ExpressVPNをスマートフォンで使っていると、「なんだかいつもよりバッテリーの減りが早い気がする…」と感じたことはありませんか。
セキュリティやプライバシーを守るためにVPNは不可欠ですが、その代償としてバッテリーの消耗が激しくなるのは避けたい問題です。
特に、外出先や旅行中で充電環境が限られている状況では、バッテリー残量は死活問題になりかねません。
ご安心ください。
この記事では、VPNがなぜバッテリーを消費するのかという根本的な仕組みから、ExpressVPNのバッテリー消費を最小限に抑えるための5つの具体的な節約術まで、専門的かつ分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたもバッテリー消費を気にすることなく、ExpressVPNの強力な保護機能を最大限に活用できるようになっているはずです。
ExpressVPNはなぜバッテリーを消費するのか？3つの主な理由
まず、なぜExpressVPNのようなVPNアプリがスマートフォンのバッテリーを消費するのか、そのメカニズムを理解することが重要です。原因を知ることで、対策がより効果的になります。主な理由は以下の3つです。
理由1: 通信データの暗号化と復号
VPNの最も重要な機能は、インターネット通信を暗号化することです。あなたのスマートフォンから送信されるデータは、ExpressVPNのサーバーに送られる前にすべて暗号化されます。そして、VPNサーバーから目的地（ウェブサイトなど）へ送られ、その逆もまた然りです。この「暗号化」と、受信したデータを読み取れるように元に戻す「復号」というプロセスは、スマートフォンの頭脳であるCPU（中央処理装置）に常に負荷をかけます。例えるなら、すべての手紙を複雑な暗号で書き、受け取った手紙を解読する作業を常に行っているようなものです。この計算処理が、バッテリーを消費する最大の要因の一つです。
理由2: 常時接続とバックグラウンドでの動作
VPNは、一度接続するとその状態を維持しようとします。たとえスマートフォンを操作していないスリープ状態でも、ExpressVPNアプリはバックグラウンドで動作し続け、サーバーとの接続を保ち、通信を監視しています。Wi-Fiとモバイルデータ通信が切り替わる時や、電波が弱い場所でも接続が途切れないように維持するこの働きは、継続的に電力を必要とします。この「常時接続」が、じわじわとバッテリーを蝕んでいくのです。
理由3: 最適なサーバーへの接続維持と通信
ExpressVPNは世界中に多数のサーバーを保有しており、ユーザーに最高の速度と安定性を提供するため、常に最適なサーバーに接続しようとします。また、データは一度VPNサーバーを経由するため、通常の通信よりも物理的な通信距離が長くなる傾向があります。例えば、日本からアメリカのサイトを見る際に日本のVPNサーバーに接続すると、「スマホ → 日本のVPNサーバー → アメリカのサイト」というルートになります。この余分な通信ステップと、接続を安定させるためのバックグラウンドでのやり取りが、バッテリー消費につながるのです。
これらの要因が組み合わさることで、VPN未使用時と比較してバッテリー消費量が増加します。しかし、これはVPNが正常に機能している証拠でもあります。問題は、この消費をいかに賢く管理するか、という点にあります。
ExpressVPNのバッテリー消費を抑える5つの実践的な節約術
VPNによるバッテリー消費は避けられない側面もありますが、ExpressVPNに搭載されている優れた機能や、少しの工夫でその影響を大幅に軽減することが可能です。ここでは、今日からすぐに実践できる5つの節約術を具体的に紹介します。
節約術1: 通信プロトコルを「Lightway」に設定する
最も効果的で、かつExpressVPNユーザーなら絶対に試すべきなのが、通信プロトコルを「Lightway」に変更することです。
通信プロトコルとは？
VPNがデータを送受信する際の「ルールや手順」のことです。プロトコルによって、通信速度やセキュリティレベル、そしてバッテリー消費量が変わってきます。
