オンラインでの会議や研修が当たり前になった今、参加者全員のエンゲージメントを維持し、活発な議論を生み出すことに難しさを感じていませんか。
大規模なミーティングでは、どうしても発言する人が偏りがちです。
そんな悩みを解決する強力なツールが、Google Meetに搭載されている「ブレイクアウトセッション」機能です。
この機能を使えば、大規模な会議の参加者を一時的に小さなグループに分け、それぞれで集中的なディスカッションや共同作業を促すことができます。
この記事では、ブレイクアウトセッションの基本的な概念から、主催者(ホスト)としての詳しい設定手順、参加者としての操作方法、さらには研修やワークショップを成功に導くための実践的な活用術まで、3000字を超えるボリュームで徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたもブレイクアウトセッションを自在に使いこなし、オンラインでのコラボレーションを次のレベルへと引き上げることができるでしょう。
Google Meetのブレイクアウトセッションとは?基本を理解しよう
まずは、ブレイクアウトセッションがどのような機能で、どのようなメリットをもたらすのか、基本的な部分から見ていきましょう。この機能を最大限に活用するためには、その本質と利用条件を正しく理解しておくことが重要です。
ブレイクアウトセッションで何ができるのか?
ブレイクアウトセッションとは、メインのGoogle Meet会議の中に、複数の小さな「分科会」や「小部屋」を作成できる機能です。参加者は指定された各部屋に移動し、少人数でビデオ会議を行います。そして、設定された時間が経過したり、ホストが指示したりすると、全員が再びメインの会議室に戻ってくる、という仕組みです。
この機能がもたらす主なメリットは以下の通りです。
- 参加者の発言促進: 大人数の中では発言しにくいと感じる人も、少人数のグループなら安心して意見を述べやすくなります。これにより、多様な意見を引き出し、議論を深めることができます。
- エンゲージメントの向上: 一方的に話を聞くだけの受け身の姿勢から、グループの一員として能動的に参加する姿勢へと変化を促します。これにより、参加者の集中力と満足度が向上します。
- 効率的な共同作業: 特定のテーマについてグループごとに作業を分担し、後で成果を持ち寄るといった使い方が可能です。アイデア出し(ブレインストーミング)や問題解決のワークショップで非常に効果的です。
具体的な活用シーンとしては、以下のような場面が考えられます。
- 企業研修: 講義内容に関するディスカッションや、ケーススタディのグループワーク。
- オンライン授業: 特定の課題について生徒同士で話し合わせる協同学習。
- 大規模なウェビナー: 参加者同士の交流を促すためのテーマ別グループディスカッション。
- プロジェクト会議: チームを機能別に分け、それぞれのタスクについて詳細を詰める。
- オンラインイベント: 初対面の参加者同士が打ち解けるためのアイスブレイク。
このように、Google Meetのブレイクアウトセッションは、単なる雑談の場を提供するだけでなく、明確な目的を持ったコラボレーションを促進するための強力なツールなのです。
どのGoogle Workspaceプランで利用できる? (2026年1月時点)
非常に便利なブレイクアウトセッション機能ですが、残念ながらすべてのGoogle Workspaceプランで利用できるわけではありません。2026年1月時点の公式情報によると、この機能が利用可能なのは以下のプランです。
- Google Workspace Business Standard
- Google Workspace Business Plus
- Google Workspace Enterprise(Essentials, Standard, Plus)
- その他、教育機関向けや非営利団体向けの特定プラン
重要なのは、最も安価な「Business Starter」プランでは、ブレイクアウトセッション機能は利用できないという点です。もし現在Business Starterプランを利用していて、ブレイクアウトセッションを使いたい場合は、プランのアップグレードを検討する必要があります。
Business Standardプランにアップグレードすれば、ブレイクアウトセッションだけでなく、ビデオ会議の録画機能や2TBの大容量クラウドストレージなど、ビジネスの生産性をさらに向上させる多くの機能が使えるようになります。
【ホスト向け】ブレイクアウトセッションの設定から管理までの完全手順
ここからは、会議の主催者(ホスト)向けに、Google Meetでブレイクアウトセッションを設定し、管理するための具体的な手順を詳しく解説します。操作は直感的で、一度覚えてしまえば簡単です。
セッションの事前設定と開始方法
ブレイクアウトセッションは、会議中にその場で設定することもできますが、大人数の会議ではGoogleカレンダーで事前に設定しておくとスムーズです。
方法1: Googleカレンダーで事前に設定する
- Googleカレンダーで新しい予定を作成します。
- 「Google Meetのビデオ会議を追加」ボタンをクリックします。
- その横にある歯車アイコン(ビデオ会議のオプション)をクリックします。
- 左側のメニューから「ブレイクアウト セッション」を選択します。
- セッションの数や参加者の割り当てをここで行い、保存します。
