が定まってきたり、
現地での情報収集、感度が、漠然と旅をするよりも格段に上がる。
旅のテーマを持つことで、旅の密度を濃く、経験をより深くさせる。
これは旅だけでなく、仕事や人生、あらゆることでもテーマを持つことは大切だと言えるだろう。
プロセスを楽しむという人生のコツが身につく。
「人が旅をするのは到着するためではなく、旅をするためである。」ゲーテ
旅は、目的地に到着すること、「ウユニ塩湖の景色を見る」などの目的に焦点が行きがちであるけど、
旅が終わってみて、深く心に刻まれていることや、思い出に残っていることは、
目的地に到着した時や、景色を見れた時よりも、
乗る予定だった飛行機の便が欠航になって思わぬ旅程になってしまった、現地の料理を食べたらお腹を壊した、などのトラブルが良い思い出となっていたり、
現地の人々との思わぬ出会いやコミュニケーション、現地の食事や現地の人にオススメされて見た景色が一番心に刻まれていたりするものだ。
思わぬ出会い、予期せぬトラブル、
どうなるかわかっていることほどつまらないことはない、
何が起こるかわからないから、旅はおもしろく、魅力があるのだと思う。人生も同じで。
プロセスを楽しむことは、
旅においても、人生においても、非常に大切なこと。
期待しないチカラを身につけられる
妙な期待を持たないチカラ。自分のコントロールの範囲外のことには暗に期待しない。
「期待はあらゆる苦悩のもとである。」ウィリアム・シェイクスピア
旅では、期待以上の出来事に出会えることもあるが、当然逆に期待を下回る出来事に出会うことも多い。
写真で見ていたよりも実物の景色は微妙だった、
期待していた現地の料理だったけど日本の料理の方が美味しいのでは、
などなど。
そういった原因は、ほとんどが根拠のない期待、勝手な期待、一方的な期待からくるもの。
旅だけでなく、普段の生活においても同様だ。
天気の心配をする。人付き合いで勝手な期待をする。これだけしてあげたんだから、これくらいしてくれるはずだ。
どれも無意味だし、期待してもしょうがない。
自分のコントロールの範囲外のことには暗に期待しないこと。
ネットを疑って使うことで”真の武器”にする
インターネットに載っている情報だけを頼りにしていくと、旅行は均一化されてしまう。インターネットに載っているあらゆる情報には発信者のバイアスが多分にかかっている。その地に行ってはリアルな情報を集め、自分が見た情報をものに旅を構築することが大切だ。
特に日本人は日本語だけを頼りに情報を仕入れるから、同じような旅になりがち。
旅の情報だけでなく、忘れてはいけない重要なことは、
・インターネットに載っているあらゆる情報には発信者のバイアスが多分にかかっていること
・自分が普段触れているインターネットの情報には自分のバイアスが多分にかかっていること
の2点。
インターネットの情報は常に疑うべきだし、本当に信頼すべき情報は、自分で見たり、聞いたり、感じる一次情報だ。
自分が習慣的にチェックしているSNS、メディア(ウェブ、テレビ、雑誌など)は基本的には自分の好きな情報ばかり見ているから、偏りに注意すべき。
そういうことも、旅では、事前に調べていく情報よりも、現地で知った情報を頼りに思わぬ収穫に出くわすこともあるからおもしろい。
ネットとリアルを行き来する21世紀の旅行術
“プロセス(移動)”にこそ、旅の本質的な価値があるのだと思う。
さぁ、10日間の旅に出よう。もし年に10日間も自分のために時間が取れないのであれば、現在の働き方そのものを真剣に考えてもいいかもしれない。
現在は、世界中どこにいても大抵の場所であればインターネットに接続可能だ。
私もsimフリーのiphoneで、これまで海外に旅した時は現地のsimカードを手に入れてネット環境を作り出し、googleマップを活用しながら行きたい場所に向かうなど快適に旅をしてきた。
インターネットに頼りすぎず、うまく活用することで、旅は今まで以上に充実したものに、自分の人生の質を高めてくれるだろう。
旅に出たくなる本。人生の質を高めるために。
ぜひ、ご一読を。
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