ExpressVPNが独自に開発した「Lightway」は、従来のプロトコル（OpenVPNやIKEv2など）と比較して、コード行数が大幅に少なく、非常に軽量に設計されています。これにより、CPUへの負荷が軽減され、結果としてバッテリー消費を大幅に抑えることができます。セキュリティレベルを妥協することなく、速度と省電力を両立させた画期的なプロトコルです。
設定方法:
- ExpressVPNアプリを開き、右下の「オプション」をタップします。
- 「設定」に進み、「プロトコル」を選択します。
- 「Lightway – UDP」または「Lightway – TCP」を選択します（通常は自動で選択されている「自動」のままでもLightwayが優先されますが、明示的に指定することで確実にLightwayを使用できます）。
多くの場合、これだけでバッテリーの持ちが改善されるのを体感できるはずです。
節約術2: スプリットトンネリングを活用する
スプリットトンネリングは、どのアプリの通信をVPN経由にし、どのアプリをVPNから除外するかを選択できる非常に便利な機能です。すべての通信を暗号化する必要がない場合に、この機能を活用することで不要なバッテリー消費を防げます。
活用例:
- VPNを除外するアプリ: 国内の動画配信サービス（TVer、Abemaなど）、銀行アプリ、天気予報アプリなど、地理的な制限がなく、高度なプライバシー保護が不要なアプリ。
- VPNを使用するアプリ: Webブラウザ（公共Wi-Fiでの検索時）、SNSアプリ、海外のサービスを利用するアプリ。
このように設定することで、VPNによる暗号化処理を本当に必要なアプリだけに限定し、CPUの負荷とバッテリー消費を最小限に抑えることができます。
ExpressVPNの詳しい機能や使い方については、私たちの総合ガイドでさらに深く解説しています。ぜひご覧ください。
→ 【2025年最新版】ExpressVPNとは？使い方・料金・評判を徹底解説！始め方ガイド
節約術3: VPNが必要な時にだけ接続する
シンプルですが、非常に効果的な方法です。常にVPNをオンにしておくのではなく、必要な場面でのみ接続を有効にしましょう。
VPNが必要な主な場面:
- カフェや空港、ホテルなどの公共Wi-Fiを利用する時
- 海外から日本のサービスにアクセスしたい時（またはその逆）
- プライバシーが特に気になる情報を検索・入力する時
ExpressVPNアプリは接続・切断が非常に高速なので、オン・オフの切り替えはほとんどストレスになりません。普段はオフにしておき、必要な時だけワンタップでオンにする習慣をつけるだけで、バッテリーの持ちは大きく変わります。
節約術4: 「ネットワーク保護」機能の設定を確認する
ExpressVPNには「ネットワーク保護」（一般的にキルスイッチと呼ばれる機能）が搭載されています。これは、万が一VPN接続が切れた場合に、インターネット通信を自動的にブロックして情報漏洩を防ぐ重要なセキュリティ機能です。
しかし、電波が非常に不安定な場所では、VPNの切断と再接続が頻繁に繰り返され、このネットワーク保護機能が作動し続けることがあります。この状態は、バッテリーを通常以上に消費する原因となり得ます。もし通信が不安定な環境でバッテリー消費が気になる場合は、一時的にこの機能をオフにすることも検討できます。ただし、その間は情報漏洩のリスクが高まるため、重要な通信は避けるようにしてください。
節約術5: スマートフォン本体のバッテリー節約設定を併用する
ExpressVPNアプリの設定だけでなく、スマートフォン本体の省電力機能を併用することも忘れてはいけません。
- 低電力モード（省電力モード）を有効にする: バックグラウンドでのアプリの動作や一部の視覚効果を制限し、全体のバッテリー消費を抑えます。
- 画面の明るさを調整する: ディスプレイはバッテリー消費の大きな要因です。明るさを少し下げるだけで効果があります。
- バックグラウンドアプリの更新を制限する: 使っていないアプリがバックグラウンドで通信や処理を行うのを制限します。
- プッシュ通知を整理する: 不要なアプリの通知をオフにすることで、画面の点灯や通信の発生を減らせます。
