「来週、候補者のAさんと面接したいんだけど、山田部長と佐藤さんの空いている時間はどこだろう…」。
採用担当者なら、誰もが一度は経験するこの悩み。
複数人が関わる面接や面談の日程調整は、関係者のカレンダーを何度も確認し、候補者に複数の候補日を送り、返信を待つ…という、時間と手間のかかる作業の連続です。
もし、この一連の作業がすべて自動化できるとしたら、どうでしょうか。
実は、多くの企業で導入されているGoogle Workspaceのある機能を使えば、それが可能になります。
本記事で紹介するのは、Googleカレンダーの「予約スケジュール」機能を応用した、複数人での面接・面談調整を全自動化する「神設定」。
この記事を読めば、面倒な日程調整から解放され、採用活動という本来のコア業務に集中できるようになります。
2025年9月時点の最新情報に基づき、具体的な設定方法から、さらに一歩進んだ活用術まで、詳しく解説していきます。
そもそもGoogleカレンダーの「予約スケジュール」とは?基本をおさらい
「予約スケジュール」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。まずは、この機能がどのようなもので、なぜ今注目されているのか、基本から確認していきましょう。
「予約スケジュール」機能の概要
「予約スケジュール」は、Google WorkspaceのBusiness Standard以上のプランで利用できる、高度な日程調整機能です。
この機能の最大の特徴は、自分のGoogleカレンダーの空き時間とリアルタイムで連携し、その中から相手に予約可能な時間枠だけを提示できる点にあります。相手は送られてきた専用の予約ページのURLにアクセスし、都合の良い時間を選ぶだけで、自動的に双方のカレンダーに予定が登録され、Google Meetの招待リンクまで発行されます。
これまでのように、
- 「〇月〇日のご都合いかがでしょうか?」とメールを送る
- 「その日は難しいです」と返信が来る
- 「では、こちらの候補日では…」と再度メールを送る
といった、不毛なメールの往復は一切不要になります。まさに、日程調整のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する機能と言えるでしょう。
旧機能「予約枠」との違いは?
Googleカレンダーには、以前から「予約枠」という似た機能がありました。しかし、「予約スケジュール」はその後継として登場した、よりパワフルで使いやすい機能です。
主な違いは以下の通りです。
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- 専用の予約ページ: 予約スケジュールでは、プロフェッショナルな見た目の単独の予約ページが作成されます。複数の予約スケジュールを一覧で表示することも可能です。
- 二次的なカレンダーのサポート: 複数のカレンダー(例:個人の予定、チームの共有カレンダー)の空き状況を考慮して、予約可能な時間帯を自動で判定できます。
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- 柔軟なカスタマイズ: 予約と予約の間に自動で休憩時間を設けたり、1日に受け付ける予約数を制限したりと、より細やかな設定が可能です。
もし今でも古い「予約枠」を使っているなら、すぐに「予約スケジュール」へ移行することをおすすめします。その利便性の違いに驚くはずです。
なぜ今「予約スケジュール」が注目されるのか?
リモートワークやハイブリッドワークが常識となった現代において、オンラインでの面接や面談は当たり前になりました。それに伴い、スケジュール調整の複雑さは増すばかりです。
特に採用活動においては、候補者、人事担当者、現場のマネージャー、時には役員まで、多くの関係者のスケジュールをすり合わせる必要があります。この調整業務がボトルネックとなり、採用スピードが低下したり、担当者が疲弊してしまったりするケースは少なくありません。
「予約スケジュール」は、この現代的な課題に対する明確な解決策です。面倒な調整業務をテクノロジーに任せることで、人はより創造的で付加価値の高い仕事に集中できる。この「採用DX」の流れが加速する中で、「予約スケジュール」はなくてはならないツールとして注目を集めているのです。
【本題】複数人での面接・面談を自動化する神設定 3ステップ
お待たせしました。ここからが本記事の核心部分です。複数の面接官が参加する面接のスケジュール調整を、たった3つのステップで自動化する具体的な設定方法を解説します。
ステップ1:基本の予約スケジュールを作成する
まずは、Googleカレンダーを開き、左上の「作成」ボタンから「予約スケジュール」を選択します。すると、画面右側に設定パネルが表示されます。
ここで、基本的な項目を設定していきましょう。
- タイトルを追加: 候補者にも表示されるため、分かりやすい名前を付けます。(例:「一次面接(採用担当)」「カジュアル面談」など)
- 予約時間: 1回の面接時間に合わせて設定します。(例:30分、1時間)
- 全般的な対応時間: 予約を受け付ける曜日と時間帯を設定します。例えば、「平日の10時~17時の間」といった形で指定できます。
