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n8nで巨大なCSVファイルを分割・結合・加工する効率的な方法

「数十万行のCSVファイル、Excelで開こうとしたらフリーズしてしまった…」。

「大量の顧客データを手作業で分割・加工するのに、もう何時間もかかっている…」。

データ活用の現場では、このような巨大なCSVファイルとの格闘が日常茶飯事です。

手作業での処理は時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーの原因にもなりかねません。

もしあなたがこのような課題を抱えているなら、iPaaS(Integration Platform as a Service)であるn8n(エヌエイトエヌ)がその解決策になるかもしれません。

この記事では、プログラミングの知識がなくても、n8nを使って巨大なCSVファイルを効率的に「分割」「結合」「加工」するための、具体的で実践的な方法を徹底解説します。

この記事を読み終える頃には、面倒なCSV処理から解放され、より価値のある業務に集中するための第一歩を踏み出せているはずです。

なぜ巨大CSVファイルの処理にn8nが最適なのか?

巨大なCSVファイルを扱う際、多くの人がまずExcelやGoogleスプレッドシートを思い浮かべるでしょう。しかし、これらのツールには限界があります。なぜn8nがこれらのツールよりも優れているのか、その理由を掘り下げてみましょう。

Excelやスプレッドシートの限界と課題

Excelやスプレッドシートは非常に優れたツールですが、扱えるデータ量には物理的な上限があります。特に数万行、数十万行を超えるデータになると、以下のような問題が頻発します。

  • メモリ不足とフリーズ: ファイルを開くだけでPCのメモリを大量に消費し、動作が極端に遅くなったり、最悪の場合はアプリケーションがフリーズしたりします。
  • 処理速度の低下: フィルタリングや並べ替え、関数の計算といった単純な操作ですら、データの量に比例して待ち時間が増大します。
  • 手作業によるミスの誘発: データを分割するために手作業でコピー&ペーストを繰り返すと、範囲の選択ミスや貼り付けミスといったヒューマンエラーが発生しやすくなります。
  • 再現性の欠如: 複雑な手作業は再現が難しく、同じ処理を再度行う場合に手間がかかります。また、他の人がその作業を引き継ぐのも困難です。

これらの課題は、データ処理業務のボトルネックとなり、生産性を著しく低下させます。

n8nの強み:ストリーミング処理とノードベースの直感的操作

n8nが巨大CSVの処理に強い最大の理由は、「ストリーミング処理」に対応している点にあります。これは、2025年11月時点でのn8nの非常に強力な機能の一つです。

一般的なツールがファイル全体を一度にメモリに読み込んでから処理を始めるのに対し、ストリーミング処理はデータを小さな塊(チャンク)に分け、少しずつ順番に処理していきます。これにより、PCのメモリ使用量を最小限に抑えることができ、数百万行クラスの巨大なファイルであっても、PCのスペックに依存せず安定して処理することが可能です。

さらに、n8nはワークフローを「ノード」と呼ばれる機能ブロックを繋ぎ合わせて構築します。例えば、「CSVファイルを読み込む」「データを10000行ずつに分割する」「分割したファイルに名前を付けて保存する」といった一連の流れを、プログラミングコードを書くことなく、視覚的に組み立てることができます。一度ワークフローを構築すれば、ボタン一つでいつでも同じ処理を正確に再現できるため、業務の属人化を防ぎ、大幅な効率化を実現します。

実践!n8nで巨大CSVファイルを分割する具体的なワークフロー

それでは、実際にn8nを使って巨大なCSVファイルを分割するワークフローを作成してみましょう。ここでは、10万行の顧客リストCSVを、1万行ずつの10個のファイルに分割するシナリオを例に解説します。

ステップ1: ワークフローの全体像

今回のワークフローは、以下の3つの主要なノードで構成されます。非常にシンプルです。

  1. Read Binary File: 分割したい元のCSVファイルを読み込みます。
  2. Split In Batches: 読み込んだデータを指定した行数(バッチサイズ)で分割します。
  3. Write Binary File: 分割されたデータを個別のCSVファイルとして書き出します。