方法2: Meet会議中に設定する
- Google Meet会議画面の右下にある、図形アイコン(アクティビティ)をクリックします。
- メニューから「ブレイクアウト セッション」を選択します。
- 「ブレイクアウト セッションを設定」というパネルが表示されます。
参加者の割り当て方 – 3つの方法を使いこなす
設定パネルでは、参加者を各セッションに割り当てます。状況に応じて3つの方法を使い分けることができます。
1. 自動割り当て(シャッフル)
最も手軽な方法です。セッションの数を指定すると、Google Meetが参加者をランダムに、かつ均等に各部屋へ振り分けてくれます。アイスブレイクなど、特定のメンバー構成にこだわらない場合に最適です。「シャッフル」ボタンを押せば、何度でもランダムな組み合わせを再生成できます。
2. 手動割り当て
特定のメンバーでグループを構成したい場合に用います。参加者の一覧が表示されるので、各参加者の名前をドラッグ&ドロップして、割り当てたいセッションに移動させます。プロジェクトのチームごとや、役割ごとにグループを分けたい場合に便利です。未割り当ての参加者がいないか、最後に確認しましょう。
3. Google スプレッドシートからの読み込み(私の視点・推奨)
数十人から数百人規模の大規模な研修やイベントでは、手動での割り当ては現実的ではありません。そこでおすすめしたいのが、Google スプレッドシートを活用した事前割り当てです。
この方法はあまり知られていませんが、非常に強力です。
まず、指定の形式でスプレッドシートを作成します。1列目に参加者の名前、2列目にメールアドレス、3列目に割り当てたいセッション番号を記入します。このファイルをGoogleドライブに保存しておき、カレンダーで会議を設定する際に読み込むことで、一瞬で割り当てが完了します。大規模なイベントを運営する際には、この方法が圧倒的に効率的です。
割り当てが完了したら、右下の「セッションを開始」ボタンをクリックすると、各参加者の画面に参加への招待が表示されます。
セッション中の便利な管理機能
セッションが開始された後も、ホストには様々な管理権限があります。
- タイマー設定: 「タイマー」タブで制限時間を設定できます。「〇分後にセッションを終了」にチェックを入れると、残り時間が各部屋の参加者に表示され、時間になると自動的にメインセッションに呼び戻されます。議論のタイムマネジメントに必須の機能です。
- ホストの巡回: ホストは各セッションに自由に出入りできます。各グループの議論の進捗を確認したり、質問に答えたりするために「参加」ボタンを押して部屋を巡回しましょう。
- 全員へのアナウンス: ホストはメインセッションから、すべてのブレイクアウトセッションに対して一斉にテキストメッセージを送ることができます。例えば、「残り5分です」「次の議題に移ってください」といった指示を出すのに便利です。
- セッションの編集と終了: 必要であれば、セッション中に参加者を別の部屋に移動させることも可能です。すべての議論を終える際は、「セッションを終了」ボタンを押せば、全参加者をメインセッションに呼び戻すことができます。
【参加者向け】ブレイクアウトセッションへの参加と操作方法
次に、参加者側の視点からブレイクアウトセッションの操作方法を見ていきましょう。参加者側の操作は非常にシンプルなので、初めての方でも戸惑うことは少ないでしょう。
セッションへの招待と参加
ホストがブレイクアウトセッションを開始すると、参加者の画面中央に「(ホスト名)さんからブレイクアウト セッションへの招待が届きました」という通知ポップアップが表示されます。内容を確認し、「参加」ボタンをクリックするだけです。数秒後、自動的に指定されたセッションのビデオ会議に接続されます。
もし誤って「キャンセル」を押してしまっても、画面上部に「ブレイクアウト セッションに参加」というボタンが表示され続けるので、そこからいつでも参加できます。
セッション中に行えること
ブレイクアウトセッションの部屋の中は、基本的に通常のGoogle Meet会議とまったく同じです。以下の操作が可能です。
- マイクとカメラのオン/オフ
- チャット機能を使ったテキストでの会話
- 画面共有による資料の提示
- 背景の変更やエフェクトの適用
少人数グループで、これらの機能をフル活用して密なコミュニケーションを図りましょう。
特に便利なのが「サポートをリクエスト」機能です。画面上部に表示されるこのボタンを押すと、ホストに対して「〇〇セッションがサポートをリクエストしています」という通知が送られます。技術的なトラブルが発生した場合や、議論に行き詰まってホストのアドバイスが欲しい場合に、メインセッションにいるホストを呼び出すことができます。
メインセッションへの戻り方
メインセッションに戻る方法は2つあります。
- 自分で戻る: 画面上部の「メインルームに戻る」ボタンをクリックすると、いつでも自分の意志でメインセッションに戻ることができます。ただし、グループワークの途中で勝手に戻ると進行の妨げになる可能性があるので、基本的にはグループのメンバーと合意の上で操作しましょう。
- ホストによって呼び戻される: ホストがタイマーを設定していた場合、残り時間がゼロになると30秒のカウントダウンが始まり、その後自動的にメインセッションに移動します。また、ホストが「セッションを終了」を操作した場合も同様に、全参加者が一斉にメインセッションへと呼び戻されます。