- 予約可能な期間: いつからいつまでの予約を受け付けるかを設定します。無期限にすることも可能です。
これらの基本設定は、1対1の面談を設定する際と何ら変わりありません。まずは土台となるスケジュールを作成することが第一歩です。
ステップ2:複数の面接官をカレンダーに追加する(最重要ポイント)
ここが、複数人での調整を自動化するための最も重要な設定です。
設定パネルを下にスクロールすると、「予約の管理と確認」というセクションがあります。その中にある「カレンダーで予約可能な時間帯を確認する」という項目に注目してください。
デフォルトでは、あなた自身のカレンダーが選択されています。ここの「+」ボタンをクリックし、一緒の面接に参加する他の面接官(例:山田部長、佐藤さん)のメールアドレスを追加します。
【ここが神設定のポイント】
この設定を行うと、Googleカレンダーは、あなたと、ここに追加された全てのメンバーの「全員が空いている時間」を自動で算出し、その時間帯だけを予約可能な枠として候補者に提示してくれるようになります。
もう、あなたが全員分のカレンダーを睨めっこしながら空き時間を探す必要はありません。Googleがすべて代行してくれるのです。
一点、注意点があります。予約スケジュールの設定項目には「共同ホストを追加」という欄もありますが、これは単にGoogle Meetの共同ホストを追加するだけの機能です。複数人の空き時間を考慮させたい場合は、必ず「カレンダーで予約可能な時間帯を確認する」の項目にメンバーを追加する、と覚えておいてください。これが、多くの人が見落としがちな、しかし最も効果的な設定なのです。
ステップ3:予約フォームと通知をカスタマイズする
最後に、候補者が予約する際の入力フォームや、予約後の通知設定を整えます。
- 予約フォーム: デフォルトでは「姓」「名」「メールアドレス」が必須項目になっています。これに加えて、「電話番号」や「応募職種」「簡単な自己PR」といった項目を自由に追加できます。これにより、予約と同時に必要な情報を収集することが可能です。
- 予約の確認とリマインダー: 予約が完了した際に、候補者と面接官全員に確認メールが自動で送信されます。また、面接の直前(例:1日前、1時間前)にリマインダーメールを自動送信する設定も可能です。これにより、うっかり忘れやダブルブッキングを未然に防ぐことができます。
もちろん、これらの通知メールには、自動で生成されたGoogle Meetのビデオ会議リンクが含まれています。候補者は、予約確定メールに記載されたリンクをクリックするだけで、当日の面接に参加できるのです。
以上3ステップで設定は完了です。あとは、作成された予約ページの共有リンクを候補者に送るだけ。これだけで、あの煩わしかった複数人の日程調整業務が完全に自動化されます。
さらに効率化!予約スケジュール応用テクニックと注意点
基本設定だけでも十分に強力ですが、「予約スケジュール」のポテンシャルはまだまだあります。ここでは、さらに一歩進んだ応用テクニックと、利用する上での注意点をご紹介します。
応用テクニック1:面接の種類ごとに予約ページを使い分ける
採用プロセスは、通常複数のステップで構成されます。このステップごとに、異なる予約スケジュールページを作成すると、管理が非常にスムーズになります。
- 一次面接用ページ: 面接官は人事担当者のみ。予約時間を30分に設定。
- 二次面接用ページ: 面接官は人事担当者と現場マネージャー。予約時間を1時間に設定し、両名のカレンダーを連携。
- 最終面接用ページ: 面接官は役員と人事部長。予約時間を1時間に設定し、役員秘書のカレンダーも連携して空き時間を確保。
このように、面接のフェーズに合わせて複数の予約ページを用意し、通過した候補者に次のステップの予約リンクを送る、というフローを構築することで、採用プロセス全体をシステマティックに管理できます。
応用テクニック2:「予約と予約の間隔」機能で準備時間を確保する
面接が立て続けに入ってしまうと、前の面接の評価をまとめたり、次の候補者の情報を確認したりする時間がなくなってしまいます。そんな事態を防ぐのが「予約と予約の間隔」機能です。
例えば、この間隔を「15分」に設定しておけば、10:00から1時間の面接予約が入った場合、次の予約可能な時間は11:15からとなります。この15分のバッファがあるだけで、面接官は落ち着いて次の準備に移ることができ、面接の質を維持することにも繋がります。これは、面接官の負担を軽減するための非常に重要な機能です。
応用テクニック3:Googleフォームと連携して事前アンケートを実施する
予約フォームで聞けることには限りがあります。より詳細な情報を事前に収集したい場合は、Googleフォームとの連携が有効です。
まずGoogleフォームで詳細なアンケートを作成し、そのリンクを予約完了後の確認メールに記載します。「面接までにご回答ください」と一言添えておけば、候補者のスキルセットや志望動機などを、面接前により深く理解することができます。収集した回答はスプレッドシートに自動で集約されるため、面接官全員で簡単に共有できます。
複数人設定における注意点
