ExpressVPNを契約して使っていると、「データ使用量はどれくらい増えるんだろう?」と気になったことはありませんか。
特にスマートフォンのテザリングや、データ上限のあるモバイルプランで利用する場合、VPNによるデータ消費は無視できない問題です。
この記事では、ExpressVPNがどれくらいのデータを消費するのか、その仕組みを解説し、データ使用量を賢く節約するための5つの具体的な方法を詳しくご紹介します。
この記事を読めば、データ量を気にすることなく、ExpressVPNのセキュリティとプライバシーを最大限に活用できるようになります。
なぜVPNはデータを消費するのか?ExpressVPNのオーバーヘッドを理解する
VPNを利用するとデータ使用量が増える主な理由は、「暗号化によるオーバーヘッド」にあります。
オーバーヘッドとは、本来のデータに加えて追加される、制御情報やヘッダーなどの付加的なデータのことです。ExpressVPNのようなVPNサービスは、ユーザーの通信を第三者から保護するために、強力な暗号化を施します。この暗号化プロセスで、元のデータパケットが暗号化され、新しいヘッダー情報が付与された別のパケットにカプセル化されます。この追加情報分が、データ使用量の増加として現れるのです。
一般的に、このオーバーヘッドによるデータ増加率は5%から15%程度と言われています。例えば、1GBの動画をストリーミングした場合、VPNを経由すると1.05GBから1.15GBのデータを消費する計算になります。これは一見小さな差に思えるかもしれませんが、高画質の動画視聴や大容量ファイルのダウンロードを頻繁に行うと、積み重なって大きな差になる可能性があります。
このオーバーヘッドの量は、使用するVPNプロトコルによっても変動します。プロトコルとは、VPN接続を確立するための通信規約のことで、それぞれセキュリティ強度や通信速度、そしてデータ効率が異なります。次のセクションで、ExpressVPNで利用できるプロトコルと、それぞれのデータ使用量の違いについて詳しく見ていきましょう。
ExpressVPNのプロトコル別データ使用量の比較
ExpressVPNでは、状況に応じて複数のVPNプロトコルを選択できます。データ使用量を節約するためには、最も効率的なプロトコルを選ぶことが重要です。ここでは、主要なプロトコルの特徴とデータ効率を比較します。(この記事は2025年10月時点の情報に基づいています。)
Lightway:最速かつ最もデータ効率が良い
Lightwayは、ExpressVPNが独自に開発した最新のプロトコルです。速度、安定性、そしてセキュリティを高いレベルで両立させることを目的に設計されており、データ効率の面でも非常に優れています。コードベースが軽量であるため、暗号化によるオーバーヘッドが他のプロトコルに比べて最も少なくなります。データ使用量を最小限に抑えたい場合、Lightwayが第一の選択肢となるでしょう。
OpenVPN (UDP/TCP):信頼性と柔軟性の標準
OpenVPNは、長年にわたり業界標準として利用されてきた信頼性の高いプロトコルです。ExpressVPNでは、UDPとTCPの2種類を選択できます。
- UDP (User Datagram Protocol): TCPよりも高速で、データチェックが簡素なためオーバーヘッドが少なめです。ストリーミングやオンラインゲームなど、速度が重視される用途に適しています。
- TCP (Transmission Control Protocol): データが確実に届いたかを確認する仕組みがあるため、UDPよりも信頼性が高いですが、その分オーバーヘッドが大きくなります。Webサイトの閲覧など、データの完全性が重要な場合に適しています。
データ節約の観点からは、OpenVPNを選ぶならUDPの方が有利です。
IKEv2/IPsec:モバイル利用に最適
IKEv2 (Internet Key Exchange version 2)は、特にモバイルデバイスでの利用に適したプロトコルです。Wi-Fiとモバイルデータ通信の切り替えなど、ネットワークが頻繁に変わる環境でも安定して接続を維持できる強みがあります。データ効率はLightwayとOpenVPN (UDP)の中間程度ですが、その安定性からモバイルユーザーにとっては有力な選択肢です。
結論として、データ使用量を最も重視するなら「Lightway」プロトコルを選択するのが最適です。
データ使用量を賢く節約する5つの実践的な方法
VPNの仕組みを理解したところで、次にデータ使用量を具体的に節約するための5つの方法をご紹介します。これらの設定を組み合わせることで、通信量を効果的に管理できます。
1. 最適なプロトコル「Lightway」を選択する