これらの基本的ながらも効果的な方法を組み合わせることで、ExpressVPNを使いながらでもスマートフォンのバッテリーを長持ちさせることが可能です。まだExpressVPNを試したことがない方は、この機会にその性能を体験してみてください。
他のVPNサービスや対策との比較
ExpressVPNのバッテリー消費について見てきましたが、他の選択肢と比較するとどうでしょうか。客観的な視点で評価してみましょう。
ExpressVPN vs 他の主要VPNサービス
結論から言うと、どのVPNサービスもある程度のバッテリーは消費します。 これはVPNの仕組み上、避けられないことです。NordVPNやSurfsharkといった他の主要なVPNサービスも、暗号化処理やバックグラウンドでの動作により同様にバッテリーを使います。
しかし、ExpressVPNには明確な強みがあります。それが前述した独自プロトコル「Lightway」です。多くの競合サービスが採用しているWireGuardプロトコルも軽量で高速ですが、LightwayはExpressVPNが自社で開発・管理しているため、アプリとの最適化が完璧です。この最適化により、他のVPNと比較してバッテリー効率で優位に立つ場面が多くあります。バッテリー消費を少しでも抑えたいユーザーにとって、Lightwayの存在はExpressVPNを選ぶ大きな理由になるでしょう。
有料VPN vs 無料VPN
「バッテリーを消費するなら、無料VPNで十分では？」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは大きな間違いです。
無料VPNの多くは、以下のような問題を抱えています。
- 広告表示: アプリ内に広告を表示するために、追加の通信や処理が発生し、かえってバッテリーを消費することがあります。
- バックグラウンドでのデータ収集: ユーザーのデータを収集・転売することで収益を得ている悪質な業者も存在します。このためのバックグラウンド活動がバッテリーを消耗させます。
- 性能の低さ: サーバーが貧弱で接続が不安定なため、再接続を繰り返し、結果的にバッテリーを無駄遣いすることが多いです。
- セキュリティリスク: 暗号化が不十分であったり、そもそもプライバシーを保護する気がないサービスも少なくありません。
バッテリー消費、セキュリティ、プライバシーの観点から見ても、信頼できる有料VPNであるExpressVPNを選ぶ方が、長期的にははるかに賢明な選択です。
まとめ：ExpressVPNのバッテリー消費は設定次第で賢く管理できる
今回は、ExpressVPNがスマートフォンのバッテリーを消費する仕組みと、その消費を抑えるための具体的な5つの節約術について詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度整理します。
- VPNのバッテリー消費は、主にデータの暗号化処理と常時接続が原因で発生します。
- ExpressVPN独自のプロトコル「Lightway」は、バッテリー消費を抑える上で非常に効果的です。
- スプリットトンネリングでVPNを使うアプリを限定したり、必要な時だけVPNをオンにしたりする運用が節約につながります。
- VPNアプリの設定だけでなく、スマートフォン本体の省電力設定も併用することで、相乗効果が期待できます。
ExpressVPNは、強力なセキュリティとプライバシー保護機能を提供するトップクラスのVPNサービスです。バッテリー消費という側面も、今回ご紹介した方法を実践すれば、十分にコントロールすることが可能です。
まずは、あなたのExpressVPNアプリの設定を見直し、プロトコルが「Lightway」になっているか確認することから始めてみてください。そして、あなたの使い方に合わせてスプリットトンネリングを設定し、賢く快適なVPNライフを送りましょう。
ExpressVPNの登録方法やさらに詳しい情報については、以下の総合ガイドが役立ちます。
→ 【2025年最新版】ExpressVPNとは？使い方・料金・評判を徹底解説！始め方ガイド
安全なインターネット環境と、スマートフォンのバッテリー、その両方を手に入れましょう。