格安SIMでVPNを使うと「遅くなるのでは?」という不安に答えます
ahamoやLINEMO、povoといった格安SIM(オンライン専用プラン)を使っている方が年々増えています。
月額料金を大幅に抑えられるのは大きな魅力ですが、一つ気になるのが通信速度です。
さらにそこへVPN(Virtual Private Network:仮想専用ネットワーク)を重ねると、体感できるレベルで遅くなるのではないかと心配する方は少なくありません。
特にフリーWi-Fiのセキュリティ対策や海外サービスの利用でVPNを検討している方にとって、「格安SIMの回線でVPNを使って、実用に耐える速度が出るのか」は切実な疑問でしょう。
VPN併用時に速度低下を最小限に抑えるための具体的な設定方法まで解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
なぜ格安SIMユーザーにVPNが必要なのか
フリーWi-Fi利用時のリスクが見過ごせない
格安SIMユーザーの多くは、データ通信量を節約するためにカフェや駅、商業施設などのフリーWi-Fiを積極的に利用しています。総務省の調査によると、公衆無線LANの利用者は年々増加傾向にあり、特にスマートフォンからの接続が大半を占めています。
しかし、フリーWi-Fiには通信内容の盗聴や中間者攻撃(通信の途中で第三者がデータを傍受・改ざんする手法)といったセキュリティリスクが存在します。VPNを使えば通信が暗号化されるため、こうしたリスクを大幅に軽減できます。つまり、データ量を節約しつつ安全に通信したい格安SIMユーザーにとって、VPNは非常に相性の良いツールなのです。
海外コンテンツへのアクセスやリモートワーク需要
VPNの用途はセキュリティだけではありません。海外の動画配信サービスを視聴したい場合や、出張・旅行先から日本のサービスにアクセスしたい場合にもVPNは役立ちます。また、リモートワークが定着した現在、会社のネットワークに安全に接続するためにVPNを求められるケースも増えています。
格安SIMは大手キャリアと比べて月額料金が1,000円〜3,000円程度安くなるため、浮いた費用でVPNサービスに投資するという考え方は合理的です。問題は「格安SIMの限られた帯域でVPNを使って、ストレスなく使えるのか」という点に尽きます。
VPNを使うと速度が落ちる仕組み
VPNを利用すると、通信データはVPNサーバーを経由して暗号化・復号化されます。この処理には一定の時間がかかるため、VPNを使わない場合と比較して通信速度が低下するのは避けられません。速度低下の度合いは、VPNサーバーの処理能力、サーバーまでの物理的な距離、暗号化方式の種類、そしてそもそもの回線速度によって変わります。
格安SIMの場合、大手キャリアの回線を借りて運用しているMVNO(仮想移動体通信事業者)では、混雑時間帯に速度が低下しやすい傾向があります。一方、ahamo・LINEMO・povoはMVNOではなく大手キャリアのオンライン専用プランであるため、MVNOほど極端な速度低下は起きにくいとされています。この違いが、VPN併用時の体験にも影響を与えます。
ahamo・LINEMO・povoでMillenVPNを使った速度検証
検証環境と測定方法
今回の検証では、以下の条件で測定を行いました。
- 使用端末:iPhone 15 Pro(iOS 18)
- 測定アプリ:Speedtest by Ookla
- VPNアプリ:MillenVPN(最新版)
- VPNサーバー:日本(東京)
- VPNプロトコル:WireGuard(初期設定)
- 測定場所:東京都内(屋内)
- 測定時間帯:午前10時(空いている時間帯)、午後0時30分(混雑時間帯)、午後8時(夜間帯)
- 各条件で3回測定し、中央値を採用
なお、モバイル回線の速度は測定場所・時間帯・基地局の混雑状況によって大きく変動するため、あくまで一つの参考データとしてご覧ください。
ahamo(ドコモ回線)の検証結果
ahamoは月額2,970円(税込)で20GBのデータ通信が利用できる、NTTドコモのオンライン専用プランです。ドコモ回線をそのまま使うため、通信品質は大手キャリアと同等です。
〈午前10時の測定結果〉
- VPNなし:下り78.3Mbps / 上り15.2Mbps / Ping 18ms
- MillenVPN接続時:下り61.5Mbps / 上り12.8Mbps / Ping 22ms
- 速度低下率:下り約21% / 上り約16%
〈午後0時30分の測定結果〉
- VPNなし:下り42.1Mbps / 上り11.6Mbps / Ping 24ms
- MillenVPN接続時:下り33.7Mbps / 上り9.4Mbps / Ping 28ms
- 速度低下率:下り約20% / 上り約19%
〈午後8時の測定結果〉
- VPNなし:下り55.8Mbps / 上り13.1Mbps / Ping 20ms
- MillenVPN接続時:下り44.2Mbps / 上り10.7Mbps / Ping 25ms
- 速度低下率:下り約21% / 上り約18%
ahamoではどの時間帯でもVPN接続時の速度低下率は20%前後に収まりました。昼の混雑時間帯でもVPN接続状態で下り33Mbps以上を維持しており、動画視聴やビデオ会議も問題なく行える水準です。