前述の通り、最も簡単で効果的な方法は、データ効率に優れたLightwayプロトコルを利用することです。ExpressVPNのアプリ設定から「プロトコル」の項目を開き、「自動」または「Lightway – UDP」を選択しましょう。多くの場合、「自動」設定でもLightwayが優先的に選ばれますが、確実に設定したい場合は手動で指定すると良いでしょう。
2. スプリットトンネリングを活用する
スプリットトンネリング(分割トンネリング)は、VPNを経由するアプリと、経由しないアプリを個別に設定できる非常に便利な機能です。例えば、セキュリティが重要なブラウジングや海外サービスの利用はVPN経由にし、データ消費の大きい動画アプリや、VPN接続を必要としない国内サービス(銀行アプリなど)はVPNから除外するといった使い方が可能です。これにより、不要な通信のオーバーヘッドをなくし、データ使用量を大幅に削減できます。
3. 動画ストリーミングの画質を調整する
VPNのオーバーヘッドは、元のデータ量に対する割合で増加します。つまり、元のデータ消費が大きければ大きいほど、VPNによる追加のデータ量も増えるということです。特にデータ消費の激しい動画ストリーミングでは、画質を少し下げる(例: 4Kから1080pへ)だけで、全体のデータ使用量を大きく節約できます。これはVPN利用時に限らず有効なテクニックです。
4. 不要な時はVPNをオフにする
基本的なことですが、意外と見落としがちなポイントです。信頼できる自宅のWi-Fi環境で、特にプライバシーを保護する必要のない通信を行う場合は、VPN接続を一時的にオフにしましょう。常時接続は安心感がありますが、必要な時にだけオンにする習慣をつけることで、無駄なデータ消費を防げます。
5. Wi-Fi環境を優先的に利用する
モバイルデータ通信の容量に制限がある場合は、大容量のダウンロードやアップデート、動画の視聴などは可能な限りWi-Fi環境で行うように心がけましょう。外出先でフリーWi-Fiを利用する際は、セキュリティ確保のためにExpressVPNをオンにすることを忘れずに。この使い分けが、モバイルデータの節約に繋がります。
モバイル環境でのExpressVPN利用とデータ管理
スマートフォンやタブレットでExpressVPNを利用する際は、PCでの利用とは少し異なる注意点があります。特にバックグラウンドでのデータ消費は、モバイルユーザーにとって重要な関心事です。
ExpressVPNアプリ自体は、バックグラウンドで大量のデータを消費するようには設計されていません。しかし、他のアプリがバックグラウンドで通信を行う際、VPNがオンになっていると、その通信すべてにオーバーヘッドが加わります。例えば、SNSアプリの自動更新やメールの受信、OSのアップデートチェックなどがこれにあたります。
これを管理するためには、以下の2つのアプローチが有効です。
- OSのバックグラウンド更新設定を見直す: iOSやAndroidの設定で、アプリごとのバックグラウンドデータ更新を制限することができます。特にデータ消費の大きいアプリのバックグラウンド通信をオフにすることで、VPN利用時のデータ消費も間接的に抑えられます。
- スプリットトンネリングを徹底する: モバイル環境こそ、スプリットトンネリングが真価を発揮します。頻繁にバックグラウンド通信を行うものの、必ずしもVPN保護を必要としないアプリ(天気予報アプリなど)をVPN接続から除外することで、効率的なデータ管理が可能です。
ExpressVPNの「ネットワーク保護(キルスイッチ)」機能は、VPN接続が予期せず切断された場合にインターネット通信を自動でブロックし、データ漏洩を防ぐ重要な機能です。この機能自体がデータを消費することはありませんが、モバイル環境の不安定な接続下では、再接続が頻繁に試みられることでわずかなデータを消費する可能性はあります。しかし、そのデータ量はごくわずかであり、セキュリティ上のメリットの方がはるかに大きいため、有効にしておくことを強く推奨します。
まとめ:ExpressVPNのデータ使用量を賢く管理しよう
本記事では、ExpressVPN利用時のデータ使用量とその節約方法について解説しました。要点をまとめると以下の通りです。
- VPNによるデータ増量は暗号化のオーバーヘッドが原因で、通常5%〜15%程度。
- データ節約には、ExpressVPN独自のプロトコル「Lightway」が最も効果的。
- スプリットトンネリングや画質調整、不要時のオフなどを組み合わせることで、さらに効率的にデータを管理できる。
これらのポイントを理解し実践すれば、データプランを圧迫することなく、ExpressVPNが提供する最高レベルのセキュリティとプライバシーを安心して利用できます。
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