本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2026年1月6日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
教育現場における「個別最適化された学び」や「多様な学習スタイルへの対応」は、現代の教育者にとって大きなテーマです。
テキストを読むのが得意な生徒もいれば、耳から情報を取り入れる方が理解が進む生徒もいます。
しかし、先生方が一人ひとりに合わせて教材を作り分けるのは、時間的にも労力的にも限界がありました。
そんな教育現場の課題に、Googleの生成AI「Gemini」が新しい解を提示します。
Google Classroomに、AIを活用して「ポッドキャスト風の音声教材(Audio Lessons)」を自動生成できる機能が追加されました。
先生は、教えたいトピックや対象学年を入力するだけで、まるでラジオ番組や対談のような、聴きやすく魅力的な音声コンテンツを作成できます。
これにより、生徒たちは通学中や自宅学習の合間に、耳から楽しく学ぶことができるようになります。
2026年1月6日に発表されたこの新機能について、具体的な使い方と教育現場でのメリットを詳しく解説します。
何が変わるのか?「読む教材」から「聴く教材」も選べる時代へ
昨年、Google Classroomに統合されたGemini機能により、先生方は授業計画やクイズ作成などをAIで効率化できるようになりました。
今回のアップデートは、その機能をさらに拡張し、「音声」という新しいフォーマットを誰でも簡単に作れるようにするものです。
先生ができること:
Geminiのインターフェースから、以下の項目を指定して音声教材を生成できます。
-
対象学年(Target Grade): 小学生向けか、高校生向けかなど、難易度を調整。
-
トピック(Topic): 歴史の出来事、科学の法則、文学作品など、教えたいテーマ。
-
学習目標(Learning Objectives): この音声を聞いて何を理解してほしいか。
-
音声のスタイル:
-
スピーカーの人数: 1人で語るか、2人で掛け合いをするか。
-
会話の形式: インタビュー形式か、フランクな会話形式か。
-
これらを入力するだけで、Geminiが魅力的なスクリプトを作成し、自然な音声で読み上げたオーディオファイルを生成してくれます。先生はそれを確認し、生徒に共有するだけです。
授業での活用メリット:学びを深める「音」の力
この機能は、単なるテキストの読み上げではありません。以下のような教育的効果が期待できます。
-
学習の多様性(ユニバーサルデザイン)への対応
読字障害(ディスレクシア)を持つ生徒や、視覚的な情報処理が苦手な生徒にとって、音声教材は非常に強力な学習ツールになります。すべての生徒に公平な学びの機会を提供する手助けとなります。 -
エンゲージメントの向上
教科書を黙読するだけでは退屈しがちな内容も、対話形式のポッドキャストなら、ラジオを聞くような感覚で楽しく学べます。特に「インタビュー形式」などで専門家になりきったAIが解説することで、生徒の興味を引きつけやすくなります。 -
隙間時間の活用
音声教材なら、通学中の電車やバスの中、あるいは自宅でリラックスしている時など、画面を見られない状況でも学習を進めることができます。反転学習の事前教材としても最適です。
導入手順と注意点
管理者の方へ:
この機能を利用するには、管理コンソールで適切な設定が必要です。
-
年齢制限: AIによるコンテンツ生成機能は、原則として18歳以上のユーザー(主に教職員)のみが利用できるよう、年齢ベースのアクセス設定を確認してください。
-
サービスの有効化: 「Gemini in Classroom」のサービスをオンに設定してください。
先生方へ:
Google Classroomのナビゲーションバーにある「Gemini」タブから利用できます。
生成された音声やスクリプトは、必ず先生自身が内容を確認(ファクトチェック)してから生徒に共有してください。AIは時に誤った情報を生成する可能性があります。地域の教育方針や文脈に合わせて、適宜修正を加えることが大切です。
展開スケジュールと対象エディション
展開スケジュール:
2026年1月6日より、即時リリースおよび計画的リリースドメインの両方で一斉に展開が始まっています(1〜3日で利用可能になります)。
対象エディション:
以下のGoogle Workspace for Educationエディションをご利用の、18歳以上のユーザーが対象です。
-
Education Fundamentals
-
Education Standard
-
Education Plus
無料版のEducation Fundamentalsでも利用できるため、多くの学校ですぐに活用を始められます。
まとめ:先生の「声」以外の選択肢を
これまでの授業では、音声といえば「先生が話す声」がメインでした。
これからは、AIが作った「架空の専門家同士の対談」や「物語調の解説」など、多彩な音声コンテンツを授業のスパイスとして加えることができます。
生徒たちの「知りたい」という気持ちを刺激する、新しい形の教材づくり。
ぜひ一度、Google Classroomで試してみてください。