参加者側の操作はこれだけです。シンプルですが、これらの機能を理解しておくことで、よりスムーズにグループワークに参加できます。
ブレイクアウトセッション活用術とよくある質問 (FAQ)
最後に、Google Meetのブレイクアウトセッションをさらに効果的に活用するためのアイデアと、初心者がつまずきがちなポイントをQ&A形式で解説します。
研修・ワークショップを成功させる活用アイデア
ただグループに分けるだけではなく、一工夫加えることで、ブレイクアウトセッションの効果を最大化できます。
1. アイスブレイクでの活用
研修やイベントの冒頭で、2〜3人のランダムなグループに分け、「最近ハマっていること」「週末の過ごし方」といった気軽なテーマで5分程度の自己紹介タイムを設けます。これにより、参加者同士の緊張がほぐれ、その後の本編でのコミュニケーションが格段にスムーズになります。
2. ワールドカフェ方式
一つの大きなテーマについて、メンバーを入れ替えながら議論を深めていく手法です。
- まず、ランダムな4人グループで10分間議論します。
- ホストは各グループに1人だけ(テーブルホスト)を残し、他のメンバーは別のグループに移動するように手動で割り当て直します。
- 新しいメンバー構成で、前のグループの議論内容を共有しながら、さらに10分間議論を続けます。
これを数回繰り返すことで、多様な視点が混ざり合い、アイデアが洗練されていきます。
3. ジグソー法
協同学習で特に効果的な手法です。
- まず、専門テーマA, B, Cを学ぶための「エキスパートグループ」を3つ作ります。参加者はそれぞれのグループで専門知識を深めます。
- 次に、A, B, Cの各エキスパートが1人ずつ含まれる新しい「ホームグループ」を再編成します。
- ホームグループ内で、各エキスパートが学んできた内容を他のメンバーに教え合い、全員がすべてのテーマを理解することを目指します。
これにより、参加者の能動的な学習と他者への説明責任が生まれ、学習効果が飛躍的に高まります。
よくある質問とトラブルシューティング
- Q. 会議画面にブレイクアウトセッションのアイコンが表示されません。
- A. いくつか原因が考えられます。まず、ご利用のGoogle Workspaceプランを確認してください。前述の通り、「Business Starter」プランでは利用できません。次に、あなたがその会議の主催者(ホスト)であるか確認してください。ブレイクアウトセッションの設定はホストのみ可能です。また、他のユーザーが作成した会議に参加している場合も、そのユーザーから共同主催者に指名されない限り設定はできません。
- Q. 参加者が自分で好きなセッションに入ることはできますか?
- A. 2026年1月現在、Google Meetの標準機能では、参加者が自らセッションを選択することはできません。割り当てはすべてホストが行う必要があります。ただし、今後のアップデートで機能が追加される可能性はあります。
- Q. ブレイクアウトセッション中の様子を録画できますか?
- A. 重要な注意点として、録画されるのはメインセッションのみです。各ブレイクアウトセッション内での会話や共有画面は録画されません。もし各グループの議論内容を記録として残したい場合は、各グループに書記担当者を決め、Google ドキュメントやJamboardなどに記録してもらうよう事前に指示しておく必要があります。
- Q. 招待されたゲスト(Googleアカウントを持っていないユーザー)も参加できますか?
- A. はい、参加できます。ただし、ホストが匿名ユーザーをセッションに割り当てることはできないため、メインセッションに残ることになります。確実な運用のためには、参加者には事前にGoogleアカウントでログインしてもらうよう案内するのが最善です。
まとめ
本記事では、Google Meetのブレイクアウトセッション機能について、その基本からホスト・参加者双方の操作手順、そして実践的な活用法まで、包括的に解説しました。
ブレイクアウトセッションは、ただ参加者を分けるだけの単純な機能ではありません。
オンラインコミュニケーションにおける「受け身」の壁を壊し、参加者一人ひとりが主役となれる環境を作り出すための戦略的なツールです。
研修のグループワーク、授業での協同学習、大規模イベントでの交流など、その活用シーンは無限大です。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、まずは次回の小規模なチームミーティングで、試しに5分間のブレイクアウトセッションを試してみてはいかがでしょうか。
その小さな一歩が、あなたのチームのコラボレーションを大きく前進させるはずです。
なお、ブレイクアウトセッションをはじめとするGoogle Workspaceの高度な機能をフル活用するには、Business Standard以上のプランが必要です。もし現在Business Starterをご利用の場合や、これから新規でGoogle Workspaceの導入を検討している場合は、お得なプロモーションコードを利用したアップグレードや契約がおすすめです。割引価格で導入できる方法の詳細は「Google Workspace プロモーションコード【最新2026年版】15%割引クーポン無料配布中」の記事で詳しく解説していますので、コストを抑えつつ最高の環境を手に入れたい方は、ぜひ一度ご確認ください。