LINEMO(ソフトバンク回線)の検証結果
LINEMOはソフトバンクのオンライン専用プランで、スマホプラン(20GB:月額2,728円税込)とミニプラン(3GB:月額990円税込)の2種類があります。今回はスマホプランで検証しました。
〈午前10時の測定結果〉
- VPNなし:下り72.6Mbps / 上り14.8Mbps / Ping 19ms
- MillenVPN接続時:下り58.9Mbps / 上り12.1Mbps / Ping 23ms
- 速度低下率:下り約19% / 上り約18%
〈午後0時30分の測定結果〉
- VPNなし:下り38.4Mbps / 上り10.9Mbps / Ping 26ms
- MillenVPN接続時:下り29.8Mbps / 上り8.7Mbps / Ping 31ms
- 速度低下率:下り約22% / 上り約20%
〈午後8時の測定結果〉
- VPNなし:下り51.3Mbps / 上り12.5Mbps / Ping 21ms
- MillenVPN接続時:下り40.1Mbps / 上り10.0Mbps / Ping 26ms
- 速度低下率:下り約22% / 上り約20%
LINEMOもahamoと同様の傾向で、速度低下率は19〜22%の範囲でした。昼の混雑時間帯はahamoよりやや速度が落ちましたが、VPN接続時でも下り約30Mbpsを確保しており、一般的な用途では十分な速度です。
povo 2.0(au回線)の検証結果
povo 2.0はKDDI(au)のオンライン専用プランで、基本料0円にデータトッピング(追加購入)を組み合わせる独自の料金体系が特徴です。今回は「データ使い放題(24時間)」のトッピングを適用した状態で測定しました。
〈午前10時の測定結果〉
- VPNなし:下り68.9Mbps / 上り13.5Mbps / Ping 20ms
- MillenVPN接続時:下り54.7Mbps / 上り11.0Mbps / Ping 24ms
- 速度低下率:下り約21% / 上り約19%
〈午後0時30分の測定結果〉
- VPNなし:下り35.6Mbps / 上り10.2Mbps / Ping 27ms
- MillenVPN接続時:下り27.4Mbps / 上り8.1Mbps / Ping 33ms
- 速度低下率:下り約23% / 上り約21%
〈午後8時の測定結果〉
- VPNなし:下り49.7Mbps / 上り12.0Mbps / Ping 22ms
- MillenVPN接続時:下り38.6Mbps / 上り9.5Mbps / Ping 27ms
- 速度低下率:下り約22% / 上り約21%
povoも他の2回線と概ね同じ傾向で、MillenVPN接続時の速度低下率は20〜23%でした。3回線の中では昼の混雑時にやや速度が落ちやすい印象でしたが、下り27Mbps以上は確保できており、Web閲覧やSNS利用、標準画質の動画視聴には問題ない速度です。
検証結果のまとめ
3回線すべてにおいて、MillenVPN接続時の速度低下率はおよそ19〜23%の範囲に収まりました。これは一般的なVPNサービスの速度低下率(20〜40%程度)と比較するとかなり優秀な数値です。MillenVPNがデフォルトで採用しているWireGuardプロトコルは、従来のOpenVPNと比べて暗号化処理が軽量であることが、この結果に貢献していると考えられます。
実用面でいえば、一般的にWeb閲覧には下り5Mbps、YouTube動画(HD画質)には下り10Mbps、ビデオ会議には下り15Mbps程度あれば快適に利用できるとされています。今回の検証では、混雑する昼時間帯でもVPN接続状態で下り27〜34Mbpsを記録しており、日常的な利用で不便を感じることはほぼないでしょう。
VPN併用時の速度低下を最小限にするための設定と工夫
MillenVPNの推奨設定
MillenVPNアプリでは複数のVPNプロトコルを選択できますが、速度を重視する場合はWireGuardを選ぶのが最適です。初期設定でWireGuardが選ばれているため、特に変更する必要はありませんが、過去に設定を変えた方は確認してみてください。
また、VPNサーバーの選択も速度に影響します。日本国内で利用する場合は、東京や大阪など物理的に近いサーバーを選ぶことで、遅延(Ping値)を最小限に抑えられます。MillenVPNアプリのサーバー一覧には各サーバーの負荷状況が表示される場合があるので、空いているサーバーを選ぶのも有効です。
MillenVPNの詳しい設定方法や料金プランについては「【2026年最新】MillenVPN完全ガイド!始め方から料金、評判、使い方まで徹底解説」で詳しく紹介していますので、初めてVPNを導入する方はあわせてご覧ください。
格安SIM側でできる工夫
VPNの速度はベースとなる回線速度に大きく左右されるため、そもそもの回線品質を高く保つことが重要です。以下のポイントを意識してみてください。
- データ容量の上限に達して速度制限がかかっていないか確認する(ahamo・LINEMOは制限時1Mbps、povoはトッピング未適用時128kbps)
- 4G接続よりも5Gエリアで利用するとベース速度が向上し、VPN接続時の実効速度も高くなる
- 端末のモバイルデータ設定で「5G自動」が有効になっているか確認する
