Google Workspaceをご利用の日本のビジネスパーソン、そして一般ユーザーの皆様へ。
本記事は、Google Workspaceの公式アップデートブログ（https://workspaceupdates.googleblog.com/）で発表された最新情報をもとに、皆様の業務や情報収集に役立つ新機能について解説します。
2025年5月22日、GoogleはAIアシスタント「Gemini」の高度なリサーチ機能である「Deep Research」に関する複数の機能強化を発表しました。今年2月に登場したDeep Researchは、複雑なトピックについてユーザーに代わって調査を行い、その結果を詳細かつ分かりやすいレポートとして数分で提示することで、従来数時間を要していたリサーチ作業を大幅に短縮する画期的な機能です。
今回のGoogle I/Oで発表されたアップデートにより、このDeep Researchがさらにパワフルで使いやすくなりました。日本のユーザーや企業の皆様にとって、どのようなメリットや変更点があるのか、詳しく見ていきましょう。
Deep Researchとは？改めてその価値を確認
まず、Deep Researchの基本的な価値をおさらいしましょう。この機能は、特定のテーマに関する情報を広範に収集・分析し、構造化されたレポートを自動生成します。例えば、新しい市場トレンドの調査、競合他社の動向分析、専門的な技術情報の収集など、時間がかかりがちな情報収集作業をGeminiが代行してくれるのです。これにより、ユーザーは情報収集の時間を削減し、より本質的な分析や意思決定に集中できるようになります。
注目すべき4つの機能強化ポイント
今回のアップデートで、Deep Researchは以下の点で強化されました。
最新AIモデル「2.5 Flash (experimental)」の利用が可能に
Deep Researchで、より高速な処理が期待できる最新の実験的モデル「2.5 Flash」を利用できるようになりました。なお、Gemini Advancedユーザーは引き続き、最も高度な推論能力を持つ「2.5 Pro (experimental)」モデルも利用可能です。これにより、リサーチの速度と質のバランスを、ニーズに応じて選択しやすくなります。PDFや画像の直接アップロード、Google Drive連携に対応
これが今回の目玉機能の一つと言えるでしょう。Deep ResearchにPDFファイルや画像を直接アップロードできるようになりました。さらに、Google Drive上のドキュメントをリンクすることも可能です。これにより、公開されている情報だけでなく、皆様がお持ちの社内資料や独自データといったプライベートな情報も組み合わせて、より深い洞察に基づいたリサーチレポートを作成できます。例えば、業界レポート（公開情報）と自社の過去の販売データ（PDF）を組み合わせて分析する、といった活用が考えられます。関連情報の積極的な提案機能
Geminiが、生成されたレポート内に関連性の高いリソースを積極的に提案してくれるようになります。これには、インタラクティブなグラフ、計画シミュレーター、関連トピックの深掘り情報などが含まれます。これにより、ユーザーはさらに知識を深め、多角的な視点から情報を検討することができます。Canvasでの直接編集とDocsへのエクスポート
Deep Researchで作成されたレポートを、Googleの新しいコラボレーションツール「Canvas」に直接インポートし、編集や調整を行えるようになりました。その後、さらに共同編集や文書整形が必要な場合は、Googleドキュメントにエクスポートできます。これにより、レポート作成から共有、共同作業までの一連のフローがよりスムーズになります。
日本のユーザーと企業への影響・メリット
これらの機能強化は、日本のユーザーや企業にとって多くのメリットをもたらします。
業務効率の大幅な向上: 特に資料のアップロード機能は、日本語の独自資料や社内データを活用したリサーチを可能にし、日本市場に特化した分析やレポート作成の時間を劇的に短縮します。
意思決定の質の向上: 公開情報と内部情報を組み合わせることで、より精度の高い、状況に即した分析が可能となり、的確な意思決定を支援します。
情報収集の深化: 関連情報の提案機能により、これまで気づかなかった新たな視点や情報を得られ、リサーチの質が向上します。
コラボレーションの促進: CanvasやGoogleドキュメントとの連携強化により、チーム内でのレポート共有や共同編集が容易になり、プロジェクトの進行がスムーズになります。
例えば、新製品開発のための市場調査、競合分析、法規制の変更に伴う影響調査、社内ナレッジの整理・要約など、多岐にわたる業務での活用が期待できます。
利用開始方法
管理者の方へ: Deep ResearchはGeminiアプリ内でデフォルトで利用可能です。この機能に関する個別の管理者設定は不要です。
エンドユーザーの方へ: Geminiアプリで詳細なリサーチを行う方法、Geminiモバイルアプリの利用開始方法、Geminiアプリでのファイルのアップロードと分析方法については、Googleヘルプセンターをご参照ください。
提供開始時期
即時リリースおよび計画的リリースのドメイン：2025年5月22日より順次展開（全ユーザーへの機能表示に1～3日かかる場合があります）。
利用可能なエディション
この機能は、以下のGoogle Workspaceエディションで利用可能です。
Business Starter, Standard, Plus
Enterprise Starter, Standard, Plus
Education Fundamentals, Standard, Plus
Frontline Starter, Standard
Essentials, Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
Nonprofits
さらに、以下のいずれかのアドオンをご利用中のGoogle Workspaceのお客様が対象となります。
Gemini Business*
Gemini Enterprise*
Gemini Education
Gemini Education Premium
*注意: Gemini Business および Gemini Enterprise アドオンは、2025年1月15日をもって新規販売を終了しています。詳細はこちらのお知らせをご参照ください。
まとめ
GeminiのDeep Research機能は、今回のアップデートにより、単なる情報検索ツールから、ユーザー独自の情報を活用し、より深い洞察を得るための強力なリサーチパートナーへと進化しました。日本語環境での利用においても、その恩恵は計り知れません。
ぜひこの進化したDeep Researchをご活用いただき、日々の業務効率化や新たな発見にお役立てください。