この3つのノードをキャンバス上で繋ぐだけで、自動分割の仕組みが完成します。

ステップ2: 各ノードの設定方法

次に、各ノードの具体的な設定を見ていきましょう。

1. Read Binary File ノード

  • このノードを追加し、「File Path」に分割したいCSVファイルの場所を指定します。PCのローカルフォルダにあるファイルを指定できます。

2. Split In Batches ノード

  • 次に追加するのが、このワークフローの心臓部である「Split In Batches」ノードです。
  • 「Batch Size」という項目に、分割したい行数を入力します。今回は「10000」と設定します。
  • 「Options」で「Keep Headers」を有効にすると、分割後のすべてのファイルにヘッダー行を含めることができ、非常に便利です。

3. Write Binary File ノード

  • 最後に、分割されたデータをファイルとして保存するためのノードです。
  • 「File Path」に保存先のフォルダを指定します。
  • 「File Name」には、ファイル名が重複しないように動的な名前を設定するのがポイントです。ここでn8nの「式(Expression)」を使います。例えば、split_data_{{$runIndex}}.csv と入力すると、「split_data_0.csv」「split_data_1.csv」… というように、連番付きのファイルが自動で生成されます。これにより、手作業でファイル名を変更する手間が一切なくなります。

以上の設定でワークフローを実行すれば、あっという間に指定したフォルダに分割されたCSVファイルが生成されます。これまで何十分もかかっていた作業が、わずか数十秒で完了するのを体験できるでしょう。

応用編:CSVの加工と再結合、さらなる自動化へ

n8nの真価は、単なる分割だけにとどまらない点にあります。分割したデータを加工し、再び一つのファイルに結合したり、一連のプロセスを完全に自動化したりすることも可能です。

分割したデータの加工(フィルタリング・項目追加)

「Split In Batches」ノードの後段に、データを加工するためのノードを追加してみましょう。

  • Filter ノード: 「特定の条件に一致する行だけを抽出する」といった処理が可能です。例えば、「国」の列が「日本」のデータだけを抽出できます。
  • Edit Fields (Set) ノード: 「不要な列を削除する」「新しい列を追加して固定値や計算結果を入れる」といった加工が自由自在です。例えば、「姓」と「名」の列を結合して「氏名」という新しい列を作成できます。
  • Code ノード: より複雑なロジックが必要な場合は、簡単なJavaScriptを記述して高度なデータ操作を行うことも可能です。

これらのノードを組み合わせることで、分割と同時にデータクレンジングや整形を行う、高度なETL(Extract, Transform, Load)処理も実現できます。

加工したデータの再結合

分割・加工したデータを、最終的に一つのファイルにまとめたいケースもあるでしょう。その場合は、ワークフローの最後に「Merge」ノードや「Aggregate」ノードを使用します。これらのノードは、複数の入力(分割されたデータストリーム)を受け取り、それを一つのデータストリームに統合する役割を果たします。これにより、複数のCSVファイルに散らばったデータを集約し、最終的なレポート用のマスターデータを作成する、といった使い方が可能になります。

失敗しないための注意点とプロの視点

CSV処理で初心者がつまずきやすいのが、文字コードヘッダー行の扱いです。特に、日本語を含むCSVでは文字コード(Shift_JISやUTF-8など)が原因で文字化けが発生することがあります。n8nでは、ファイルの読み書き時に文字コードを明示的に指定できるため、こうしたトラブルを未然に防げます。また、分割・結合を繰り返す中でヘッダー行が重複したり欠落したりしないよう、「Split In Batches」ノードの「Keep Headers」オプションや、加工処理のロジックを慎重に設計することが、安定したワークフロー運用の鍵となります。

まとめ:CSV処理の自動化で、新しい時間の使い方を

この記事では、n8nを使って巨大なCSVファイルを効率的に分割、結合、加工する方法を解説しました。

要点をまとめると以下の通りです。

  • Excelやスプレッドシートでは難しい巨大CSVも、n8nのストリーミング処理なら安定して扱える。
  • 「分割」「加工」「結合」といった処理を、コーディング不要で視覚的なワークフローとして構築できる。
  • 一度作成したワークフローは何度でも再利用可能で、業務の属人化を防ぎ、生産性を劇的に向上させる。

手作業によるデータ処理に費やしていた膨大な時間を、これからはもっと創造的で価値のある仕事に使いませんか?n8nは、そのための強力なパートナーとなります。

n8nには、クラウド版の無料プランも用意されています。まずはそのパワフルな機能を体験してみてください。以下のリンクからサインアップすれば、すぐにでもCSV処理の自動化を始めることができます。

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