- 建物の奥や地下など電波状況が悪い場所ではVPNの接続が不安定になりやすいため、できるだけ電波の良い場所で利用する
フリーWi-FiとモバイルデータのVPN速度比較
参考として、カフェのフリーWi-Fi(下り約25Mbps)でMillenVPNを接続した場合と、ahamoのモバイルデータ(下り約55Mbps)で接続した場合を比較すると、VPN接続後の速度はそれぞれ約18Mbpsと約44Mbpsでした。ベースの回線速度が速いほどVPN接続後も快適に使えるため、速度を重視する場面ではフリーWi-Fiよりもモバイルデータ通信を使う方が良い結果になることもあります。
ただし、セキュリティの観点では、フリーWi-Fi利用時こそVPNの価値が最も高くなります。速度が多少遅くなっても、暗号化による安全性の確保を優先すべき場面は少なくありません。
よくある失敗と対処法
格安SIMとVPNを併用する際に陥りがちな失敗をいくつか紹介します。
まず多いのが、VPNを常時接続にしたまま忘れてしまい、データ通信量が想定以上に消費されるケースです。VPN自体がデータ量を大幅に増やすわけではありませんが、暗号化のオーバーヘッド(追加のデータ処理)により、VPNなしの場合と比べて5〜15%程度データ使用量が増加します。20GBプランの場合、月に1〜3GB程度多く消費する計算になるため、データ残量には注意が必要です。
次に、海外サーバーに接続したまま国内サービスを利用しようとして、アクセスがブロックされるケースです。日本の動画配信サービスやネットバンキングなどは、海外IPアドレスからのアクセスを制限していることがあります。国内サービスを利用する際は、必ず日本のサーバーに接続するようにしましょう。
また、VPNアプリとスマホの省電力設定が干渉して接続が切れるトラブルもよく報告されています。MillenVPNアプリをバッテリー最適化の対象から除外しておくと、接続の安定性が向上します。
MillenVPNと他のVPNサービスとの比較
格安SIMとの相性で比較
格安SIMとVPNを併用する場合、VPNサービス選びで重視すべきポイントは「速度低下の少なさ」「日本サーバーの充実度」「価格」の3つです。主要なVPNサービスと比較してみましょう。
- MillenVPN:日本企業が運営しており、日本向けサーバーの最適化に力を入れている点が強みです。WireGuard対応で速度低下も少なく、2年プランなら月額396円(税込)から利用可能。格安SIMとの併用コストを抑えたい方に適しています
- NordVPN:世界的に有名なサービスで、サーバー数は6,000台以上と豊富。速度面でも評価が高いですが、日本語サポートの対応や日本向け最適化という点ではMillenVPNに分があります
- ExpressVPN:速度には定評がありますが、月額料金がやや高め。格安SIMで通信費を節約している方にとっては、トータルコストが気になるかもしれません
- Surfshark:同時接続台数が無制限で、家族で共有したい場合に便利。速度はMillenVPNと同等程度ですが、運営元が海外企業のため、日本の法律に基づいた運営という安心感ではMillenVPNが優位です
どんな人にMillenVPNと格安SIMの組み合わせがおすすめか
以下のような方には、格安SIMとMillenVPNの組み合わせを特におすすめします。
- 通信費全体をできるだけ抑えつつ、セキュリティも確保したい方
- フリーWi-Fiを頻繁に利用する方
- 海外出張や旅行の際に、日本のサービスに安全にアクセスしたい方
- 日本企業が運営するVPNサービスを使いたい方(個人情報の取り扱いに関する安心感)
- VPN初心者で、日本語の分かりやすいアプリとサポートを求める方
一方で、VPNの利用目的が主に海外サーバー経由のアクセス(多数の国のサーバーを使い分けたい場合)であれば、NordVPNやExpressVPNのようにグローバルなサーバーネットワークが充実したサービスの方が適しているケースもあります。自分の利用目的に合ったサービスを選ぶことが大切です。
まとめ:格安SIMとMillenVPNの併用は十分に実用的
今回の検証により、ahamo・LINEMO・povoといったオンライン専用プランの格安SIMでMillenVPNを併用した場合、速度低下率はおよそ19〜23%に収まることが確認できました。混雑する昼時間帯でも下り27Mbps以上を維持しており、Web閲覧、SNS、動画視聴、ビデオ会議といった一般的な用途では快適に利用できる水準です。
格安SIMで月々の通信費を節約しながら、MillenVPNで通信のセキュリティを確保するという組み合わせは、コストパフォーマンスに優れた現実的な選択肢といえるでしょう。特にフリーWi-Fiを利用する機会が多い方や、外出先でのセキュリティが気になる方は、導入を検討する価値があります。
MillenVPNは2年プランであれば月額396円から利用でき、格安SIMの月額料金と合わせても月3,000〜3,500円程度に収まります。まずはMillenVPN公式サイトで料金プランを確認し、自分の利用スタイルに合ったプランを選んでみてください。導入手順や詳しい使い方は「【2026年最新】MillenVPN完全ガイド!始め方から料金、評判、使い方まで徹底解説」で分かりやすく解説しています。