非常に便利な複数人設定ですが、一つ注意点があります。それは、「全員の空き時間」がなければ、予約枠が一切表示されないという点です。
例えば、AさんとBさんのカレンダーを連携させた場合、Aさんが終日「移動」で予定をブロックし、Bさんが別の日に終日「社内会議」でブロックしていると、共通の空き時間がなくなり、候補者には予約可能な時間が一つも表示されない、という事態が起こり得ます。
これを防ぐためには、面接官同士で「この曜日の午後は面接用に空けておく」といったルールを事前に共有しておくことが重要です。また、タイムゾーンの設定にも注意しましょう。海外の候補者と面接する際は、相手のタイムゾーンで予約ページが表示されるように設定を確認する必要があります。
Google Workspaceで実現する採用DXのネクストステップ
今回ご紹介したGoogleカレンダーの「予約スケジュール」は、Google Workspaceが持つ数多くの機能のほんの一部に過ぎません。採用業務全体を見渡せば、さらなる効率化の可能性が広がっています。
面接だけじゃない!Google Workspace連携で採用業務を丸ごと効率化
Google Workspaceをフル活用すれば、日程調整だけでなく、採用に関わる様々な業務を効率化できます。
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- 候補者管理 (Google Sheets): 応募者リストや選考状況をスプレッドシートで一元管理。関数やフィルタを使えば、簡易的な採用管理システム(ATS)として十分に機能します。
- 情報共有 (Google Drive): 履歴書や職務経歴書を安全なクラウドストレージで管理し、関係者のみに共有。バージョン管理も容易です。
- コミュニケーションの自動化 (Gmail): Gmailの「テンプレート」機能を使えば、合否連絡や次のステップの案内など、定型的なメールをワンクリックで送信できます。
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- AIによるアシスト (Gemini): Google Workspaceに統合されたAIアシスタント「Gemini」を活用すれば、面接の議事録を自動で要約したり、候補者への魅力的なスカウトメールの文面を生成したりと、作業の質とスピードを飛躍的に向上させることが可能です。
これらのツールを連携させることで、採用活動はより戦略的で、データに基づいたものへと進化していくでしょう。
コストを抑えて導入するには?
ここまで読んで、「ぜひ自社でも導入したい!」と思った方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介した「予約スケジュール」機能は、Google WorkspaceのBusiness Standardプラン(月額1,600円/ユーザー)から利用可能です。
「でも、導入にはコストがかかる…」と懸念されるかもしれません。しかし、日程調整にかかっていた人件費や、採用スピードの向上による機会損失の削減を考えれば、十分に投資価値のあるサービスです。
さらに、導入コストを少しでも抑えたいと考えている方に朗報です。実は、Google Workspaceには、公式サイトから直接申し込むよりもお得に契約できる「プロモーションコード」が存在します。
以下のページでは、2025年最新のプロモーションコード情報や、その適用方法をどこよりも詳しく解説しています。1ユーザーあたり15%もの割引が適用される大変お得な情報ですので、導入を検討する際は、必ずチェックすることをおすすめします。
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賢くコストを抑え、最先端の業務環境を手に入れてください。
まとめ:日程調整の自動化は、働き方改革の第一歩
今回は、Googleカレンダーの「予約スケジュール」機能を活用して、複数人が関わる面接・面談の日程調整を自動化する方法について詳しく解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントを振り返ります。
- 「予約スケジュール」はBusiness Standard以上のプランで利用可能。
- 複数人の空き時間を考慮させるには「カレンダーで予約可能な時間帯を確認する」にメンバーを追加する。
- 面接フェーズごとに予約ページを分けると管理がしやすい。
- Google Workspace全体を活用することで、採用DXはさらに加速する。
日程調整という、誰もが「面倒だ」と感じながらも、仕方なく続けてきた作業。それを自動化することは、単なる業務効率化に留まりません。創出された時間で、より本質的な対話や戦略立案に集中できるようになり、それは従業員の満足度向上、ひいては企業全体の生産性向上へと繋がっていきます。
まずは、ご自身のチームの小さなミーティングからでも構いません。ぜひ、この「神設定」を試してみてください。その効果の大きさに、きっと驚くはずです。
そして、本格的な導入を検討される際は、お得なプロモーションコードの活用をお忘れなく。